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『川柳少女』最終回記念! 花澤香菜さん、五十嵐正邦先生特別対談!

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声優 花澤香菜
TVアニメ『川柳少女』雪白七々子役。
過去出演作品に『五等分の花嫁』『FAIRY TAIL』『山田くんと7人の魔女』など。

 

漫画家 五十嵐正邦
「週刊少年マガジン」にて『川柳少女』連載。
過去作に『コーポ失楽園』など。「電撃マオウ」でも連載中。

 

長らくご愛読をいただきました『川柳少女』が、ついに最終回!!
今回は、3年半にわたる連載の完結を記念して、声優・花澤香菜さんと作者・五十嵐正邦先生に直接対談していただきました! 漫画『川柳少女』を振り返っての感想や、次回作のイメージまで、出し惜しみ無く語り尽くします!

 

―『川柳少女』ついに最終回ですね! TVアニメ放送からも約1年が経ちましたが、今のお気持ちはいかがでしょうか?

 

五十嵐先生:
4コマ漫画ですし、「ここまで続けられるとは思ってなかった」というのが正直なところです(笑)。しかし、そのおかげで描きたかったものは全部描けましたし、最終回でちゃんと3年生になるところまでやれました。寂しいですけれど、やりきったなという感じです。

 

花澤さん:
本当にお疲れ様です! 最後までこの作品に関われて、本当に良かったなと思います。「七々子の告白シーンを演じてみたかったな~~!」とか「アマネ部長ともっとふざけたお話したかったな~~!」とか、ちょっぴり思い残すこともありますが……(笑)。

 

最初の出会いはCMだった。

―『川柳少女』の連載を通して、一番心に残っていることは何でしょうか?

 

五十嵐先生:
実はTVアニメ化の前に作ったCMが一番衝撃でした。
声優さんが声を当てるCMを作ることになって、担当さんに好きな声優さんを聞かれて悩んでいたのですが……。

 

『言の葉の庭』を見たときに「あ、この人(花澤さん)だ!!」と。
それまで七々子が喋るイメージが全然沸かなかったんですが、CMの収録で花澤さんの声を聞いたとき、「七々子ってこう喋るんだ!」と納得してしまいました。

 

花澤さん:
うわー! 嬉しいです!!
私もお仕事を頂いたときに作品を読んでびっくりしました。

 

なんて言っても会話がすべて五七五! モノローグの雰囲気もあるけど、会話としてのニュアンスも無いといけないですし、とても絶妙なバランス感覚が必要なキャラクターだなと思いました。でも素朴ないい子だから、性格的にはとても演じやすかったです。

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五十嵐先生:
こんな難しいキャラクターを演じていただきありがとうございます(笑)。ちなみに、引き受けていただけた理由って何かあったのでしょうか?

 

花澤さん:
実はマネージャーがすごいノリノリで「この漫画、可愛いよ!!」って勧めてくれたんです。もともと読んでいて、好きだったらしくて(笑)。私も読んだら可愛いしキュンキュンするしで、ぜひ演じてみたいなと思いました。

 

そのままTVアニメの方もやらせていただきましたが、最後までとても楽しく演じることができました。出演者が馴染みのある方ばっかりだったこともありますが、『川柳少女』の世界がそのままアフレコ現場で作り出せている感じがあって……。

 

五十嵐先生:
結構行きましたが、アフレコ現場はそんな雰囲気でしたね!

 

花澤さん:
五十嵐さん、確かに良くいらしてましたね!! アニメ化で忙しい時期だったと思うのですが、大丈夫だったんですか……?

 

五十嵐先生:
いえ、煮詰まってて「外に出ないと死んじゃう!」って感じの時期でしたので。
むしろ救われたという気持ちまであります。皆さんに声を付けていただいたからこそ、イメージできたシーンもありましたので。やっぱり行って良かったです。

 

一番「キツかった」のは 第32句!!

