硬梨菜先生が「小説家になろう」で連載中!
『シャングリラ・フロンティア〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜』のコミカライズがついに「週刊少年マガジン」でスタートしました!
連載開始を記念して「週刊少年マガジン」では3号に渡って、硬梨菜先生の書き下ろし”外伝”小説を掲載!
今回は、そんな小説の”一部”を大公開しちゃいます!
『シャングリラ・フロンティア』とは?
「小説家になろう」で累計2億2千万超PVを達成しているライトノベル。
近未来の日本、ゲーマーが社会的にも認められた世界。
主人公・陽務 楽郎(ひづとめ らくろう)が、プレイヤー・サンラクとなって、ひょんなことから”神ゲー”と称される 「シャングリラ・フロンティア」に手を出すが……
2017年に連載開始し、ファンからたびたび書籍化、アニメ化を望まれていた。
そして、ついに2020年7月、コミカライズがスタート!
「週マガ」掲載、硬梨菜先生の書き下ろし”外伝”小説を”一部だけ”大公開!
『シャングリラ・フロンティア外伝〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜』
第1話:「サイガ:Episode -0」
”ヒロイン”斎賀玲の目線で描く、彼女が『シャンフロ』に出会う物語。
※本記事では、「週マガ」33号の1ページ分のみ掲載
雨にも負けず、風にも負けず。
しかし雨と風を操り単純に巨大質量によって種族としての隔絶的実力差のあるモンスターに対して、脆弱な人類はどうすればいいのか。天を見上げんばかりのモンスターを核という叡智の炎によってゲームオーバーとの引き換えに討伐した斎賀 玲は、達成感以上のやり切れなさを抱えたまま『スリリングファーム』の世界からログアウトした。
「……………」
無理、その一言に尽きる。
とある人物と一緒にゲームをしたい玲にとって、最低条件は「足を引っ張らない程度の実力」である。だが、協力者の言曰く、かの人物はとてもゲームが上手い。実のところを言えば玲の中でのハードルが勝手に上がり続けている事もあってか、これまでにいくつかの少々特殊な……具体的にいうと世間一般に低評価を下されたゲームの攻略に挑んでは挫折、を繰り返しているのだった。
「……と、いうわけで『スリリングファーム』は私には難しく……」
そんな報告を聞いていた女性……ゲームショップ「ロックロール」を経営する岩巻 真奈は以前から考えていたことを提案する。
「……ねぇ玲ちゃん」
「はい?」
「あのね? 玲ちゃんがゲームに慣れる速度は凄いと思うけど……やっぱりここはあんまりクセの無いゲームでもっと慣らした方が良いと思うのよね?」
「え………でも、」
「彼だってある程度の実力があってこそのあの「偏食」なのよ? 逸る気持ちは分かるけれど、玲ちゃんが足を引っ張りたくないって思うならやっぱり基礎を固めた方が良いと思うのよ」
「は、はい………」
玲がゲームを……それも、世間一般的に「良作」ではないゲームにばかり手を出す理由を知っている真奈ではあるが、あの手のゲームは「くだらないつまらない苦しい、それを承知の上でやる」という修行僧のような偏食家が手を出すものだ。少なくともゲームというものに触れてまだ二、三年程度の少女が連続で手を出すものではない。
真奈は玲を応援する者であると同にあまねくゲーマー達に良い体験をして欲しくて店を開いている。苦行を繰り返す少女の手助けをしたいわけではないのだ。
描き下ろし小説が読みたい人は、是非本誌で!
※5ページ掲載しています