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〜漫画家を目指すキミに贈る〜漫画家(プロ)への花道 『ブルーロック』の原作・金城宗幸先生に聞く “新しい”スポーツ漫画の作り方!!

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週刊少年マガジンに掲載された

漫画家(プロ)への花道を特別に大公開!!

 

今回は、2018年42号に掲載された特別企画をお届けします!

 

 

スポーツ漫画はやりつくされた?

否! “新しい”は作れる!!

 

『ブルーロック』の

原作・金城宗幸先生に聞く

 

“新しい”

スポーツ漫画の

作り方!!

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新人漫画家さんに贈る、

 

第一線で活躍する

プロの漫画家さんへの

インタビュー企画!

 

今回は新連載にして

超話題沸騰中の

『ブルーロック』

原作・金城宗幸先生

 

“新しい”

スポーツ漫画の作り方

について聞きました! 

 

 

金城宗幸

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第80回新人漫画賞『独地小学校物語』で特別奨励賞を受賞。そして、別冊少年マガジンにて『神さまの言うとおり』で原作者としてデビュー。

 

その後も、『神さまの言うとおり弐』(週刊少年マガジン)、『僕たちがやりました』(週刊ヤングマガジン)、『グラシュロス』(週刊ヤングマガジン)など、数々のヒット作の原作を担当。

 

現在、週刊少年マガジンでは『ブルーロック』が大好評連載中! 

 

大人気連載『ブルーロック』のあらすじ

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2018年、W杯。惜しくもベスト16入りを逃した日本代表。その結果を受け日本フットボール連合は、W杯優勝を目的としたかつてないプロジェクトを始動させる。

 

その内容は、300人の青少年FWを育成施設“青い監獄(ブルーロック)”に集めて競わせ、たった1人の最強のFWを誕生させるというものであった。

 

300人のうちの1人、主人公・潔世一(いさぎ よいち)は無名高校サッカーチームの無名選手。一方、周りは優秀で超個性的ストライカーばかり!

 

果たして潔は“青い監獄(ブルーロック)”で生き残れるのか!?

 

 

f:id:magazine_pocket:20181018144710j:plain〝新しい〟企画の立て方!

 

ーー作品をヒットさせるためには〝新しさ〟は必須だと思います。とても斬新な設定が目を引く『ブルーロック』の企画の成り立ちを例に、〝新しい〟をどう作るのか教えてください!

 

金城先生(以下、金城):自分が普段強く思っていることを作品にぶち込むことがオススメです。

 

『ブルーロック』を例にすると、僕は元々サッカーが好きで、「なんで日本はワー ルドカップで優勝出来ないんだろう」とよく考えていました。

 

その結果、「日本がワールドカップを優勝するために世界一のストライカーを生み出す漫画」という企画が出てきました。

 

自分が普段強く思っていることをテーマにすると、どんどんアイディアが出てくるし、何よりも〝自分〟という唯一無二の人間の考えは絶対にオリジナルなので、それが糸口となって自然と〝新しい〟企画が出てくると思います。

 

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金城先生独自の哲学がビンビンに伝わる“新しい”セリフだ!

  

ーーなるほど。金城先生の普段感じていたこと、考えていたことから生まれた企画が『ブルーロック』なんですね。それでは〝新しい〟を作る際に注意していること、または意識していることはありますか?

 

金城 : ただ斬新で奇抜なだけではダメということ。

 

100%全く新しい要素だけを詰め込むと、メチャクチャな企画になって読者に響かないと思います。

 

だからこそ、〝新しい〟だけではなく、〝読者に刺さる〟という二つの要素の共存を、いつも意識して企画を考えています。

 

 

f:id:magazine_pocket:20181018145008j:plain〝新しい〟だけでなく〝読者に刺さる〟企画!

 

ーーそれでは〝新しい〟だけではなく、〝読者に刺さる〟漫画って具体的にどう作るのでしょうか?

 

金城:僕の場合は、すでに売れているパッケージに〝新しい〟要素を混ぜ込むことを意識しています。

 

つまり、読者にとって既に馴染みがあったり共感できる要素も入れるということです。

 

今回はサッカー漫画という既に多くの読者がいるところに、「チームスポーツの中の1対1の局面をバトル漫画のように演出すること」や「ストライカーだけにスポットライトを当てる」といった〝新しい〟要素をいれることで、斬新で読者に刺さる漫画を作ろうとしました。

 

誰も興味がないようなジャンルに、新しい要素を加えてもメチャクチャになって読者に刺さらないと思います。

 

僕が原作をした過去作『神さまの言うとおり』も同じ発想です。

 

元々ある程度読者がいる、デスゲームという箱の中に、今までのデスゲームと違う シュールなギャグ要素を入れたり、独特の言葉遊びを入れて、〝新しく〟かつ〝刺さる〟作品を目指しました。

 

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FW同士が1対1で対峙する局面に、バトル漫画的要素が感じられる! 親しんだサッカーの新しい読み味だ!

