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原作の面白さを、漫画としての面白さに! 『この世界がいずれ滅ぶことを、俺だけが知っている~モンスターが現れた世界で、死に戻りレベルアップ~』漫画担当・翼先生インタビュー

突如異世界モンスターに襲われたごく普通のサラリーマン・一条明(いちじょう あきら)が、スキル「黄泉帰り」を使って残酷な世界を生き抜いていく『この世界がいずれ滅ぶことを、俺だけが知っている~モンスターが現れた世界で、死に戻りレベルアップ~』(以下、『いず滅』)。

 

圧巻のバトルシーンと、謎が謎を呼ぶ展開で話題の異世界作品です!

今回は『いず滅』の漫画を担当する翼先生にインタビューを行い、制作秘話やお気に入りのモンスター、今後の注目ポイントなどについて語っていただきました!

 

●小学生のときにオリジナル漫画雑誌を制作!?

──翼先生が漫画家を目指したきっかけを教えてください。

 

翼:
幼い頃から、父が買っていた「週刊少年ジャンプ」を読んでいました。『いちご100%』や『To LOVEる -とらぶる-』など、お色気シーンのある作品をこっそりと(笑)。次第に『ONE PIECE』『BLEACH』『NARUTO -ナルト-』なども読むようになり、「漫画を描くこと」を意識し始めました。

 

──オリジナルの漫画を描き始めたのはいつ頃だったのでしょうか?

 

翼:
4〜5歳の頃から絵の模写をしていましたが、オリジナルの漫画を描き始めたのは小学生の頃です。そのとき作っていたのは、漫画というより「漫画雑誌」でしたが。雑誌は同じ号の中に、長期連載の作品も、新連載の作品も、読み切り作品も載るじゃないですか。その仕組みを取り入れて、「この漫画は第165話」「こっちは第89話」と、頭に浮かんだ好きなシーンだけを描くんです(笑)。自分の頭の中では第1話から進んでいるのですが、実際に描くのはいいところだけ(笑)。それが楽しくて、放課後はずっと絵を描いていました。

 

──本格的に描き始めたのはいつ頃でしたか?

 

翼:
中学生になって、初めてペンタブレットを買ってからです。TVアニメの『CLANNAD』にすごくハマっていたので、ラブコメ漫画を描きました。自己満足ではありますが、完成した作品を印刷して、カラーイラストを描いたカバーを用意して。自分だけの単行本を作って楽しんでいました。

 

──完成した作品を漫画賞に応募したり、編集部に持ち込んだりもしていたのでしょうか?

 

翼:
漫画を描き続けていましたが、「自分は漫画家にはなれない」と思っていて……。具体的に動いたりはしませんでした。思うように人体が描けなかったのが原因ですね。ですが、高校3年生になって進路を考え始めたときに、「やっぱり漫画家になりたい」と思い直し、漫画学部のある大学に進学して。その大学では出版社の方が学生の作品を見てくださる機会があり、そこで初めて編集さんの意見をいただきました。そのときの作品は15ページのギャグ漫画で、良い評価ではなかったのですが……。

 

──その後は、ジャンルを変えて持ち込みを続けていたのでしょうか?

 

翼:
いえ、大学生のときはかなり遊んでいましたね……(笑)。サークル活動や恋愛など、夢中になることが多くて、次第に漫画を描く時間が減っていきました。ですが、3回生のとき、当時付き合っていた彼女に振られてしまって。「こうなったら漫画を描くしかない」と思い、「週刊少年ジャンプ」の漫画賞に応募しました。そこで最終候補まで残ることができて。3回生の終わり頃に、「ジャンプGIGA」で読み切り作品『放課後バスターズ』の作画を担当させていただきました。

 

●アシスタント時代に学んだ、スピードとクオリティの両立

──大学卒業後はどのような活動をされていたのでしょうか?

