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『進撃の巨人』の15巻までを超人気予備校講師の授業で学ぼう!

注)この記事は「公式見解」ではありません。また、15巻までのネタバレを含みます。

 

2009年の発表から今日まで、人気漫画として君臨する『進撃の巨人』。100年にもわたる長い物語、謎の深い設定、そして登場人物の多さなど独自の世界観が魅力の本作ですが、その深さをまだまだ完全には理解できていない人も多そうです。

 

クライマックスに近づくにつれ、どんどん面白くなってきている『進撃の巨人』。今回は、『進撃の巨人』をまだ十分に理解できていない人に、株式会社リクルートが運営するオンライン予備校「スタディサプリ」で、日本史や現代社会などの社会科を担当する人気講師の伊藤賀一先生から本物の「授業」を行ってもらいます。

 

伊藤先生によると、「15巻までの基本設定と登場人物、世界観が理解できていれば、この後の展開を読み解く力が確実につくはず」ということですが、社会科のスペシャリストの手にかかると、『進撃の巨人』はどう紐解かれていくのでしょうか。

 

この記事では、『進撃の巨人』のあらすじを、ポイントを絞って解説してもらいます。このあらすじを熟読すれば、あなたも『進撃の巨人』を完全に理解できる!

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伊藤賀一先生プロフィール

1972年9月23日京都生まれ。
リクルート運営のオンライン予備校『スタディサプリ』で日本史・倫理・政治経済・現代社会・中学地理・中学歴史・中学公民の7科目を担当する「日本一生徒数の多い社会講師」。
43歳で一般受験し、2019年現在、早稲田大学教育学部生涯教育学専修3年に在学中。

新選組で有名な壬生に育つ。洛南高校を経て、法政大学文学部史学科卒業。
東進ハイスクール最年少講師として30歳まで出講後、教壇を一旦離れる。全国を住み込みで働きながら見聞を広め、四国遍路を含む4年のブランクを経て秀英予備校で復帰。経験職種は20以上という、多彩な経験をベースに圧倒的話術で展開される講義は、爆笑で「教室が揺れる」と形容される。

著書・監修書は、『ニュースの“なぜ?”は日本史に学べ』(SB新書)『日本一の社会科講師が教える 読んだら忘れない明治維新』(アスコム)、『学習版 日本の歴史人物かるた』(幻冬舎)、文庫『世界一おもしろい日本史の授業』シリーズ、『ゴロ合わせ朗読CD付日本史まるごと年代暗記180』『カゲロウデイズで中学歴史が面白いほどわかる本』『これまでイマイチ理解できなかった人もすぐにわかるようになる すごい哲学』(以上KADOKAWA)、『伊藤賀一の速攻!センター現代社会』(文英堂)など累計30万部。活動は受験指導に留まらず、調布FM『伊藤賀一の社会科BLUES』パーソナリティー、辰巳法律研究所・池袋コミュニティカレッジ・東急セミナーBE・京急百貨店COTONOWAなどにも出講中。数々のメディア出演や、京都市『京都をつなぐ無形文化遺産』PR担当、シアタープロレス花鳥風月のリングアナウンサーを務めていることでも有名。
179.5
㎝、72㎏、B型。

 

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1 人類と巨人 

・人類は「ウォール・マリア」(外)「ウォール・ローゼ」(中)「ウォール・シーナ」(内)という、3人の女神の名を付けた、三重にめぐらされた50mもの高さのの中で、壁外をうろつく大量の巨人に怯えながら暮らしている。

・外の世界がどうなっているのか、何も知らずに一生壁の中で過ごすのが普通だった。

・人類領域は中心ほど標高が高くなり、中心から外に向かって川が流れる。また、地下資源に恵まれている。

・しかし、100年以上も平和が続き、人類は油断していた。100年壁が壊されなかったからといって、今日壊されない保証なんかどこにもないのに……。

・壁内に人類が逃げ込んだ際、それまでの歴史を記すような物は何一つ残すことはできなかった(口承もできるのでそもそもおかしい→王政が情報を封じた)。人類の大半は失われ、住み処は僅かしか無くなったが、争いの絶えなかった時代とは決別できた。

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主人公エレンが暮らすウォール・マリア周辺

 

 

 

2 845年 100年の平穏がやぶられ、人間は再び巨人の脅威にさらされる

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・主人公はウォール・マリア南端から突出したシガンシナ区(※1)に暮らす

10歳のエレン・イェーガー(行方不明の医師グリシャと妻カルラの子)。

その友人の

ミカサ・アッカーマン(エレンと同居する幼馴染の女子)

アルミン・アルレルト(エレンの幼馴染の男子)が主要登場人物

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突出したシガンシナ区(※1)

なぜ突出した部分があるのか?

