「週刊少年マガジン」は今年で60周年! 60年の間に、たくさんの作品が「漫画」の枠を超えて、アニメやドラマ、映画にもなりました。
本連載で、○○年前のマガジンがどんな雑誌だったのか、どんな作品が載っていたのかを紹介して、少年だった当時を思いだしてもらったり、「こんな雑誌だったんだ!」と知ってもらいたいです!
今回は、60周年の半分、30周年のマガジン!
1989年、平成元年号です!
30周年号の表紙は、南野陽子さんが飾りました。
筆者は当時、小学校に入ったぐらいで志村けんさんの番組によく出演されていたのを覚えています。
南野さんは85年にアイドル歌手としてデビューしたあと、表の顔は女子高生、裏の顔は刑事という「スケバン刑事」シリーズのドラマで主役を務めて人気が爆発。
ラジオパーソナリティやバラエティ番組でも引っ張りだこでした。
スケバンとは「女(スケ)」と「番長」を組み合わせたヤンキー用語。要するに女子高生だけど、すごく強くてこわい。
この時期はお洒落な学生を中心にボーダーが静かに流行り始めた時期でもあり、トレンドを押さえています。
1989年の「週刊少年マガジン」に掲載されていたのは…?
さて、目次を見ていきましょう。創刊から30年を経て、読み物が大幅に減り漫画雑誌となりました。新連載の『はっぴぃ亀亀』は巻頭34P!
創刊号に掲載されていた漫画5本の総ページ数より多いです。
”新連載”の三原ゆうすけ先生の『はっぴぃ亀亀』は、下ネタ満載のギャグ漫画。
ストレートで超がつくほど下品な下ネタは、後の下ネタ系漫画を描く先生にも衝撃を与えました。
中高生の「見たい!」「欲しい!」を網羅した漫画雑誌
矢沢暁先生の『横浜名物 男片山組!』の連載も開始。
当時、マガジンでは不良漫画が人気。
いまではバイクに乗っている人を見るのも珍しくなってしまいましたが、当時は若者に大人気のアイテム。「バイクは危険な乗り物」と規制が厳しくなっていく中、それに反発して無免許運転や「盗んだバイクで走り出す」若者が出たほどでした。
「少年マガジン」でバイクが出てくる漫画は、片山組のほかに『バリバリ伝説』なども掲載していました。
1989年は、1987年にいったん休刊していた「マガジンSPECIAL」が第二創刊しました。ポスターは、ファッションモデルkokiの母親で木村拓哉さんの奥様でもある工藤静香さん。
工藤さんは当時、アイドルグループからソロデビュー。連続して50万枚を超える大ヒットシングルを出し、工藤さん、南野さん、中山美穂さん、浅香唯さんの四人はアイドル四天王と呼ばれていました。
単行本発売情報。
左上に「本屋さんで注文して下さい」と書いてあるところに時代を感じます。当時はAmazonはありませんし、インターネットを家庭、個人利用している人なんてほとんどいませんでした。
寺沢大介先生の料理漫画『ミスター味っ子』、蛭田達也先生の格闘漫画『コータローまかりとおる!』、大人気だったスポーツ漫画『名門!第三野球部』や『オフサイド』など、漫画の枠を飛び越えてテレビアニメやゲームになっていく流れができていった時代でした。
30年前のマガジンは、ファッションや文化など、当時の中高生の憧れを希望を網羅した漫画雑誌でした。全部で441ページ、定価は180円。
最新のマガジン(2019年24号)は463ページ、300円です!
次回は、2000年の「週刊少年マガジン」です!