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「漫画原作者なんて仕事があるんだ!」脚本賞で新たな道を見つけた『SSR』原作リコP先生

「漫画原作者なんて仕事があるんだ!」脚本賞で新たな道を見つけた『SSR』原作リコP先生

「創作に関わる仕事をやりたかった」
そう語るのは「マガポケ」で連載中のデスゲーム漫画『Social Survival Rabbits-ソーシャル・サバイバル・ラビッツ-(以下、SSR)』の原作を担当しているリコP先生。

 

水産大学を卒業し、現在は“堅い”仕事との兼業で漫画原作を担当するリコP先生に、漫画原作者になった経緯や原作者という仕事の魅力、漫画脚本大賞へ応募してよかったことなどをうかがってみました!

 

「漫画脚本なんて仕事があるんだ!」(リコP先生) 

−−今日はありがとうございます! 実はリコP先生には聞きたいことがたくさんあるんです!

 

リコP先生:
え、ちゃんと答えられますかね(笑)。

 

−−リコP先生は、そもそも漫画に関する仕事は考えてなかったとうかがったんですが……

 

リコP先生:
そうです。
「週刊少年マガジン」誌面で漫画脚本大賞の告知を見るまで、漫画の道は考えていませんでした。

 

−−どうして応募することにしたんですか?

 

リコP先生:
小学校から大学までの学生時代、周りに漫画を描いたり、小説を書いたりするような友人が多くて、漠然とですが「自分も創作に関わる仕事がやりたい」と思っていたんです。

 

でも、絵を描くことに自信がなかったんですよ。
ネームで応募できる漫画大賞があるとは聞いたことがあったんですけど、「それでも絵は必要だよなぁ」と思って応募してなかったんです。

 

−−何か創作活動はやっていたんですか?

 

リコP先生:
短編小説を書いていたので、文章には自信があったんです。
漫画脚本大賞を見つけて、応募要項を見たら「文章で行けそうだ!」と思って応募することにしました。

 

−−実際、応募してみていかがでしたか? 応募要項でつまずいたりしませんでしたか?

【漫画脚本大賞応募要項】
① 企画書A4一枚
タイトル、あらすじ、応募作が単行本になった時、帯に入れたいキャッチコピー
の3つをA4用紙一枚にまとめたもの。
② 連載1話分の脚本
30分アニメの1話分相当の文章量で、小説・脚本など形式は不問。
③ 今後の展開案A4一枚

 

リコP先生:
営業職の経験があるわけではないんですが「プレゼンする」イメージで進めました。

 

企画書を「どう作品をアピールするといいのか」を意識しながら、「こういう読者に読んで欲しい」「読んでこう思って欲しい」でまとめていきました。

 

ただ、実際に脚本を書くというのは初めての経験だったので、最初は苦労しました。だから、インターネットで脚本の形式を調べながら書いていったんです。当時はあまり仕事も忙しくなかったので、脚本を書く時間が多めにとれたのが良かったのかもしれません。

 

そして、いま「マガポケ」で連載している『SSR』で応募しました。

「漫画原作者なんて仕事があるんだ!」脚本賞で新たな道を見つけた『SSR』原作リコP先生

——あと、リコP先生は兼業で漫画原作をやってらっしゃるんですよね。それについてもうかがいたかったんです。

 

リコP先生:
そうですね。

 

いまも週3〜4日はちょっと“堅い”イメージのある仕事をやっています。
だから、打ち合わせは終業した後、夜に設定させていただくことが多いです。

 

勤め先の名前などの詳細はごめんなさい! でも、勤め先にも副業の届け出を出しているので、正式に漫画原作の仕事も兼業でやっています。

 

——兼業で週刊連載とは……信じられないです(笑)。あと、リコP先生は水産系の大学を卒業されているともうかがいました。

 

リコP先生:
そうです。

 

海水魚を水槽に入れて育てる。いわゆる「養殖」の分野を研究していました。塩水にミネラルを加えて、機械で循環させて生態系を創っていく。

 

——本業も漫画原作も全然違う分野ですが、水産系での就職は考えていなかったんですか?

