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特別対談! 春場ねぎ先生×内海八重先生の「カワイイ」と「驚き」を生み出す漫画術

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「え!? 何でこの2人が対談を?」と思う読者もいるだろう。

 

実は、以前から親交の深い春場ねぎ・内海八重両先生。この度、夢の初対談が実現!お互いの作品の魅力や、「カワイイ」と「驚き」を生み出す漫画術を語り尽くす!

 

春場ねぎ
カワードクロスワールド』で第89回新人漫画賞入選を受賞。
2014年から『煉獄のカルマ』(原作:廣瀬俊)を連載。2017年より連載を開始した『五等分の花嫁』は、累計1100万部を突破! 2019年に同作で講談社漫画賞を受賞し、2020年「週刊少年マガジン」12号で大団円を迎えた。

 

内海八重
2014年に『新海綴の読解録』(「八海薫」名義)で連載デビュー。
2016年から「マンガボックス」にて『骨が腐るまで』を連載。その後、『煉獄のカルマ』連載開始から完結まで春場ねぎのアシスタントを務める。2020年「週刊少年マガジン」7号より『なれの果ての僕ら』を連載中!

 

仲間意識? ライバル意識? 連載作家同士の本音に迫る!

 ―お二人の交流はいつから?

 

春場先生:
『煉獄のカルマ」(原作:廣瀬俊)の連載がはじまるとき、編集部の紹介で内海さんにアシスタントとして入ってもらったんです。「怖い人だったらどうしよう......」と思いながら電話をかけたら、聞こえてきた声が想像よりもか細く、「あ、怖い人ではなさそう。よかった」と(笑)。

 

内海先生:
初耳です(笑)。私もちょうど週マガで連載していた『新海綴の読解録』(八海薫名義)が終わり、もう一度漫画を学び直そうと思っていた時期だったので、春場さんからアシスタントのお誘いがあった時は嬉しかったです。 

 

春場先生:
連載経験があって、確かな技術を持っていたので、めちゃくちゃ頼もしかった。 

 

ーそれぞれ、お互いの連載がはじまる時は、どんな気持ちでしたか?

 

春場先生:
めちゃくちゃ嬉しかったですね!

 

内海先生:
私も同じです! 「おめでとう」という気持ちが強かった。アシスタントをする中で、お互いすごく苦労してきたことを知っているからかな(笑)。仲間意識のようなものが強いんだと思います。 

 

春場先生:
漫画家って、成功しないと生活できない職業ですし、内海さんがそうなってるのは想像したくない。『なれの果ての僕ら』の連載がはじまって、内海さんも元気でやっているんだなと嬉しくなりました。

 

内海先生:
知っている人は、みんなうまくいってほしいですよね。

 

春場先生:
そうですね。ただ、内海さんの漫画がラブコメだったら話は違っていたかも(笑)。そうなると明確なライバルなので。

 

内海先生:
ラブコメじゃなくてよかった(笑)。そうだ! 私、春場さんにどうしても言いたかったことがあるんです!

 

思わず嫉妬した! 1話目掲載時の感想を語る!!

内海先生:
 『五等分の花嫁』がはじまったときは、「春場さん、やりやがったな!」と思いましたよ。

 

春場先生:
それはどういう意味で?(笑)

 

内海先生:
すごいアイデアを思いついたなと。誰と結ばれるのか最後までドキドキしながら読んでいました。

 

春場先生:
嬉しいなぁ! 僕は『なれの果ての僕ら』をはじめて読んだとき、とても挑戦的な作品だなと思いました。

 

内海先生:
挑戦的ですか?

 

春場先生:
同窓会に集まった高校生たちが、同級生の一人に監禁されるというサスペンスなのに、冒頭で「52時間で12人が死んだ」と結末を示してますよね。
すごい勇気だな、と。よっぽど作り込んでからはじめないと普通は怖くてできないやり方じゃないですか。

 

内海先生:
確かに、かなり思い切ったかもしれないです(笑)。でも、結末を先に示すという意味では、『五等分の花嫁』と一緒ですよね。

 

春場先生:
確かに(笑)。それにしても、1話目からいきなり毒のリレーがはじまるのにもびっくりしました。

 

内海先生:
死ぬかもしれない極限状態に陥っても、人は善性を保てるか、というのが作品のテーマのひとつなんです。裏切りなどによって人間関係に変化が現れる部分を読んでほしいので、最初の実験を通じてそれを伝えたかった。

 

春場先生:
友達を見殺しにしてでも自分は助かろうとする奴もいましたね。人間の本性をうまく描いていて、思わずゾッとしました。

 

内海先生:
「ゲームマスター」がいて、厳格な「ルール」があって、力を合わせてそれをクリアするという、いわゆる「デスゲーム」ものとはちょっと方向性が違うことを早めに示したい、という目的がありました。

 

春場先生:
確かに1話目の扉絵は、デスゲームのようなおどろおどろしさはなかったですね。登場人物が一堂に会した見開きは迫力があって、デザインもすごくカッコよかったです!

 

読者を驚かせる演出術!

春場先生:

物語の結末を描いた上で、読者の予想を裏切るのってすごく難しいですよね。例えば『五等分の花嫁』で「実は6人目がいました」なんて展開をしたら読者をガッカリさせちゃったと思う。

 

内海先生:
春場さんは連載中、読者を驚かせるために具体的にどんなことを考えてましたか?

