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第111回新人漫画賞、結果発表!

半年に一度開催されている「週刊少年マガジン」新人漫画賞。

 

入選1本、佳作6本を含む総勢16名が雑誌とWEBで掲載決定!
今回は第111回新人漫画賞の結果を発表します!

 

【入選】1本

『日本宇宙高速道路株式会社~JAXCO~』50p
晴原 一郎 (25)

★「別マガ」2月号に掲載&1月9日に「マガポケ」に掲載!!

編集部コメント:
宇宙に道路を作るという一見雲をつかむような話。しかし、そこに安全性や過重労働、各国の利権争いなどのディティールを描く事で、ちゃんとしたお仕事ものに仕上がっていました。緻密な背景に豊かな人物の表情、見やすいコマ割りと完成度が高い作品です。しかもカッコいい大人は出てくるし、悩める主人公を応援したくなるし、ストーリーも良いです。気になったのは、これは少年誌なのかしら? 大人が読んで楽しい作品なのでは? という点です。ご自分の武器を生かしながらも、ワクワクできる部分を盛り込むのが連載に向けての課題かと!

 

佐藤友生先生コメント:
なんて堅実でリアリティのあるSFなんだ…! 架空の業界のお話なのに絵も緻密で設定にも充分説得力があり、主人公の気持ちを追いながら進められていくので、すんなり入っていけました。武器を持って戦う描写はないけれど、主人公も彼女の上司も、間違いなく戦っている。葛藤し、自分の内にある迷いや憤りと向き合っている。だから惹かれます。表情の豊かさにも注目です。主人公はどんどんいいカオになっていきます。彼らの世界をもっと知りたいと思いました。次回作も楽しみにしております!

 

【佳作】6本

『メインテーマ』50p
古川 拓(27)

1月8日に「マガポケ」に掲載!!

編集部コメント:
親に将来を期待される男子高校生が家出、謎の女性に匿われるところから始まる人間ドラマ。サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』をエンタメに昇華したような内容で、感動しました。画力、話の運び方、画面構成、演出など、あらゆる点でハイレベル! 唯一気になったのは目の描き方。もっと感情が乗るような描き方を模索してみてほしいです!

 

佐藤友生先生コメント:
主人公の境遇、ヒロインの過去、共にとても重いのですが、のどかな田舎の描写とヒロインの底抜けに明るい性格、時折主人公が見せる少年らしい表情が光っています。作品全体に不思議な清涼感があり、2人の行く末を見守りたい温かな心持ちになりました。そして主人公の両親の存在が作品全体に緊張感を与えています、こわかった…!

 

『文化災害~カルチャー・ショック~』45p
しょうちゃみ(22)

1月5日に「マガポケ」に掲載!!

編集部コメント:
忘却された文化が暴走して“文化災”になる世界。今回の新人賞で最もワクワクさせてくれる世界観でした。アクションシーンの迫力、演出的ハッタリなどどの要素も「少年漫画としての期待感」に繫がっていて読者を高揚させるのがとても上手い作品です。キャラ同士の関係性やドラマの部分にも魅力が出るとさらに良くなるでしょう!

 

佐藤友生先生コメント:
世界設定の説明も小気味いい会話劇ですんなり頭に入ります。全体的に軽いノリですが、ちゃんと山場はカッコよく、これが描きたいんだ!という気概が感じられます。「文化災」に対する主人公のスタンスには考えさせられるものがありました。続編があれば、もっと主人公のことや「文化災」の気持ちも知りたいなあと思いました。

 

『NOVA ROCK!』50p
伊藤 千莉(21)

1月21日に「マガポケ」に掲載!!

編集部コメント:
ロック好き男子と超真面目な生徒会長の青春ドラマ。王道な展開をまっすぐ非常にレベル高く描けていると感じました。特筆すべき長所は絵と演出。既にプロレベルといってまったく差し支えないクオリティです。変にストーリーを捻ったりせず、キャラクターを生き生きと描く真っ直ぐな作品でこれからも勝負していって欲しいです。

 

佐藤友生先生コメント:
周囲の印象と本当の自分のギャップに苦しむ高校生男女が、ロックを通してお互いを理解し、殻を突き破っていく瑞々しい作品です。登場人物のいきいきとした表情や動き、背景の影の付け方もこだわりが感じられました。背景もお芝居をしてるなあと。そのせいか私自身、放課後の学校を懐かしく思い出しました。こんな青春なかったけど…。

 

▼さらに佐藤友生賞!!
『絶剣』50p
能澤淳之介(22)

1月13日に「マガポケ」に掲載!!

