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近くて遠い二人の青春が、みんなをときめかせる。『薫る花は凛と咲く』三香見サカ先生インタビュー

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「マガポケ」にて好評連載中の『薫る花は凛と咲く』(以下、『薫る花』)。

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底辺男子校・千鳥高校と、お嬢様高・桔梗女子が並び立つとある町で、千鳥高校の強面な男子・紬凛太郎と、桔梗女子の和栗薫子が繰り広げる青春学園ストーリーが見どころな本作。

 

千鳥と桔梗が不仲な状況の中で、二人が徐々に接近していく様は、キュンキュン必須!
二人の淡くて甘い関係性から、毎週目が離せません!

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今回は、そんな『薫る花』を連載中の三香見サカ先生にインタビューを行い、作品の誕生秘話や印象的なシーンなどについてお話いただきました!

 

●ルーツは『進撃の巨人』!?

――漫画家を目指されたきっかけはなんですか?

 

三香見:
『進撃の巨人』を、アニメが放送され始めた頃に友達に教えてもらったんですよ。そこから諫山創先生の原作を読んで、「こんなに面白い話があるんだ!」と、大きなインパクトを受けました。それから漫画家を職業として意識し始めたんです。

 

――これまでどのような漫画に触れてきたのでしょうか?

 

三香見:
子どもの頃に読んだPEACH-PIT先生の『しゅごキャラ!』がおそらく一番最初に触れた漫画です。他にも「なかよし」に載っている少女漫画を沢山読んでいました。

 

――漫画を投稿し始めた時期はいつ頃ですか?

 

三香見:
初めて投稿したのは高校3年生です。美術系の専門学科のある高校に通っていたので、漫画に詳しい先生に協力してもらいながら、とりあえず出してみようという感じでトライしはじめました。好きな作品は『進撃の巨人』と『しゅごキャラ!』で、どちらも講談社の漫画だったので、講談社に投稿するしかない! と思って……今に至ります(笑)。

 

●『海月のうた』から『薫る花』へ

――第105回新人漫画賞受賞作『海月のうた』は何作目の作品だったのでしょうか?

 

三香見:
3作目です。

 

――陸上部と歌手という立場の違いがある二人が、お互いに通ずるものを感じて惹かれ合っていくという部分に、『薫る花』との共通点を感じました。

 

三香見:
確かにそうですね。ただ、担当さんに「連載も青春物で行こう」とは言われたものの、『海月のうた』と『薫る花』が似た形の話になったと気づいたのは描いた後なんです。無意識にそういう話を好んでいるのかもしれません。

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――いざ『薫る花』の連載をスタートされて、現在感じていることは?

 

三香見:
スケジュールのハードさは感じますね。世の中の連載している人は凄いな! と(笑)。ただ、高校時代から、課題で提出する作品を徹夜もしたりして死ぬ気で作っていたので、今もなんとかこなせています。作品作りの大変さは経験しておいてよかったなと思いました。

 

――『薫る花』の設定が生まれたきっかけについてもお聞かせください。

 

三香見:
登場人物全員が優しい漫画を描きたいと思ったのがきっかけだったと思います。

 

――どのくらい前から構想を練られていたのでしょうか?

 

担当編集:
本当に最近ですね。『海月のうた』の受賞後、「これ以上の賞はないから、ここからは連載ネームを作るだけだよ。これからが長いから覚悟してね」と伝えて考えてもらっていたのですが、めでたいことに速攻で連載が決まりました(笑)。

 

三香見:
ただ、2話のネームでつまづいていた気がしますね。3回くらい没を食らってしまって。

 

――その際に特に苦労されたポイントは?

 

三香見:
千鳥と桔梗のバチバチ感です。1話のプロットを考えているときに、男子校と女子校の仲が良くないことまでは決めていたんです。ただ、「もうちょっとバチバチしよう」という担当さんからの意見を反映しようとしたところ、その険悪な雰囲気を出すのが中々大変でした。

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●登場人物、全員が“優しい”物語にしたい

――ケーキ屋の息子である凛太郎と薫子の関係性はどう決められましたか?

