はじめまして、滑舌の悪い元芸人現ライターです。
早速、本題に入りますが、皆様は週刊少年マガジンで連載中の漫画「川柳少女」をご存知でしょうか?
口下手(?)なため、短冊に「川柳」を書くことで自分の意志を伝える主人公・雪代七々子ちゃんを中心としたラブコメで、基本的には4コマ形式で話が進むためテンポが良く、良い意味で「ああ、もう終わってしまった」という喪失感を味わいながら、愛くるしい登場人物たちに思いを馳せるという漫画です。
4月から
テレビアニメ化
されますよ
といった具合に、七々子ちゃんが川柳にして思いを伝えてくれます!(漫画ではほとんど声を発さない七々子ちゃんが、アニメでは句を詠んでくれますよ!)
かわいい。
そんな「川柳少女」を読んでいた私は、突如、雷が落ちたかのような圧倒的なひらめきを覚えました。
そうです。
川柳なら「噛まない」のです。
「え、もう一回言って?」と言われて変な感じになることがないのです。
まあ、このような例外はありますが、気をつければ、しゃっくりが句に反映されることはありません。
滑舌に難のある私にとって、これほど大きなメリットはありません。
とはいえ、今の未熟者な私の実力では、5・7・5で表現しきれないことも多々あり
「…これ、どういう意味?」
と、結果自分の言葉で説明することになってしまい、
「え、もう一回言って?」
と、言われてしまっては本末転倒です。
ということで、今日は七々子ちゃんのように、
自分の気持ちを「川柳」にできるよう練習してみようと思います!
が、短冊などを一通り買いそろえたあとで思わぬ壁にぶち当たります。
「川柳」と「俳句」ってなにがちがうの?
皆様も某お茶のラベルなどでよく目にする「川柳」は「俳句」ではないの?って思ったり、思わなかったり、していると思うのですが、もし僕が1日、「川柳」だと思って書いていたものが「俳句」になってしまっていたら元も子もありません。
内心「別にどっちでもいいだろ」と、思ったのですが、
「川柳少女」内の文芸部・部長は
と言っています。
どうやら、
季語や切れ字などを入れなくてはいけないのが「俳句」で、
割となんでもありなのが「川柳」
ということのようです。どうやら。
つまり「5・7・5」を作って「川柳」だと言い張れば「川柳」になるということです。(暴論)
季語だとか、季語じゃないだとかを気にせずに、思ったことを話し口調で詠めるため、「川柳」のほうが初心者には始めやすいのではないかと思います。楽勝です。
もはや、練習などしなくても詠めるっちゅうねんと思いながらも、早速、マイ短冊片手に街へ繰り出しました。
七々子ちゃんはいつもどこにしまっているんですかね、短冊。
そんなことを思いながら歩いていると、
神社を見つけました。
この後ろ姿たるや、まさしく道場やぶりに挑むそれであります。
詠み倒してやります。
まずは手水です。
やり方を示すイラストの女の子が「5・7・5」に見えます。
まだ1句も詠んでいないのに、末期です。
とりあえず、今の気持ちを詠んでみます。
初めての川柳ですからね。30点くらいでも及第点、くらいの気持ちで見てみましょう。
0点でした。
しかし、これでも「川柳」なのです。なんてゆるいルールなんだ「川柳」!
しかしこのままでは、いけません。
「川柳」がうまくなるように神頼みします。
お願いします。「川柳」でうまいこと会話して「面白い」と言われたいです。
それだけを願いましょう、邪念を捨てます。
邪念を捨てます。句に集中します。
いや邪念まみれ!短冊ごと捨てろ!
「願うは」じゃなしに!
なにうまぶってんだよこいつ!
どうやら、心までは手水で清められないみたいですね。
そのまま、おみくじをひきにいきます。
心は邪念にまみれていますが、手は清めました。
きっと「大吉」をひける!
いや、もしくは邪念にまみれた心を清めるため、
あえて神様は「凶」を私にひかせるやもしれません。
どちらにせよ、おいしいです(邪念)
さて結果は…
中吉でした。
………。
「中吉かい」以外に何も思いつきませんでした。
まさかの「6・0・0」の句を生み出してしまいました。
しかし、ある種、天才的な句ではないでしょうか。
などとのたまっていたら、あまりのふがいなさに撮影をしてくれていた友人が「オレニモヤラセロ」などという呪文をとなえてきました。
ということで、今の気持ちを、詠んでもらっています。
いざ、人が句を書いているのを見るのは、面白いですね。
そして、友人が人生初だという句がこちら。
どうですか、この低レベルな争いは。
しかし、私はこの句を見て気付きました。
レベルが高い低い、ではないのです。
ぶっちゃけ七々子ちゃんら文芸部メンバーも決して、高度な句を詠んでいるわけではありません。
川柳を楽しむ心。
気取らず、心のままに言葉を紡ぐこと。
初心に帰るのです。
私は「川柳」で自然な会話ができるようになりたいのです。
もしも、いつもの会話で友人に「休日のひなたぼっこ気持ち良い」と、言われたときに、自分ならどう思うか。
心のままに。心のままに。
いや、口悪っ!
でも多分、こう思ってしまいます。
「川柳」だと、こんな悪態にもどこか「味」のような、「風情」のようなものを感じさせますね。
さあ、友人の反撃です。
「しゃらくせえ」とまで言われて黙ってはいられません。
厳密には黙っているのですが、もはや「ラップバトル」の様相を呈してきました。
無音ですが、我々の書く言霊には熱がこもっているのです。
私のディスに対する、友人のアンサーがこちら
いや、カタコトの外国人みたいな句だな!
しかし、ラップバトルとしては成り立っていないのかもしれませんが、会話としては成り立っています。
これこれ、これがやりたかったんだ!
とは、言いつつも1つくらいは模範を示さなければ
「『川柳』ってなんて魅力的なのかしらっ!」と思ってもらえるような句を…!
友人に任せました。
なんでこいつが記事書いてんだよ、の声はグッと飲み込んでください。
しかしこれも、きっと多分おそらく「川柳」の楽しみ方だと思うんです。
この人はどんな句を詠むんだろうと思いを馳せる、
相手の句を待つ間すらも、一種の「趣」を感じました。
そして2分ほど
「見せろよー」
「やめろよー」
という、それはそれは偏差値の低いやりとりをして
ついに、「本気」の句が完成しました。
「川柳」の魅力の詰まった力作だと豪語してますが、しょせん、先ほど「カタコト句」を詠んだ人間です。
人任せにしておいて、あれですが大したことないと思います。
はい、じゃあ出してみ。
いや、結構いいなあ!
風に舞う葉が、まるで子どもが走り回っているように見え
その経過に、自身の人生の儚さすら透けて見えてしまう
そんな哀愁の漂ったいい句だなあ!
と、こんな感じで川柳をいくつか書いてみましたが、「5・7・5」で、考えをまとめるということは思考の整理にもなります。
思った事をそのまま口にせず、短冊に書き記すことでなんだか穏やかな気持ちになりました。
心が荒んだときは、街に繰り出して一句読んでみてはいかかでしょう?
また大切な人とケンカしたときなんかも、「川柳」で会話してみることをおすすめします。
「言いたいこと書ききれなーい!」
「ふふ、でも、いい句だね」
だなんて、円満に解決できることうけあいです。
コミックス
そしてアニメも
よろしくね
Tweet ←この記事をシェアして『川柳少女』を応援してください