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【ショウ年マンガ】音楽家ヤマモトショウの自由研究 第6回「かつてない“括り”!? 東大マンガ研究!」

今回は、「別マガ」2月号に掲載された【ショウ年マンガ】音楽家ヤマモトショウの自由研究 第6回「かつてない“括り”!? 東大マンガ研究!」を大公開!

 

別マガ異色のエッセイ連載、第6回―!
ショウ年マンガ

音楽家ヤマモトショウの自由研究
第6回「かつてない“括り”!? 東大マンガ研究!」

Happy NEW KAWAII Year!

 あけましておめでとうございます。締め切りのある仕事は、「なんとなく年内くらいまでに」と言われることが多いので、年末までと年明けで結構モードが違ったりするような気がしていて、1月は少しゆったりな気もします。皆さんもそうでしょうか。

 1月といえば、そろそろはじまるのが受験シーズンです。自分も特に思い出されるのは大学受験ですね。それまでの受験と違い、社会への扉が開かれたタイミングだったように感じました。大学進学で東京に来なければ、今のようにマンガにも音楽にも触れていなかったようにも思います。

 もしかしたら音楽よりマンガの方が好きな可能性は否定できませんが、さすがに今はマンガを読んでいる時間より、音楽をつくったり聴いている時間が長いような気がします。人生で一番マンガを読んでいたのは大学生の頃です。ほとんどの少年誌の連載全てを読み、漫画喫茶に二晩くらい連続で滞在してひたすら読み続けていた時もありました。

 軽音サークルに所属していたので、その時のことは以前に触れた『ふつうの軽音部』(クワハリ先生・出内テツオ先生)なんかを読むと結構思い出されます。マンガと大学のことを考えていたら、ふと、東京大学は色々なマンガで割と描写されている対象であるように思いました。ということで、今日は「実際のところ、マンガで書かれている東大ってどうなのよ」という話をしてみようと思います。とはいえ、僕が在籍していたのはもうひと昔前のことなので、その辺りはお手柔らかにお願いします。

東大マンガの金字塔!

 まず東大といえば『東京大学物語』ですよね。僕はリアルタイムでは読んでおらず、まさに東大在学中に単行本で一気に読みました。江川達也先生の作品は子供の頃に読んだ『まじかる☆タルるートくん』のイメージが強かったので内容には少し面食らいましたが、基本的なテンション感は同じなのだなと感じました。つまり『タルるートくん』における魔法と同様に、東大がある種のギミックとなっているのではと。「いやいや、そうはならないだろう」というような展開も、「まぁ、東大なんかを目指す変わり者の中には、こういう変な人もいるか」と思えてしまうというのはなかなか示唆的です。

 実際のところ、東大生というのは、それほど世間から逸脱した存在ではないと思います。偏差値が高い=ある特定のテストが得意、ということ以上の意味はなく、テストは基本的に勉強の総量に比例して点数が上がるので、むしろ「地道に努力ができる人」は多そうです。当時も、大半は落ち着いた常識的な人間ばかりでした。ただ、他にも一定数いるのが「とても要領のいいタイプ」。勉強にせよ何にせよ、とにかく吸収が早く応用が上手い、という人たちです。そんなに希少なわけではないのですが、メディアなどで「天才」と言われるタイプの東大生はこういう感じの人が多いのかなと思います。こっちのタイプの方には、たしかに変な人は多いかもしれません(笑)

 『東京大学物語』の主人公・村上は、まさにそんなイメージで描かれていたと思うのですが、それにしてはちょっと不器用な面が目立っているような気もします。彼は色々あって現役時代の試験には(実力的には十分受かるところを)落ちるのですが、学年ナンバーワンの秀才でありつつ、愛嬌のあるキャラクターであるように思います。噂ですが、東大入試特化の有名予備校「鉄緑会」では「たとえば当日インフルエンザにかかって39度の熱があっても受かる学力をつける」と言っている、と聞いたことがあります。噂の真偽はさておき、インフルエンザで試験にくる人は、例え勉強ができてもバカだとは思いますけどね。

 

阿部寛さんのドラマが一大ブームに!

 さて、東大受験といえば『ドラゴン桜』(三田紀房先生)ですよね。第一期のドラマが放映された年が、ちょうど僕自身が東大を受験した高校三年生の時だったので、かなりよく覚えています(マンガを通読したのは大学入学後でした)。この年は例年より東大受験生が増えたらしいので、少なからず若者に影響を与えたマンガなのだと思います。

 とあるドラマの回で、「自由英作文は減点方式だから、難しい表現や単語を使わずにできるだけ簡単な文法や単語で書いた方が良い」といった意味の言説が出てきて、目から鱗でした。受験というのは単に知識や発想・運用力が問われるわけではなく、「試験に合格するためのメソッド」が存在するということですね。東大はたしかに偏差値が日本で一番高く、合格するのも難しいとは思うんですが、だからといって「入試問題が日本で一番難しい」というわけではないのかもしれないです。「ドラゴン桜」のリアリティに関して私見を述べると、偏差値がすごく低い状態からでも、あのメソッドで、あれだけの講師陣がいれば、たしかに東大に合格する可能性は高いと思いました。

 でも、そもそも「努力する体力がある」というのは最も才能の有無が分かれる部分でしょう。『ビリギャル』もそうですが、落ちこぼれ学生の逆転受験ストーリーは、実際にはメソッド云々よりも個人の能力にかなり依存しているとは思います。部活や他の活動にエネルギーを費やしていた人が、勉強に切り替えたら偏差値がぐんぐん伸びる、というようなケースは僕が受験生の頃にも目にしたことがあります。ただ、現実では努力ができるタイプの人は地道に勉強もしますから、最初から偏差値がそんなに低くならないので、あまりこういった大逆転劇は起きないんでしょうね。

絶賛連載中! 東大マンガのシン・切り口!

 連載中のマンガだと、『東大の三姉妹』(磯谷友紀先生)に注目しています。東大を卒業したけど人生に行き詰まっている「東大女子」が描かれています(以前、社会学者の上野千鶴子さんが東大の入学式での祝辞で、この東大女子というものに触れていました)。東大女子は必ずしもあらゆる場面でポジティブな意味を持っているわけではなく、例えば僕が在学中には、いわゆる「インカレサークル」というのはたくさんあったのですが、なぜか「東大の男子と、他大学の女子」だけで構成されていて、東大女子が入れないサークルというのが存在していました。実際に東大女子は「他大学の男子とは交際しにくい」という話も聞いたことがあって、それはどうしても男子側が「引け目に感じる」ことを感じ取ってしまうから、ということでした。たしかにその感覚はわからないでもない気がします。リケジョブームみたいなものもそうですが、日本のメインカルチャーの中では長らく「女子が学問に励むこと」「勉強のできる女子」というものの扱いがちょっと変ですよね。

 『東大の三姉妹』の中では、そういった社会の歪みが「東大」を通して新たに展開されるのではないかと楽しみにしています。実際のところ「東大」でなくても良いんだと思いますが、そこはわかりやすく象徴として使ったということなのだろうと思うので、いい感じにイメージが破壊されていくのではないでしょうか。

 

月の担当編集
小学生の時、親に『ドラゴン桜』しか読ませてもらえない時期がありました! マンガ読むだけじゃ無理だって!

 

次回 「フルッパー論」 につづく!

 

ぜひ周りの人にも教えてあげてください!

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