「週刊少年マガジン」で連載中の『寄宿学校のジュリエット』が40号で完結!
皆さまはもうご覧になられましたか?
最終回を記念して、金田陽介先生とTVアニメ『寄宿学校のジュリエット』でペルシアを演じる声優・茅野愛衣さんと豪華対談が実現!
『寄宿学校のジュリエット』の裏話や次回作についてまでたっぷり語っていただきました!
――本日はお集まりいただきありがとうございます。
今週をもって『寄宿学校のジュリエット』は最終回を迎えます。全編を通して一番印象に残っているエピソードを教えてください。
金田先生:
僕は監督生選抜選挙編です。
玲音によって犬塚とペルシアの秘密の関係が学園中に暴露された時の絶望感、そして敵対していたキャラ達がどんどん犬塚達の味方になっていく高揚感を上手く演出できたなと思います。
茅野さん:
選挙編は一読者として毎週ハラハラしながら読んでいました!
全校生徒に啖呵を切った丸流は格好良かったです。1話ではあんなに悪いやつだったのに!
金田先生:
犬塚とペルシアだけじゃなく、他のキャラも一緒に成長していけたからこそ、ダリア学園は変わる事ができたんだと思います。
茅野さん:
『ジュリエット』に登場するキャラ達は、最初「なんだこいつ!?」って思うキャラが多いんですけど、皆それぞれに物語があって、皆にいい所がある。
キャラ全員を好きになれる所が、『ジュリエット』の大好きな所です。
金田先生:
ありがとうございます。
――茅野さんはいかがでしょう?
茅野さん:
東和国編が好きですね。
ペルシアの存在が藍瑠にバレた時は終わったと思いました。でも、犬塚はこの事件を乗り越えて精神的に成長したように思います。
逆らう事のできなかった藍瑠に本気でぶつかっていった犬塚は格好良かったです。
そして、最終的に二人の兄弟愛を垣間見る事ができたので、大満足の東和国編でした。
金田先生:
『ジュリエット』はバトルシーンが少ない漫画なので、僕も東和国編は描いていて楽しかったです。でも、描きながら「これラブコメか?」って思ってました(笑)。
茅野さん:
犬塚と藍瑠の喧嘩のシーンで思ったのですが、二人は顔が似ていますよね!
やっぱり兄弟なんだなと改めて思いました。
金田先生:
二人で頭突きをするシーンは僕も描いていて混乱しました。
メガネをとったら、どっちがどっちかわからないですよね。
連載を走り抜けた清々しさでいっぱいです!
――金田先生、約4年間の連載お疲れ様でした。
最終回を描き終えて、今はどのような心境でしょうか?
金田先生:
連載を最後まで走り抜いた清々しさでいっぱいです。例えるなら戦場から帰ってきた兵士のような気分でしょうか。
茅野さん:
金田先生、本当にお疲れ様でした! 最終話感動しました。もうペルシア達に会えないと思うと寂しくなります……。
金田先生:
最終回が近づくにつれ、僕も寂しい気持ちが募っていきました。
でもそれは永遠の別れのような寂しさではなく、生徒の卒業を見届ける先生の気持ちに近いかもしれません。
茅野さん:
最終回では卒業から7年後の皆が描かれていましたね。アビとソマリが結婚していて嬉しかったです。子供が3人もいる事にはびっくりしましたが!
金田先生:
7年後の犬塚達を想像するのは楽しかったです。
蓮季は女優、玲音は教師とか。本当は全員分描きたかったのですが、ページが足りず……。でも、最終巻に皆の7年後の姿を描きたいなと思っています。
――この対談を読んでくださっている読者の皆様だけに7年後の情報を少しお教えいただけないでしょうか?
金田先生:
ソマリはプロレスラーになっています。
茅野さん:
え!?
金田先生:
レックスの雑務係の座を懸けてスコットとプロレスをした時に、ソマリの中でプロレス愛が目覚めたんです。
茅野さん:
ソマリちゃんは可愛いし強いから、きっと人気レスラーなんでしょうね!
金田先生:
あと朱奈は警察官になっています。
茅野さん:
朱奈ちゃんの制服姿見てみたい!
――茅野さんは最終回を読んで、どのような感想を抱きましたか?
茅野さん:
「ハッピーエンド万歳!」って感じです。モチーフになっている『ロミオとジュリエット』が切ない終わり方なので、もしかしたら犬塚とペルシアにもバッドエンドが待ち受けているのではないかとヒヤヒヤしていました。
ですので、二人が幸せになってホッとしています。
金田先生:
バッドエンドも頭をよぎった事がありました。
最後に二人が死ぬ代わりに、東和とウェストが仲良くなるような展開。でも、読者の皆様からたくさんハッピーエンドを望む声をいただいた事もあり、現在のような最終回になりました。
何より僕自身も二人には幸せになってほしかったですからね。
茅野さん:
結婚式の二人は本当に幸せそうでした。
『ジュリエット』は第1幕からずっと女の子の一枚絵を楽しみに読んできたので、最終話でもペルシアの一枚絵が見られて良かったです。ペルシアのウェディングドレス姿最高でした!
