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『DAYS』安田剛士×『ブルーロック』金城宗幸 2大サッカー漫画夢の対談! 後編

『ブルーロック』第三巻発売記念!

「週刊少年マガジン」の2大人気サッカー漫画の先生たちに対談をしてもらいました。お互いの作品の印象や「サッカー漫画を描くこと」についてなど。

後編ではお二人がサッカー漫画を描く上で意識していること、考えていることを中心に、キャラクターの作り方などにも触れてもらいました!

『DAYS』安田剛士×『ブルーロック』金城宗幸 2大サッカー漫画夢の対談! 後編

サッカー漫画を描くことについて語る!

――サッカー漫画を描くにあたって意識していることがあれば教えてください。

 

金城先生:

誰がどこにいて、どこに向かってプレーしているのかをわかりやすく描くよう心がけようと思っています。サッカー漫画を描いてみて気づいたのですが、試合におけるキャラクターの動きをコントロールするのがメチャクチャ難しいんですよね。

 

安田先生:

他のスポーツと比べてコートが広い上に、キャラクターの立ち位置の指標となるコート上のラインが少ないところが難しいですよね。どう描けば読者に場所を理解してもらえるかを考えるのが大変で……。

 

金城先生:

画面を引き過ぎるとどんなプレーをしているのかわからないし、アップにすると状況がわかりづらいし……。

 

安田先生:

だから、ついついペナルティーアークやセンターサークル、タッチラインとかのライン際でのプレーが多くなっちゃう(笑)。

 

金城先生:

『ブルーロック』も同じです。ラインを描かないと不安になっちゃうんですよね(笑)。安田先生はすごく色んなことを考えて描いていらっしゃいますよね。

『DAYS』の梁山戦で、キャラクターの影の長さがちょっとずつ長くなっていくことで時間経過を表しているのを見た時、「すごい!」と思いました。

DAYS

↑試合前の影

DAYS

↑試合終了間際の影

安田先生:

選手権は冬だから、日がすぐ沈むんですよね。『エリアの騎士』は、芝をリアルに描くことで場所をわかりやすくしていたから、芝や影を上手く描けば伝わるのかも……。

 

――なるほど、「わかりやすく伝える大変さ」を理解し、意識して描写されていたからこそ、我々は普段読んでいる時に違和感をあまり抱いたことがなかったんですね。逆に、サッカー漫画を描いていて楽しい瞬間はどのような時でしょうか?

 

金城先生:

やはり、「ゴールの瞬間」は描いていてわかりやすくて楽しいですね。

 

安田先生:

たしかに『ブルーロック』は、1話の中で活躍をしっかり描くことで盛り上がる瞬間を作ってますよね。僕は漫画を描いている時は感情が〝無〟なので、「楽しい」とかは考えたことないなぁ。早く原稿が終わればフットサルできる、とか。

 

金城先生:

フットサル欲に感情が負けてる!(笑)

 

安田先生:

『ブルーロック』の、久遠が裏切ったシーンは楽しんで描いてそうだなーと思いました。

 

金城先生:

そうなんですよ。「12対10って何!?」「何、この状態!?」と思いながら描きました。

ブルーロック

↑安田先生選出。「味方の裏切り」というサッカー漫画史上最も絶望的な『ブルーロック』のワンシーン。

安田先生:

味方に裏切られたらメチャクチャ脅威ですよね(笑)。〝青い監獄〟だからこそ成立するシチュエーションで、「なるほどな」と思いながら違和感なく読めてしまうところがすごいと思いました。あの発想は、普通思いつかないですよ。久遠は今後どうなるんですか? 改心するんですか?

 

金城先生:

今後のお楽しみということで!

 キャラクターについて語る!

――サッカーは1チーム11人ということで、たくさんキャラクターが出てきますが、彼らをどのようにして作っていかれたのでしょうか?

 

安田先生:

「イブラヒモビッチみたいな奴」とか「メッシみたいな奴」とか、プレースタイルのモデルになる人物から考えていく場合もあれば、「優しい奴」とか「真面目な奴」みたいに、元になる性格を強調してキャラ付けしていく場合もあります。『ブルーロック』は、振り切ったキャラクターが多いですよね。

 

金城先生:

なるべく「こんな極端な奴いたら面白そうだな」と思えるキャラクターを意識して作ろうと思っています。なんでもそつなくこなしちゃうようなキャラクターは、立たせるのが難しいので、強い個性を持たせよう、と。

 

安田先生:

主人公は、得てしてそういうバランサーの役割を担うことが多いので、立たせにくい時がありませんか?

 

金城先生:

わかります。潔もどちらかというとバランサーの立ち位置にいるので、成長し進化していく過程の中で、潔の「我」の部分の魅力を知っていっていただけたらと思っています。目指せ、究極のストライカー!

 

――相手の作品で一番好きなキャラクターは誰ですか?

 

金城先生:

僕は笠原先輩です! 敗戦後、水樹と別れて電車の中で泣くシーンで引き込まれました。やはり安田さんの描く「敗者の描き方」は最高です!

『DAYS』は高校生の熱をサッカーに懸けて燃やしている、熱い青春漫画だと思うんです。ぜひ、未読の皆さんにも読んでほしい。僕の大好きな漫画です。

DAYS

↑金城先生選出。「負けた者の悔しさ」が滲み出る。『DAYS』屈指の名シーン。

安田先生:

僕は久遠です。一番インパクトが大きかったので。久遠が今後どうなっていくのか気になります。今後の活躍に期待です! 

『ブルーロック』は、本当に今までにないサッカー漫画だと思います。キャラクターも素晴らしいし、「FWよエゴイストたれ」という1点で、こんなにたくさんのアイディアが出るのか、と。『DAYS』読者にもぜひ読んでもらいたいですね!

 

――最後に毎週読んでくださっている読者の皆様に向けて一言お願いします。

 

安田先生:

『DAYS』では、もうすぐずっと描きたいと思っていたとても大事な試合が始まります。楽しんでいただければ。

 

金城先生:

おお、楽しみです! 僕は漫画に好きなキャラクターを見つけてほしいです! そう思ってもらえるよう、『ブルーロック』もこれから熱い展開が続きますのでお見逃しなく!

 

安田剛士

「週刊少年マガジン」にて、『DAYS』を連載中。週刊連載作家の中で、最もサッカーをしていると名高い漫画家(取材をした週は、1週間に3日もプレーしていたとか)。好きなサッカー選手は、【マエストロ】の愛称で知られるルイ・コスタ。

 

金城宗幸

「週刊少年マガジン」にて連載中の作品『ブルーロック』の原作を担当。日本サッカーのW杯優勝を本気で夢見るエゴイスト原作者。好きなサッカー選手は、「左足で虹を描いてみせる」という名言を残したアルバロ・レコバ。

 

「週刊少年マガジン」が誇る2大サッカー漫画をよろしくお願いします!

 

▼前編はコチラ

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▼Webで『DAYS』を読む

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▼Webで『ブルーロック』を読む

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▼漫画家(プロ)への花道 安田先生インタビューはコチラ

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▼漫画家(プロ)への花道 金城先生インタビューはコチラ

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