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第113回新人漫画大賞、結果発表!

半年に一度開催されている「週刊少年マガジン」新人漫画大賞。

 

入選1本、佳作5本を含む総勢15名が雑誌とWEBで掲載決定!
今回は第113回新人漫画大賞の結果を発表します!

 

【入選】1本

『winwin☆彡ベイブ』50p
柑無ビス

孤立系腐女子・八田の妄想は、現実に――!?

★「別マガ」2月号に掲載&1月9日に「マガポケ」に掲載!!

編集部コメント:
とにかく圧倒的な画力とテンポの良さ! 男同士のコンビと腐女子という、割とありがちな上に少年漫画としては期待度の低い設定にもかかわらず、ぐいぐい読み進められました。技術の完成度が恐ろしく高いと思います。キャラクターはやや定型的であるものの、エネルギッシュで物語を引っ張ってくれ、何より絵が上手く様々な表情をしてくれるので眺めているだけでもコミカルに読み進められました。展開の流れだけでこれだけ描けるので、次回作はぜひ、キャラクターの魅力で引っ張る、少年漫画にアジャストした連載作品を読みたいです。期待しています!

にいさとる先生コメント:
読み切りとしての完成度が高く、最後まで楽しく読ませて頂きました。中でも桐嶋君と練馬君が海に行くシーンは、「え!? この二人くっつくの!?」と期待を持たせる良いシーンだったと思いますので、さらっと終わらせるよりも、絵も含めてもっといい雰囲気をたっぷり見てみたかったです。引いた絵を使ったり、「もしかして?」と思わせる桐嶋君の表情を大きく描いたりすることで、さらに作品全体のメリハリもつくのではないでしょうか?

 

【佳作】5本

『アクサンダー』50p
Neighbourh(24)

電撃×血術!! 架空の東京を駆け巡るハイスピードバトル!

★1月21日に「マガポケ」に掲載!!

編集部コメント:
細かな身振りや表情でキャラを伝える表現力。そして読者をアッと驚かせる構成と演出! 素晴らしいアクションに惹き込まれました。ドラマの主軸が救われる少女に置かれているので、過去などを描写しない主人公コンビには絵だけで伝わる魅力や、読者を驚かせるギミックが欲しいところ。読者を引っ張っていける主人公を作ってみよう!

にいさとる先生コメント:
表情や演技が魅力的な作品でした。廃墟的な世界観は描きがいがあると思うのですが、「水は? 電気は? ガスはあるの?」など、そういった部分が絵から分かると、より世界観の説得力や奥行きが出ると思います。内容はベルちゃんの内面を掘り下げていましたが、主人公たちの動機や葛藤をもっと見たかったです。

 

『SPOOKY NIGHT』50p
KOJIRO(27)

ハロウィンの怪物「怪夜」に立ち向かえ!

★1月10日に「マガポケ」に掲載!!

編集部コメント:
ハロウィンの怪物とお菓子をモチーフにしたバトルアクション! 全ての能力が超高い傑作!確かな画力で描き出されるファンタジーギミックやキャラ造形、アクションは見事の一言! 少し説明パートが冗長かも。全体をスッキリさせてキャラの掘り下げやドラマ、カッコいい見せゴマを贅沢に確保することを意識してみて! 連載はすぐそこ!

にいさとる先生コメント:
読者を楽しませようという思いを画面からひしひし感じましたし、ワクワクする設定をたくさん練れるのは武器になると思います。ただ、今作はその部分が優先されすぎた印象で、キャラクターや感動の説得力が弱くなってしまった気がします。なぜ落合君は魔女に選ばれたのか…そこがもっと知りたかったです。

 

『そして天罰が下る』48p
吉田瑠夏(21)

孤独な神様と青年の心温まる交流――。の、はずだった。

★1月17日に「マガポケ」に掲載!!

編集部コメント:
基本的な画力が極めて高いだけでなく、キャラの顔や手元から感じる色気に惹かれました。自分のキャラの正面の顔をこれだけ大きく描けるのは、とても素晴らしいことだと思います。終盤によつばが見せる表情はどれも圧巻でした。特殊なコマ割りのためか、少々読みづらさを感じましたが、そこが改善されればすぐに活躍できると思います!