金田先生:
ペルシアのウェディングドレス姿は、ずっと描きたいと思っていたイラストなので、褒めてもらえて嬉しいです!
茅野さん:
他にも結婚式のシーンでペルシアが色々あったお父さんと一緒にヴァージンロードを歩けたのにも感激しました。
そして、ターキッシュと千和が再会したシーンにグッときました。
金田先生:
元カップルという複雑な関係なので二人の再会をどう描くかは迷いました。でも、二人がそれぞれ幸せな家庭を築き、今幸せだという事を互いに確認し合えた事は良かったと思います。
茅野さん:
ターキッシュと千和が恋人同士だったという設定はいつから決まっていたのですか?
金田先生:
割と序盤から決まっていました。
犬塚が風邪をひいたエピソードで(3巻収録)ペルシアが歌ったウェストの子守唄が、犬塚の幼少期に千和が歌っていた子守唄と同じ歌なんです。
東和民の千和がウェストの子守唄を知っていたのは、昔ターキッシュが歌っていたから。その頃からターキッシュとペルシアの関係性は決まっていましたね。
茅野さん:
あと最終回の犬塚は最後まで犬塚らしかったなと思います。
誓いのキスで固まってしまう感じとか。緊張しすぎている犬塚が可愛らしかったです。
金田先生:
そう言っていただけて嬉しいです。
茅野さん:
格好良いだけじゃない所が犬塚の好きな所です。
お互いのお気に入りキャラを紹介!
――お気に入りのキャラベスト3を教えてください。
金田先生:
スコットが好きですね。
他の皆は成長するにつれて、いいやつになっていったんですけど、スコットだけはずっとクズのまま。どんな時でもブレないスコットは描いていて楽しかったです。
茅野さん:
シリアスなシーンにぶっこむスコットのギャグ、私も大好きです。
金田先生:
あとはペルシア。
ターキッシュとの決闘で「クソ親父」と言い放った瞬間にペルシアの事がもっと好きになりました。元々、読者として「不良友達の影響で乱暴な言葉がうつってしまったお嬢様キャラ」が好きだったんです。
茅野さん:
でも、中指じゃなく人差し指を立てていたのが、ペルシアらしかった!
金田先生:
最後は玲音。
犬塚達と和解してからは、からかいキャラとして成長してくれました。女性キャラの中では唯一、自由にふざけられる存在だったので、いつも玲音には助けられていましたね。
――茅野さんはいかがでしょう?
茅野さん:
犬塚とペルシアは殿堂入りとして、他に3人あげるとしたら、蓮季・シャル・サイベルですね。
犬塚が記憶喪失になった時、蓮季とペルシアの心の距離が近づいて嬉しかったです。そして、シャルはペルシアにとっていつでも味方でいてくれる大切な存在。
サイベルはクールなキャラなのに、実は“クマパン”をはいているというギャップに惹かれました。
金田先生:
サイベルは最も手を焼いたキャラです。文化祭実行委員として犬塚がサイベルの下で働く回は話を作るのに苦労しました。
当初からサイベルは「冷たい態度に反して可愛いもの好き」という設定が決まっていました。ですが、そのギャップの見せ方が思いつかなくて……。3話分あったネームのストックが全部なくなるくらい、悩みに悩みましたね。
でも、ある瞬間“クマパン”という言葉が降りてきたんですよ。
“クマパン”が決まってからは、あっという間でしたね。
ペルシアが嫁に行くようで泣きそうになりました
――今回、「ペルシアやってみた!FINAL」で茅野さんに最終回のペルシアを演じていただきました。
金田先生、いかがでしたか?
金田先生:
めっちゃ可愛かったです!
照れ具合とか、強がっている感じとか、これぞペルシアって感じでした。
あとは結婚式のシーンに茅野さんの声がつき、娘が嫁に行くような気分になって泣きそうになりました。
茅野さん:
お父さんみたいな視点(笑)。
――茅野さんは最終話のペルシアをどのような気持ちで演じましたか?
茅野さん:
読者の皆様に楽しんでいただく事はもちろんですが、金田先生にとって最終回がより素敵なものになったらいいなと思いながら演じました。
金田先生:
最高の思い出になりました!
茅野さん:
私にとってもペルシアは特別な存在です。
1話から最終話まで一人のキャラを演じさせていただける事は珍しいので、今回のような形で最後まで演じる事ができたのは幸運だと思います。
ギャルの女の子を演じてみたい!
