別冊少年マガジンで連載中の
別マガ ムービーガイドを特別に大公開!!
今回は、2017年8月号に掲載された佐藤友生先生編をお届けします!
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名作・駄作・カルト作。アクション・SF・ラブコメディ。映画はいろいろあるけれど、まだ観てない映画をもう1本。
紹介された映画が気に入ったら、オマケで編集部のオススメのもう1本もご覧くださ〜い!!
実写映画版も絶好調の『トモダチゲーム』、
漫画の佐藤友生先生ご推薦の1本目は……
『ネバーエンディング・ストーリー』!!
原作はドイツの児童文学、
ミヒャエル・エンデの『はてしない物語』。
バリバリのファンタジーである。
どんな世代にも、記憶に残る映画が存在するが、この映画もそんな1本だ。
〝ね〜ば〜えんでぃんぐ、すと〜り〜〟
リマールの歌うこの映画の主題歌は、ある世代なら、間違いなく反応する。
言い換えると、現在青春真っ只中の読者が、10年、20年後に『前前前世』を聞けば、きっと同じような反応だろう、的な映画である。
と言いつつ1985年日本公開の映画だから、はっきり言っておっさん世代の映画でもある。佐藤先生は間違いなく後追い。だが、後追いでもいい映画はいいのである。
主人公の少年バスチアンは、母親を失ったばかりの少年だ。ジャムの蓋も開けられない非力な少年で、学校ではいじめっ子のターゲットだ。唯一の楽しみは本を読むことだけ。
ある日、いつものようにいじめっ子たちに追われたバスチアンは、とある本屋へ逃げ込む。店主のオヤジは〝ここはゲームセンターじゃない〟とバスチアンを悪ガキ扱いするが、彼は、自分は本好きであると主張し、逆に店主の読んでいる本が何なのか質問する。
すると店主は
〝坊やの読んでいる本は、安全だ。読んでいる間は主人公になれ、読み終われば元の自分に戻れる。でもこの本は……。この本のことは忘れなさい〟。
と、なんとも意味深なことを言う。
本を愛するバスチアンが、そんなことを言われたら……。
もちろん店主の隙を見て、本を持ち出すのである。〝本は必ずお返しします〟というメモを残して。
『ネバーエンディング・ストーリー』(=果てしない物語)という不思議な本を手に入れたバスチアンは、学校の倉庫に忍び込み(いじめっ子たちを避けるためでもある)、さっそく本を読みだすのだが……。
賢い読者のみなさまは思うはず。どうせその本の中の世界にバスチアンが入り込み、大冒険を経験して一皮むける話なんじゃない……
惜しい!!
半分は正解だが残りは……。
本の中の世界にはアトレーユという少年の勇者がすでにいるのである!!
アトレーユが住むファンタージェンには〝無〟が迫り、住民たちは次々と消滅していた。〝無〟に対抗できるはずのファンタージェンの王女は、病に臥せっている。
王女の病を治す薬を探しに、アトレーユはファンタージェンの果てに向かうのだ。
ファンタージェンに住む奇妙なクリーチャーたちが楽しい。
岩を食べる巨大なロック・バイターをはじめ、巨大なカタツムリや、何千年もの間、自分自身としか話をしたことのないカメ(アレルギー持ちでクシャミをしてはアトレーユを吹き飛ばす)、そして空飛ぶ竜のファルコン。
このファルコンが最高で、空を飛ぶ姿は、『千と千尋の神隠し』に出てくる竜のようにかっこいいのだが、なぜか身体はフワフワだし、顔はイヌの朕とラクダを混ぜて2で割ったような面白顔。CGのない時代、手作り感満載な彼らは、なんとも親しみ易い。
バスチアンが雲の上から目線で本を読み続ける間、アトレーユは様々な困難に出会う。
愛馬との悲しい別れ、恐ろしいスフィンクスの門、〝無〟の手下である怪物ウルグルとの対決……。
読者のみなさんはアトレーユの冒険を楽しみながらも〝なんだバスチアンは本を読むだけなんだ?〟と疑問を持つだろう。
でもご安心を。
バスチアンもこの〝果てしない物語〟の一部なのだ。
どんな一部なのか?
それは観ないと分からない。
少年時代に出会っていれば、さらに幸せなファンタジーである。
後編はコチラ
(※この記事は別冊少年マガジン2017年8月号に収録されたものです)
▼『トモダチゲーム』第1話がWEBでも読める!
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(終わり)