みんなたちぃ~、熱い毎日を過ごしてますかっ?
「いや、暑い毎日なら過ごしてるよ」と言う人も、「クーラーの効いた部屋で、毎日涼しいよ!」と言う人も“熱く”なれる!
それが、現在「週刊少年マガジン」で『DAYS』を描いている安田剛士先生のデビュー作『Over Drive』です。
心頭滅却すれば、火もまた涼し。
夏より熱くなってしまえば、夏の暑さなんか吹っ飛ばせる?
世界を熱狂させた男の歩みを描く
これは世界20億人の自転車ファンを熱狂させた男、「篠崎ミコト」の物語。
約3週間、3500km以上を走り抜く、世界一過酷とまで言われる世界最大の自転車レース「ツール・ド・フランス」。
ここに一人の日本人がトップに躍り出た。
それが「篠崎ミコト」。
彼はいかにして、一流のサイクリスト、レーサーとなったのか……
ここで彼の高校時代にさかのぼります。
これが若かりし日の篠崎くんです!
スクーターにまたがり、大物感があふれ出ています。
……と思いきや……。
パシリかよ!
なにかの間違いじゃないの? という期待は、次のコマであっさり裏切られます。
なんと、自己紹介……しちゃうんです。
そう、彼こそ冒頭で出てきた篠崎ミコトくんなのです。
「つい先日」「入学式を迎えたばかり」なのに、もう先輩たちからパシリにされてしまっているというのが、高校生の彼の現実なのです。
でも……
やっぱり、高校に入ったと言っても夢は夢だったみたいです。
(そら、牛乳ぶくぶくしちゃいますね……)
そんな篠崎くんが憧れているのがこの人、深澤さんです。
同じ中学で、同じ高校で同じクラス。
そして、一週間前から隣の席に!
でも、ダメ出しされまくりの野暮ったさ。
挙句の果てに「好きなコがいるなら、もーちょっと自分に気を使うでしょう? あんたにとってその娘の価値 そんなもんってこと」とまで言われてしまいます。
実は篠崎くんが焦ったのは「深澤さんが好きだから」だけじゃない。
密かに深澤さんに憧れて、彼女の絵を描くいじましさを持っていました。
でも、あまり話したことがない人がこっそり自分の絵を描いていたら、良い気持ちがしないですよね……
ダメ出しされまくったけど、憧れの人から声をかけられテンパり、つい「深澤さんの絵を描かせてください」とお願いしちゃいます。
そして、それを承諾する深澤さんは、絵を描き始めた彼の変わりぶりに驚きます。
やだ、巨匠の予感……?
いやいやいや、これは自転車の物語のはず。
絵を描いている場合じゃないですよ、篠崎くん。
ところが、彼に対してダメ出しをしまくっていた深澤さん、絵を描きはじめる前の彼に1つの提案をしていました。
落ちるでしょ。これは落ちるでしょ、男子ならば。
好きな娘にこんな顔されてこんなに接近されたら落ちますよね!?
なぜ、誘ったのか。
それは深澤さんのお兄さんは自転車部に所属しており、「良い奴をスカウトしたらお小遣いをあげる」と言われていたから。
でも、深澤さんの兄、遥輔曰く「あいつには人を見る目がある」。
絵を描く姿に圧倒された深澤さんは、「この人なら!」と賭けてみたのでした。
しかし、篠崎くんには、決定的な問題が……それは……
そう、自転車に乗れなかったのです。
家に帰ってからも、大好きなあの娘につり合うわけがない、とうじうじしていますが、夢の中で深澤さんと自転車に乗って「気持ちいい」と感じた彼は一念発起します。
改めて、自転車部にあるロードレーサーを見て「キレイ」だと感じる篠崎くん。
あの「篠崎ミコト」への一歩を踏み出しました!
篠崎くんの素質を見て無理難題を出す遥輔、先輩として優しくサポートする寺尾さん。
自転車にのめりこんでいく篠崎くんにだんだんと引かれていく深澤さん……
走るのも遅い、運動全般がだめ、ノロいしドジな篠崎くんに、なぜ光るものがあるのか。そのエピソードが少しずつ明かされていきます。
「変わりたい」という想いを実行に移せるほど、強い心を持った「だめだめ」篠崎くんが、熱くて強い心で成長していく――『OverDrive』は、変わりたい人、変わりたいと思いつつ変われなかった“あの頃”の思い出を持つ人すべてにオススメしたい漫画です。
完結作品ですので、この夏を、さらに熱く過ごしてみるのはどうですか? 読み終わったら、きっとハート(心)に火がついているのに気づけるはずですよ!