別冊少年マガジンで大人気連載中のコラム
『別マガ ムービーガイド』を大公開!!
週マガ編集部の映画担当が、漫画家さんや編集部員のオススメ映画を聞いて、それを紹介するコーナー!
今回は、2018年7月号に掲載された作井ルビ先生編をお届けします!
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名作・駄作・カルト作。アクション・SF・ラブコメディ。映画はいろいろあるけれど、まだ観てない映画をもう1本。
紹介された映画が気に入ったら、オマケで編集部のオススメのもう1本もご覧くださ〜い!!
今回の推薦者は、『あかまつ』(会津っていいなあ)の作者作井ルビ先生だ!
作井先生推薦の1本目は
『ドクター・ドリトル』。
突然ですが読者のみなさんの子供の頃の夢ってなんでした?
空を飛びたい。
宇宙に行きたい。
ヒーローに変身したい。
超能力者になりたい……etc.
そんな夢の中に、
「動物の言葉が分かるようになりたい」
というのはなかっただろうか。
上野動物園でシャンシャンと〝ねえ、写真撮るからさ、かわいく前転してよ〟〝めんどくさいなあ。1回だけだよ〟
な〜んて会話するのって楽しそうだし。
公園のハトに〝あいついじめっ子なんだ、頭に糞落としてよ〟〝お安い御用だ〟
なんてのもいいな。
で、『ドクター・ドリトル』である。
動物の言葉がわかるお医者さんの話である。
主演はエディ・マーフィー。陳腐な言い方だが、一世を風靡したコメディ界の大スターである。得意技はマシンガン・トーク。アメリカ版さんまである。
子供の顔、動物たちと話せたかわいい子供が、動物嫌いのつまらない大人ドクター・ドリトルになったところから話は始まる。
彼が院長を務める病院は、大病院との合併を目前に控え、落ち着かない。
そんな時、深夜、患者に呼び出されたドクター・ドリトルは帰り道で野良犬を轢きそうになってしまう。
〝気を付けろ。マヌケ野郎!〟
捨て台詞を残し去っていく野良犬。驚くドクター・ドリトル。それを木の上から見ていた一匹のフクロウ。
犬がしゃべるわけがない。大学時代にやったクスリが今頃効果を?(んなワケないだろ!)
ところが、 野良犬との一件を見ていたフクロウが、羽に刺さった棘を抜いてくれと(もちろん言葉が分かる)やってきたとき、思わず抜いてしまうドクター。
すると、
動物の言葉が分かる腕のいい医者がいると動物界で大評判に!?
動物たちが大挙してドクター・ドリトルの許へ押し寄せる!!
近眼の馬、
皮膚病の山羊、
ストレスに悩むハト、
アルコール問題を抱えたサーカスの猿、
あげくは自殺願望のあるトラまで!!
困り果てるドクター・ドリトル。
だが根はマジメな医者なだけに、困っている患者(!?)を放っておくことが出来ない。
しかもそんな動物たちを診ていると昔を思い出す。
スラムの小さい診療所で安サラリーだったけど、あのころはよかったなあ。仕事にやりがいがあったし、全力投球って感じで……。
だが、大病院との合併が迫る中、ドクター・ドリトルは……!?
子供の頃の夢がかなうとこんな感じ?そんな楽しくて、笑えて、感動できる1本だ。
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作井先生推薦の2作目は
『猫の恩返し』。
2002年に公開されたスタジオジブリ作品である。監督は森田宏幸。
『猫の恩返し』……そもそも猫は恩返しをするのか? 鶴やカメならいざ知らず、気ままなあの猫がですよ。
ところがどっこい(表現古っ!!) 恩返ししてくれるのだ。風変わりな冒険で。
ハルは、朝が弱くて、ちょっぴりドジな女子高生だ。
このちょっぴりドジというところが魅力で、遅刻寸前なのに、靴が脱げちゃったり、好きな男の子がかわいい下級生と歩いているのに気を取られてゴミ箱と一緒に転んだり。
見ていて飽きない女の子である。
そんな彼女が、下校中に1匹の猫を救ったことから物語が始まる。
トラックに轢かれそうになった猫を間一髪で助けたのだ。
すると、その猫は2本足で立ち上がり
〝危ないところを助けていただき、ありがとうございました〟
と礼を言い!?、しかも自分は、猫の国の王子ルーンであると名乗る。
その夜、ハルの家の前に、奇妙な行列がやってくる。2本足で立つ猫たちの大名行列だ。
これがなんともいい感じで、同じくジブリの『かぐや姫の物語』のラストに登場する、かぐや姫を迎えにくる天人たちの行列(雲に乗ってるけど)と並んで行列名シーンである。
この行列の正体は、王子を救ってくれたハルにお礼したいとやってきた猫王とその家来だった。
あっけにとられるハルに、猫王の家来ナトルは
〝明日からあなた様に、たくさんの幸福が訪れましょう〟
と言う。
次の日ハルの家の庭は猫じゃらしだらけになり、学校の靴箱には、箱に入ったネズミが山ほど!!
〝こんなプレゼントうれしくない〟
と文句を言うハルに、描王の家来ナトルは
〝ハル様にご満足頂かなくては。猫の国においでくださいませ〟
〝そっか〜、猫の国もいいかもね。日がな一日ゴロゴロしてるんでしょ。天国かもね〟
と軽く答えてしまうハル
〝それでは、今夜お迎えにあがります〟
〝!?〟
その時、ハルの耳に、どこからともなく優しい声が聞こえる
〝猫の事務所を探して〟。
猫の事務所?
そこからハルの冒険が始まるのだが、それは映画を観てのお楽しみ。
ちょっぴりネタバラしをすると、ハルと一緒に猫の国を冒険することになる、猫の事務所の猫(ややこしい!)バロンのセリフ
〝どうすれば自分の時間を生きることが出来るか考えよう。それさえ出来れば何も恐れることはないのだ!!〟(いいセリフだ)
それじゃあ、何も分からないって?
ではもう1つネタを。
『猫の恩返し』は、ジブリのもう1つの作品『耳をすませば』の主人公月島雫が書いた物語だよ。
それにしても、作井先生、動物好きなんですなあ。あかまつを見れば分かるけど。
(※この記事は別冊少年マガジン2018年7月号に収録されたものです)
作井ルビ先生の作品がWEBでも読める!
▼『あかまつ』第1話
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(終わり)