編集部コメント:
剣の頂点を目指す二人の姉弟を描く、絆と相克のバトル!!  迫力のある剣戟描写はもちろん、姉弟のまっすぐなキャラクター性が魅力的。構成も巧みで「なぜ主人公の剣は折れたのか」「なぜ主人公は死角を狙わなかったのか」明らかになる瞬間にハッとなります。アクションがわかりにくい弱点は改善しつつ熱い漫画を描いていって頂きたいです!!

 

佐藤友生先生コメント:
もう、冒頭の見開きで心摑まれました。主人公のキャラがいい、かっこいい! 要所要所で小さな意外性を見せられるので、それがまた面白く、ページをめくる手が止まりませんでした。コマ割り、緩急にメリハリがあるので読みやすく、試合のシーンも圧巻でした。これだけのボリュームと展開を50ページでまとめる構成力、すごいと思います。

 

『○○タイプの幽霊』50p
大橋盛平(23)

1月15日に「マガポケ」に掲載!!

編集部コメント:
クラスメイトへの恋心を遺し幽霊になった少年の傑作ギャグ! 面白すぎる! 天才的センス! ボケの破壊力、ネタの質、発想力は申し分なく、面白い漫画を描く力は間違いなし。あとは売れる漫画を作れるかどうか。画力を鍛える。ネタでなくキャラが面白い強いキャラを作る。可愛い女の子を磨くなど、読者の心を摑む武器を会得して連載を!

 

佐藤友生先生コメント:
ギャグの畳みかけ方が意外性とバリエーションに富んでいて、勢いのあるコントを見ているような錯覚に陥りました。コマ割りや人物配置も、読み手を飽きさせないよう工夫してあります。そしてヒロインがかわいい! 不意に来るアップには思わず見入ってしまいました。登場人物みんな濃いけど良い奴で、読後が爽やかなのもよかったです。

 

『星を見る紅い鳶』50p
下地 龍斗(25)

1月14日に「マガポケ」に掲載!!

編集部コメント:
罪人の流刑地で出会った男女の物語。緩急の利いたコマ割りはもちろん、キャラの可愛さや恐ろしさ、気持ち悪さを盛り込んだネームは素晴らしい魅力が詰まっていました。あとは絵のキャッチ―さを意識してほしい。 悪役やバトルなど魅力的な絵が多いので、 「漫画を読んだ経験の少ない人がとっつきやすいか」を課題としてみよう。

 

佐藤友生先生コメント:
絵が魅力的! 特におじさんがカッコいい~描写力抜群です! 悪役が悪役然としてて気持ちいいです、武器も凝っていて強くて憎らしい。そして、過酷な生を生きている主人公たち。彼らは「諦める」ということをしません。罪人になっても、恋人を失っても、ずっと足搔き続けています。その姿が、とても眩しく力強く感じました。幸せになって…!

 

【特別奨励賞】9本

『那方奏多と刀』40p
丹下 茂樹(27)

1月19日に「マガポケ」に掲載!!

編集部コメント:
父親に殺人剣を仕込まれた、片時も刀を手離せない少女と、プロの殺し屋の少女のケレン味に溢れたバトルアクション。男性読者にカッコいいと思わせる女性キャラのバトルアクションって、特別なセンスや知識がないと描けないと思います。魅力的でぶっとんだキャラクター達を入れられる箱(設定)を思いつければ、デビューは近い!

 

『夢じゃない幻じゃない目の前にある美しい世界』50p
急患婆(18)

1月6日に「マガポケ」に掲載!!

編集部コメント:
平安時代というかたい設定とキャッチ―なキャラ性のギャップがクセになる作品でした。コメディを中心とした展開なのですが感情の見せ方も見事で全体としてレベルの高さが光りました。あとは読者を惹きつける設定や世界観があればさらにワクワクできる作品になると思います!

 

『無題のブルーズ』50p
雉野 金地(19)

1月17日に「マガポケ」に掲載!!

