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『君が僕らを悪魔と呼んだ頃』1~5巻、新装版カバーで大重版!

人は見た目が9割、なんて言われることがある。
あるいは、漫画もそうかもしれない。
それくらいカバーイラストとデザインが読者に与える印象は強烈だ。

「今までのコンセプトも好きでした。でも6巻からは第二部がはじまりますし、方向性を変えたカバーにしたほうがいいとも思っていたんです」

『君が僕らを悪魔と呼んだ頃』作者、さの隆氏はそう語る。
2019年2月8日に最新6巻の発売を控えたある日、講談社の打ち合わせ室でのことだ。

「そんな時、売れ行きがいいから、1~5巻すべてに重版をかけていただくことになったんです。それで、6巻からコンセプトを変えるのであれば、いっそのこと既刊もすべてカバーを一新したらどうかというお話をいただいて。どうせならやってみたいと、全巻イラストを描き下ろしました」

 

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『君が僕らを悪魔と呼んだ頃』はマガポケで連載中の大人気作品。記憶喪失の高校生が、かつて悪魔と呼ばれていた自分の、謎と罪に満ちた過去を探るサスペンスだ。5巻収録分までで第一部は完結となり、6巻からは舞台を10年後に移した第二部がはじまる。

発売直後から電子書店を中心に爆発的な売れ行きを示し、今もマガポケ上でトップクラスの売り上げをたたき出す。読者の多くは目をそむけたくなるような凄惨なシーンを恐れつつ、続きが気になる展開にページをめくる手を止められない。

既刊1~5巻のこれまでのカバーは、「首絞められている少女」を描いた一巻に始まり、個性的でインパクトのあるデザインが貫かれている。過去の記憶と向き合い、ひとつの結末を目指して進んでいく漫画の展開とシンクロしたイラストだ。

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▲ 『君が僕らを悪魔と呼んだ頃』既刊1~5巻のこれまでのカバー

 

6巻からは毛色が代わる。イラストの迫力を前面に押し出していた前巻までとは大きく異なり、不気味さを残しつつも静かな印象を与えるデザインになった。第一部の終わりから10年を経て、何を考えているのかまったくわからなくなった斎藤悠介の、恐るべき底知れなさを象徴したものであることは、内容を読んだ人にはすぐに理解できるだろう。

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▲ 『君が僕らを悪魔と呼んだ頃』6巻

「この6巻を仕上げてから、同じようなテイストになるように1~5巻の作業をしました。書店や自宅で並べておいてもらったときに綺麗に見えることを心掛けました。ので、ぜひ並べておいていただけると嬉しいです」

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▲ 『君が僕らを悪魔と呼んだ頃』新装版カバーの1~5巻

「第一部を描き終わった時点だからこそ描ける絵になったと思います。ふつう、一度出した単行本のカバーを変える機会なんてなかなかないと思うので、振り返って描けたのはありがたかったです。統一感も出せるし、それぞれの表情なんかも自然に作れました」

6巻発売に合わせて大重版された既刊を店頭で見かけることがあれば、今までの印象との違いを楽しんでほしい。そして、第一部の物語を改めてカバーイラストとともにはじめから味わってみてほしい。もちろん、これまで作品に触れたことがなかった読者も、これを機に読み始めてみると良いかもしれない。

カバーが一新されたことで見た目は変わったが、中身の面白さにはまったく変わりがない。むしろ第二部に入ってますます不気味な展開が続く『君が僕らを悪魔と呼んだ頃』。結末はどうなるのだろうか。

「終わり方は決まっているのですが、そこに至るまでの過程はまだ悩んでいます。第一部があって、だからこその第二部があったんだ、ということについては、きっと納得してもらえるものになると思います。時期は……もう少し、秘密にさせてください」

これからも、「かつて悪魔を呼ばれた男」、斎藤悠介の言動から目が離せない。

 

 

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