好きな人を手に入れるならば、どんな手段も選ばない。
それは勇気か、それともエゴか?
愛とは、作為的に仕組めるものなのか。
第101回新人漫画賞で佳作を受賞した奥津武先生。
『自殺すると決めた男』『ハロウィン』などを執筆する奥津先生が、「マガポケ」で記憶喪失サイコホラー『わたし(仮)』を連載中!
“わたし”が彼を嵌めたのか、それとも……
記憶喪失、そして死体……
目が覚めた瞬間、自分が誰かも、どこにいるのかも分からない男性。
見慣れない殺風景な部屋、ここはどこなのか。
そして、浴室のこの女性、死体は誰なのか……?
『わたし(仮)』は冒頭から謎だらけ。
少しずつ、謎が明かされていきます。
タイミング良く現れた自分を知る女性、自分の名前は「庵(いおり)」で、この見知らぬ部屋は自分の家だとわかった。
死体を目撃されて、思い切って記憶喪失であることを話す庵。
見知らぬ女性は、庵が記憶喪失であること、そして浴室で亡くなっている女性に見覚えがないことを信じてくれ、自分の名前が「倉門詩緒」ということを明かしてくれました。
記憶喪失に、見知らぬ死体。
この状況でも庵を信じてくれる、心優しく、頼りになる詩緒。
そこへ犯人とおぼしき人物から脅迫文が!
2人で協力し、死体を処理。
疑われる可能性が高いため警察には話さないと決め、この日、二人は詩緒の家へ帰ります。
彼女は“彼女”ではない……?
庵を信じる心優しいはずだった詩緒……
でも彼女は詩緒ではありません!
浴室で亡くなっていた女性が倉門詩緒であり、彼女は庵がよく行くカフェの店員でした。
孤独に過ごしてきた彼女。
気が合う庵に一方的に恋焦がれていました……
そんなある日のこと。
庵も彼女のことを覚えていて、雨宿りをしていた彼女に声をかけます。
駅まで一緒に歩いている間に庵への気持ちを確かめる彼女でしたが、倒れてきた木材の下敷きになり庵は大けがを負います。
そして、彼女の計画が始まります。
「産声を上げて以来の快感」とまで、彼女は表現します…!
こうして平間撫は、倉門詩緒になったのでした。
細かくルールを決め、完全犯罪を目指す、撫改め詩緒。
しかし、全て思い通りとなるか?
庵を知るもの、与墨京があらわれます。
庵は京の父が経営しているお店でお手伝いをしており、休んでいた庵を心配していました。
撫にとっては邪魔な存在。
一計を案じ、「今月で庵が仕事を辞める」、「辞めることを言い出しにくい庵のためにも距離を置いておいてほしい」と京に伝えました。
素直に信じ、距離を置くことを約束してくれた京でしたが……
二人の間に入ってくる京に再び、強い嫉妬心、憎悪を抱く撫。
しかし、京は庵の行方を追う、撫以外の誰かの存在をほのめかします。
与墨家にかかってきた1本の電話、「洲宮庵を捜している」。
実は脅迫に近い口調の電話を受け、京は庵を心配して二人の前に現れたのでした。
しかし、撫には覚えがない……
一体誰が?
愛した男は、一体どんな男なのか?
謎が謎を呼ぶ『わたし(仮)』は、「マガポケ」で絶賛連載中です!