週刊少年マガジンに掲載された「漫画家(プロ)への花道」を特別に大公開!
本連載では、マガジン誌面でプロとして活躍している”あの”先生、
”あの”作品の作家に、プロの感覚、目の付けどころ、
意識していることなどをインタビュー。
講談社に持ち込んだ投稿作品を、自ら審査してもらったりもしているぞ!
今回は、2019年13号に掲載された流石景先生編の前編をお届け!
『ドメスティックな彼女』の流石景先生
新人・流石景を斬る!
『FIND NEW WAY!』で第79回新人漫画賞入選を受賞。
前作は『GE〜グッドエンディング〜』。現在は、TVアニメも大好評で放送中の『ドメスティックな彼女』を本誌で連載中。
一か月以内に「脱童貞」することを宣言してしまったダサくて冴えない男子高校生・早人。クラスメートの雪の協力を得て、脱童貞を目指す!
▼『FIND NEW WAY!』はマガポケにて公開中! ぜひご覧ください!
自分の〝強み〟を見つけよう!
ーー審査員の立場として、ご自身の投稿作品 『FIND NEW WAY!』を読み返して、感想を教えてください!
流石:良い点としては、まず「めくりを意識できているところ」でしょうか。
ページの「ヒキ」になるところ……左ページの最終コマで、思わず次の展開が気になってしまうよう、意識的に作れているように思います。
その意識があると、テンポ感が生まれて読みやすくなるんですよね。今の『ドメスティックな彼女』でも「めくり」はすごく意識しています。
あと「冒頭で読者を摑んでいるところ」も良いですね!
⬆︎左ページの最終コマ。読者は「次のシーンで何が起きるんだろう?」と気になって、思わずページをめくりたくなってしまう!
ーー『FIND NEW WAY!』の冒頭はキャッチーですよね!3Pの「童貞捨ててやるぁぁ!!」までで、一気に引き込まれます。この冒頭はどういう意識で描かれたのですか?
流石:当時から、私は真っ当な恋愛モノは描ける気がしていなくて。
でも、当時の私は芸人さんの深夜ラジオがすごく好きで、「童貞のメンタル」を理解できる気がしていたんですよね(笑)。
「童貞の気持ちを描ける」という自分の「強み」を活かそうと思って、こういった冒頭になりました。
ーー流石先生の作品はいつも個性的で、ご自身の強みが活きているように感じます。
流石:王道へのカウンターというか……。
今の『ドメカノ』もそうなんですけど、私は「他の人がやらないことをやろう」という意識が常にあって。
そういった部分も自分の強みをうまく活かせたのかな、と思っています。
ーー当時から、戦略的な意識を持って漫画を描かれていたのですね。
流石:もしかしたら、今の新人作家さんも「これ描きたい!」よりも、「まだこのネタねえな!」を探して描かれた方が、道がひらけることもあるかもしれません!
⬆︎流石先生の強みが活きたこの冒頭3ページ目。「読者全員を摑んで離さないぞ!」という意識で、キャッチーなスタートを心がけよう!
読者を意識して、見やすい画面作りを!
ーーでは、悪い点はありますか?
流石:「描き込みすぎて見づらいところ」ですね。
背景の影とか、すごく一生懸命描いていますけど……(笑)。「引き算」ができていなくて、すごく見づらい。
ーー「引き算」というと?
流石:背景を細かく描き込みすぎて、肝心のキャラ絵が埋もれてしまっているんですよね。
描かなくていいところも、描いてしまっていて、全体的にごちゃごちゃとしてしまっている印象を受けます。
今は、キャラクターの絵に「ホワイトで縁取り」をしているのですが、それもないから、キャラ絵が背景に馴染んじゃっている。
ーーなるほど。確かに比較すると、同じくらい情報量があるのに、『ドメカノ』の方がぐっと読みやすくなっているように思います。
流石:吹き出しも小さいし、視覚的に「このセリフを誰が喋っているか」が分かりづらいのも、もったいないなぁと思います。
文字が小さいと読む気なくしちゃうんですよね。
……こだわりも大事だけど、「読者が見やすいか、見づらいか」という点を全然意識できていなかったな、と思います。
「読者意識」は新人作家さんにも是非持ってほしいです!
⬆︎「ドメカノ」の1シーン。キャラクターがホワイトで縁取りされていて、すっきり見やすい画面が作れているのに注目!
☆後編へ続く!
(※この記事は週刊少年マガジン2019年13号に収録されたものです)
第102回新人漫画賞
締め切りは
2019年3月31日(日)
当日消印有効!
新人賞の詳しい応募要項は
週刊少年マガジン
公式サイトをチェック!
▼流石景先生の前作『GE〜グッドエンディング〜』の第1話はコチラ!
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(終わり)