 

春場先生:
2パターンの方法を考えていました。唐突な展開を持ってきて読者を驚かせるパターンと、事前に伏線を張っておくパターンです。

 

前者で言えば、二乃がバイク上で風太郎にした告白が聞こえてないと分かった時に、すかさずもう一度風太郎に告白し直した時などですね。

 

後者で言えば、林間学校に行く途中に風太郎と五つ子たちで遊んでいた「五つ子ゲーム」は、林間学校終盤で風太郎が倒れた際に「寝込んだときに良くなるおまじない」として五つ子それぞれが握る風太郎の指と一致していたりします。

 

こうしておけば、真相が分かった時に「あの時のアレが伏線だったのか!」と読者が驚いてくれるかな、と思って。

 

内海先生:
なるほど……。春場さんのように緻密に練って描けるのは羨ましいです。『五等分の花嫁』は読者から「誰と結ばれるのか」多くの予測を立てられた作品でしたね。

 

春場先生:
そうですね。連載当時はいろんな予測が飛び交っていました。予測してもらう喜びというのもありますよね。自分が誘導したい方向に読者が予測を立ててくれると嬉しいし、その後の展開もやりやすかった。

一番努力したのは、たとえ予測とは違っても、「この展開も良いよね」と読者に思ってもらえるような話を作ることです。

 

内海先生:
確かに、それが一番大事ですね。そして一番難しい。

 

春場先生:
『なれの果ての僕ら』だと、展開に驚いたのは3話目で小清水さんが死ぬシーンかなぁ。実験が始まって割とすぐだったので、「もう死ぬの!?」とびっくりしました。

 

内海先生:
「主人公のせいで人が死ぬ」ということを読者に示すことで、今後の展開に生かせるかと思って。

 

春場先生:
すでに多くの伏線が張られていそうなので、その回収も楽しみです。

 

内海先生:
頑張ります(笑)。

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(内海)お気に入りのキャラだったんですけどね……

 

春場流、内海流、 「可愛い女の子」メソッド!

――お二人の作品には「女の子が可愛い」という共通点もあります。

 

春場先生:
内海さんが描く女の子はリアルな良さがありますよね。『なれの果ての僕ら』1話目で、未来が背中を丸めて座っているようなシーンを見ると、ポージング含め生々しく感じて魅力的に見えます。

 

内海先生:
ありがとうございます。

 

春場先生:
可愛い女の子を描くコツって何かあるんですか。

 

内海先生:
春場さんに聞かれるとすごく答えにくいですね(笑)。

 

うーん、体つきなどを丸めに描くことは意識しているかもしれません。そうすると、より実際の女の子の体つきに近づくので、それでリアルに見えるのかな。
春場さんが描く女の子は、見た目はもちろん、仕草がとても可愛い!「口元に手を当てているポーズ」とか好きですね。

 

春場先生:
「手」を使った仕草は、女性らしさがすごく出るので、よく使っているかもしれません。単行本も7巻から11巻まで五つ子全員が口元に手を置いています。

 

内海先生:
何か参考にしているものはありますか?

 

春場先生:
自分の「手」ですね。いろんなパターンを描くには、様々な写真が必要なので、僕のスマホは並の女子高生より自撮りが多いかもしれません(笑)。

 

内海先生:
(笑)。だからこそあれだけ可愛い仕草が描けるんですね。

 

春場先生:
内海さんが描く女の子は「上目遣い」がすごく可愛いです。

 

内海先生:
嬉しいです! 1話目の序盤で登場する雨宮さんの上目遣いは、頑張って描きました。

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(春場)僕には描けない可愛さです!

 

春場先生:
それが2話目で早速あんな目に……。

 

内海先生:
申し訳ない気持ちになりますね。キャラに対して。ああいうシーンでは。

 

春場先生:
可愛い女の子を楽しんでもらうことはもちろんのこと、ラブコメもサスペンスも共通点として、いかに心の機微を画面に出していくかが重要ですよね。
それが恋心であっても、追い詰められた人間の心理であっても。

 

内海先生:
そうですね。『なれの果ての僕ら』も、そういった心の変化に注意しながら読んでもらえると嬉しいです。

 

――最後に、今回久しぶりにお会いしていかがでしたか。

 

春場先生:
連載が終わって少しゆっくりしていましたが、連載中の内海さんとお話して、「僕も頑張らなきゃ」という思いが強まりました。
これから次回作に取り組んでいきますので、また僕がマガジンに戻ってくる日まで待っていてください。

 

内海先生:
なるべく早く戻ってきてください。頑張って待ってますので!

 

――本日はありがとうございました。

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世界に1枚だけ!春場ねぎ×内海八重コラボ色紙を「抽選で1名様にプレゼント!

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応募の決まり:
郵便はがきの裏に「週刊少年マガジン」20号に付いている「なれの果ての僕ら対談記念プレゼント」プレゼント応募券を貼り、1.郵便番号 2.住所 3.氏名 4.年齢 5.学年/職業 6.電話番号 7.『五等分の花嫁』『なれの果ての僕ら』の感想を記入して郵送してください。
※「週マガ」電子版には応募券はついていません

 

宛先:
〒119-0181
東京・小石川郵便局私書箱11号
週刊少年マガジン20号
「なれの果ての僕ら対談記念プレゼント」プレゼント係

 

締めきり:
5月2日(土)当日消印有効

 

※当選者の発表は賞品の発送をもってかえさせていただきます。
※雑誌公正競争規約の定めにより、この懸賞に当選された方は、この号の他の懸賞に当選できない場合があります。
※お送りいただいたはがきは、企画終了後適切な方法で廃棄します。
※賞品の転売を禁じます。

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