「マガポケ」の数あるオリジナル作品の中でも人気の高いサスペンス、スリラー作品。
前編では、読むほどに謎が深まっていく宗教スリラー『絶望の楽園』と、実在しないはずの男が次々に人を殺していく『This Man その顔を見た者には死を』を紹介しました。
後編では能力バトル、サバイバルとスリラーが組み合わさった秀作『ナリカワリ』を紹介します!
“誰か”になれば、すべてが叶う。
『ナリカワリ』
『奴隷区』のオオイシヒロト先生が描くサバイバルスリラー、『ナリカワリ』。
原作は長田トヒキ先生が務めます。
厳格な家庭で育つ主人公・安藤万里雄は優秀な弟と比べられ、空気のように扱われている。
学校でもカースト最底辺。
そんな現状が変えられない「勇気のない自分」、
そして「不甲斐ない自分」にもがき苦しんでいました。
いじめられている友だちすら救えない。
バカにする弟を見返すこともできない。
鏡に映った自分を見て「自分を好きになれる?」と問いかける万里雄の下に小包が届きました。
「魂と引き換えに理想の貴方へーー」
入っていたのは不思議な腕輪。
「宗教勧誘かな?」「おもちゃかな?」
疑いながらも腕にはめてみると腕輪が話しかけてきました。
アルベールは、腕輪には「他人にナリカワれる」能力が備わっていることを教えてくれました。
しかし、”ナリカワる”とは?
どういった使いみちがあるのか?
翌日、いじめられていた友だちが学校に来ていません。
「しばらく休むそうだ」、そう先生が話したのを聞き、自分を責める万里雄。
しかし、友だちが休んだことで標的が万里雄に変わりました。
実は万里雄が何度もいじめを止めようとしていたことは、いじめグループも知っており「立場をわからせてやる」と痛めつけられます。
何度も止めようとして失敗してきたこと、「うちの病院は優秀な弟に継がせる」と医師への夢を諦めざるを得なかったこと。
「身の程をわきまえず、いつも失敗してきた」
自分への怒りが最高潮に達したとき、万里雄の腕輪からステッカーが出てきます。
勢いに任せいじめグループのリーダーに殴りかかろうとした万里雄でしたが、パンチは当たらずその場に倒れ込んでしまいました。
しかし……
リーダーに「憑依ステッカー」を貼ったことで、万里雄はいじめグループのリーダーに”ナリカワった”のです。
本作は、万里雄と同じように「憑依ステッカー」を託された面々との能力バトル、サバイバル要素も組み合わせたスリラー。
不可解な事件の裏に潜む、憑依ステッカーを悪用するもの。
過激ながらも正しく使おうとするもの、事件に巻きこまれた人々など「誰が味方で、誰が敵なのか?」、人間関係が複雑に絡み合っていくストーリーが見事な作品です。
ほかにも必読の「マガポケ」サスペンス作品!
『君が僕らを悪魔と呼んだ頃』
さの隆先生の本作は、記憶をなくした主人公が、断片的に残る記憶を頼りに自分自身の隠された「悪魔」を見つけていくサスペンスです。
『いじめるヤバい奴』
中村なん先生が描き出すのは、「いじめ」をテーマにしたサスペンス。
いじめっ子仲島の標的となり、美しかった黒髪も白くなってしまった白咲。
度を超えたいじめをクラスは見て見ぬふりをする。
なぜ仲島はここまでのいじめができるのだろうか……
謎が謎を呼ぶ。
話が進むほどに謎が深まっていく。
「犯人は誰なんだ?」
「誰が味方なんだ?」
「次に何が起きるんだ?」
今回は、各作品の第一話を集めてみました。
サスペンスを読み始めるとどうしてもやめどきがわからなくなってしまいます。
このあと、どう展開するのか?
是非、「マガポケ」で確認してください!