――TVアニメで印象的だったエピソードを教えてください。
金田先生:
ジュリ男初登場回です。
自分の中にジュリ男の声のイメージがなかったのですが、茅野さんの演技を聞いて「これだーー!!」ってなりました。
それは僕だけじゃなくて、アフレコ現場にいた全員が同じ気持ちを共有していたと思います。全員でガッツポーズしましたもん(笑)。
茅野さん:
ただ少年を演じればいいというわけではなく、ペルシアという少女が演じる少年という演技をしなければならなかったので、ジュリ男は難しかったです。
でも、スタッフの皆さんに褒めてもらえて自信が持てました。
金田先生:
あとアニメ全体の話になってしまうのですが、アニメの背景が綺麗で感動しました。
犬塚が記憶喪失になる原作エピソードの作画中、僕がアシスタントさんに「アニメみたいにキラキラさせて」とリクエストしたくらい!
アニメから逆輸入させていただきました。
茅野さん:
噴水でペルシアが犬塚に告白するシーンですよね! 背景がとても綺麗でした。
――金田先生から茅野さんに質問があるとお聞きしていますが、いかがでしょう?
金田先生:
『寄宿学校のジュリエット』の中で、ペルシア以外に演じてみたいキャラはいますか?
茅野さん:
アメリアを演じてみたいです。ギャルの女の子を演じた経験がないので、勉強になりそうだなと思って。
金田先生:
茅野さんのギャル語聞いてみたい!
茅野さん:
そして朱奈。
いつもニコニコしているのに犬塚を傷つけられたら豹変する感じを演じてみたら面白そうですね。あとはラグドールも演じてみたいです。ペルシアと血が繋がっているので、兼ね役としてありな気がします!
金田先生:
ペルシアとラグドールの会話は一人二役になりますね!
――茅野さんに質問です。今だから言えるアフレコ現場での裏話などはありますか?
茅野さん:
犬塚役の小野友樹さんとペルシア役の私が二人揃って肉体的にボロボロだった時がありました。
私は副鼻腔炎にかかって鼻声になってしまい……。
それまで一度も声に影響が出るような病気にかかった事がなかったんです。皆勤賞でお仕事をしてきたつもりだったので凹みましたね。体は元気なのに、アフレコに参加できないもどかしさは忘れられません。
そして、小野さんも同じくらいの時期に自転車で転んでしまい怪我をされていましたね。顔中傷だらけで……。
金田先生:
ちょうどその時、犬塚と藍瑠が喧嘩をする回でしたよね。
怪我で大変な時に全力でアフレコに臨む小野さんの姿が犬塚と重なって見えたのを覚えています。
茅野さん:
犬塚並みの根性を見せつけられました!
金田先生の次回作はタイが舞台?!
――茅野さんは金田さんにどのような次回作を描いてほしいですか?
茅野さん:
『寄宿学校のジュリエット』はイタリアや日本が舞台だったので、他の国をモチーフにした作品が見てみたいです。連載終了後、海外に行く予定はありますか?
金田先生:
今度タイに行きます!
茅野さん:
いいじゃないですか、タイが舞台の漫画!
あと『ジュリエット』は『ロミオとジュリエット』がモチーフだったので、次回作も童話とか昔話をモチーフにした話を読んでみたいです。そして犬塚と藍瑠の喧嘩が大迫力だったので、バトル漫画も読んでみたい! それこそプロレスとか。
金田さん:
童話がモチーフでタイ人の主人公がプロレスをする漫画ですね(笑)。
茅野さん:
面白そうだけどカオスすぎる! でも、絶対に見たいのは、可愛い女の子。
ギャップのあるキャラ達にまた会えたらいいなと思います。
金田先生:
ご期待に添えるように頑張ります!
――最後に読者の皆様に一言お願いします。
茅野さん:
二人の恋を読者の皆様と同じように応援してきました。
そんな二人が無事ハッピーエンドを迎えられて嬉しく思います。私個人としては最後にウェディングドレス姿のペルシアを演じる事ができ満足感でいっぱいです。
そして、今後は読者の皆様と一緒に金田先生の次回作を楽しみに待ちたいと思います。私自身、読者の皆様にまた会えるよう頑張りますし、金田先生のこれからのご活躍を心から願っております。
金田先生:
最初は別マガに読み切りが載って連載がはじまり、「別マガ」から「週マガ」に移籍し、アニメにもなって、『寄宿学校のジュリエット』は幸せな作品だなと思います。
それはすべて読者の皆様の応援あっての事です。
心が折れそうになった事もあったけれど、読者の皆様からの応援のおかげで頑張れました。感謝しかありません。読者の皆様が大好きです。次回作も楽しんでもらえるよう頑張りますので、これからもよろしくお願いいたします。
――本日はありがとうございました!
金田・茅野:
ありがとうございました。
世界に3枚だけ!特別プレゼント!!
さらに、金田先生直筆イラスト&サインと芽野さん直筆サイン入り色紙を抽選で3名様にプレゼントしちゃいます!
詳細は「週マガ」40号をチェックしてください!
▼『寄宿学校のジュリエット』は「マガポケ」で読める!
▼最終話を読んだらコチラをチェック!期間限定完結記念動画!
https://shonenmagazine.com/info/entry/201908juliet