『ブルーロック』連載100回記念超特別企画!
元五輪代表サッカー選手YouTuber那須大亮選手にインタビュー!
「マガポケベース」では「週刊少年マガジン」43号掲載のインタビューに加筆。
完全版をお届けします!
Prifile
現在、登録者数25万人超の「那須大亮 / Daisuke Nasu」YouTubeチャンネルにて活躍中の元プロサッカー選手。アテネ五輪日本代表に主将として出場。2002~2018年の18年間のサッカー選手人生で400試合出場を達成。公式Twitterは、@nasudaisuke02。
「日本サッカーが世界と戦うために。」
今、最もアツいサッカーYouTubeチャンネルを運営する元プロサッカー選手・那須大亮選手が登場! 18年間という長い期間プロサッカー選手として第一線で活躍された経験を元に、「日本サッカー」と『ブルーロック』について語っていただきました‼
『ブルーロック』とのコラボ動画も!YouTubeチャンネルはコチラから‼
『ブルーロック』は革新的!
―――本日は、全ての日本サッカーファンが今最も注目している、元プロサッカー選手にして現YouTuberの那須大亮選手と『ブルーロック』のコラボインタビューということで、どうぞよろしくお願いいたします。
那須大亮選手:
よろしくお願いします。
『ブルーロック』内で実践している「突出した“個”を磨く」という育成論は、僕も非常に大事だと思っています。
日本がサッカーW杯出場常連国になり、ベスト16にまで進出して「ベスト8」や「優勝」が見えてきた今だからこそ、世界と戦うための“個”の力への重要性が日本サッカー界のテーマになってきていると感じています。
そんな中で、“個”にスポットを当てた『ブルーロック』を読ませていただき、「切り口が革新的で面白い!」と思いました。僕のYouTubeチャンネルの視聴者の方々にも知ってもらいたいですし、現役でプレーをしている選手たちにも是非読んでほしいですね。
非常に素晴らしい漫画だと思いました。
―――ありがとうございます! 那須選手も、プロサッカー選手からYouTuberへと革新的な転向をされましたが、どのような想いやきっかけがあったのでしょうか?
那須大亮選手:
「サッカーの素晴らしさをより多くの人に届けたい。Jリーグの発展に貢献したい」という想いから、YouTubeチャンネルを開設しました。
きっかけは、僕がまだ現役サッカー選手として浦和レッズに在籍していた時に、サポーターの方々にかけていただいた「一緒に頑張りましょう!」という声援。
それまでは、「週末頑張ってください。応援してます!」というような声をかけていただくことが多かったのですが、浦和レッズでは「みんなで一緒に戦っているんだ」ということ強く意識させてくれるような声援が多く、その時に改めて「多くの方々の支えによってプレーをすることができているんだな」というサッカー選手の本質に気づかされました。
それから、那須大亮という人間を形成してくれたサッカーという競技や支えてくださった方々に恩返しができないかと思い、今に至ります。日本サッカー盛り上げの一助になれば嬉しいですね。
那須選手の言葉は、『ブルーロック』4話で帝襟アンリが会見で語ったセリフと非常にリンクする内容だった。
突出した“個”の誕生、求む!
―――日本サッカーを盛り上げるためにYouTubeの活動をしていらっしゃるとのことですが、日本サッカーの更なる発展に必要な要素はなんだと思いますか?
那須大亮選手:
やはり突出した“個”を持った選手が、もっと沢山登場してくれることだと思います。
今でも、南野拓実選手(リヴァプールFC所属)や久保建英選手(ビジャレアルCF所属)等、素晴らしい選手たちが続々と活躍しています。
そういった海外のどんなチーム・国の選手にとっても脅威となり得る選手が更に出てきてくれると、日本サッカー全体のレベルアップにも繋がりますし、W杯優勝にも近づくのではないかと思います。
また、そういった選手の活躍や輝いているプレーを見られれば、単純にファンの方々の熱気も高まりますし、子供たちの憧れにもなり得るのではないでしょうか。
「チャレンジ」を大事に!
―――どうすれば、突出した“個”を持った選手は誕生するのでしょうか?
那須大亮選手:
選手たちにとっては、恐れずに「チャレンジ」していくメンタリティーを育んでいくこと。そして、サポーターの方々にとっては、その「チャレンジ」に対して「リスペクト」を持つことだと思います。
「平和的」「和を重んじる」「規律を乱さない」という風潮は日本の強みでもある反面、“個”が育ちにくい環境でもあると感じています。その点、今までの常識を打ち壊し、「自分のプレーで勝つ」というチャレンジ精神が養える“青い監獄”は素晴らしい場所だと思います(笑)。
「勝つためのエゴイスト」たれ!
―――那須選手が考える、サッカー選手に一番大事な素質はなんだと思いますか?
那須大亮選手:
勝つことにどれだけこだわれるか。
そんな「勝つためのエゴイズム」が選手にとって一番大事だと思います。「良いプレーをする」とか「スキルを高める」というのは、勝つための手段であって目的ではありません。その前提を間違えてはいけないと思います。
―――「勝つためのエゴイズム」を、那須選手はどのように獲得されたのでしょうか?
