『RAVE』『FAIRY TAIL』と週刊少年マガジンから大人気作品を世に送り出してきた真島ヒロ先生。6月27日発売の週マガ第30号で、新連載『EDENS ZERO(エデンズゼロ)』をスタートさせました。
前作の完結から1年と経たずしての新連載。
『FAIRY TAIL』は魔導士ギルドという1つの拠点を舞台に魔導士たちが依頼をこなしていく物語でしたが、『EDENS ZERO』は主人公らが宇宙で旅を続けていくという新しい冒険譚となっています。
また真島作品ではエリー、ルーシィと魅力的なヒロインも欠かせませんが、今作のヒロインはなんと旅をしながら“動画配信”をする少女という、YouTuberを彷彿とさせる現代らしい設定に。今の少年少女に喜んでもらえるキャラクターをという、真島先生の読者への想いや挑戦心を感じさせます。
そこで真島先生、「YouTuberへの取材もかねて」ということで、初めてYouTubeの番組に出演。登録者数130万人を超える人気YouTubeチャンネル「ボンボンTV」に登場し、3人のYouTuberと共にイラスト企画に挑戦しました。
動画は6月28日と29日に1本ずつ公開されますが、本記事ではひと足お先に真島先生に出演の感想を振り返ってもらいつつ、「マガポケベース」読者に向けて「連載が始まるまでの間は何をしていたのか」などいろんな質問に答えてもらいました!
――収録で真島先生の友人にYouTuberがいると言っていましたが、これまで何か番組には出たことはあったんですか?
真島: たぶんYouTubeは初めてですね。昔からの知り合いがたまたま、声だけでゲーム配信するYouTuberになっていて。番組に呼ばれたら行くんですけど、特に呼ばれなかったので(笑) 昔は「ニコニコ生放送」の番組とかにはちょこちょこ出ていました。
――だから妙にべしゃりがお上手だったんですね。
真島: とんでもない!(笑) 僕、しゃべるのは苦手なんですよ。早口ですし、声もこもるし。
――いやいやいや、今すぐYouTuberできますよ! 最新作『EDENS ZERO』のヒロインが動画配信者で、今回はYouTuberの取材もかねていたとのことでした。収録を振り返ってどうでした?
真島: YouTuberが番組撮影するときの雰囲気を掴みたかったんですよね。ボンボンTVのよっち、りっちゃん、なっちゃんもすごくいい人たちでしたし、明るくて楽しくて。現場の空気が参考になったし、ますますYouTuberのことが好きになりました。
真島: ……あと、機材を見てくれる専門の人っていないんだなって、すごく勉強になりました!
――(現場爆笑)※
※今回の収録中、撮影機材に一時的なトラブルが発生し、YouTuberたちが自ら機材や撮影内容をチェックするという一幕があった。
真島: テレビとかだったらこういうときって機材専門の人がなんとかしてくれるものだけど、こういうYouTuberの番組って自分たちでやっているんだなって。ちょっと感動しました(笑)
――そこは作品にも反映されそうですか?
真島: されるかもしれません(笑) なるほどなーって思いました。
――収録中に「テレビを付けるよりも先にYouTubeを開く」と、YouTube愛を明かしていました。好きなYouTuberとかいるんでしょうか。
真島: 「オーバーウォッチ」(※)のゲーム実況をしているマルスさん。あとはオカマどんちゃんですね。
※「オーバーウォッチ」:2016年5月に発売された米ブリザード・エンターテイメント開発のアクションシューティングゲーム。
――どんなところが好きなんでしょう。
真島: 「オーバーウォッチ」ってゲーム自体が好きなんです。2年経っても実況してくれているところも好きですし、2人共すごく上手なんで参考になるなぁと。
――あとは収録では、最近流行りのバーチャルYouTuberについても触れていましたね。
真島: いやでもまだ、あんまり詳しくはないんですよ! もちろん知ってはいますけど。でもせっかくですから、いつか自分の作品のキャラでバーチャルYouTuberの番組とかできたら楽しいですよね。
――それはテンションあがりますね……! さて、せっかくなので連載開始前の話も。新連載にあたって4月に真島先生は新アシスタントを募集されていましたが、「マガポケベース」でも募集をかけたところ、なんと過去類をみないPVを記録するなど大反響でした(笑)
真島: とんでもない話ですよね。嘘だろーって思いました(笑)
突然ですがスタッフ(アシスタント)を募集します!やる気に満ち溢れた方をお待ちしています。未経験OK男女問わずです!一緒に漫画を作りましょう!詳しくは下記のURLへ!https://t.co/GbvXSFozeU
— 真島ヒロ (@hiro_mashima) April 24, 2018
――応募の方はどうだったんでしょう。
真島: 実際すごく応募してもらえたんです。前にマガジンの誌面で応募したときは10通くらいしか来なかったんです。今回もそんなもんだろうと思って蓋を開けてみたら、100通くらい来ました(笑) ハードル高めな応募条件だったんですけどありがたい話です。
――『FAIRY TAIL』完結から新連載が始まるまで11カ月。なかなか短い方だと思ったんですけど……。
真島: そうなんですかね? 基準がわかんないですけど……ほら、瀬尾さんみたいな人(※)もいるじゃないですか!