 

 

f:id:magazine_pocket:20181018145147j:plain〝新しい〟キャラクターの作り方!

 

ーー『ブルーロック』は序盤から個性的なストライカーが多数登場しました。金城さんはどのように個 性的で〝新しい〟キャラクターを作っているのでしょうか?

 

金城:これも先ほどの企画の部分と似ていて、自分が普段考えたり、思ったことを分割してキャラクターにぶち込んでいます。だからこそ、生きたキャラクターになる。

 

〝僕〟というオリジナルの人間の 血を入れることで、〝新しい〟オリジナルのキャラクターが生まれるんだと思います。

 

それと、実際に自分が出会った人をモデルにすることも多いですね。

 

その人に対して抱いた印象や、その人が何を考えて生きているかを想像して、それをキャラクターに込めたりもしています。

 

『ブルーロック』の潔も、僕の友人がモデルだったり(笑)。

 

普段から周りの人をよく観察することは、キャラクター作りにかなり活きると思います。

 

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魅力的で生き生きとしたキャラクターがたくさん登場する『ブルーロック』。発想の元は作者自身の一部分!

  

ーーなるほど。キャラクターにおいても、自分の普段から思っていることを作品に混ぜ込むことが重要 なんですね!それでは、キャラクター作りの際に他に気を付けていることはありますか?

 

金城:キャラクターを100%決めつけず、性格や行動に幅を残しておくことですね。

 

実際に生きている人間って優しい性格の裏返しで冷たい態度をとったり、曖昧で本当の性格なんて分かりっこない。

 

だからこそキャラクターもバチっと決めるのではなく、ある程度ゆとりを持たせてあげるのが重要だと思います。

 

話が進むにつれて、そのゆとりの幅に思いがけないアイディアが生まれたりして、キャラクターに深みが生まれるのです。

 

 

f:id:magazine_pocket:20181018145244j:plain〝新しい〟アイディアの源とは?

 

ーー〝新しい〟漫画やキャラクターを生み出し続けている金城先生に伺います。ズバリ、その〝新しい〟アイディアの源はどこから来ていますか?

 

金城:まず、普段から一つの物事に対して多角的に考えることだと思います。

 

例えば、僕はサッカー日本代表の選手たちのことが大好きですし尊敬もしていますが、その一方、W杯の結果を残念に思うこともあります。

 

だからこそ、日本代表を尊敬するキャラクター、日本代表を批判するキャラクター、二人の〝新しい〟キャラクターが描ける。

 

一つの物事を色々な視点で見ることによって、多方面のアイディアを生み出すということです。

 

もう一つは、色々なモノ・コトに興味を持つことだと思います。そうすることで、作品に描けるアイディアの幅や種類が広くなる。

 

今回、僕のサッカーへの興味が『ブルーロック』の生まれるキッカケになったように、身の回りのたくさんの人やモノに目を向けることが〝新しい〟を生むヒントになるかもしれません。

 

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お話にあった、二人のキャラクター。日本サッカーのファンとアンチという二つの側面が活かされたからこそ生まれたのだ。

 

 

ーー最後に新人賞を目指す方々に一言お願いします!

 

金城:自分が出来ることの可能性をあえて潰していくのも大切だと思います。それが、他の可能性を伸ばすことに繋がります。

 

つまり、自分は何が得意で何が不得意かの見極めが必要だということ。

 

あれもこれも出来るんじゃないか、と闇雲に努力をするのではなく、自分の武器を見つけてそれを活かせるよう努力するのが良いと思います。

 

そして、失敗した時はきちんと受け止めて何がいけなかったのか反省すること。

 

以上です。頑張ってください!

 

 

ーーありがとうございました!

 

 

 

新人賞の詳しい応募要項は

週刊少年マガジン

公式サイトをチェック!

shonenmagazine.com

  

 

(※この記事は週刊少年マガジン2018年42号に収録されたものです)

 

  

▼『ブルーロック』第1話がWEBでも読める!

pocket.shonenmagazine.com


 

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(終わり)