那須大亮選手:
まだ僕が若手だった頃に、多くの先輩方から勉強させてもらいました。
例えば、松田直樹さん(元日本代表DF)。松田さんは、まだプロとして駆け出しだった自分に「プレイヤーとして勝つことだけを考えろ。だから、俺に気を遣わず何でも言ってくれて構わない。罵倒でもなんでも良い。勝つために俺らは言い合うんだ」と一人の対等な選手として声をかけてくださったんです。
また、中村俊輔さん(横浜FC所属)の言葉もいまだに記憶に残っています。
僕がずっと試合に出られていない時期に、練習で激しくチャージをしたことがあって、「怪我をするからあまり激しくいきすぎるな」と監督から言われてしまいました。
僕自身は、監督の言葉に納得がいっていなかったのですが、その練習後に俊輔さんから「ちょっと銭湯行くから付き合え」といきなり言われて、「ああいうガッツのあるプレー続けろよ」と言ってくれました。
見てくれている人は、ちゃんと見てくれているんだなと凄く嬉しかったのを覚えています。
また、「試合に出られないからって、すぐに移籍するなよ」とも(笑)。
「状況を変えようと努力しないで移籍しても何も変わらないから」と。そういった、先輩方の戦う姿勢や言葉から沢山のことを学ばせてもらいました。
―――『ブルーロック』キャラクターたちの「自分でゴールを決めたい」というエゴについては、どう思いますか?
那須大亮選手:
それは間違っていないと思います。
「ゴールを決める」ということは、「試合に勝つ」ということに直結するので。
ゴールを決めて勝てるのであれば、周りも認めさせることができると思います。結果が全ての世界ですからね。チームを勝たせ続けているうちは「エゴイスト」として称賛され、負ければ「自己中」として罵倒されることになるんじゃないかと思うので気を付けてほしいですね(笑)。
絵心甚八が8巻でチームZメンバーに説いたのが“個”の武器を持つことの重要性。
「日本サッカーが世界と戦うために」
―――『ブルーロック』を読まれて、印象に残っているシーンはありますか?
那須大亮選手:
僕は馬狼が一番好きなんですが、潔に支配され馬狼のプライドが打ち砕かれるシーンがメチャクチャ好きです。
変なプライドが邪魔をして、苦しんで……。
そんな中で「敗北」をキチンと認めることで自身の殻を破って、新たなフェイントを手に入れる。その流れが物凄く爽快感があって素晴らしかったです。多くの人に訪れる「必ず壁にぶち当たる瞬間」が、非常にリアルでした。
作品中にも描かれていた、敗北してそこから「キチンと絶望する才能」は、大切な考え方だと思いますね。
―――最後に、マガジンを読んでいるサッカーファンに一言お願いいたします。
那須大亮選手:
たまたま今回のコラボのお話をいただく前に、「日本がW杯で優勝する方法とは?」と「FWにエゴイストは必要か?」という切り口の動画を丁度アップさせていただいていたので、「凄い奇遇だ!」と思いました(笑)。
非常に『ブルーロック』とマッチした内容になっていますので、そちらもよければご覧いただけると嬉しいです。
今回は、素晴らしい作品とコラボさせていただきありがとうございました。『ブルーロック』は、まだ読んでいない方にも絶対に面白いと保証できます! 『ブルーロック』と「那須大亮 / Daisuke Nasu」YouTubeチャンネルをこれからもよろしくお願いします!
那須選手が一番好きだと語った馬狼の挫折と覚醒のシーン。
守備的ポジションで活躍されていた那須大亮選手が選ぶ!
マッチアップした時に嫌な『ブルーロック』キャラクターTOP3!
1位:凪誠士郎
凪はプレーの発想が凄すぎるということと、あまり感情を露わにするタイプでもなく駆け引きも難しそうなため、どう手を付ければいいか分からないですね。
感情を出してくれる選手だとイライラさせるように仕向けたりとか色々と対策の取りようはあるのですが、駆け引きすらさせてもらいづらいとなると、止めるのが難しそうだな、と…(笑)。
2位:糸師凛
凛もポーカーフェイスで、何を考えているのか読めないタイプのプレイヤーなので2位にしました。プレーが読めないと後手に回らざるを得ないのでマッチアップの難易度が上がります。
また、そもそも凛のプレー自体が誰かに合わせるプレーではなく「俺のプレーについてこい」という感じなので、相当やりづらそうですね。
3位:千切豹馬
できればスピードはない方が良いので、千切を3位にしました。単純に、一手間違えるとぶち抜かれてしまうかもしれないという相手は怖いですよね。
~実在の選手編~
興梠慎三選手(元日本代表FW。現・浦和レッズ所属)
あまり感情的にならず、淡々とプレーをされる選手なので駆け引きが難しかったです。
久保竜彦選手(元日本代表FW。愛称は「ドラゴン」)
爆発的なフィジカルを持った選手で、何もできないまま点を取られてしまって「ノーチャンス」という感覚を味わいました。
番外編~那須選手が選ぶ好きな『ブルーロック』キャラクター~
馬狼照英
感情をもろに表に出すタイプのFWが個人的に好きです。感情が見えると一緒にプレーがしやすいんですよね。後ろからどう声をかけたら動いてもらえるか、より良いプレーを引き出せるか考えやすい。
馬狼はポジティブな言葉でもネガティブな言葉でも、何かしらリアクションをしてくれそうなので、一緒にプレー出来たら楽しそうです。
『ブルーロック』ファンにオススメの那須選手動画!
FWにエゴイストは必要か?
日本がW杯で優勝する方法は?