 

リコP先生:
やっぱり創作、クリエイティブな仕事への憧れが強かったんです。

 

大学卒業後、中高を海外で過ごした経験を生かして翻訳会社に就職しました。長続きはしませんでしたけど。

 

——帰国子女なんですね! 掘れば掘るほどいろいろ出てきますね(笑)

 

リコP先生:
こんなお話で大丈夫ですか(笑)?

 

題材は身近なもの、リアリティを大事にしている

——漫画脚本大賞には「SSR」で応募いただいたんですが、構想はどのぐらい練っていたんですか?

 

リコP先生:
企画を考え始めて2週間ほどでした。

 

——2週間! 結構早いですね!

 

リコP先生:
早いんですね(笑)。

 

ソーシャルゲームとデスゲームを組み合わせてみようとは当初から構想していました。その2つなら読者の皆さんも方向性がイメージしやすい気がしたんです。それから、具体的な設定や世界観を考えていきました。

 

主人公は大学生のほうが良いのか、それとも「週マガ」は少年誌だから高校生のほうが良いのか、あれこれ悩みもしました。ゲームに参加する理由は「友人が巻きこまれて、自分も巻き添えを喰らう」という設定が、自分の中でしっくりときました。

 

——なぜソーシャルゲームとデスゲームを組み合わせてみようと考えたんですか?

 

リコP先生:
自分がやりこんでいたからです(笑)。

 

ある落ち物のパズルゲームで、背景画像に女の子がいたんです。上から落ちてくる丸いものを揃えると消える。でも、「もし女の子が背景画像じゃなかったら?」「もし、落ちてくるものが鉄球だったら?」と考えてみました。第1話に出てきましたよね。

「漫画原作者なんて仕事があるんだ!」脚本賞で新たな道を見つけた『SSR』原作リコP先生

そして、こうした身近なゲーム……ソーシャルゲームとデスゲームを組み合わせるってあまり見かけないんじゃないかなと。

 

——デスゲームを選んだのはなぜですか?

 

リコP先生:
デスゲーム系の漫画は、原作者と作画家がタッグを組んでいることが多い印象がありました。おそらく原作者の需要があるジャンルなので、審査の際に「これいいかもな」と思ってもらえる確率が高くなるのでは……という狙いもありましたね。

 

——リコP先生はデスゲーム漫画はよく読まれるんですか?

 

リコP先生:
メーブ先生と恵広史先生の『ACMA:GAME』は好きです!

 

ほかには漫画じゃなくて映画ですけど、『SAW』にはハマりました。あとは、人からオススメされたら……という感じですけど、ホラー映画はよく観ていますね。

 

実は、漫画だとスポーツものが好きなんです。
「自分もスポーツを題材にした漫画原作が書けたら」って思いますけど、経験があまりないのでちょっと難しいかなぁとは思っています。

 

——確か、リコP先生は剣道にだいぶ打ち込んでいたと聞きました。

 

リコP先生:
剣道は漫画にしづらいですよね。

 

面をつけているからキャラクターの顔が見えませんし、「1本!」がわかりづらい。あと、「残心」。面や小手が決まっても「1本を取るに足る美しい流れだった」と判断されなければ1本は取れないんです

 

こう話すだけでも、難しい……読み手を限定してしまうので剣道を漫画にするのは大変そうですが、もしかしたら挑戦のしがいがあるかもしれませんね(笑)。

 

——実際、漫画原作を担当するようになって、工夫していることはありますか?

 

リコP先生:
「リアリティ」ですね。

 

ダンスを強制的にやらされている女の子たちも、当初は体に微弱電流を流して無理矢理操るという設定だったんです。ですが、絵として伝わりにくいのと、技術的に可能かどうかも疑問でした。

 

そこで担当さんと相談して、現在の技術力でギリギリ成立しそうな「パワードスーツ」という形に落ち着きました。その都度、「技術的にどうなの?」って疑問がわかないように考えているつもりです。

「漫画原作者なんて仕事があるんだ!」脚本賞で新たな道を見つけた『SSR』原作リコP先生

 

