モテたい、モテない、モテたい。
モテるためのヒントが漫画にはあるかもしれない。
2020を目指す漫画好きパラアスリートが、漫画から毎日を「ちょっとだけ楽しくする」ヒントを解説。
金城宗幸先生、ノ村優介先生の『ブルーロック』から「どうすればモテるようになるか」を独断と偏見で分析しました!
「世界一のエゴイスト、出てこいや!」
世界一のフォワードを創り、サッカー日本代表のW杯優勝を目指すための高校生育成寮「青い監獄(ブルーロック )」で奮闘する原石たちを描いた異色のサッカー漫画。
本作には、多くのヒントが隠されているんです。
モテたい。
誰もが一度は思う、究極の願いのひとつ。
考えたことない人っている?というレベル。
でも、モテてる人はモテたいなんて考えてないんですよね
モテてるから。
モテたい!と思う人はNOWモテてないから「モテたい!」って思う訳なんですよ。
ビジュアルなのか、性格なのか、オシャレ度なのか、運がないのか、どんな理由があるにせよ、モテてないからモテたいんだ、僕たちは!
前回はクソ真面目に書いたので、今回はそんなモテについての話し。
(書いた後で城山さんのモテ術があることに気付きました)
『ブルーロック』では、サッカー日本代表のエースストライカーになるべく、300人の前途有望な高校生が集められ、監禁状態の中でサバイバル競争に臨んでいます。
主人公の潔世一には、これといって目立つ武器や強みはありません。
圧倒的なフィジカルもなければ、テクニックもない、スピードもない。
モテの世界で言えば、非イケメンなんです。
一方、ライバルたちは、さまざまな武器を持っています。
圧倒的なゴール数を誇る「王様(キング)」の馬狼。
「めんどくさいなー」と言いながらも抜群の身体能力、センスで立ちはだかる凪。
そもそも、日本代表になるということは、「選ばれる」ということ。
自分がどれだけ望んでいても監督やスタッフたちから選ばれなければ、日本代表にはなれません。ひいては国民からの支持まで必要かもしれません。
そして、「選ばれる」には理由が必要。
こういうプレーができるから、こういう役割を期待しているから、こういう特徴があるから。
いわば、武器や強みがあるから、選ばれるわけです。
それが他の選手よりも秀でているか、信頼できるかという関門を突破して、初めて日本代表になれるわけです。
しかし、潔はほかのメンバーと比べると、武器が弱い。
潔に与えられたミッションは、これらの強敵を打ち破るための自分の存在価値を見つけること。
これは誰にも負けない。自分の武器だ、オリジナルだ。
ナンバーワンになれればオンリーワンにもなれるという思想は、強者の論理で、マッチョすぎるところはありますが、嘘ではありません。
今回、タイトルにも入れた「一点突破」。
突破した先にはナンバーワンもオンリーワンもある。
大切なのは、その「一点」を見つけられるかどうかです。
見つけ方にはざっくり2種類あって、自分にしかないもの、自分の個性を見つけそれを伸ばす「自己分析」タイプと、他者がもっていないものの中で求められているものを探しそれを伸ばす「市場分析」タイプがあります。
潔には“当初”強烈な武器がなかった。
必然的に「市場分析」タイプを取りました。
それは諦めに似た感覚から……でも。
強烈な個では勝てない、だったら何かないか……
潔は、自分の無力さを認め、そこから探し始めます。
「青い監獄(ブルーロック)」での日々の中で、潔は弱点をあぶり出され、他者との比較に打ちひしがれながらもなんとか自分の武器が見えてきました。
これは、「モテる」ためのロジックと似ています。
生まれたときからイケメンだったら努力なんて必要ないじゃんと思ってしまいますけど、イケメンもモテるために「自己分析」の手法を取っているもの。
要は、「とにかく自分の強みを強烈に打ち出す」。
その結果が「モテる」。
イケメンでもなければ、運動神経も高くない、料理や部屋の片付けなど家事が苦手で気遣いもできるほうじゃない。
自己評価が低ければ「市場分析」タイプに移行したほうが手っ取り早いものです。
つまり「誰かが求めているところに、自分を合わせていく」。
結果、モテる。
ビジュアルはイマイチなのに、なぜかモテる、みたいな人は、聞き上手だとか、褒め上手だとか、空いたコップにビールを注ぐタイミングがいいとか、かゆいところに手が届くものです。
それではどんな“市場”を分析すればいいのか。
『ブルーロック』の市場とは、絵心やメンバーたち。
そして、彼らの先には日本代表の監督やスタッフ、日本国民たちがいる。
彼らに「選んでもらう」にはどうすればいいのか。
どの強みを強烈に打ち出すか。
誰が何を求めているのか、どう埋めるのか。
「モテる」だったら、市場は気になる女性や男性。
「日本で1番」にならなくていい。
自分の生活範囲の中で1番になれるものを探せば、それで十分です。
実際、1番になる必要もなく2番でも3番でも。「他よりちょっといい」くらいの差が生まれれば、それだけでモテる、はずです。
結論、相手から選ばれるための理由を持っていなければモテないし、その理由に気づいてもらえるように努力しなくてはダメ。
指くわえて待っていても、モテ期なんて来るはずない。
「人生には3回モテ期がある」とか言ったやつ、出てこいや!
潔は自分の無力さを認めた上で自分が生きる道を探し、その道を信じてコツコツと努力していきます。
自分の何を伸ばすのか。
自己分析タイプ、市場分析タイプ……実はどちらも行きつくところは同じ。
一点を見つけ、突破していき、自分で自分を磨いていく。
日本代表に選ばれることも、モテることも、自分ではない誰かに評価されるという点で同じです。
「モテる」って「選ばれる」ってことなんですよね。
自分ではない誰かに生き様を評価される。
それってエモいしかっこいいと思います。
ただし、頑張っても結果が伴わないこともある。
生まれながらのイケメンと自分を比べたら、不公平で「理不尽だな」と感じてしまうかもしれない。
そこで諦めるのがダメなんです。
「自分はモテない」と言う現実を受け入れるのではなく、「自分はモテる!」という理想を追い求めている。
そういう人物が「モテる」、「選ばれる」んです。
マンガというものは、最後は主人公が勝つ、宝を手に入れる、幸せになるといったハッピーエンドになるはず……
ということは、『ブルーロック』は潔が凡人から非凡になっていく姿をおっかけていけるはず。
潔はいかにして強力な競合たちと渡り合い、「選ばれる」ストライカーになっていくのか?
潔の姿は「モテる」、「選ばれる」のヒントになるはずです。
何もゴールは「異性にモテる」というだけじゃない。
上司にモテる、クライアントにモテる、先輩にモテる、先生にモテる。
もう一度言いますが、「モテる」というのは「選ばれる」ということ。
選んでもらえるような理由を持ってみませんか?
WEBメディア「Plus-handicap」編集長。生まれつき両足と右手が不自由な義足ユーザー。国際スポーツ総合競技大会の正式種目であるシッティングバレー日本代表候補。