―これまでの連載で、一番気に入っている話、また、逆に後悔の残る話はありますか?

 

五十嵐先生:
ギャグが良くできた回という意味では、第99句の「とある小説家の日常」でしょうか。あれはイントロも含め、なかなかスマートに決まったかな……と! 厳しかったのは第101~104句のクリスマス回です。スケジュールとページ数の調整が大変で、もっとゆったりやれれば……と思ったりもします。

 

あとは七々子が指を怪我した回(第32句「五七五が使えない」)もキツかったですね。テーマを決めた後に「この子、川柳を書けないと何もできないじゃん!!」って気づいて。喋れないし、描けないし、ネームも難航しました。

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第32句より。七々子が指を怪我してしまい、 川柳を書けなくなってしまう。 

 

花澤さん:
それでいうと、眼鏡のお話(第134句「七々子、ガン飛ばす」)も……!!

 

五十嵐先生:
そうですね!! あれも大変でした。見えないし、喋れないし……。

 

花澤さん:
一番といったら、私は水着回(第45句「七々子が水着に着替えたら」)が好きでした!! 見てほしいけど、見られたくないみたいな、七々子のいじらしさが愛おしくて……。やっぱり恥ずかしそうな女の子って可愛いですよね。私の中のおじさん心がうずうずしちゃいました(笑)。

 

五十嵐先生:
ありがとうございます! 僕もTVアニメで見ていて特に楽しかった回でした。

 

―連載やTVアニメを振り返って、お互いに何か聞きたいことなどありますか?

 

花澤さん:
第152句の七々子の告白シーン!! これまで一切喋ることのなかった七々子が、初めて自分の言葉で告白する感動のシーンですが、あれは初めから考えていたんですか?

 

五十嵐先生:
シチュエーションはぼやっとしていましたけど、「七々子の告白は自分の言葉で」ということ自体はだいぶ前から決めていました!

 

花澤さん:
やっぱり!! あれは声を当ててみたかったです……!! ここまで声を押し殺してきたというか、ずっとリアクションと短冊だけで演じていたので。あそこをやれたら「七々子ちゃんを演じられた」という感じがすごくする気がします。多分泣いちゃうと思う……!!

 

これまでに描いた川柳は普通の人生4回分……!?

五十嵐先生:
これは質問というより、ほとんど雑談なのですが……。このアニメに関わってから花澤さん、事あるごとに川柳を詠まされてしまっていますよね。

 

花澤さん:
いやーほんとですよ!!
でも、そのおかげで川柳を詠むことの楽しさを身を持って知ることができた気がします。川柳はほとんどアドリブですから、セリフを読むのとはまた違った面白さがありますね。リスナーさんの紹介で「五七五オンライン」とかの存在も知って、世界が広がりました!!

 

五十嵐先生:
余計な労力を掛けてしまってすみません……(汗)。

 

花澤さん:
大体その場で考えていたので全然平気です! むしろ全てのセリフを川柳で作っていた五十嵐さんのほうがずっと大変だったんじゃないですか?

 

五十嵐先生:
確かに、連載が始まって第4句くらいでもう「これはヤバい!」と思ってました。結局、これまでに人生4回分くらいの川柳を描いた気がします。

 

花澤さん:
やっぱり大変ですよね……(笑)。
でも、第0句の掲示板でのやり取りは最高でした。お手紙でも会話でもなく、川柳でやり取りするってすごいですよね。この作品でしかできないシーンだと思います!

 

緻密に書き込まれた「トビラ絵」 には隠された狙いがあった!

花澤さん:

毎話の冒頭にコンセプチュアルな七々子の一枚絵があると思うのですが、あれはどういった意図で入れているのでしょうか? 毎回可愛くて堪らないのですが……!!