にいさとる先生コメント:
物語の導入、どんな禍々しいものが出てくるのかと思えば可愛い笑顔でギャップを作るなど、演出、絵作りが上手だなと思いました。絵が上手だからこそ、もっと二人の感情のぶつかり合いや葛藤を見てみたかったです。禍津神が村を焼き払ったあと、よつば君が去っていくだけなのが物足りなく感じ、もう一山欲しかったなと思いました。

 

▼さらに にいさとる賞!!
『ロマン3号』50p
山本拓未(22)

勉強も運動もできる、クラスのヒーロー・ロマン君。その正体は、ロボットだった!?

★1月25日に「マガポケ」に掲載!!

編集部コメント:
勉強もスポーツも遊びも何でもできるロマン君。ある日そんな彼が実はロボットだと気づいてしまったら…。読み始めた段階ではありきたりかな? と思いましたが、ロマン君を好きな清水さんの存在が素晴らしかったです。みんなが掌を返す中、一人ロマン君を好いてくれる少女。そのセリフの切れ味や演出がとてもよかったです!

にいさとる先生コメント:
シンプルでストレート、これは本当に強い武器になると思います。どうかこのストレートさを大切に磨きつつ、カーブやフォーク(変化球)を身につけていってほしいです。気になったのは、所々で絵のタッチが変わってしまうところです。わざとそうしているのならいいのですが、「そうなってしまった」だとノイズになってしまうかも。もったいない!

 

『河梁ノ吟』50p
瀬尾 斗城(18)

河童と河童に育てられた青年。二人に迫る、別れの時。

★1月16日に「マガポケ」に掲載!!

編集部コメント:
18歳にして立派な作家性を感じました。河童の気持ちの揺れ動きの中に、人間や、愛、といった普遍的なテーマを感じました。河童が落ち武者狩りに追われる少年を助けようと命がけで奮闘する姿、そこで罠に助けられる伏線のアイデア、とても実践的な筆力を感じて良かったです。20代で連載デビューを目標に据えて、絵柄のさらなる向上と、プロにも負けない得意な武器を見つけよう!

にいさとる先生コメント:
すっきりと見やすい画面、トーンのみで書かれた背景などが綺麗だなという印象でした。お話もわかりやすいからこそ、もっともっと読者の感情を揺さぶって欲しかったです。かっちゃんが人間を嫌う理由も、「かっちゃんだからこそ」の理由が知りたかったですし、そうすることで、人間の子と暮らす幸せ、別れる辛さ、感情の振れ幅が大きくなると思います。

 

【特別奨励賞】9本

『私似の妹』50p
おあー(22)

妹の遺影が“ダサい”。納得いかない姉は妹に成り代わり──!?

★1月26日に「マガポケ」に掲載!!

編集部コメント:
「早逝した双子の妹の遺影がダサい」という衝撃的な冒頭から、ヒロインが妹の死を受容するまでを描いた傑作。42p目は鳥肌ものでした。感情の起伏を丁寧に描けている反面、中盤が重くダレている印象も。もっと感情を揺さぶる、もっと面白いものを描けるはずです。期待しています。

 

『灰夏のタクシー』50p
2宮(25)

青春を灰夏を、駆け抜ける! 助手席に、君を乗せて――。

★1月12日に「マガポケ」に掲載!!

編集部コメント:
車での送迎という地味な題材を見事に青春として描き切った作品! しとしと降る雨、車から流れるラジオなどの情景描写も素晴らしい。あとは読者サービスを意識できるとよりよくなるでしょう。空気感だけでなく展開やシチュエーションにもこだわってみてください!

 

『あなたはまるで妹』48p
門 志菜(22)

憧れのアノ子が、家族になった!! でも「兄弟」にはなりたくない、好きだから!

★1月20日に「マガポケ」に掲載!!

編集部コメント:
不機嫌だったり、そっけなかったり、びっくりしたり。そういった「読者にとって都合の良くないキャラの側面」の描写が素晴らしかった!! 一方で、サービスシーンの思い切りも完璧!! あとは、キャラクターの根っこに自分なりの個性を与えられたら……!!

 

『MERRY X’MAS IN SUMMER』50p
玖代 晴

私がやってきたのは「夢の中」。脱出の鍵は、友情⁉

★1月13日に「マガポケ」に掲載!!

