今年で60周年の「週刊少年マガジン」の歴史を振り返る本連載。
○○年前のマガジンはどんな雑誌だったのか、どんな作品が載っていたのか……今回は、1995年のマガジンを紹介します!
表紙は西田ひかるさん
1995年11月29日号の表紙は、西田ひかるさん。
青春時代をアメリカで過ごした西田さんは、帰国子女アイドルとして80年代後半にデビュー。
歌手に女優に引っ張りだこで、90年代は毎シーズン、ドラマで必ず顔を見かけるほどの人気ぶりでした。
2000年代に入ってからご結婚され、育児をしながら野菜ソムリエの資格を取得、活躍の場を広げました。
オフィシャルブログでは、食に関するお話も多く投稿されています。
コック姿の西田さんは先取りしていたかも?
見るだけでお腹が減る「週マガ」のグルメ漫画2本!
さて、目次を見てみましょう。
本連載でもお馴染みの加瀬あつし先生の『カメレオン』や真船一雄先生の『スーパードクターK』など、「週刊少年マガジン」の代表作が並びます。
巻頭は西山優里子先生の代表作『Harlem Beat』。
同作は、94年から99年まで連載されたバスケットボール漫画。
プレイステーションでゲーム化もされました。
今号に掲載されていたのは、ヒロインの楠田みずきが主人公の読み切り。
バスケに並々ならぬ情熱を燃やすみずきは、バスケ部のメンバーに温度差を感じていました。
親善試合が近付く中、やる気を見せない先輩たちにイライラしながらもストリートバスケチーム「SCRATCH」のメンバーに元気づけられ、部活の仲間たちをバスケの「楽しさ」に巻き込んでいきます。
実は西山先生も帰国子女で、西田さんと同じ大学を卒業していました。
偶然?
懐かしいものも発見しました。
セイコーが発売した「SPOON」は、当時大ヒットした腕時計。
カシオの「G SHOCK」と人気を二分していました。
寺沢大介先生の『将太の寿司』では、いまや一般的になっているアボカドを使ったお寿司が登場。
当時、アボカドはまだまだ馴染みが薄く、「食べるのに勇気がいる」食材。
「食感こそトロに似ているが味わいは天と地ほども違う!!」
寺沢先生はまだ一般的ではない食材もいち早く拾って、漫画の中で見事に料理しています。
本作はドラマ、アニメ、ゲーム化されました。
「週マガ」のグルメ漫画と言えば、こちら小川悦司先生の『中華一番!』も。
今号では、領事お抱えのシェフ、ジャン・バジャールとのピラフvsチャーハン対決前夜。
あんかけチャーハンを見つけたマオは勝てるのか?
現在、「マガポケ」で、続編の『中華一番!極』が連載中です!
アニメ『真・中華一番!』も絶賛放送中!
4コマギャグ漫画を厳選しました!
中里よしなり先生の『ねむる前の悪夢』はシュールな笑いが売りのギャグ漫画。
ゴリラでドラミングするシュールさに吹き出しました。
そして95年から2003年まで連載された川口憲吾先生の『脳みそプルン!』もシュール系ギャグ漫画。
ゾウアザラシの「ちょんまげちょんまげ〜〜っ」にやられました……
91年から2003年まで連載された西本英雄先生の『へなちょこ大作戦Z』。
「水攻めか?兵糧攻めか?」
「いいえサイン攻めです」
自信に満ちた表情が笑いを誘う。
西本先生は、現在「月刊アフタヌーン」で、ルポ漫画『もう、しませんから。 ~アフタヌーン激流編~』を連載中です。
最後は93年から99年まで連載され、アニメ化もした三ツ森あきら先生の『Let’sぬぷぬぷ』。
「(マウス)食べちゃったでしょ?」
「カーソル動いちゃってるじゃないですか〜〜」はツボでした。
当時はまだインターネットもパソコンも一般的ではなく、マウスも目新しいものでした。
パソコンが爆発的に普及したのはあの「Windows95」が登場したあたりですが、日本版のWindows95が発売したのは今号が出た1週間前。
まさにホットな話題!
そしてこの隣のネタは、微弱の電波で人をコントロールする……
「週刊モーニング」で連載されていた蛇蔵先生の『決してマネしないでください。』にも出ていた、「スティモシーバー」?
きわどい……
時代が大きく変わっていった90年代
当時の大人気作をCDブックで楽しめる!
「マガジンCDブック」の広告を見つけました。
こちらは映像ではなく音声で各作品のストーリーが楽しめる。
漫画を声で楽しめるという斬新なものでした。
動画配信サービスで視聴することもできますが、「懐かしい!」「持っていた!」というコメントもたくさん見受けられます。
アンケートプレゼントでは、ソニーエンタテインメントの「プレイステーション」とセガの「セガサターン」が登場!
翌96年にニンテンドー64が登場するまで、手軽に遊べる家庭用の次世代ゲーム機ではこの2機種が人気を二分していました。
ソフトには「POLICENAUTS」の名前も見えます。
同作は「メタルギア」シリーズやPS4で大ヒットしている「Death Stranding」を開発した小島秀夫さんが関わったことで有名なアドベンチャーゲーム。
試写会の広告では「MEMORIES」を発見しました。
同作は漫画家であり映画監督でもあった大友克洋先生が監修し、森本晃司監督、岡村天斎監督と制作した3本の短編映画をひとつにしたオムニバス作品。
森本監督は、数々のヒット作を手掛け、2019年には「月刊アフタヌーン」の瀧波ユカリ先生が描く『臨死!!江古田ちゃん』のアニメも監督してくれました。
岡村監督も多くのアニメ作品を手掛け、『七つの大罪』や『Fairy gone』の監督や絵コンテも担当してくれています。
「週刊ヤングマガジン」の広告では、リアル稲中の2人と雛形あきこさん。
『攻殻機動隊』は、押井守監督による劇場版アニメが一か月ほど前に公開されたばかり。
1995年のマガジンは、大きく変化していく時代をギャグ漫画やオーディオブックなど、さまざまな試みで表現しようとしている雑誌でした。
『金田一少年の事件簿』や『特攻の拓』などの高校生が活躍する作品のほか、『イクミの秘密』、『MAYA 真夜中の少女』『心霊調査室OFFICE麗』などのオカルト物。
『スーパードクターK』と、若かりし野口英世さんを描いた『Dr.NOGUCHI』など、ひとつのジャンルでも複数の漫画がありました。
415ページ、定価は210円。
最新の「マガジン」(2019年52号)は471ページ、定価300円です!
次回は、Windowsの最新版10が登場した2015年!
だと、最近なので、その1つ前のWindows7が発売した2009年のマガジンです!