編集部コメント:
ピアノを弾くのが嫌いだった女の子が、ピアノを弾くのが楽しくなるお話。ストーリーとしては平易なものでしたが、人、そして人の気持ちを描き出すことに関しては圧倒的すぎるほどの表現力がありました。素晴らしい才能です。ぜひ、大きな作品を描いて羽ばたいて下さい!!

 

『黒いサンタより』48p
2宮(23)

1月22日に「マガポケ」に掲載!!

編集部コメント:
居空きおじさんと少女のお話。とても感動的な物語でした! ドラマ作りの実力は十分ある作家さんだと思います。次作では、今作のような最後まで読んだ時の満足感を維持しつつ、序盤・中盤をもっと楽しく読ませる意識・工夫をもっていただけるとより良いのではないかと感じました!

 

『ぼくの私のエトワール』50p
西城 要(25)

1月4日に「マガポケ」に掲載!!

編集部コメント:
クラスの変わり者二人が出会い、繫がり、それぞれの成功を手にするお話。魅せる演出やキャラの描写が素晴らしく、面白いコマがすし詰めでした! ただ一つ気になったのは、キャラの背景があまり見えてこなかった点。そこも突き詰められたら最高の作品ができると思います!

 

『ノスタルジーに変わる』50p
魁 都卜(22)

1月10日に「マガポケ」に掲載!!

編集部コメント:
宇宙人と人間が共存する世界、一人の少女の感情がビシビシ伝わるリアリティ度の高い作品。主人公の成長がやや後ろ向きに見えるのが少年誌としては少し勿体ないですが、人間を描くのがとてもお上手です。読者サービスの意識をもって作品作りできるとさらにステップアップできるはず!

 

『ふたりのつながり』50p
音楽リリリオン(20)

1月23日に「マガポケ」に掲載!!

編集部コメント:
主人公とヒロインの関係性をもっと見ていたいと思わせる良作でした。受験というありふれた題材ではありますが、キャラクターの好感度をここまで高めれば新しいラブコメとして成立するのだと思い知らされました。次回作では、これまで描いたことのないキャラに挑戦してほしいなと思います。

 

『Buttercup』50p
とどろ(23)

1月18日に「マガポケ」に掲載!!

編集部コメント:
仕事はダメ&ヤクザに騙されて心を無くした主人公は、自称・花屋という殺し屋に出会い、ある依頼をする。絵柄に艶があり、「咲け!」の大ゴマは格好良い。一方で凝った背景や描き文字は読みづらい箇所も…。花屋のキャラ背景がわかれば、より作品に入り込めるはず!

 

『ちるちゃんは性格がワルイ‼』38p
イナ (26)

1月12日に「マガポケ」に掲載!!

編集部コメント:
容姿の良さを自覚した少女との可愛いラブコメ! 思春期の性別の違いをキャラ性に取り入れた魅力的なお話でした。キャラが何を意識し物語のテーマがどこにあるのかがわかりにくかったので、キャラの目線を通して読者にテーマを問いかけることで物語を構成してみよう。

 

このほかにも、9作品が奨励賞を受賞しました!
たくさんのご応募ありがとうございました。

 

「別マガ」にて『トモダチゲーム』連載中
佐藤友生先生の総評:

「漫画は、自分以外の人の人生を体験でき、感情移入して応援できる、人の心を育てることができる媒体だ」と尊敬する作家さんが仰っていました。私もそう思います。だから一人でも多くの読者に楽しんでもらえるよう、工夫が必要です。今回全体的に絵や画面作りが巧みな方が多く、顔漫画にせず全身を描こうという気概が伺えました。その一方、「ここはこのキャラに目線を合わせて欲しかったな」「このセリフを受けての表情が見たいな」と思うことが多かったです。ここぞという時に顔アップや目アップを試してみて下さい。「読みやすい」ことは本当に大事です。私も精進します! 一緒に頑張りましょう。

 

第112回新人漫画賞原稿大募集!!

第112回新人漫画賞の締め切りは2024年3月31日(当日消印有効)。
特別審査委員長は『黒猫と魔女の教室』の金田陽介先生にお願いしています。
ご応募、お待ちしております!

 

ぜひ周りの人にも教えてあげてください!

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