ここに人間が密集して暮らしていることで、もし巨人が襲ってきたとしても、この部分に巨人が群がるようになっており、いわば的の役割を果たす。この地域に暮らすのは危険が伴うが、兵士が駐屯しているため経済効果は約束されている。主人公のエレンが暮らすのも、この危険の多いシガンシナ区である。
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・3人は超大型巨人(60m)と鎧の巨人(15m級)により外界とつながる巨大な開閉扉(壁に比べ強度が劣る)が破られる現場に遭遇する。エレンの母カルラはある巨人(女性のような)に捕食され、人類はウォール・ローゼに後退する。

人類はウォール・マリアを放棄し、3分の1の領土と人口の2割を失った(=1年後に「ウォール・マリア奪還作戦」という名目で壁外に総攻撃をかけ、口減らしをした)。

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・2年後、12歳になったエレン、ミカサ、アルミンは「第104期(南方)訓練兵団」に入団する。ここで、ライナー・ブラウン、ベルトルト・フーバー、アニ・レオンハート(女子)、ジャン・キルシュタイン、マルコ・ボット、コニー・スプリンガー、サシャ・ブラウス(女子)、クリスタ・レンズ(女子)、ユミル(女子)らと同期であった。彼らは兵站行進・馬術・格闘術・兵法講義・技巧術・立体起動らの訓練を3年間受け、兵士として教育された。

  

3 850年 悲劇から5年。調査兵団としてスタートをきったエレンに再び巨人が…

・エレン、ミカサ、アルミンの3名は3年間の(南方)訓練兵団の全過程を終了する。

この時、「ウォール・ローゼ」南端トロスト区に超大型巨人が5年振りに襲来。駐屯兵団(※2)(=壁の強化に努め各街を守る)と第104期訓練兵団卒業生が合同で、大量にトロスト区に流入した巨人たちの討伐にあたるが、マルコらは戦死。

・このさい、ある巨人に捕食されたエレンがなんと巨人化(15m級)して他の巨人たちを攻撃。その後エレンは、疑念をもった駐屯兵団に殺されかけるがピクシス司令に命を救われる。

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巨人化したエレン

・自傷して巨人化し、巨岩を使い扉部分の穴を塞ぐ作戦を、多大な犠牲を払いながらも成功させ、トロスト区を奪還する。これは、人類が初めて巨人の侵攻を阻止した快挙であった。

・この快挙には、駐屯兵団だけでなく、帰還した調査兵団(※2)(=犠牲を覚悟して壁外の巨人領域に挑む)の“人類最強の兵士”リヴァイ兵士長らの協力が不可欠であった。

 

4 調査兵団入団 敵は壁内に…!?

憲兵団(※2)(=王の下で民を統制し秩序を守る)やウォール教の司祭・貴族・王らは、巨人化することのできる(=「巨人の力」をもつ)エレンを当然のごとく危険視するが、調査兵団団長エルヴィン・スミスにより、調査兵団の監視と警護の下に置かれ、特別作戦活動班のリヴァイ班に編入される。

・研究者でもあるハンジ分隊長は、エレンの巨大化能力と捕獲された二体の巨人(4m級・7m級)の研究(唯一活動に必要なのが「日光」、身体が異常に軽いなどが判明)を始めるが、ある日、それらの巨人が何者かに殺害される。

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誰が巨人を殺したのか、疑心暗鬼の状態に陥る兵たち。

 

・この直後、ミカサ、アルミン、ライナー、ベルトルト、ジャン、コニー、サシャ、クリスタ、ユミルも調査兵団に志願する(104期は総勢21名)が、アニは憲兵団に入団する。

 

3つの兵団(※2)

 

・王の元で民を統制し秩序を守る「憲兵団」

・壁の強化に努め各街を守る「駐屯兵団」

・犠牲を覚悟して壁外の巨人領域に挑む「調査兵団」

 

下にいくほどに危険度が高くなる。訓練兵の卒業試験で10番以内に入ったものだけが、人気の高い憲兵団を選ぶことができるが、エレンやミカサ、アルミンの同期だった第104期訓練兵団の上位10位通過者は、アニ以外が調査兵団に入団を希望するという異例な結果になった。

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5 第57回壁外調査(850年) 女型巨人の出現

・謎が深まる中、第57回壁外調査(だいたい月1回ある)が始まる。巨人が反応しない馬を駆使した調査では、たいてい新兵の5割が死亡するほど危険である。「いかに巨人と戦わないか」が大事なので、エルヴィンが考えた「長距離索敵陣形」を取り作戦を遂行していく。

