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キャラ作りはお母さん目線!? 『転生貴族、鑑定スキルで成り上がる~弱小領地を受け継いだので、優秀な人材を増やしていたら、最強領地になってた~』漫画担当・井上菜摘先生インタビュー

「マガポケ」にて好評連載中の『転生貴族、鑑定スキルで成り上がる~弱小領地を受け継いだので、優秀な人材を増やしていたら、最強領地になってた~』(以下、『転生貴族』)は、田舎の弱小貴族として異世界転生したアルス・ローベントが、人の潜在能力を見抜く“鑑定スキル”を活かして領地を切り開いていく異世界統一記!

 

“鑑定スキル”で発掘した超優秀な仲間とともに、領主としてどんどん成長していくアルスから目が離せません!!

 
今回は、そんな『転生貴族』の漫画を担当する井上菜摘先生にインタビューを行い、作品への思いや印象的なシーンなどについてお話しいただきました!

 

●イラストレーター志望の学生から、漫画家に!?

――先生が漫画家を目指されたきっかけは何ですか?

 

井上菜摘先生(以下、井上):
私はもともとイラストレーター志望だったのですが、通っていた専門学校にマガジンの「出張編集部」が来てくれたことがあったんです。そこで自分の絵を見ていただいたことをきっかけに、「漫画を描いてみようかな」と思い始めました。

 

――それまでは漫画家になろうとは思っていなかった?

 

井上:
はい。漫画自体は好きだったのですが、話を作るのが本当に苦手だったので、漫画家の道に進むことは全く考えていませんでした。今は漫画担当として漫画家になりましたが、学生の頃は原作と作画を別々にやる発想がなかったんです。

 

――出張編集部との出会いから、『阿部のいる町』でのデビューまではどのような経緯があったのでしょうか?

 

井上:
当初は、出張編集部で出会った担当編集さんと相談しながらネームを書いていました。それを担当さんが連載会議に出して、いきなり掲載が決定して。「自分でお話を考えなきゃいけない!」と焦っていたのですが、原作担当の方と分担して作品を作っていくことになり、そのような方法で連載できることに驚きつつも安心しました。良い方向にみなさんが進めてくださって、ありがたかったですね。

 

――影響を受けた漫画はありますか?

 

井上:
大暮維人先生の漫画が大好きなんです! 大暮先生の漫画以外を読んだら浮気になってしまうと思っているところもあって(笑)。『天上天下』『エア・ギア』『化物語』など、どの作品も大好きですが、一番を選ぶとしたら、『バイオーグ・トリニティ』ですね。

 

――すごい愛ですね……!

 

井上:
大暮先生は初期から既に凄まじい画力で描かれていて、本当に尊敬しています。どうやって描いているのか不思議です。ストーリーは少し難解ながらも、読んでいて楽しいのがすごいなと。とにかく大暮先生には体に気をつけて、末永く活躍してほしいと思っています。

 

●『転生貴族』は、はじめて読んだ「異世界転生」シリーズ

――『転生貴族』の連載が決定するまでの経緯についてお聞かせください。

 

井上:
『改造公務員リーパーズ』の後に編集部の方に連載のお話をいただいたのがきっかけです。当時は別の媒体でも連載していて、「掛け持ちは厳しいかもしれない」とお伝えしたのですが、「週刊だから10ページくらいで大丈夫」と言っていただき、受けることにしました。でも、気がつけば18ページ、たまに20ページほどになっていますね(笑)。魅力的な作品を描けるので、楽しんでいますが。

 

――原作を初めて読まれた時の印象はいかがでしたか?

 

井上:
異世界転生ものが流行っていることは知っていたのですが、『転生貴族』のお話をいただくまで触れたことがなかったんです。読んでみると、新鮮味もあってストーリーもキャラクターも魅力的でした。

 

――原作の世界観やキャラクターを漫画にしていくうえで、難しかったところはありますか?

 

井上:
原作の未来人A先生がこちらにお任せしてくださっているので、楽しさが大きいですね。担当編集の方々のご意見をいただきつつ、作画段階で原作から大きくアレンジしている部分もあるほどです。jimmyさん原案のキャラクターも可愛くて、描いていてキュンとしています。

 

●キャラクターはもはや身内!?

