突然ですが、皆さんに質問をさせていただきます――
もし、生きるか死ぬかの状況で、
人間のまま死んでいくか――
怪物になっても生きていたいか――
そんな選択を迫られたら、あなたはどうしますか？
今回ご紹介する漫画は、異世界転生した後に究極の選択を迫られた主人公が、後者を選び、異世界で生き抜くために成長していくサバイバルファンタジー――
『異世界で生き抜くためのブラッドスキル』です！
第１巻が発売中の本作ですが、“吸血鬼”と“人”という、別の生き物であることの葛藤から目が離せない魅力が溢れているんです！
●『異世界で生き抜くためのブラッドスキル』はこんなお話！
物語の始まりは、修学旅行の飛行機の中。主人公の友瀬明（ともせ あきら）（以降はアキラと表記）が窓の外を見ると、エンジンから煙が!?
気付いた瞬間には時すでに遅く、大爆発とともに飛行機は真っ二つ!?
アキラの旅はここで終わって――
しまいません。
意識を失っていたアキラが目を覚ますと、なんと見知らぬ場所で椅子に縛り付けられ、老人に血を抜かれていました。どういう状況!?
「オーマイガー!!」と必死で抵抗するアキラ。こんな状況、誰だって錯乱しちゃいますよね。
そんな彼のもとに救世主が登場！
スラっとした長身で大きな武器を担いだ女性が現れ、助けに入ってくれたのですが……
なんと彼女は吸血鬼!?
状況を理解できないアキラは彼女にも怯えてしまいますが、女性は人間を襲ったりはしないと言い切ります。
女性の名前はリヴ。彼女はアキラにここが異世界であること、おそらくアキラは元の世界で死んでしまったということ、そして、この世界で生き返ったことなどを説明してくれました。
さらに、この世界における残酷な真実――
アキラはこのままだと数日後には死んでしまうだろうと告げます。それがなぜかというと、別の世界から来た人間は、この世界の病に対する抗体を持っていないから。
そんな事実を突きつけられたアキラに、リヴはひとつだけ回避方法があると教えてくれます。その方法というのが……
「吸血鬼になること」。
つまり、彼は「人間のまま死ぬか、吸血鬼になってこの世界で生きるか」という、究極の２択を選ぶしかなくなってしまったのです！
こう聞くと絶望的ですが、どうやらこの世界では吸血鬼と人間が協定を結んでいて、助け合って生きているらしいのです。そのため吸血鬼になると人間を脅かす魔物を狩り、人々をずっと守り続ける必要がありました。
「この世界で生きるならルールに従うしかない」と、リヴは丁寧に説明してくれるのですが、つい先日まで普通の高校生だったアキラには難しい選択です……。
思わずリヴの前から逃げ去ったアキラ。しかし、そんな彼の前に巨大な魔物が出現！
数日後の死を待たずして、絶体絶命のピンチを迎えてしまいます！
絶望の連続の中、それでも「死にたくない」ともがくアキラ。その声に呼ばれるように現れたのが――
リヴでした！
魔物を一撃で倒し、「吸血鬼は人間を守るためにいるんだ お前を死なす訳にはいかない」と何でもないように伝えてくれます。かっこいい～～～！
そんなリヴの姿を見たアキラは、吸血鬼になる意思を固めたようです。そして、彼女に直接「リヴのような強くてかっこいい吸血鬼になりたい」と決意を表明します！
こうして人間だったアキラは、吸血鬼として異世界で生き抜く道を選んだのでした！
というわけでここからは、さらに詳しくアキラとリヴの２人の今後の展開。そして、その仲間たちについてご紹介していきますよ！
●絶望にもがき苦しみ、それでも生きようと前を向く主人公・友瀬明（ともせ あきら）
主人公のアキラは、ごく普通の17歳の高校生。
「吸血鬼になっても僕なんかすぐ死んじゃいますよ」と涙目になるほどの臆病者でした。
最初に血を抜かれそうになった老人（商人）にも、「すぐ怯える・すぐ泣く・すぐ逃げる」とイジられるほど、誰が見てもわかるビビりです……。
また、リヴの家で２人きりになると赤面＆緊張してガタガタ震えるほどで、女性への耐性も低めです（笑）。
しかし臆病だからといって、逃げ続けるだけの人物ではありません！
いざというときに覚悟を決める「胆力」も持ち合わせています！
転生直後は、疑心暗鬼でリヴを疑ってしまったこともありました。しかし、きちんと謝罪する「誠実さ」を持っているのもアキラの良いところです！
そして、この性質は今後の展開に深く関わってきます！
どうやら、吸血鬼になるには吸血鬼の血を飲む必要があるのですが、その吸血鬼にも数種類の血統があり、それにより授かる能力が異なるというのです！
例を挙げると、近接戦闘特化の「戦斧のヴァリス」、癒しの力を司る「聖血のレイザ」、多彩な魔術を操る「黒衣のセミラミス」、死霊術（ネクロマンシー）を駆使する「屍喰のサガン」。
