『川柳少女』TVアニメ絶賛放映中!
川柳少女は「五・七・五」で喋る主人公、雪白七々子を中心とした川柳×ハートフルなラブコメディです。とにかく七々子がかわいい! 琴姉さんやキノなど個性的な他の女の子も魅力的!
そしてこの作品……ハマると川柳が吐きたくなるんですよね(川柳を書くことを「吐く」とも言います)。日常会話の中でもつい「五・七・五」を頭の中で探しちゃったりして。
そこで今回は、「川柳」の作り方について、名人にコツを聞いてみたいと思います。
川柳少女における川柳名人とは?
川柳は「五・七・五」で自分が感じたことを詩にする日本の文化。俳句と異なる点は、季語が入っていないことです。端的には「五・七・五」になっていれば何を書いても川柳となるわけです。
では川柳少女における「川柳名人」とはいったい誰なのか…?
当然、作者の五十嵐正邦先生。
こうした川柳で七々子の可愛さを限界突破させているわけです。こんな川柳吐かれたら紙面や画面を抱きしめたくなっちゃいますよね!
が、他にもいるんです。秀逸なアオリを考えた…
担当のT氏!!
扉絵の七々子の表情に合わせたココロときめくアオリはもちろん、コマ横にするどい「うがち」で私見を載せ、ハートフルな世界観にプラス、「笑い」を挿入しているんです!
(※うがちとは、パッと見ではわからないような物事を表面に表すこと。鋭い指摘や風刺とも言えます)
担当編集T氏は、まさに川柳少女における川柳名人…! そんなT氏に突撃インタビューしてきました!
川柳名人(担当T氏)インタビュー
──名人! 早速ですが、川柳を書くときの「ポイント」を3つほど教えてください!
名人・担当T氏:
あの、そもそも、名人なんですか? 僕が? 五十嵐さんじゃなくて? まったく自覚がないです。
(※筆者があまりに突然のインタビューを敢行したため、T氏は戸惑っています)
ポイントを3つですか…何となく意識しているのは「人物を描写すること」「ちょっと気の利いた単語を1つ入れること」「なるべく音を五・七・五で収める」ことでしょうか。一番最後が一番難しいです。
──川柳を思いつくのは、どんな時ですか?
名人・担当T氏:
率直に申し上げると「原稿が届いた時のみ」です! あとは全く考えていません!
というのも、「川柳少女」において担当が記入する川柳はすべてその回の内容に紐づくものなので、完成原稿を見ないことには考えようがないんですよね。
例外があるとしたら、「バレンタイン」「クリスマス」など、事前にどんな絵が入るか何となくわかっている時でしょうか。
──どうしても川柳が思いつかない時はどうやってひねり出してるんですか?
名人・担当T氏:
とにかく「キャラがそのシチュエーションにおいてどんな感情を抱いているのか」を考えます。扉絵に入れるものなんかはまさしくそうですね。
扉絵は七々子が描かれることが圧倒的に多いですが、何の工夫もしないと、毎回「かわいいね 七々子は今日も かわいいね」になってしまうので…。
──では、扉絵のアオリの川柳を作成する際は七々子の気持ちになっている、と…?
名人・担当T氏:
そのシチュエーションにおける七々子の気持ちを想像するようにしています。「七々子のセリフっぽい句にするか」「その時の七々子の状況を第三者視点で描写するか」に迷いがちかもしれません。
──名人の川柳「うがち」は秀逸ですが、どのようなインスピレーションから川柳を作っているのでしょうか?
名人・担当T氏:
「うがち」、秀逸なんですか、そうなんですね…。そして、そんな真面目に批評されるめちゃくちゃ恥ずかしいですね…。
インスピレーションというよりは、前述した「人物を描写すること」に関連していて、とにかく「キャラにツッコミを入れる」ことを出発点に考えているからかもしれません。
ツッコミどころを探すと、必然的にうがつことになりますから。
あと、一般的に、編集者は割とうがったモノの見方をしている人が多い気がします。
──ほのぼのとした雰囲気の『川柳少女』に対し、コマ横の川柳は鋭い指摘ですが、なぜですか?
名人・担当T氏:
ここまできて初めてお伝えするんですが、実は「川柳少女」は作中の川柳作成担当(校了担当)が連載初期と今で変わっていまして、僕が担当していたのは初期なんです。
連載初期は、とにかく「ほのぼのした漫画」というだけで読者に受け入れられるかどうか心配で、何か「ほのぼの」以外の要素を盛り込みたくなっていた。
その不安がコマ横の攻撃性につながっているのかもしれません。
ついでに言うと、実はコマ横の文言は当初は五・七・五にする予定はなくて、単につっこむだけの予定だったんです。
でも、1話目の原稿が上がって、僕がコマ横の文言を考えていたら、それを見ていた当時2年目の若手編集に「当然、すべて五・七・五にするんですよね?」と聞かれ……
普通の文言にしたら負けた気がして、急遽五・七・五に変更したんです。
──読者からの川柳を募集したこともありましたが、どんな基準で掲載する川柳を選んでいたんでしょう?
名人・担当T氏:
うーん、基本的には「笑いを感じさせるもの」でしょうか。美しい表現とか、カッコいい言い回しというよりは、笑いを重視して選んでいました。
──ところで近話では扉絵以外、名人による川柳が減っていますが、何があったんです?
名人・担当T氏:
ホントは入れたいんですが、連載が続いてキャラが増えたことで、コマ横のスペースをキャラ紹介の欄に入れざるを得なくなってしまいまして…。
あ、でも作品関連のグッズや特典、宣伝キャンペーンなどで、実はこれまで以上に川柳は作成しているんですよ!
僕ではなく、共同担当のH君がですが!
──ありがとうございました!
名人による川柳の技巧は、共同担当、H氏に継承されているそう。これからも『川柳少女』本編はもちろん、アオリにも期待大ですね!
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