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〜漫画家を目指すキミに贈る〜漫画家(プロ)への花道 連載作家に学ぶ「題材選び」の必勝法!!

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週刊少年マガジンに掲載された

漫画家(プロ)への花道を特別に大公開!!

 

今回は、2016年15号に掲載された特別企画をお届けします!

 

 

すぐに使える!!

連載作家に学ぶ

「題材選び」の必勝法!! 

 

今回は、本誌連載作家4名に新人賞で賞を獲った読み切り作品の「題材」をどのようにして選んだのかを教えていただくべく、アンケートを実施!!

 

そして、後半は『てのひらの熱を』の北野詠一先生にロングインタビュー!!

 

「題材選び」の極意を聞いてきました!!

 

  

【瀬尾公治 先生】

 

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Q:新人賞で佳作を受賞した『HALF&HALF』を描いた際に、「ラブコメ」という題材を選んだ理由を教えてください。

 

A:当時、「ラブコメ」を描きたいと思っていたのですが、ただの「ラブコメ」ではなく、これまでにない「ラブコメ」にするために「ファンタジー」要素を足しました。

 

友人と雑談していた時に生まれたのが、読み切りの「2人の男女が1つの命を共有する」という設定です。

 

瀬尾公治先生 プロフィール

1996年に『HALF&HALF』で佳作を受賞。代表作は、『君のいる町』『風夏』などを多数。現在、週刊少年マガジンにて『ヒットマン』を連載中。

 

【安田剛士 先生】 

 

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Q:新人賞で入選を受賞した『Over Drive』を描いた際に、「自転車」という題材を選んだ理由を教えてください。

 

A:自分しか経験したことのないものを描こうと思い、題材を選びました。

 

趣味で「自転車」に乗っていたことと、下り坂でダンシング(立ちこぎ)をしていたところ転倒し大怪我をしてしまったというアホな経験があり、これを題材にすれば誰も読んだことのない漫画ができると思ったからです。

 

安田剛士先生 プロフィール

第67回『Over Drive』で入選を受賞。現在、週刊少年マガジンにて『DAYS』を連載中。

 

【恵広史 先生】 

 

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Q:新人賞で入選を受賞した『HALLOWEEN OF FULLMOON』を描いた際に、「ハロウィン」という題材を選んだ理由を教えてください。

 

A:ちょうどニュースでハロウィンの話をしていました。当時、ハロウィンはさほど有名ではなく、興味をひかれたのがきっかけです。

 その頃、たまたまヨーロッパの街並みの写真集を買ったこともきっかけの一つです。

 

女の子を主人公にしたのはマガジンにはいなかったので、新鮮かなと思ったからです。

 

恵広史先生 プロフィール

第68回『HALLOWEEN OF FULLMOON』で入選を受賞。 現在、週刊少年マガジンにて『This Man その顔を見た者には死を』を連載中。

 

【吉河美希 先生】

 

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Q:新人賞で佳作を受賞した『GLORY DAYS』や初連載作『ヤンキー君とメガネちゃん』を描いた際に、「学園」という題材を選んだ理由を教えてください。

 

A:漫画家になろうと決めた19歳のときは「SF・ファンタジー」を描くつもりでいたんですが、ラブコメのコンペがあるから出してみないか?と担当さんに誘われ、読み切りを描いたのが『ヤンキー君とメガネちゃん』という「学園物」でした。

 

“好き”と“得意”は別物であると学びましたね。

 

吉河美希先生 プロフィール

第70回『GLORY DAYS』で佳作を受賞。代表作は、週刊少年マガジンにて連載された『ヤンキー君とメガネちゃん』『山田くんと7人の魔女』。

 

 

『てのひらの熱を』北野詠一先生に聞く

自分の足を使った

「題材選び」の必勝法!!

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 北野詠一先生 プロフィール

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第86回新人漫画賞にて『ガラスクリーニング』で佳作を受賞。

後に、「マガジンSPECIAL」で『30センチスター』、「週刊少年マガジン」にて『てのひらの熱を』を連載。

  

『ガラスクリーニング』とは? 

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第86回新人賞佳作を受賞した読み切り作品。

 

小さい頃から高層ビルに憧れていた主人公が高層ビルで清掃員として働くことに。

一人前の清掃員を目指し、日々親方にしごかれていた主人公だったが、ある日、清掃中の高層ビルの女社長の秘密を知ってしまい物語は動き出す。

  

初・持ち込みは散々な結果!?

 

ーー初めて新人賞に応募した当時のことを教えてください。

 

北野先生(以下、北野):初めて応募したのは今から約5年前ですね。

 

応募する前に一度だけ週刊少年マガジンに持ち込みをしたことがあるんです。

 

その時に持ち込んだ読み切り作品は完全に独学で描いたこともあって、散々な出来。原稿用紙の使い方すらあっていませんでした。当然、担当編集がつくこともなく、惨敗。

 

でも、その時編集さんにいただいたアドバイスを基に描いた作品が『ガラスクリーニング』です。

 

担当編集についてもらえなくても、アドバイスをいただけるという点で持ち込みは貴重な経験になると思います。

 

 

ーー2作目でデビューとはすごいですね。その時のアドバイスは、具体的にどのようなもの だったのでしょうか。

 