 

翼:
実は、大学在学中に連載が決まらなかったら、美術の先生をしながら漫画を描いていこうと考えていました。在学中に教員免許も取っていたのですが、教育実習で「先生をしながら漫画を描き続けるのは無理だ」と思い……。卒業後は教員にはならず、アシスタントをしながら連載を目指すことにしました。

 

──アシスタント時代の思い出はありますか?

 

翼:
最初は、濱原蓮先生のところで、『シャトルアイズ』のお手伝いをさせていただきました。次にアシスタントに入ったのは、永椎晃平先生のところです。そこでいろいろな経験を積ませていただきましたね。背景を任せていただけたときはうれしかったです。
その後、マガポケで『デスティニーラバーズ』を連載中の智弘カイ先生のところへ行き、『いず滅』の連載が決まるまでお手伝いさせていただきました。人物の下描きを描かせていただくことが何度かありましたが、いつも胸を描くのに苦戦していて……(笑)。裸の女の子をかわいく描ける智弘カイ先生はすごいです!

 

──アシスタント時代の経験が『いず滅』にも活かされているのでしょうか?

 

翼:
妥協せずにスピードとクオリティのどちらも高めていくプロの技術は、近くで見ていて勉強になりました。でも、未だに胸を描くのは苦手です(笑)。『いず滅』単行本4巻のおまけページでは、胸を描く練習中のイラストを公開しました(笑)。

 

●読者からのコメントで実感する初連載

──2019年に『敗北のヒーロー』で「週刊少年マガジン」の「4月期MGP」佳作を受賞し、2020年には『GAS MASK』で「第104回新人漫画賞」の佳作を受賞。2021年には読み切り『不死の魔王は眠りたい』の漫画を担当されています。

 

翼:
当時別の出版社で担当編集さんがついていましたが、忙しい方だったので、連絡を取るのが大変で。心機一転、卒業制作で作った『敗北のヒーロー』を「週刊少年マガジン」で出してみようと思ったんです。そこで現在の編集さんと出会い、今もずっと一緒にやっています。そこから『不死の魔王は眠りたい』のお話をいただいて。『不死の魔王は眠りたい』は、原作のひづきりょう先生がネームまで担当されていたので、そのイメージに合うように意識していました。絵柄も普段と結構違うと思います。

 

▲『敗北のヒーロー』

 

▲『GAS MASK』

 

▲『不死の魔王は眠りたい』

 

──そして、2022年から『いず滅』の連載が始まります。連載開始までの経緯を教えてください。

 

翼:
「25歳までに連載できなかったら漫画家は諦めよう」と決めていました。ずっとオリジナルの漫画でネームを提出していましたが、なかなか通らず、そのまま25歳になってしまって……。そこで、『放課後バスターズ』や『不死の魔王は眠りたい』のときのように、原作がある作品のコミカライズに携わることを考え始めました。そんなときに、担当さんから『いず滅』のお話をいただいたんです。

 

──『いず滅』のお話を聞いたとき、どう感じましたか?

 

翼:
連絡を受けたのはお店でお酒を飲んでいるときだったのですが、一気に酔いが醒めました(笑)。実は、同時期に別の雑誌でも「作画担当として連載してみないか」とお話をいただいていたんです。迷いましたが、『いず滅』の原作が面白くて、さらに描いてみたい内容にもドンピシャで! 『いず滅』に挑戦しようと決めました。

 

──『いず滅』は翼先生の初連載作品となります。連載する上で実感していることはありますか?

 

翼:
原作が面白いからこそ、今もプレッシャーは感じていますが、応援してくれるコメントが励みになります。読み切り作品と連載作品では、コメントの内容が結構異なるんです。読み切りの場合は結末を踏まえたコメントが多くなりますが、連載の場合は内容を考察したコメントが多くなります。考察してくれているコメントを見ると、「連載しているんだな」と実感して嬉しくなりますね。

 

──反対に、実感している難しさもあるのでしょうか?

