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読者を癒やす作品に! 『田んぼで拾った女騎士、田舎で俺の嫁だと思われている』音羽さおり先生インタビュー

マガポケで話題の“癒やし”漫画『田んぼで拾った女騎士、田舎で俺の嫁だと思われている』。

 

小さな田舎町で農家を営む三田仁(みた じん)と、突然異世界から転移してきた女騎士・セラフィムが紡ぐ、スローライフ×農業ファンタジーです!

今回は、本作の漫画を担当されている音羽さおり先生に、漫画家を目指したきっかけや作品づくりの裏話などについて、たっぷりと語っていただきました!

 

●少年漫画に没頭した幼少時代

――音羽先生が漫画家を目指したきっかけを教えてください。

 

音羽先生:
幼い頃から絵を描くのが好きな子どもでした。ありがちかもしれませんが、漫画も好きだったので、自然と漫画家を目指すようになりましたね。

 

――どのような作品に影響を受けましたか?

 

音羽先生:
『幽☆遊☆白書』と『HUNTER×HUNTER』です。子どもの頃、祖父母の家に叔父の私物の漫画があったのですが、全巻揃っているのがこの2作品で(笑)。幼すぎてストーリーは理解できませんでしたが、キャラクターがかっこよくて夢中になりました。冨樫先生の作品は、キャラクターがそばにいるような感覚になるんです。

 

――主に少年漫画を読んでいたのでしょうか?

 

音羽先生:
子どもの頃は、少年漫画一択でした。毎週、駄菓子屋さんに走って行って、お小遣いで少年誌を買って、学校の友人と回し読みしていましたね。「週刊少年マガジン」は、少年誌の中ではちょっぴり大人だったので、もうちょっと成長してから読み始めました(笑)。

 

●「転生・転移モノ」の勉強からスタートした準備期間

――マガポケで連載が決まったときのお気持ちを教えてください。

 

音羽先生:
担当編集さんから「これまでやったことないジャンルですが、先生の絵が合うと思います」と声を掛けていただき、とにかく嬉しかったことを覚えています。その頃の私は、「小説家になろう」のサイトも知らないくらい、転生・転移モノについての知識がなくて……。まずは「ラノベとは何か」「異世界転生・転移とは何か」の勉強から始めました。

 

――実際に原作を読まれたときの感想を教えてください。

 

音羽先生:
純粋に、物語がとても面白かったです! セラム(セラフィムの愛称)ちゃんと仁さんのほのぼのした日常が素敵で。だからこそ、漫画でこの雰囲気を出すのは難しいぞ、と心配にもなりました。

 

――転生・転移モノならではのお約束もあったかと思いますが、そこはいかがでしたか?

 

音羽先生:
すごく新鮮でした。転生モノが一ジャンルとして確立しているからこそ、その経緯とかは、お約束として省略しても良いんですよね。ですが、私にその知識が足りていないから、ネームを作りながら「これって説明しなくて大丈夫ですか!?」「みんな異世界から来たセラムちゃんを受け入れすぎじゃないですか⁉」と不安になってきて(笑)。何度も担当さんに確認していたら、1話のネームを出すのに1か月もかかってしまいました……。

 

担当編集N:
でも、上がってきたネームの時点で「これはいい作品になる」という確信がありました。音羽先生は「これで大丈夫ですか!?」「セラムちゃん、ちゃんとかわいいですか!?」と、ずっと心配されていましたが(笑)。

 

音羽先生:
原作の雰囲気をちゃんと描けているか、不安が大きかったです。担当さんに背中を押してもらって、ペンを進めていきました。

 

――音羽先生はこれまで、サッカー漫画『DAYS』のスピンオフ『DAYS外伝』や、『青色ピンポン』『コンサルナイン~小夜子の逆転プロデュース~』など、スポーツ漫画を多く描かれています。描き方の違いなどはありましたか?

 

音羽先生:
これまでは、スポーツ漫画ならではの引きや、キャラクターのかっこいいシーンを重視していました。もともと少年漫画で育ったこともあり、比較的コマ割りなどで悩むことは少なかったですね。ですが、日常系の物語では、間や動作、雰囲気を丁寧に作り上げる必要があります。そこは悩んだ部分かもしれません。

 

●「卵の置き方」にも田舎暮らしのこだわりが……?

――本作は「田舎」が舞台です。音羽先生ご自身は、田舎暮らしのご経験はありますか?

 

音羽先生:
私は福岡出身なのですが、福岡って、中心部から車で20分も行けばのどかな田園風景が広がっているんです。幼少期に連れて行ってもらった親戚の家は、それこそ「ザ・田舎のお家」な雰囲気だったので、子どもの頃の記憶をたどって描いています。

 

――「田舎」と言えば、「田んぼ」が作品の世界観を表す欠かせないポイントになっています。

 

音羽先生:
資料を集めに、田んぼまでよく行きました。あとは、地方にお住いのアシスタントさんに、「近くに田んぼがあったら、写真撮って送ってほしいです!」と資料集めのお手伝いをお願いしていました。リモートで作業できるようになったからこそですよね。

 

担当編集N:
田舎の風景に関しては、「現代の日本が舞台だけど、ファンタジーに描きましょう」とお話ししていました。

 

音羽先生:
どこに住んでいてもメリットとデメリットはあると思うのですが、原作には田舎暮らしのネガティブな部分は出てきません。そこは原作に忠実に、田舎暮らしの良い部分だけを詰め込んだ作品にしよう、と。

 

――特に「田舎暮らしの良い部分」を詰め込めたと感じるシーンはありますか?

