別冊少年マガジンで大人気連載中のコラム
『別マガ ムービーガイド』を大公開!!
週マガ編集部の映画担当が、漫画家さんや編集部員のオススメ映画を聞いて、それを紹介するコーナー!
今回は、2018年6月号に掲載された編集部員の小田編をお届けします!
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名作・駄作・カルト作。アクション・SF・ラブコメディ。映画はいろいろあるけれど、まだ観てない映画をもう1本。
紹介された映画が気に入ったら、オマケで編集部のオススメのもう1本もご覧くださ〜い!!
今回の推薦者は『かつて神だった獣たちへ』担当小田である。
う〜ん、困った、実は彼のことよく知らないんですよ。なんせマガジン編集部へ異動してきてまだ1年。
常に小綺麗な出で立ちで、清潔感があるって感じ。このむさくるしい編集部では女子のポイントは高いのではないだろうか。
と見た目だけではしょうがないので、一緒に仕事をしている部員に彼のことを聞くと〝淡々と毒を吐く男〟とのこと。侮れませんなあ。
そんな男が推薦するのは
『ジュラシック・パーク』
である。
今でこそ、CGでなんでも出来ちゃう時代だが、その先鞭をつけたのが『ターミネーター2』である(『ジュラシック・パーク』じゃないんかいと言うツッコミが聞こえるが)。
T1000が鉄格子の扉を、ぐにょ〜んとすり抜けた瞬間(読者のみんなは覚えているかな)、映画はCGの時代に突入したのだ。
だが、そんな画期的な技術であるCGでも、その当時はリキッドメタルT1000を動かすのが精いっぱいで、生き物を動かすのは無理だった。
それから、2年。
ILM(『スター・ウォーズ』のためにジョージ・ルーカスが作った特殊効果、VFXの会社)はCGで太古に絶滅した恐竜を動かして見せたのである。
そしてそれは衝撃だった!
映画の前半で、古代生物学者のグラント博士が、プロントサウルスを初めて目にした時の驚きは、観客もまったく同じだったのである。
物語は、バイオテクノロジーによって恐竜のクローンを作り出し、その恐竜を見世物にするテーマパークを作ろうとするものの、生命は人間がコントロールできるものではなかったという話である。
と簡単に説明してしまったが、監督はサメ一匹で世界をビビらせたスティーヴン・スピルバーグである。
その彼が恐竜を使うのだから、面白くないわけがない!
ちなみに一度だけこの大監督にインタビューさせていただいたことがあるのだが、少年マガジンを見て
〝ああ、この雑誌は見たことがある。娘が買ってたよ〟
と言われた時はたまげてしまった。
後で聞いたら、彼の娘さんは漫画オタクだったらしい(いい話だ)。
コスタリカの西、ヌブラル島に学者3人が降り立った。
その目的は、島で建設中の、あるパークの視察である。
そこにはなんと太古に絶滅した恐竜たちのクローンが、人間のコントロール下で生息していた。
パークの安全性を確認すべく、学者3人と、パーク創設者の孫である子供たち2人がツアーに出発するが……!?
この夏、シリーズ5作目にあたる『ジュラシック・ワールド/炎の王国』が公開されるが、その前にもう1度観たい傑作である。
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淡々と毒を吐く小田、2本目の推薦作は
『きっと、うまく行く』。
インド映画である。
きっと、うまくいくって何が?
人生である。
困難に陥った時に、心を落ち着けて何度もこう唱える〝きっと、うまくいく〟
そうすれば、きっと、うまくゆくのだ。
ってそんなうまい話があるわけないだろと宣う読者、ぜひお試しあれ。
この映画を観た後なら、その効果は間違いなし!
原題は〝3 ideot〟まあ、3バカである。
インドの名門大学、ICE工科大学に入学した3人の男たちの青春映画である。
入学するなり学長から
〝人生は殺し合いだ。これぞ自然の摂理。競争に勝つか負けるか、この学校だって40万通の願書に対して、合格するの200人だけ。落ちた者は終わり〟
などと言われる新入生たち。
その気になる学生もいれば、怖気付く学生もいる。
ところがただ一人、ランチョーだけは、そんな学長を物ともしない。
前学長からもらったという、宇宙でも書けるという高価な宇宙飛行士のペンを自慢する学長に、
だったらエンピツでいいじゃん、その方が安いし。
などと言ってしまう異端児である。
そして彼のモットーは
〝きっと、うまくいく〟。
何があっても胸に手を置いて〝うま〜くい〜く〟と唱えれば万事うまくいくらしい。
そんな彼の仲間は、ルームメイトのファランとラージューである。
ファランは、本当は動物写真家になりたいのに、父親からエンジニアになることを期待され、逆らえずにこの学校へ来た。
ラージューは何でも神頼みのプレッシャーに弱い男である。
そんな3人が名門校で巻き起こすドタバタ騒動。
とはいうものの、上級生からのいじめ(新入生はパンツ一丁にさせられる。まあ、男のやることは世界共通である)や、自殺する学生など、深刻な話なんかもあったりする。
成績発表で、異端児ラージューがトップだったことを知ったファランのセリフ〝親友が落第だと心が痛む。1番だと余計に痛む〟には、思わずドキリとさせられる。核心ついてるぞ。
もちろん心ときめく(!?)恋バナや、 『ラ・ラ・ランド』ばりのミュージカル・シーンもありで盛りだくさん。
なんせ2時間51分の大作だ。
ランチョーの言葉。
〝心はとても臆病だ。マヒさせる必要がある(まあ、心を解放するとか、リラックスさせるということだよね)〟
そのための〝うま〜くい〜く〟なんである。
かのスピルバーグも大絶賛のこの映画、3時間使っても観る価値あり!
最後に、主演のアーミル・カーンであるが、撮影当時なんと44歳! 若い!!
(※この記事は別冊少年マガジン2018年6月号に収録されたものです)
『かつて神だった獣たちへ』の第1話がWEBでも読める!
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(終わり)