編集部コメント:
不登校の同級生の夢の中で、主人公が同級生を学校に来るよう説得する物語。精神世界を舞台にしたトリッキーな設定だが、感情を揺さぶるドラマが用意された完成度の高い読み切り。重たい世界観の中で、ギャグが各所に散りばめられておりバランスが取れていたことも高評価。

 

『ファウスト・タッグ』50p
矢橋 ツジタ(19)

悪魔使いの家系に生まれたキャシーは、悪魔と契約した。その内容は「お友達作り」⁉

★1月11日に「マガポケ」に掲載!!

編集部コメント:
暗い内面を抱えながらも明るくPOPに読めるキャラクターを作れるのはとても素敵な才能だと思います。次は、世界観の解像度をもう少し上げてキャラクターの行動と世界観、そして展開を上手く絡められると更にオリジナリティを感じる作品になると思います!

 

『屍界の清葬人』50p
岡朶 きじゅ(20)

死体が動き出す、「屍人化現象」。剛力と潔癖症の凸凹コンビが一掃する!

★1月18日に「マガポケ」に掲載!!

編集部コメント:
潔癖症の主人公と怪力女子の相棒。しっかりとキャラ付けされ二人の活躍と相容れなさに期待しました。画面が全体的に近く窮屈に感じましたので、状況やアクションをわかりやすく伝えるためロングや俯瞰を取り入れ、見開きでの見栄えも意識してコマ割りを工夫しましょう。

 

『進歩』38p
岩本 誠祐(40)

考古学者・平は過去に宇宙人が存在した証拠を発見した⁉ 人類の進歩に向き合うシュール・ギャグ!

★1月15日に「マガポケ」に掲載!!

編集部コメント:
考古学者の平大地は古代に作られたダイヤモンド製の土偶らしきものを発掘。大発見のはずが土偶の間抜けさから発表を拒み…。真面目か馬鹿かわからないハイテンションのギャグに何度も笑わされた。だがちゃんと謎が解かれていく展開作りもできており才能を感じざるをえない。

 

『自由に十色』50p
増田 カモ(21・25)

不登校の少年は、可愛い化け狸と友達になった! 心温まる「二人」の物語。

1月22日に「マガポケ」に掲載!!

編集部コメント:
狸と引きこもりの少年の物語。あまりにも愛くるしい描きっぷりに心を開いていたら、中盤のシリアスへの転調でグサッ…! ポップとシリアスの組み合わせ方が巧みで引き込まれました。終盤、狸の精神年齢が急に上がってしまったように見え、やや力技だったかもしれません。

 

『極上魔術学園』46p
波雲 晴風(21)

ここは極上魔術学園。可愛くて、生意気な生徒が集まる場所!

★1月23日に「マガポケ」に掲載!!

編集部コメント:
多種多様な女の子たちが可愛く描けていました! また、読者のカタルシスを感じる要素がふんだんに詰め込まれていて、読み応え抜群でした。ストーリー展開にはアイディアを感じた一方で、演出は単調だったので色んなエンタメからもっとインプットするといいと思います。

 

このほかにも、9作品が奨励賞を受賞しました!
たくさんのご応募ありがとうございました。

 

「マガポケ」にて『WIND BREAKER』連載中
にいさとる先生の総評:

今回は特別審査員という、とても貴重な機会を頂きありがとうございました。漫画を描く理由は人それぞれですが、漫画を読む人、物語を求める人は「感動が欲しいから」だと思うのです。それをたくさん提供できるように、どういうときに心が動くのかを常に実生活や物語に触れるときに意識してストックをたくさん貯めておくと良いと思います。良いことも、悪いこともすべてが作品を作る材料になり得ます。今回の新人賞の結果も必ず糧になります。ちなみに自分は特別奨励賞までしか獲ったことはありません。まだまだです。一緒に頑張りましょう!

 

第114回新人漫画大賞原稿大募集!!

第114回新人漫画大賞の締め切りは2025年3月31日(当日消印有効)。
特別審査員は『十字架のろくにん』の中武士竜先生にお願いしています。
ご応募、お待ちしております!

イラスト/中武士竜『十字架のろくにん』

 

ぜひ周りの人にも教えてあげてください!

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