 

音羽先生:
食材を並べるシーンで、卵をあえて木の籠に入れているところですかね。「卵パック」から取り出して使う人の方が多いと思うんですけど……(笑)。私の中の「理想の田舎暮らし」が入っているのかもしれません。

 

――作中に登場する食事は、どれもとても美味しそうです。

 

音羽先生:
ごはんのシーンは全部お気に入りです! ごはんの作画はアシスタントさんにお願いしているのですが、いつもどうすれば美味しそうに見えるか唸っていますね。アシスタントさんとふたりで、ごはんのシーンを描く前は何も食べずに挑んだり(笑)。そうすると美味しそうなものが描ける気がしています。

 

●セラムのモデルは、音羽先生の娘さん⁉

――お気に入りのキャラクターはいますか?

 

音羽先生:
みんな好きですが、夏帆(かほ)ちゃんです! 夏帆ちゃんは等身大の現代の女の子というイメージ。原作では、序盤に夏帆ちゃんの出番があまりなかったのですが、錬金王先生の許可を得たうえで、漫画では夏帆ちゃんに積極的に動いてもらっています。等身大で明るいキャラクターは、やっぱり動かしやすいです。

 

――主人公の三田仁はどうでしょうか?

 

音羽先生:
仁さんはちゃんとした「大人」だからこそ、描くのが難しい部分もありますね。いつも大人な対応をしているから、そのままストレートに描くとクールすぎる気がして。ラブコメ要素もあるので、仁さんが冷たい男性に見えないように意識して描いています。

 

――仁さんとは反対に、セラムは無邪気で子どものようです。

 

音羽先生:
セラムちゃんは「女の子のかわいいところ詰め合わせ」のような意識で描いています。これまで、スポーツをする男の子たちをかっこよく魅せようと描いてきたので、女の子のかわいい仕草をたくさん閉じ込めたキャラクターを描くのが新鮮でした。

 

――セラムは現代に転移してきてから、いろいろなことを経験しています。そのときのキラキラした表情がとても素敵ですが、かわいく表現するコツはありますか?

 

音羽先生:
セラムちゃんが新しい発見をする姿は、5歳になる娘をモデルにしています。娘が少し前まで「なぜなぜ期」で、何に対しても「これなぁに?」と言っていて。その姿が、なんとなくセラムちゃんと似ていることに気付いたんです(笑)。「なぜなぜ期」は終わりましたが、今も子どもが新しいことをするときは、どんな表情をするのかよく観察するようにしています。

 

●原稿の執筆は、子どもの成長を感じながら!

――連載しながらの育児は大変ではないですか?

 

音羽先生:
やっぱり大変ではありますね。特に、子どもって熱を出しやすいんです。子どもの看病をする日はほとんど仕事ができないので、担当さんに「間に合いません、ごめんなさい!」とお電話したことも一度や二度じゃありません。

 

担当編集N:
その中でも毎回クオリティの高い作品を出してくださって、本当に助かっています!

 

音羽先生:
最近は娘も私の仕事を分かってくれるようになって。セラムちゃんの絵を描いてプレゼントしてくれたこともありました。ついこの間まで、私の仕事は「お絵描き遊び」だと思っていたのに(笑)。子どもの成長は早いですね。

 

●今後の注目ポイントは、セラムのかわいさとセクシーさ!

――マガポケで連載する中で、実感していることを教えてください。

 

音羽先生:
自分の想像以上に、キャラクターに愛着を持ってくださる方が多いなと思っています。漫画家あるあるだと思いますが、はじめは打ち切りが怖くて。自分の漫画のキャラクターに愛情を持っているので、できるだけ長く描いていたいんですよね。『田んぼで拾った女騎士』のキャラクターたちは、担当さん、アシスタントさん、そして読者のみなさんに愛してもらっているので、とっても嬉しいです。

 

――注目してほしいシーンや見どころを教えてください。

 

音羽先生:
コロコロ変わるセラムちゃんの表情をみなさん楽しみにしてくださっているので、今後もレパートリーを増やしていきたいですね。セラムちゃんの「かわいい」はまだまだ開発途中なので、もっとかわいくなるであろうセラムちゃんに注目してほしいです。そして、いつか大人っぽくてちょっぴりセクシーなセラムちゃんも描いてみたいなと思っています!

 

――今、マガポケで注目している作品はありますか?

 

音羽先生:
三香見サカ先生の『薫る花は凛と咲く』です。キャラクターがかわいくて素敵だなぁ、と。あと、三香見先生のカコミやコマ割りは緻密に計算されていて、週刊連載なのにここまでできるのがすごいなと、尊敬の目で見させていただいています。

――最後に、読者の方へメッセージをお願いします!

 

音羽先生:
いつも読んでいただきありがとうございます! 嫌なことや疲れることがあった日に、かわいいセラムちゃんたちのほのぼのした日常を見て、癒やされていただきたいなと思っています。これからも応援よろしくお願いします!

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