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・エレンは失踪した父、医師であったグリシャから言い残された(「ウォール・マリア」の南端シガンシナ区の)自宅の地下を目指そうとするが、突如現れた、戦闘力の異常に高い(通常種でも奇行種でもない?)、まるで“巨人の体を纏った人間”のような女型の巨人に調査兵団が蹂躙される。

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・頭の賢いアルミン(精神力はエレン、戦闘能技術はミカサが秀でる)は、明らかに意志をもっていそうな女型の巨人の不可解な行動に疑念を抱き、(巨人化能力をもつ)エレンを追跡している可能性を考える。

・そして、エルヴィン団長の今回の調査の真意は、エレンを囮として、樹高80mを超える巨大樹の森の奥に「人間が操っていると思われる巨人(=女型)」をおびき寄せ、生け捕りにすることにあることが判明する。調査兵団は、巨大樹の森で女型の巨人の拘束にいったん成功するが、大声で叫び自らを他の巨人に食わせ、姿を隠す作戦をとった「女型を操っていた人物」に逃走を許し、撤退を余儀なくされる。

・この時、エレンを護衛するリヴァイ特別活動班は「女型を操っていた人物」らしき者(兵士の姿をしていた)に奇襲され、再び現れた女型の巨人の前に壊滅する。エレンは怒りにまかせ、自傷して巨人化するが格闘戦で敵わず敗北し、うなじごと食われ連れ去られかける。

・しかし、すんでのところでリヴァイとミカサ(この2名は非常に強い)によりエレンは救出されウォール・ローゼ内カラネス区に帰還するが、この時リヴァイは負傷してしまう。

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※今回の壁外遠征にかかった費用と損害による痛手は、調査兵団の支持母体を失墜させる(※3)に十分であった。エルヴィンを含む責任者がウォール・シーナ内の王都に召集されると同時に、エレンの引き渡しが決定される。

 

調査兵団の支持母体を失墜させる(※3)

 

人々の税金だけでなく、さまざまな支持を得て構成されている調査兵団。しかし壁内にいるかもしれない巨人化できる人間、また信頼に値するかどうかわからないエレンに対して、壁内の人間は疑心暗鬼に陥っていき、人間同士の争いがうまれてくる。巨人対人類の戦いかのように始まった本作だが、この人間同士の争いが話の大きな肝となってくる。

 

 

6 女型の捕獲と「ウォール・シーナ」の謎(850年)

・前述のように、エルヴィン団長は作戦の失敗の責を問われ重臣たちの査問を受けることになり、エレンも憲兵団に引き渡されることが決まる。賢いアルミンは、女型の巨人の正体が憲兵団に配属された104期の同期アニと断定し、エルヴィンは捕獲作戦を立案する。

※この捕獲作戦の概要は、エルヴィンやエレンら調査兵団の主要人物たちが憲兵団に護送されるさいに、ストヘス区中でエレンが抜け出し、目標であるアニをおびき寄せて、地下で巨人化させることなく捕獲する、というものであった。

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・「ウォール・シーナ」の東城壁都市であるストヘス区において、エレンと調査兵団の共闘により、正体を現した女型は討伐されるが、その体内から現れたアニは拘束される直前に自らを鉄以上の硬度で結晶化(=水晶体で身を覆う)し、一切の干渉を受けつけない。

・さらに女型に破壊された「ウォール・シーナ」内部(=壁の中)に、生きたままの超大型巨人が埋まっていることが判明する。

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・駆けつけたウォール教のニック司祭の対応を見た分隊長ハンジは、「巨人によって巨人に守られていた」壁の秘密についてニックを問い詰める。命を奪うと脅されても口を割ろうとしないニックであったが、人類の置かれた状況が逼迫していることを悟ったことで、壁の秘密に関わる少女、貴族のレイス家の「ヒストリア・レイス」の存在と、調査兵団に入団した104期生クリスタがそのヒストリアであることを告白する。

・「ウォール・シーナ」の壁は、大型巨人が主柱になっていて、その表層は硬化した皮膚で形成されていた。

 

7 ウォール・ローゼ内地の戦い(850年)

・アニ捕獲作戦に従事したエレン、アルミン、ミカサ、ジャンの4人を除く調査兵団104期生たち(ライナー、ベルトルト、サシャ、コニー、クリスタ、ユミル)はアニとの共謀を疑われ、兵装を解除されて「ウォール・ローゼ」南区に軟禁される。しかし、「ウォール・ローゼ」内であるにもかかわらず、南西から突然複数の巨人が出現した(=「ウォール・ローゼ」の壁が突破された?)ことで、住民の避難誘導のため出発する。