「編集者も連載も良い意味でイメージが違っていました」

——漫画原作を担当する前と後で、「ここはイメージと違った」「同じだった」はありましたか? 編集者って実はこんな人だったんだとか。

 

リコP先生:
そうですね……。

 

インターネットには良くも悪くも「こういう編集者がいる」って情報が溢れていますよね。勝手に調べて、勝手に緊張していました(笑)。

 

『SSR』で漫画脚本大賞の奨励賞を授賞し、担当さんからはこの企画で連載を目指していこうと言ってもらえたんですが、編集さんから「ここはボツ」「こうしないとダメ!」と意見をもらって、大幅に変えていくものだと思っていたんです。

 

でも、実際はそんなことはなくて、担当編集さんは僕の意見を聞いてくれて、それを基に『SSR』をブラッシュアップしていく感じでした。

 

作画担当さんも2〜3回目の打ち合わせで「決まった」と連絡をいただいて、トントン拍子で話が決まっていきました。

 

——初めて作画担当のシンジョウタクヤ先生とお会いしたときはどんな印象でしたか?

 

リコP先生:
絵が上手いな、やっぱり漫画家さんなんだな。
って、当たり前ですよね(笑)。

「漫画原作者なんて仕事があるんだ!」脚本賞で新たな道を見つけた『SSR』原作リコP先生

 

——本当に絵に苦手意識があるんですね(笑)。編集者、シンジョウ先生が入った後で変わったところはありますか?

 

リコP先生:
先ほど話した「リアリティ」の部分もお2人と話して意識したところです。そのほかにも、主人公成瀬のキャラ設定なども変わりました。

 

先ほども話したように、連載は『SSR』とは別のアイデアを練っていくと考えていました。『SSR』で進めるとしても大幅に変更をしていくものだと思っていたんですが、実はほとんどが応募したときのイメージそのままなんです。

 

お2人とも僕の話をよく聞いてくれて、僕がやりたいことをくみ取ってもらえていて「恵まれているな」って思っています。

 

——漫画原作の仕事を始めてみて、「意外だったな」と思ったところはありましたか?

 

リコP先生:
結構、コミュニケーションを取るんだな、というところですね。

 

作家ってコミュニケーションを取らなくてもやっていけるんじゃないかって先入観があったんですが、実際に連載が始まってみると、編集さんとの連絡も増えて、シンジョウ先生と話し合う機会も増えました。

 

ありがたいことに、今はシンジョウ先生に「ここのイメージがつきにくいです」と言ってもらえるのですが、自分のイメージ、意図をもっと的確に伝えられる能力は磨いていきたいですね。

 

あとは、もっと漫画が載っていることに嬉しさを感じるかなと思っていたんですが、毎週締め切りに追われていると実感が追いついてこないですね。「人気が出ているよ!」と言っていただいても、必死さの方が勝ってしまいます(笑)。

 

自分が考えた原作を漫画に仕上げてくれたシンジョウ先生や担当編集、それを読んでくれてお気に入りにしてくれている読者のみなさん。応援してくれる方々がいるだけでも光栄なことなので、期待に応えていきたいですね。


——最後に、リコP先生にとって「漫画」とはひと言で言うとどんなものですか?

 

リコP先生:
夢や憧れ、ですかね。
難しいな。

 

漫画脚本大賞を見て「こんな道もあるんだ!」と応募を決めて、見事に叶えらることができました。それでも「もっと面白いものを創っていきたい」と”夢が続いていく“という感じなんです。

 

「漫画家になるには、いくつまでに〜〜」という話もインターネットでよく見かけますが、僕が応募した漫画脚本大賞では、大賞を授賞したのは40代の方でした。

「漫画原作者なんて仕事があるんだ!」脚本賞で新たな道を見つけた『SSR』原作リコP先生

私も30歳手前で授賞したので、社会人になってからでも全然遅くはないと思います。漫画脚本大賞は自分のやりたいことにチャレンジできる良い賞なのかなと思っています。

 

それに漫画原作は、自分が歳を重ねてきた分だけ、培ってきたものを変換することもできます。漫画だけじゃなく創作に憧れを持っているのでしたら、ぜひチャレンジしてみて欲しいです!

 

——ありがとうございました。

 

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