アキラを助けてくれたリヴが「戦斧のヴァリス」の血統だと教えられ、当然リヴに憧れるアキラもその血統を選ぶのですが――
飲んだ瓶の中身がすり替えられていたらしく、リヴが嫌っている「闇血統」の血を飲んでしまったことが発覚します！
ショックを受けるアキラでしたが……
「闇血統はモテる」と聞いてピクッと反応してしまったりする、思春期の少年らしい一面が出てしまいます。それはそれで高校生らしくてヨシ！
こうして望んだ血統にはならずとも、リヴのパートナーになるため闇血統で頑張っていくという意思を固めたアキラ。
しかし、ことはうまくは運ばず……。
最初の依頼を受けた際、未熟ゆえの暴走でリヴに片腕を無くさせるほどの大怪我を負わせてしまいます……。
激しく取り乱し、「また僕は間違えた」「転生しても同じことを繰り返すんだ」と後悔するアキラ。「また」とはどういうことなのでしょうか……？
どうやら彼は異世界に転生する前に、目の見えない同級生を自分のせいで死なせてしまったと思い悩んでいた過去がありました。
あくまで、“頼まれたことを断った結果、起こってしまった不幸な事故“なだけなので、アキラのせいではないのですが……。それでも彼は深い後悔を抱えて生きていたのです。
こうして贖罪のために「自分にできること」をコツコツと積み上げていくアキラ。吸血鬼としては闇血統になってしまいましたが、心までは闇に落ちずに前へ進もうとしているのです！
そして改めて、生きるための目標を「リヴさんを守れるくらい強くなります」と宣言するアキラ。リヴを守れるということは「リヴより強くなる」ということ。
……難しい目標ではありますが、目標は難しいくらいがちょうどいいですからね！
闇血統の力の謎も気になりますが、後悔や恥じらい、贖罪など人間らしい気持ちがしっかり残っているアキラだからこそ、こちらもその成長を見守りたくなる主人公です！
●強く美しく頼れる存在！ 凛とした存在感と強い心を持つ吸血鬼・リヴ
アキラの命を救ってくれた恩人で、彼の師匠でもある吸血鬼の女性・リヴ。
なんと彼女も、異世界に転生してきた元人間だというのだから驚きです！
その凛々しさと麗しい見た目から、とっても若そうに見えますが……吸血鬼には不老の力があるので、すでに200歳くらいとのこと！
彼女にとって17歳のアキラは赤ん坊同然。いや、赤ん坊を通り越して、先祖レベルの差ですね……（笑）。
しかし、親戚のお姉さんのようなイタズラ心も忘れていません！
「一緒に寝た仲だ」と言ったり……
アキラの頬の傷から流れ出た血を舐めとったり…… 。うらやましい……！
しかし、そんな行為もすべてリヴの思いやりからくるもの。アキラの血を飲むことで、「彼が人間だったことを忘れない」ようにしてくれたんです。こんなん惚れてまうやろ……！
そんな罪作りなリヴさん。アキラが闇血統の血を飲んでしまった時はひと悶着ありましたが、実は「過去に付き合ってた男が闇血統だった」という事実も発覚！
この事実にはアキラもやる気を出していました（笑）。
そして、アキラを応援する際に見せる恥ずかし気な表情も麗しい……！
このように、微笑ましいエピソードを持つチャーミングな部分も最高なんですよ！
吸血鬼でありながら、村の人間たちにも慕われていて人徳も抜群！
アキラは本当にいい人に助けられたんだなぁ……と感慨深くなりますね。
そして、リヴは優しいだけではなく強さも兼ね備えています！
アキラが暴走をしてしまった時も、体を張って止めたのは彼女でした。
その際に片腕が犠牲になったのですが、パニックになるアキラを抱きしめ「200年も生きてりゃ 手ぐらいなくなる」とリヴは何ともないように語りかけます。ちょっとカッコよすぎやしませんか……？
そんな超絶人格者のリヴですが、過去に犯してきた罪があるらしく、「その償いを日々してる」と語る場面も……。200年の間に、リヴがどんな道を辿ってきたかも気になるところ。いつか語られる時がくるのでしょうか？
美貌だけでなく武力と精神力を兼ね備え、さらにさまざまな過去を持っていそうなリヴが、アキラと一緒にどんな道を歩んでいくのか……続きが気になりすぎて夜も眠れませんよ！
そんな本作ですが、今後の展開で仲間が増えていきます！ しかもその仲間というのが……!?
彼らが一体何者なのか？ 謎に包まれたアキラの血統の正体とは？
そんな楽しみが満載の『異世界で生き抜くためのブラッドスキル』。気になる旅の続きは、ぜひマガポケでチェックしてみてくださいね！
●『異世界で生き抜くためのブラッドスキル』単行本第１巻、大好評発売中！
ぜひ周りの人にも教えてあげてください！
