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第110回新人漫画賞、結果発表!

半年に一度開催されている「週刊少年マガジン」新人漫画賞。

 

入選1本、佳作4本を含む総勢16名が雑誌とWEBで掲載決定!
今回は第110回新人漫画賞の結果を発表します!

 

【入選】1本

『ドンリーブ』50p
川崎 りゅうが (25)

編集部コメント:
凄腕の殺し屋の少女と、彼女に狙われた青年。実は2人には隠された大きな因縁があって――。序盤は殺そうとしても殺せないうちに特殊な信頼関係ができていく、という不思議なコメディが楽しく、ある事実が発覚してからは怒濤のドラマとアクションの畳みかけ! まさに極上のエンターテインメントのような漫画でした。漫画の実力も素晴らしい! デッサンの狂わない確かな画力、豊かな表情、好感度の高い絵柄、漫画としての見せ方を熟知した構図、メリハリのある演出力、どれをとっても一級品! 今すぐ連載を始めてほしいくらいだと思いました!

 

内藤マーシー先生コメント:
状況描写やアクション描写、キャラクターの表情などもプロレベルだと思いました。主人公も、摑みどころのなさや飄々としたキャラがヒロインのために本気で戦う姿はギャップがあってとてもかっこよかったです。
ただストーリー・世界観・設定、いわゆる漫画の企画として考えると平凡な印象でした。あとはあらすじや絵を見ただけで「なんだそれは! おもしろそう!」とワクワクさせるキャラクターや設定を見つけることができれば連載は目の前です。

 

★別冊少年マガジン8月号に掲載&7月7日に「マガポケ」に掲載!!

 

佳作4本

『そして私は、こう言った。』50p
柴矢しう(23)

編集部コメント:
希望のないエグい鬱展開に読んでいて疲弊します。しかし「普通じゃない、特別なものを描く!」という信念が感じられ、ページをめくる手が止まりません! 凄みとセンスを併せ持つ絵柄も作品にパワーを与えています。ぜひプロとして花開いてほしいです。少々のエンタメ風味も加えて、唯一無二の物語・問題作を描いていただきたいです!!

 

内藤マーシー先生コメント:
女子高生の重厚な友情のドラマを描かれた作品でしたが 冒頭の摑みが非現実的でインパクトがあったり ここぞというシーンでも吹き出しを絵として演出させたり この人にしかないセンスを感じました。ただ、良いシーンなのにキャラが背景に埋もれてしまっているところは少しもったいないと思いました。キャラを引き立たせるための絵作りができれば更に良くなると思います。

 

『宇宙にスプラッシュ』50p
坂木 橙日(17)

編集部コメント:
「米が好きな女子高生に悪いヤツはいねえだろ」と、一発で自然に主人公に感情移入させられ、キャラの立て方が上手。いじめのシーンも「消しゴムのキャッチボール」というアイディアで、暴力をエスカレートさせることなく、深刻度だけ高めていく。クライマックスの田んぼの絵の見開きは、稲の描き方とか最高で高い画力を感じました。

 

内藤マーシー先生コメント:
つかみが面白く最初はギャグなのかなと思ったら次第に分厚い人情ドラマに移り変わり、そのまま釘付けになってしまいました。終盤の主人公の葛藤や成長の演出にもぐっと来ました。欲を言えば、セイラちゃんの行動の理由はもう十分演出で伝わっていたのでキャラに説明させずとも主人公が察してあげられれば更に登場人物の魅力が増したと思います。

 

『ギャルを飼う。』40p
ヨツバリオ(21)

編集部コメント:
仕事で失敗続きの女の子のもとに現れた小人サイズのギャル。パネェとドンキしか喋らないけど滅茶カワイクてサイコーでした! ちゃんと笑うところも用意されているし、ギャルとの交流に読んでる側もほっこり癒やされました。惜しむらくはギャルのキャラデザかなぁ……これがもっと良ければ、コミックス買いたいくなっちゃいます、パネェ!!

 

内藤マーシー先生コメント:
とてもシュールで可愛らしく、そしてなぜかほっこりする冒頭に描いてあるとおり、読み終えたあととても心が軽くなりました。ただ飼っているギャルが「ギャル」という枠に留まっているのがもったいない。このギャルの子を「キャラ」として更に昇華できれば連載作品としても人気になりそうなポテンシャルを感じました。

 

★さらに内藤マーシー賞!!
『アイムバック』50p
安住 ヤギ(23)

編集部コメント:
猫を助けてトラックに轢かれ幽霊になってしまった主人公が現世に残った理由=未練は、彼女のおっぱいを触りたいこと。というバカバカしい導入だが冒頭10ページの摑みはばっちり! ノリと勢いで行動するポジティブな主人公が話を引っ張るが、実は張られた伏線も上手く回収されていて満足度が高かった。今後は画力アップが急務!

 

内藤マーシー先生コメント:
とにかく主人公が清々しく良いやつで読んでいて本当に気持ちが良かったです。お話も行き当たりばったりに見えて、ちゃんと読み終えると一本の筋できれいにまとまっていて読み切りとして美しいと思いました。もったいないのは状況がわかり辛いシーンがチラホラあったこと。引きの絵を上手く使って絵で状況を伝えることを意識すればもっと良くなると思います。

 

【特別奨励賞】11本

『怪盗少女の謎めく恋文』45p
物憂さ兎(25)

編集部コメント:
謎解きを介したラブコメ! キャラの可愛さ、企画とアイディア、読みやすさ。どこを取っても恐ろしい完成度の高さ! 「読者が読む」ことを考えて漫画を作る力は、もう十二分プロレベルです。画力を磨いてさらに上を! 物憂さ兎さん、早く連載を読ませてください!

