別冊少年マガジンで連載中の
別マガ ムービーガイドを特別に大公開！！
２０１７年７月号に掲載された長門知大先生編の前編をお届けします！
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名作・駄作・カルト作。アクション・ＳＦ・ラブコメディ。映画はいろいろあるけれど、まだ観てない映画をもう１本。
紹介された映画が気に入ったら、オマケで編集部のオススメのもう１本もご覧くださ〜い！！
さて、今回紹介するのは、ちょっとズレてるけど一途な女子高生・菱川俊ちゃんがかわいい『将来的に死んでくれ』の作者、長門知大先生の推薦ムービーだ。
ぶっ飛んだ女の子が出てくる恋愛映画なんかを推薦してくれるのかなあなどと勝手に想像してたら、
なんと１本目は
『ピラニア３Ｄ』である。
漫画家と言う人種は、なんとも予想できない人たちである。
３Ｄ映画として公開されたので『ピラニア３Ｄ』。ピラニアがピョンピョン画面から飛び出たらしい。（すみません。映画館で観なかったもので）
ピラニアは、読者もご存知のように、
肉食の淡水魚である。
〝なんだ、『ジョーズ』の魚版か。迫力不足を３Ｄでカバーしたわけね〟
と考えた読者、この映画そんな甘いもんじゃございませんぜ。
オープニング。
アリゾナの岩だらけの荒れ地を進むと、そこにはフェンスが張られ、〝中石器時代発掘現場〟の表示が。
カメラがさらに進むと、湖が現れる。
そこで一人のおっさんがボートの上で、呑気にビールを飲みながら釣りをしている。
この時点で、〝ああ、おっさん、死亡フラグが立ったな〟と観客の９割は思うのだが、役者を見てビックリ。
リチャード・ドレイファス
じゃん。
あの『ジョーズ』でサメと闘った海洋学者を演じた役者さんである。
シャレが効いてます。
すると湖の底で大きな地殻変動が！
湖水は渦巻き（渦のＣＧがものすごく安い！）、湖底は割れ、そこから恐ろしいピラニアの大群が飛び出してくるのだ！
そして観客の想像通り、おっさんは、あっという間に喰い散らかされてしまうのだった。（見事な食いっぷり）
で、このピラニアだが、なかなかの面構えで、ゾンビとエイリアンが合体してターミネーターのゴツさを加えた感じとでも言ったらいいか。
後から、このピラニアはパイゴセントラスという２００万年以上前に絶滅したピラニアの祖先だということが分かる。地底で共食いをしながら生き延びたらしい。
もちろん、湖底を調査する学者たちが登場し、あっという間に餌食となって、人喰いピラニアの存在が明らかになるのだが。そこらへんはパニック映画の基本通り。
いっぽう湖の周辺では、
春フェスタの真っ盛り。
ボートと水着姿の男女で溢れかえっている。必要以上におっぱいを出した女子が山ほど登場し、年頃の男子だったら鼻血が止まらないような状況。
この映画のすごいところはこの盛り上がりっぷりだ。
素肌に着たＴシャツに水をかける〝Ｔシャツ濡らし〟（どうなるか想像つくよね）ゲームや、ナゼかおっぱい丸出しのパラセーリングなど、何が何だかわからないが、妙に浮かれるのである。
だがそこはパニック・ムービー。
楽しさが頂点に達した、
まさにその時、
ピラニアの大群が人々を
襲うのだ！
警察の警告も聞かず、浮かれていた若者たちが喰われる、喰われる！
ここから一気にスプラッタに突入である。
あまりにスゴイので、うっかりすると笑ってしまうほどである。
さてパニック・ムービーのルールとしては、大勢が死んでも、何人かの善人はなんとか生き残ることになっている。
この映画では町の女保安官一家なのだが、どうもそこより、気になる登場人物が。
ポルノ映画を撮りに来た映画監督である。
おっぱい命の彼は、今際の際の一言が〝濡れたＴシャツ見たいよ〟。
そこまで見たいか！しかも大事なところをパクっと食べられちゃうし。（まずかったらしく、ぺっと吐き出されるのも悲しい）
そしてラスト。あっと驚くオチがつくのだが、それは見てのお楽しみ。
ところで、長門先生がお気に召したのは、
アニマル・パニック（正確には魚類だが）映画なのか？
それともおっぱい満載のパニック映画なのか？
謎である。
☆後編はコチラ
（※この記事は別冊少年マガジン2017年7月号に収録されたものです）
▼『将来的に死んでくれ』第１話がWEBでも読める！
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（終わり）