北野:読み切り漫画の基本は、「主人公が努力し、困難を乗り越える。」ということです。

 

初めて描いた読み切りでは、100ページかけて主人公が悩んでいるだけというような内容でした。

 

ですので、『ガラスクリーニング』では、いただいたアドバイスを意識し、まずは主人公とヒロインのキャラクターと関係性を作りました。

 

 

ーー『ガラスクリーニング』を描いていた当時、苦労したことは何ですか。

 

北野:一番は原稿用紙の使い方をはじめとした基本的なルールを理解していなかったことです。右ページと左ページを意識して描くことすら失念していました。

 

担当編集もついていなかったので、教えてくれる人も質問できる人もいませんでした。

 

今になって読み返してみると、このページなんかは絶対に見開きページで描くべきでしたよね!(図参照↓)

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★北野先生が見開きページで書くべきだったと振り返ったページがコチラ!!

 

題材は自分の経験から探す!!

 

ーー「高層ビル清掃員」という題材は、どこから着想を得たのでしょうか。

 

北野:新人賞に投稿する作品を描こうとした時、持ち込みの際にいただいたアドバイスを参考に主人公とヒロインのキャラクターとその2人 の関係性が先に出来上がっていました。

 

それを漫画にするために、自分の経験の中から一番その設定にマッチすると思った題材を引っ張り出した結果、「高層ビル清掃員」という題材になりました。

 

 

ーー実際に「高層ビル清掃員」として働いたことがあるのですか?

 

北野:はい。ずっと前から「高層ビル清掃員」には興味があって、気づいた時にはバイト求人に応募 しちゃってました。

 

私、バイトオタクなんです。気になる仕事があると、実際に働いてみないと気が済まない質で。

 

これまでに、飲食店や観光案内、印刷会社、お弁当を作る工場で作業員、チラシ配りや覆面調査なんかもやりました。

 

取材のためなら、お金は惜しまない!!

 

ーー漫画を描く際、自分が経験したことを題材にすることが多いんですね。

 

北野:そうですね。その世界のことを知っていた方が、よりリアリティのある作品になると思います。

 

でも、必ずしも自分がやったことのある題材を選ぶというわけではありません。

 

「マガジンSPECIAL」で『30センチスター』というバンド漫画を連載していたのですが、私自身、バンドを組んだ経験はありません。

 

自分がやったことのない題材でも、自分の足を使って取材をすれば漫画は描けると思っています。

 

えば『30センチスター』では、ボーカルが主人公の漫画だったので、ボイストレーニングに通ったりしてました。

 

そして、元々縁あって作品の監修についていただいたバンド経験の豊富な友人たちの体験談はよく参考にさせてもらいました。

 

しかし、音楽に関して全くの無知だったという訳でもありません。

 

小さい頃ピアノを習っていたので、音楽と繋がる窓口は持っていました。

 

将来、何が役に立つか分かりません。 常にアンテナを張り、自分の中の引き出しを増やしておけば、いつか漫画に生かせる時が来るかもしれません。

 

それに自分の足で取材をした漫画の方がリアリティのある漫画になると思います。「取材のためなら、お金は惜しまない。」、それが私のモットーです。

 

あっ、私がお金持ちってことではありませんよ!

 

しっかり取材をすればきっとお金がかかるだろうと思っていたので、デビュー前は会社員として働き貯金をしていました。

 

 

ーー新連載『てのひらの熱を』は「空手」を題材にした漫画ですが、「空手」は習っていたのですか。

 

北野:小6から大学受験の時期まで習っていました。美大受験に専念するために「空手」を一旦はやめたのですが、最近はまた通い始めたんです。

 

ブランクがあるので、前回の級位に関係なく白帯からのスタートです。

 

私の級位が低いこともあり、いつも小さい子と一緒に稽古を受けているのですが、みんな大人の私より上手いんですよ。小さい子に色々私が教わっている形です。

 

級位のおかげとはいえ、少年たちと一緒に空手ができるこの経験を是非作品に生かしていきたいと思います。

 

 

ーー最後に新人の方に一言お願いします。

 

北野:今回のインタビューでは、バイトの話がメインになってしまった気もしますが、一番言いたいことは「どんな些細なことでも漫画の題材に成り得る」ということです。

 

皆さんもご自身の経験を漫画の題材に繋げていくのもいいかもしれません。

 

もし、自身の経験だけで足りなければ、足とお金を使って資料 を集めてみてください!!

 

 

(※この記事は週刊少年マガジン2016年15号に収録されたものです)

 

 

▼瀬尾公治先生の作品がWEBでも読める!

・『ヒットマン』第1話

・『風夏』第1話

・『君のいる町』第1話

・『涼風』第0話

・『ラブレター』前編

 

▼安田剛士先生の作品がWEBでも読める!

・『DAYS』第1話

・『DAYS外伝』第一章①

 

恵広史先生の作品がWEBでも読める!

・『This Man その顔を見た者には死を』第1話

・『ACMA:GAME』第1話

・『ブラッディ・マンデイ』第1話

 

吉河美希先生の作品がWEBでも読める!

・『山田くんと7人の魔女』第1話

・『ヤンキー君とメガネちゃん』第1話

 

北野詠一先生の作品がWEBでも読める!

・『てのひらの熱を』第1話

・『30センチスター』第1話

 

 

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(終わり)