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・リヴァイに次ぐ実力者であるミケ分隊長は単騎での時間稼ぎを引き受けるが、体が無数の毛で覆われた獣の巨人(17m)に翻弄され、捕食されてしまう。

・サシャとコニーは、それぞれの故郷に戻り避難を呼びかける。サシャはそこで侵攻してきた巨人と対決し、父とも出会う。

・しかし、コニーの故郷のラガコ村で彼らが目にしたのは、住人が逃げた形跡のない村と、無意味に破壊された家屋、そしてコニー宅に横たわる無垢の巨人(知性のない巨人)。なにかを語ろうとするその巨人にコニーは母親の面影を見いだすが、ライナーに一蹴される。

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※この時、ライナー、ベルトルト、ユミルは何かに気づいたようである。

 

8 ウトガルド城跡の戦い(850年)

・調査兵団の4人の先輩と共に、ライナー、ベルトルト、コニー、クリスタ、ユミルの5名はウトガルド城跡で夜営する。しかし、夜間には動けないはずの巨人に取り囲まれた挙句、先輩達は全滅し、丸腰の104期生5名は絶体絶命の窮地に陥る。その時、ユミルはクリスタを守るため、自ら巨人化して戦い始める。なんと、ユミルもアニと同じく巨人だった。

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巨人化したユミル

・その後、すんでのところでハンジ分隊長率いるエレン、ミカサ、アルミンを含めた調査兵団が合流し、ウトガルド城跡の104期生5名は難を逃れる。

・ユミルは無垢の巨人?として、60年ほど壁外をさまよっていたらしい。そこで巨人化の能力をもつ少年(ライナー、ベルトルトの仲間)を捕食し、「巨人の力」を継承し人間の姿にもなれるようになった。

9 ライナー、ベルトルトの正体(850年)

・夜通しの探査にも関わらず、「ウォール・ローゼ」の南側に巨人が侵入できる穴は見つからなかった

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・明けた朝、104期生達が「ウォール・ローゼ」壁上で待機している最中、ライナーはエレンに突然「じつは自分が鎧の巨人で、ベルトルトが超大型巨人だ」と告白し、(同じ巨人であるエレンに)自分たちの故郷への同行を求める。「(巨人の)戦士であるのに(人間の)兵士であるフリをしていた」「俺たちの目的はこの人類すべてに消えてもらうことだったその必要はなくなった」という。

・信じがたい裏切りに激怒したエレンは巨人化するが、巨人化した彼ら(ライナー→鎧の巨人、ベルトルト→超大型巨人)に壁外での格闘に敗北し、(同じ巨人化の能力をもつ)ユミルと共に連れ去られてしまう。

※ミカサやアルミン、ハンジ分隊長は何もできなかった。

 

10 エレン奪還戦(850年)

・エルヴィン団長率いる調査兵団は、ピクシス司令の協力を得て合流した憲兵団・駐屯兵団と共に、分隊長ハンジが逃亡先であろうと推察した巨大樹の森へ、エレン奪還に向かう。

※負傷中のリヴァイ兵士長は同行せず。エルヴィン団長は、ついに憲兵団を巨人のいる領域に引きずり下ろすことに成功。

 ・巨大樹の森でライナー、ベルトルトへの反撃機会を窺うエレンに対し、ユミルのほうは自分にとっての助命の切り札であるクリスタ(=ヒストリア・レイス)を連れ去ることを条件に、ライナー達の本当の故郷へ向かうことを承諾する。やがて探索に訪れたアルミンらをおびき寄せたユミルは、クリスタの拉致に成功する。

・エルヴィンは鎧の巨人(ライナー)の逃亡を阻止するため、あえて(共食いの習性のある)大量の巨人の群れを引き連れ、巨人の群れ、調査兵団、鎧の巨人による三つ巴の死闘に持ち込む。

・「人類存亡の命運は今!! この瞬間に決定する! エレンなくして人類がこの地上に生息できる将来など永遠に訪れない!!」と総員に激を飛ばし突進するエルヴィンは、巨人に喰われ右腕を失うが、アルミンの虚偽(「アニを壁内で拷問している」)により激怒したベルトルトの隙を突いてエレンを奪還する。

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・その後、ミカサとエレンは、巨人の群れの中にかつてカルラ(エレンの母)を捕食した巨人(女性のような)を見つける。しかし、その巨人に向かっていった恩人である駐屯兵団のハンネス隊長が捕食されてしまう。もはや消耗して巨人化ができず、無力に打ちひしがれるエレンは、ミカサの死を前にした言葉により奮起。