 

三香見:
最初はビジュアルから決めていったと思いますね。身長差のあるカップル、好きなんですよ(笑)。で、凛太郎は「見た目は怖いけど、優しくて過去にいろいろあって自信がない」という感じにしました。薫子に関しては、お嬢様学校にいるけれど、お金持ちの家庭の出身にするかは1・2話では迷っていたんです。そこから3話への流れで普通の家庭という設定に決まっていきました。

 

――普段は柔らかい雰囲気の薫子が、確かな強さと決意を秘めていることが明らかになる3話のシーンはかなりグッと来ました。

 

三香見:
計算通りです!(笑)。そこは担当さんと凄く話し合いました。

 

担当編集:
とはいえ、話せばすぐに面白いものを出してくれるので、3話の素敵なシーンを上げてきてくれまして。担当としては何も苦労もしませんでしたね。

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――薫子の親友である昴については?

 

三香見:
薫子が大好きな子を描きたかったんです。最初のイメージはもっと自己中だったのですが、それだけだと理解を得づらいかなということで、自己肯定感が低く、思い詰めてしまうところのある子にしていきました。

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――宇佐美を筆頭とする凛太郎の友達もみんな優しく見守ってくれますよね。

 

三香見:
“優しい人たちのお話にしたい”という部分は絶対譲れないものがあったので、宇佐美たちは暗い凛太郎を明るくしてくれるような感じにして考えていきました。凛太郎のことはもちろん、お話の展開も引っ張ってくれる部分があって、描きやすいですね。

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――凛太郎のお母さんも要所要所でいい味を出している印象です。

 

三香見:
思春期の男の子がしっかりと家族を大事にしているだけでも、根がいい奴だとわかるじゃないですか。そんな一面を描きたいと思っていました。

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●薫子と昴の公園の回がお気に入り

――凛太郎の実家のケーキ屋で二人が出会うなど、ああいったシチュエーションに関してはどう考えられていったのでしょうか?

 

三香見:
凛太郎の怖い顔でケーキ屋の店番をやっているというギャップが出ればいいかなと、フィーリングで決めました。話の流れだけ最初に打ち合わせして、とりあえず描いてみるという感じで進めているので。あと……ギャップ、大好きなんですよ(笑)。

 

――ああいうギャップが嫌いな人はいませんね! 今の段階で特に記憶に残っているお気に入りの回やシチュエーションはありますか?

 

三香見:
10・11話の薫子と昴の公園の回ですね。心の動きを詳細に描かなければいけない展開ということもあり、一番ネームに時間を掛けた回なので思い入れがあります。

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――心情を巧みに表現する表情の描き方も本作の見どころかと思うのですが、先生的に会心の薫子さんの表情がありましたら教えてください!

 

三香見:
表情を描くのは元々好きなのですが、『薫る花』で言うと、18話の水族館のシーンで凛太郎に「和栗さんのしたいこと全部しよう」と言われたときの薫子の表情は特に気に入っています。

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あと、2話で凛太郎に「俺も嬉しかった!」と言われたときの笑顔の和栗さんのカットは、髪の毛の描き込みにとても苦労したので、記憶に残っていますね。丸ペンで2時間ずっとガリガリと描いた後、「二度とこんな大変なことやらない!」と思いました(笑)。

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●今後の薫子と凛太郎からも目が離せない!

――単行本の重版も既に決定しており大人気の『薫る花』ですが、それを受けてのご心境はいかがですか?

 

三香見:
まだ本屋に行けていないので自分の本が並んでいるのを見ていないのですが、友達から連絡が来たりすることで、徐々に実感が湧いている感じです。嬉しいですね。

 

――今後の展開の見どころについてお聞かせください。

 

三香見:
凛太郎と薫子の仲は進展するはずですので、そこに注目して欲しいですね。彼もやっと、自分の中の気持ちに気づき始めたところですから。

 

――マガポケの連載作品で注目している作品などありましたら教えてください。

 

三香見:
『WIND BREAKER』と『可愛いだけじゃない式守さん』です。Twitterで描いていた頃から『式守さん』は好きで読んでいたんですよね。『WIND BREAKER』は作品自体が好きなことに加えて、にいさとる先生にはアシスタントとしてお世話になっていたこともあるので、思い入れがあります。

 

――では最後に、読者の方へのメッセージをお願いします。

 

三香見:
沢山の人が読んで下さっていることが大変励みになっていますし、感謝の気持ちでいっぱいです。そんな気持ちを漫画で返すことがみなさんへの一番の恩返しになると思いますので、薫子と凛太郎の可愛いところを、これからもたくさん届けられるようにしていきます。どうぞ、今後もこの二人を見守っていただければ幸いです!

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