 

翼:
原作で読むとすごく面白い部分でも、そのまま漫画にするとテンポが悪くなることがあって。漫画としての面白さを見せることが難しくて、毎回苦戦しています。あとは、原作で世界観が確立しているからこそ、細かいところまで崩してはいけないというプレッシャーがありますね。

 

●ゴブリンは意外と表情豊か!?

──ミノタウロスやウェアウルフなど、本作にはさまざまなモンスターが登場します。作画で苦労することはありますか?

 

翼:
動物系のデッサンがあまり得意ではなく、ウェアウルフやブラックウルフなどのオオカミ系を描くときに苦戦します。バランスよく描くのが難しくて、本当に時間がかかりました……。不安と戦いながら描いたので、描き終わったあとは大きな達成感を感じましたね。


──お気に入りのモンスターはいますか?

 

翼:
ゴブリンがお気に入りです! 人型なので描きやすくて(笑)。表情も豊かに描けるので、描いていて楽しいモンスターです。

 

●女性キャラを描くときは、プレッシャーを感じながら

──好きなキャラクターについても教えてください。

 

翼:
最近は、解体スキルを持つ少女・柏葉(かしわば)さんを描くのが楽しいです。女性キャラを描くのは苦手なのですが、柏葉さんはなんだか描きやすくて。

 

──女性キャラを描くのが苦手なのはなぜでしょうか?

 

翼:
女性キャラは自分の理想があるせいか、できるだけかわいく描きたいという思いが強くなり、作画に時間がかかるんです。もちろん男性キャラもかっこよく描くよう意識していますが、女性キャラの場合、自分でプレッシャーをかけてしまいます。その意味で、メインヒロインの奈緒さんを描くのにも毎回苦戦していますね。

 

●怖さは残しつつ、グロさは控えめに!

──原作の世界観を再現する上で、意識していることはありますか?

 

翼:
怖く描くことは意識しています。特に、モンスターはできるだけ恐怖を煽るビジュアルにしたくて。第1話はそれを意識しすぎたのか、破裂した内臓まで描いてしまい、担当さんから修正の指示が出ました(笑)。今は「怖さは残しつつ、グロさは控えめに」を意識して描いています。

 

──原作者の灰島シゲル先生から感想が届くこともあるのでしょうか?

 

翼:
バトルシーンをよく褒めていただいています。ミノタウロスやウェアウルフとの戦闘シーンは、とても喜んでいただけたようで。僕のモチベーションにもなっています!


──翼先生が気に入っているシーンやエピソードを教えてください。

 

翼:
一条と奈緒さんが協力して戦うウェアウルフ戦は気に入っています。一条の強さをもってしても、ウェアウルフを一人で倒すことはできない。奈緒さんがいたからこそ勝つことができた、というのがいいですよね。感動的なシーンなので、描いていて楽しかったです。そして、ウェアウルフと一条が拳をぶつけ合う見開きページは、ずっと描きたいと思っていた構図を取り入れました。『敗北のヒーロー』で似たようなシーンを描いたことがあり、気に入っていたので、「いつか連載することになったらまた描く」と決めていたんです。

 

▲『いず滅』27話

 

▲『敗北のヒーロー』

 

●今後の注目シーンは……?

──今後の展開で注目してほしいところや見どころを教えてください。

 

翼:
今後は、柏葉さんの活躍に注目してほしいです! 今はまだ謎の多い柏葉さんですが、かっこいいシーンを考えているので、期待していてください。柏葉さんの魅力が伝わるといいな。

 

──翼先生が現在注目しているマガポケ作品を教えてください。

 

翼:
御影夏先生の『ほねぬきごはん ~ウブで奥手な半キュバスにハートをください~』です。主人公の艶本文乃(つやもと あやの)ちゃんがかわいくて! 色気のバランスも素晴らしくて、毎週楽しみに読んでいます。

 

──最後に、『いず滅』読者の方にメッセージをお願いします。

 

翼:
いつも読んでいただきありがとうございます! みなさんに楽しんでいただけるように、そしてさらに没入して読んでいただけるように、これからも頑張ります。今度ともよろしくお願いします!

 

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