・エレンが母とハンネスの仇である巨人に殴り掛かり触れたとたん、ライナーとベルトルトが「座標」と呼ぶ力が発動し、周囲の巨人たちはエレンの指示に従いその巨人を捕食し、さらに鎧の巨人にも襲いかかる。調査兵団がその混乱に乗じて撤退を開始する中、ユミルはクリスタをコニーらに託してライナー、ベルトルトとともに逃亡する。

ライナー、ベルトルトが追い求めていた「座標」は、エレンと共にあった。それは望ましいことではなかった。

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11 フリッツ王政の打倒(850年)

・「ウォール・ローゼ」がじつは破られていないことが確認されるまでの1週間、「ウォール・ローゼ」の住民に、第2の壁が突破されたさいの模擬訓練どおり「ウォール・シーナ」内の旧地下都市での避難生活を強いたことで、壁内の治安は急速に悪化する。

※食糧の備蓄は1週間ぶんしかなかった。

 

・ハンジは出現した巨人たちが「(コニーの故郷である)ラガコ村の住人たちが巨人化したものである」と結論づける。

※壁内に出現し討伐された巨人の総数が、ラガコ村の住人の数と一致したため。

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・リヴァイ班にはリヴァイの意向で、エレンに刺激を与えるため、調査兵団に残っている104期生であるミカサ、アルミン、ジャン、コニー、サシャ、クリスタが補充される。新生リヴァイ班は安全な山奥へ身を隠し、ハンジを中心にエレンの巨人化実験を進める。ここで偽名を捨てる決意を仲間に伝えたクリスタは、「ヒストリア・レイス」としての過去を語る。

※エレンの巨人化能力を使い、5年前に空いた「ウォール・マリア」南端シガンシナ区の穴をふさぐため。

 ・一方、匿っていたニック司祭の不審死を知ったハンジは、ヒストリアの情報を封じようとする中央第一憲兵団(=憲兵団内だが憲兵団師団長ナイルらの管轄外)の仕業と判断する。リヴァイ兵長とハンジ分隊長は(もとトロスト区の)リーブス商会のディモ会長との協力を取り付けるとともに、拘束した中央第一憲兵の一員から「現王家のフリッツ家ではなく、じつはレイス家こそが真の王家である」という情報を引き出す。そして(「ウォール・シーナ内」に巨大巨人が並んでいるなど)情報封鎖を続ける王政(※4)を以前から疎んでいたエルヴィン団長は、ヒストリアを新たな女王として即位させる方針を固める。

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情報封鎖を続ける王政(※4)

 

人類は情報を遮断され、壁外に敵がいると思い込まされている状態だったので、運命共同体としての結束があり、壁内はクーデタが起きにくい状態だった。しかしエルヴィンの父のように、好奇心が強く真実を追い求める人間は、王家にとって都合の悪い人間とみなされ、口封じとして殺されるということも度々起こっていた。

 

・しかし、中央第一憲兵団に属する“切り裂き”ケニー・アッカーマン(リヴァイの育ての親、じつは母の兄=伯父)率いる対人(新型)立体機動部隊の手により、ディモ会長は殺害され、エレンとヒストリアは拉致される(ヒストリアの父である貴族ロッド・レイスの指示)。

・さらに調査兵団は王政に対する反逆の嫌疑を世間に喧伝され、エルヴィンを始め全団員に出頭命令が下る。逃亡するハンジは、王政の圧力に屈してきたストヘス区のベルク新聞社と、ディモ会長の息子のフレーゲルを説得し、彼らの協力を得て民衆の面前で事実を暴露することに成功する。

・これで、フリッツ王の前に引き出されたエルヴィンはピクシス司令や(三兵団を束ねる)ザックレー総統と連携し、民衆より己の保身を優先する王政府の王や貴族の本性を白日の元に晒し、調査兵団によるクーデタを成功させる。

 

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続きは16巻以降のマンガで!

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残念ながら、伊藤賀一先生による「進撃の巨人」特別講義はいったんここまで。

 

絶対的な敵だと思っていた巨人の正体が実は人間だったこと、黒幕が王政だったことなど、衝撃的で怒涛の展開と、翻弄され、恐怖や無力感に打ちひしがれながらも、自らの意志で立ち上がるエレンたちの思いに、心が揺り動かされる本作の魅力を、改めて感じることができたと思います。

 

物語の表面だけでなく、さまざまな登場人物の思惑、社会の成り立ちまで解説していただき、設定がすっきりと整理された方も多いのではないでしょうか。

 

巨人とは何なのか、この世界の秘密とは何なのか。続きはぜひ16巻以降をご自身の目で目撃してください!

 

(上野郁美)

 

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