――『阿部のいる町』『改造公務員リーパーズ』、そして今回の『転生貴族』など、それぞれ毛色の違う原作を見事に漫画化されていますよね。

 

井上:
言われてみると毛色が違いますね。ただ、ノリが違っても苦になったことはないです。担当さんが私の描けそうな企画をピックアップしてくださっているおかげですね。

 

編集担当T:
井上さんはキャラクターの魅力を出すのが上手な作家さんだと思っていて、それが活きる作品をお願いしているつもりです。『転生貴族』は、主人公のアルスが回を重ねるごとにどんどん人間味が出てきている印象です。そこに先生の柔らかい人柄も合わさって、より魅力的なキャラクターになっているんじゃないかと思っています。

 

――井上先生のお気に入りのエピソードやキャラクターを教えてください。

 

井上:
気に入っているのは、リシアが仲間になるエピソード(第19~23話)です。リーツ、シャーロット、ロセルの3人が家臣になるエピソードの流れが完璧で、そこに主人のアルスを加えた「ローベント家の4人」という構図が個人的にとても好きだったんです。なので、「この4人の中に他の人物が入ると輪を乱してしまうんじゃないか?」と、描いている側なのに最初は抵抗を感じていて……(笑)。

 

 

――途中から加わる仲間は、どうしてもハードルが高くなりますよね。

 

井上:
しかも、リシアは仲間でありながら許嫁なので、中途半端に描くことは許されませんし……。でも、リシアの可愛さや賢さをきちんと描くことができたので、自分の中でも受け入れられました。リシアの魅力を100%出した作画をできていなかったら、読者目線で見たときに認められなかったかもしれないです(笑)。 


――先生自身が熱烈なファンのようにキャラと向き合っているんですね。

 

井上:
悩んで描いただけに、キャラに愛着を持ってくれている読者の方にも納得してもらえたんじゃないかと思います。私自身も愛着があるからこそ、アルスとリシアの仲については、これ以上の展開を描きたくない気持ちもあって。手を繋ぐくらいで留めておきたいんです! 身内のそういったシーンを見たくないのと同じ感情ですね(笑)。

 

担当編集H:
お母さん視点ですよね。アルスがリシアへプロポーズする第53話では、なぜ定番のキスではなく手を握っているシーンになったかというと、井上さんが2人にキスさせるのが辛いとおっしゃっていたからなんです(笑)。でも、そこが2人の初々しさに繋がり、美しいシーンになっていました。

 

――個人的には、リシアとレングのやり取りがあった回(第61話)も好きでした。

 

井上:
本当ですか!? エピソードとしてはリシアの登場シーンが好きなのですが、キャラクターとしてはレングが一番好きなんです。何にも考えていなくて、やりたいことだけをやっている感じがすごく可愛いなと思って。でも、当初はあまり評判が良くなかったらしくて、信じられませんでした(笑)。

 

――まっすぐすぎるキャラクターの好みは、極端にわかれるかもしれませんね。

 

井上:
そうですね。成長がうれしい反面、個人的にはずっとあの感じで幸せそうに生きていてほしかった気持ちもあります(笑)。

 

●戦のシーンでも、「人と人との交流」を描きたい

――直近の展開ではいよいよ戦争に突入していき、序盤の頃とは作中の雰囲気も変わってきました。

 

井上:
私的には序盤の仲間を集めているほのぼの感も好きだったので、シリアスな戦争が始まってからは「アルス、超大変だな!」と思いながら描いています。アルスは転生する前の人生がとても不遇だったので、2度目の人生くらい手を抜いていいんじゃないかと思うのですが……。彼はそれでも頑張ることを止めないし、だからこそ魅力的なんですよね。これからが大変だと思うけど、アルスのことをずっと後方から見守っています。

 

――今後の展開の注目ポイントについてもお聞かせください。

 

井上:
原作小説をお読みの方はご存知だと思うのですが、この戦争が終わるとアルスの役職が上がるんです。そうなると、大人数で政治に関わらなくちゃいけないですよね。今までのように「みんなを信じて頑張ろう!」だけではいられなくなるはずなので、アルス本人も否応なしに大人になると思います。ますます成長するアルスを見ていただきたいです。

 

――身も心も成長するアルスに注目ですね。

 

井上:
でも、小さかった頃のアルスを知っているので、成長していくこと対して少し悲しい気持ちもあります……。

 

担当編集T:
井上さんはよくアルスの頭身を低く描いてしまうんです(笑)。第2話、3話あたりを読むとわかりますが、アルスがすごく幼くなっている瞬間があって。本当に母親目線でアルスを可愛く見ているんだなと感じますね。

 

井上:
確かに、見直すとすごく小さく可愛く描いているなと思います(笑)。

 

――では最後に、読者の方へのメッセージをお願いします。

 

井上:
戦争が進む中でお話がシリアスになってきましたが、派手な戦いを描きつつも、これまで通り「人と人との交流」も描いていきたいと思っています。いつか戦争が終わって平和な日が訪れると思いますので、引き続き楽しく読んでいただければ幸いです。

 

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