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『DAYS』安田剛士×『ブルーロック』金城宗幸 2大サッカー漫画夢の対談! 前編

『ブルーロック』第三巻発売記念!

「週刊少年マガジン」の2大人気サッカー漫画の先生たちに対談をしてもらいました。お互いの作品の印象や「サッカー漫画を描くこと」についてなど。

前編では「安田さんにとても影響を受けています!」と語る金城先生と、「同じサッカー漫画の『ブルーロック』を意識していた」という安田先生に熱く語ってもらいました!

『DAYS』安田剛士×『ブルーロック』金城宗幸 2大サッカー漫画夢の対談! 前編

 互いの作品の印象を語る!

――お二人は本日が初対面とのことですが、同じジャンルのサッカー漫画『ブルーロック』が始まった時の安田さんの印象をお聞かせいただけますか?

 

安田先生:

「すごく面白い、これは手強いライバルが現れたぞ」と素直に思った一方で、「読者に嫌われにいっていて凄いな」と感動しました(笑)。なんで、こんな挑戦的なことができるのか、と。

 

金城先生:

いやいや、嫌われにいってなんかないですよ(笑)。むしろ、好きになってもらうための努力をメチャクチャしてます!

 

安田先生:

『振り向くな君は [※1] 』の3話目で蹴治が「ただ かおるには負けたくなかっただけで……」と言って、ちょっと“エゴ”を出すシーンがあるんですけど、その回でアンケートがガツンと下がったんですよ(笑)。その経験があったからこそ、「エゴイストであれ」という企画を前面に掲げた『ブルーロック』には驚かされました。

 ※1『振り向くな君は』安田剛士先生によるサッカー漫画。「週刊少年マガジン」にて連載された。

 

金城先生:

それには、『DAYS』の存在も大きく関わっています。既に読者の心を掴んでいる『DAYS』と同じ土俵で戦うよりは、しっかりと住み分けを意識して企画を作っていった方がいいんじゃないか、と。

 

安田先生:

『DAYS』を始めた時、マガジンには『エリアの騎士』があって、僕も似た印象にならないように考えていた覚えがあります。それにしても『全員FW』ってすごい切り口ですよね。

 

金城先生:

まず「FWを描いてみたい」欲がありました。その“自分が描きたいこと”と「新しいサッカー漫画を読みたい」という“読者の需要”をすり合わせていった結果、『ブルーロック』ができていきました。

 

――金城さんの『DAYS』に対する印象は?

 

金城先生:

僕は、安田さんの描く漫画の「勝負の熱量」の凄まじさが大好きで、とても影響を受けています。大学時代に『OverDrive[※2]』を読んだ際に、メチャクチャ鳥肌が立ったことを今でも覚えています。『DAYS』は、そんな「勝負の熱量」の凄まじさに加えて、「敗者の描き方」も素晴らしくて、読んでいていつも圧倒されています。

※2『OverDrive』安田剛士先生による自転車ロードレース漫画。「週刊少年マガジン」にて連載された。

 

安田先生:

照れますね(笑)。

 

金城先生:

『ブルーロック』でも、『DAYS』に負けずに勝負の熱さを表現できたらいいなと思って参考にさせていただいるところもあります。例えば、縦にコマをぶち抜く割り方をモデルにして演出を盛り上げようとしてみたりとか……。

 

安田先生:

そういえば、よくやってました……。あの割り方は格好良いんですけど情報があまり入らないので、最近はそんなにやらなくなっちゃったなぁ。

 

金城先生:

あのコマ割がめっちゃ好きで、初めて見た時は「これ、すげぇ……」と感動したのを今でも覚えています!

 

――安田さんも、金城さんの『ブルーロック』以外の作品も読んでいらっしゃるんですよね?

 

安田先生:

はい。それで、ずっと気になっていたのですが金城さんの作品は、なんで『神さまの言うとおり [※3] 』や『僕たちがやりました [※4] 』、そして『ブルーロック』と、ネーム(※漫画原作に作成する絵コンテ)の作り方が全然違うんですか?

 ※3『神様の言うとおり』金城宗幸原作・藤村雄二ARTによるデスゲーム漫画。「週刊少年マガジン」にて連載された。

※4『僕たちがやりました』金城宗幸原作・荒木光漫画による逃亡サスペンス漫画。「週刊ヤングマガジン」にて連載された。

 

 

ブルーロック

↑サッカーとバトル漫画を融合させた『ブルーロック』の魅せ方が斬新。

金城先生:

一応、作画の方に合わせて、あえて変えて作るようにはしています。この人の絵を活かすとしたら、どんなネームがいいか、と。

 

安田先生:

すごいですね……誰にでも合わせられるんですか?

 

金城先生:

そう努力していますが、僕が好きだと思えた漫画家さんだと特に上手くいきます。始めのネームはバッと切ってみて、その後に描いてもらった絵を見て「おっさんが格好いい」とか「男のアップが上手い」とか「この構図は描きづらいのかな?」とか……。特徴を元に、こうしていけば上手くいくんじゃないかと、色々考えながら作っていっています。

 

安田先生:

じゃあ、ノ村さんに合わせて変えていった部分もある?

 

金城先生:

『ブルーロック』は元々『DAYS』とは違うサッカー漫画にしたいと考えて「バトル漫画」っぽい要素を取り入れていこうと思っていたんです。そこに来てバトルアクションがとても得意なノ村さんに描いていただけることが決まったので、すごく嬉しくて。

ですので、ノ村さんの絵に合わせて、『ブルーロック』は想定以上にバトルアクション風味の強いサッカー漫画になっていると思います。

 

安田先生:

戦略でそんなにも器用に変えたりできるものなんですね。すごい!

 

金城先生:

そう言っていただけるとめっちゃ嬉しいです!

 

安田先生:

僕用のネームも描いてほしい……。

 

金城先生:

恐れ多いです(笑)。ラブコメとかどうですか(笑)。

 

安田先生:

いいっすね!(笑)

 

> 後編はコチラ

 

安田剛士

「週刊少年マガジン」にて、『DAYS』を連載中。週刊連載作家の中で、最もサッカーをしていると名高い漫画家(取材をした週は、1週間に3日もプレーしていたとか)。好きなサッカー選手は、【マエストロ】の愛称で知られるルイ・コスタ。

 

金城宗幸

「週刊少年マガジン」にて連載中の作品『ブルーロック』の原作を担当。日本サッカーのW杯優勝を本気で夢見るエゴイスト原作者。好きなサッカー選手は、「左足で虹を描いてみせる」という名言を残したアルバロ・レコバ。

▼Webで『DAYS』を読む

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▼Webで『ブルーロック』を読む

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▼漫画家(プロ)への花道 安田先生インタビューはコチラ

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▼漫画家(プロ)への花道 金城先生インタビューはコチラ

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