 

五十嵐先生:
「トビラ絵」ですね。4コマ漫画はどうしても背景が少なくなりがちで、キャラクターの実在感が薄れてしまう感覚があったので。その分、トビラ絵では「ちゃんと空間に生きてる感じ」を伝えられたらと思って、毎回なるべく頑張って背景を描いています。

 

あとは、七々子は普段からニコニコしてる子なので、あまり笑ってないところというか、もっと素のところを見せられたらなという狙いもありました。それに、ショート漫画はページ数が少ないですので、なるべく読者の皆さんの目が留まるように、大きな一枚絵をおけるように……とも考えていましたね。

 

花澤さん:
そうだったんですね! あのページにはそんな色々な狙いが……!!

 

『川柳少女』の隠れたコンセプトは 「欠点を受け入れてくれる世界」

花澤さん:
しかし、七々子ちゃんって本当にいい子ですよね。
いろんな大変なことがあって、いっぱいライバルの女の子も出てくるのに、ずっといい子で在り続けているのってすごいことだと思います。

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第152句より。この告白で、初めて七々子に吹き出しが付いた。

 

五十嵐先生:
そうですね。
嫉妬するシーンなどを意図的に描かないとか、かなり気を遣って描いていました。また、七々子が「いい子」であるのと同様に、七々子にとっての周囲の人も「いいもの」となるよう描いてきたつもりです。

 

花澤さん:
確かに『川柳少女』を読んでいると、エイジや七々子の幸せオーラに圧倒されちゃいますね。皆個性的で悩ましいのに皆幸せに過ごしている。そういった空間も、この作品の魅力な気がします。

 

五十嵐先生:
やっぱり高校生って一番コミュニケーションに悩む年頃だと思うんです。
その代表として七々子はいる。でも、「だからきちんとコミュニケーションできるようになろう」っていう話にはしたくないと思っていました。

 

上手くコミュニケーションがとれなくても、それを受け入れてくれるところで幸せに暮らしている、っていうパターンがあってもいいでしょう、と。色々考えるうち、この作品のコンセプトはそういうものになっていった気がします。

 

次回作で目指すのは 「誰もが安心して読める」漫画!

―五十嵐先生の次回作はどんなものが読みたいですか?

 

花澤さん:
私はやっぱり「デレデレ」が見たいです!
誰かが誰かにデレデレで、本人は積極的なつもりはないのに溢れた思いが伝わっちゃう……。そんな作品が読めたら嬉しいです。 『川柳少女』って女の子が読んでも、こんな風に素直にしていていいんだ、こういう風にしていれば伝わる思いもあるんだって感じちゃいますので。五十嵐さんにしか描けない絶妙な「デレデレ男女」をまた読みたいです!

 

五十嵐先生:
ありがとうございます!
次回作もラブコメを描くかはわかりませんが、まずは「いつどんなときでも楽しく読める作品」を目指したいと思っています。色んな漫画が載っている雑誌のなかで、「これはいつも安心して読めるなぁ」と、思ってもらえるような作品を作りたいです。

 

―最後に一言、お願いいたします!!

 

五十嵐先生:
これまで連載を続けていて本当にきつい時期もあったんですが、その時、声優の皆さんに救ってもらった部分が沢山あったと思います。
七々子に声が付いて命が吹き込まれて、自分の外で動きはじめているのを見たときに、そこからまた新しいアイディアを貰うこともありました。改めまして、本当にありがとうございます。

 

花澤さん:
私も七々子を演じることができて本当に良かったです!
あの楽しい空間でお仕事できたということは、とても嬉しいことでした。できることなら続きもやりたいくらいです。 それでは、こんな素敵なご縁をいただけて嬉しかったので……最後は川柳にて締めさせていただきます!!

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『川柳少女』の思い出話に盛り上がる2人。

 

連載お疲れ様でした!!
五十嵐先生の次回作に ご期待ください!!

 

「週刊少年マガジン」21号で花澤さん&五十嵐先生のダブルサイン入り色紙 プレゼント企画あり!!

 

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