 

『リメンバーバック』50p
鴨川 新一(22)

編集部コメント:
時代遅れのカットマンが、視覚障害の少女に応援されることで、壁を越えて強さを手に入れる展開が熱かったです! 主人公が強くなるプロセスをドラマと熱のこもった作画で説得力を与えている点が特によかったです。キャラクターの好感度が高いのも武器です! 次回も期待。

 

『アラン・ウォーカーは死んでない!』50p
中 直人(24)

編集部コメント:
とても読後感のよい、心温まる作品でした。悪人のいない物語で、なおかつ主人公の目的に非常に好感が持てます。キャラ絵は憎めない絵柄で作風に合っていますが、現状では読み手をかなり選びます。画力を磨き、画作りで読者を惹きつけることを意識してください。

 

『亀走追走』49p
能澤 淳之介(21)

編集部コメント:
粗削りながらも素晴らしい熱量があって、とても感情の伝わる作品。兔の先輩はとてもいい色気があって、絵だけで強気で気高い女性キャラとしての説得力を保てている。読み手の感情を動かすセリフ回しや演出は間違いなく武器なのでより洗練されればデビューも近いと思います。

 

『メンあり!!』50p
山本 拓未 (20)

編集部コメント:
兄弟という微妙な距離感の描き方が絶妙! そして剣道描写のリアリティが素晴らしく、踏み込みからくる貧血のシーンなどネタがしっかりしている点も魅力的だ。あとはもっとキャラデザにこだわって画力を伸ばせば、さらに上の賞を狙えるポテンシャルを持っているぞ!

 

『ふたり。』50p
足丘 乱魚(24)

編集部コメント:
行き場のない二人の少女による逃避行。演出力があり、読者に先を読ませる力のある作品でした! 一方で読む人を楽しませるエンタメが薄く感じたので、暗いテーマだからこそ取っつきやすくするポップさや、キャラの温度を感じさせるコメディなども欲しかった!

 

『ファーストキスは渡せない』50p
西山 西子(21)

編集部コメント:
ベロチュー星人に寄生されるというぶっ飛んだ摑みをキャラの異常なまでのエネルギッシュさでぐいぐい読まされる力は素晴らしい! 独特で強烈な個性の持ち主だ! 寄生されたことによる、キャラの価値観の変化や成長を描けていたらもっと深くて凄い作品になったと思う。

 

『マキリンの処刑代行』49p
近藤 ちか(20)

編集部コメント:
クセが魅力的な敵役に、メクリを意識したテンポの良い演出、そして意外性ある展開。これぞエンタメと呼ぶべきバトル漫画だ。バトルのネタに納得感があるのも良い。主人公にもう少し共感性を持たせることができれば、もっと上の賞も狙えたはず。次回作に期待!

 

『伏線転じて福と成す』49p
亥浜 多壱(21)

編集部コメント:
映画監督志望の主人公は、人生の出来事も映画になぞらえて耐え忍んでいる。序盤で主人公が「伏線」にこだわる様子をしっかりと見せて印象付け、作中でまさに伏線を回収するかのような仕掛けはとても綺麗に構成されていて読み切り作品としてお見事。物語を伝える力が高い。

 

『LOG STOMP』50p
工藤耀太(22)

編集部コメント:
明るい義足職人の少年と、不幸な少女の物語。荒廃した世界の中で、少年のヒーロー性が際立っていた! また、その描写にこだわりが透けて見えるのも素晴らしい! 一方で、世界観やキャラの背景設定に関しては少々甘さを感じた。より作品世界に没頭してみてほしい。

 

『メンヘラさんと市松さん』44p
永本優友(24)

編集部コメント:
呪いの市松人形を拾ったのは、お化けも怯えさせるほどのメンヘラだったというお話。面白い設定で、キャラの可愛らしさも感じられました! 設定が面白いからこそ、キャラのセリフや行動が、その設定に追いついていないように感じます。演出やセリフ回しをさらに磨きましょう!

 

このほかにも、9作品が奨励賞を受賞しました!
たくさんのご応募ありがとうございました。

 

内藤マーシー先生の総評:
賞レースなのでもちろん順位の差はありますが、皆さん全員自分が同じ時期に新人賞に応募してたら嫌だな~と思えるぐらいレベルが高くて焦りを感じました。新人賞は自分にとってもまだまだ記憶に新しくて審査員なんて本当に恐縮だったのですがとても刺激になりました。 逆に言えば、皆さんも数年後には連載して新人賞の審査員になるなんてこともあるわけです。手の届く範囲に皆さんの夢見た世界があって、もう夢じゃなくて現実になってるわけです。 なので皆さんも特別審査員を目指して(?)頑張ってください。自分も負けてらんないので連載頑張ります。

 

第111回新人漫画賞原稿大募集!!

第111回新人漫画賞の締め切りは2023年9月30日(当日消印有効)。
特別審査委員長は『トモダチゲーム』の佐藤友生先生にお願いしています。
ご応募、お待ちしております!

 

ぜひ周りの人にも教えてあげてください!

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