※『涼風』『君のいる町』の瀬尾公治先生。2014年連載開始の『風夏』が2018年4月に完結を迎えたが、6月20日発売の週マガで『ヒットマン』の連載をスタートさせた。
本日より新連載『ヒットマン』連載開始です。
— 瀬尾公治 (@seokouji) June 20, 2018
主人公は編集者、ヒロインは漫画家。
物語の舞台は週刊少年マガジン編集部!
週刊20ページに命を懸ける2人の物語、よろしくお願いします! pic.twitter.com/bWX6gEhLWP
――いやでも11年の長期連載後だったので、世間的にはもう新連載やるんだ! って反応も多かったんですよ。11カ月間は何をしていましたか?
真島: 実はほとんど仕事していました(笑)
――ええー!
真島: まだ仕事の中身は言えないんですけどね……いろいろしていました。フランス・アングレームで特別栄誉賞に選ばれた関係で、ニューヨークやフランスにも行くなど海外での仕事もありましたし。
新連載>FT>〇〇、この三つを頭を切り替えながら進めている。流石に少し混乱してくるが、新連載が新しい世界すぎて次から次へとアイデアが出てくるのだ!〇〇はまだ秘密。
— 真島ヒロ (@hiro_mashima) May 14, 2018
――では、11カ月間で一番記憶に残っていることはありますか?
真島: 日本も海外でもいろんなところでサイン会をやっていたんで、積極的にファンの人たちと会える機会がありました。それが一番楽しかったですね。
サイン会の時、日本と海外のファンが協力して作ってくれた冊子をいただきました。FT愛にあふれていて本当に嬉しい! pic.twitter.com/cKSBxJRR2w
— 真島ヒロ (@hiro_mashima) May 24, 2018
――ファンサービスの鬼だ……。最後に、真島作品ではプルーやハッピーのようなマスコットキャラも毎回人気です。新連載ではどのようなキャラが登場するのでしょうか。
真島: はい、すでに連載が始まったので知っている方もいるでしょうが、『EDENS ZERO』でもハッピーがまたまた出てきます! 『FAIRY TAIL』のときとは役割も設定も違うので、活躍を楽しみにしていてください。
――ありがとうございました!
* *
収録のみならずインタビュー中も終始、元気な声と笑顔を絶やさなかった真島ヒロ先生。前ニ作に見られる少年誌らしい健全な作風は、真島先生の底抜けの明るさが溢れ出ているものなんだなと実感した現場でした。
新連載も読者をワクワクさせてくれること間違いなしだこれ……!
さて、YouTubeチャンネル「ボンボンTV」における真島先生の出演回は、6月28日と29日に配信。
28日は『FAIRY TAIL』のキャラに3色のみの鉛筆でカラーを付ける「3色色鉛筆」に、29日は適当に引かれた線に描き足してイラストを完成させる「てきとうアート」に挑みます。
いずれも真島先生の画力の高さ、ファンサービス精神が感じられるだけでなく、“『EDENS ZERO』という題名はどのようにして決めたのか”など貴重な話も続々飛び出します。「マガポケベース」でも詳細レポートを29日に公開する予定なので、お楽しみに!
(黒木貴啓)