別冊少年マガジンで連載中の
別マガ ムービーガイドを特別に大公開!!
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名作・駄作・カルト作。アクション・SF・ラブコメディ。映画はいろいろあるけれど、まだ観てない映画をもう1本。
紹介された映画が気に入ったら、オマケで編集部のオススメのもう1本もご覧くださ〜い!!
調子こいたり、ヘンなこと書いたらファンの読者に怒られるリスクを背負いながら、今回は実写映画版も絶好調の『トモダチゲーム』、原作の山口ミコト先生がオススメの映画を一気に二本、紹介するゾ!
まずは山口先生からは
『機動戦士ガンダム3部作』……!?
マジですか?
山口先生、私、先生に何かしました?
正直言うと『ガンダム』と『スタートレック』だけはここでやりたくなかった。
なぜなら、この2つのシリーズもの、よく知らないから。(すみません!! すみません!!)
自分が大好きな映画を、他人が訳知り顔で語るとムカつくものだが、この2シリーズのファンは、(あくまで印象だが)とにかくムカつかれるお方が多いような……。
それだけ作品を愛しているというか、熱狂的なファンが多いと言うか……。
ええい!!
ウジウジしていてもしょうがない!!
〝ムービーガイド、行きます!!〟(おいおい、大丈夫か、自分)
宇宙世紀0079。人類の一部はスペースコロニーへ移住している。
地球連邦政府のもと、人類がまとまっているかと思いきや、やはり独立したいと思う人間も出てくる。宇宙都市サイド3はジオン公国と名乗り、独立戦争を開始。
ここでへ〜と思うのは、反逆者であるジオン公国が、絶対悪ではないということ。
独裁国家らしいが、国民たちがとくに虐げられているふうでもないし、どちらかといえば、国民たちは愛国者のように見える。こりゃ思ったより複雑な物語かも。
連邦側のコロニーサイド7では、連邦軍の秘密兵器モビルスーツ・ガンダムを中心とする新鋭モビルスーツの開発がすすめられていた。
だが、ジオン軍の新兵暴走による独断砲撃で、サイド7は戦闘状態に!!
アムロ・レイは、思いもかけずガンダムに乗り込むはめになり、まったくの素人ながらジオン軍のモビルスーツ・ザクを撃退!!
〝赤い彗星〟の異名を持つジオン軍のシャア・アズナブル少佐が搭乗するジオン軍のモビルスーツ・ザクと遭遇してしまう!!
ここで生涯のライバルとなる男と運命の出会いが!!
シャア・アズナブル、
かっこいいじゃありませんか。
真っ赤なザクに乗る〝赤い彗星〟ですよ。
これはモテるよ。
一方、主人公と思しきアムロは、若干ヘタレな感じで、一度は操縦席に座ったものの、そこは15歳の少年。すっかりビビってしまう。
そんなアムロに
〝アムロなんて男じゃない。
私が運転するわ!!〟
と幼なじみのフラウ・ボゥになじられると
〝キミには無理だよ。
悔しいけど僕は男なんだな〟
などと、まさに自意識オーバー100%の男子発言!!
だが戦闘によりコロニーは壊滅状態に。
生き残った人々(ほとんどが少年少女という状況)を受け入れた軍艦ホワイトベースは、戦火を逃れサイド7を脱出する。
少年少女ばかりが残ったホワイトベース。
だが無情にも戦闘は続く。
ここからは戦場で成長する少年少女たちの物語かと思ったら、突如ニュータイプという存在が明らかになってくる。
ニュータイプとはいわば進化した人類で、今までの人類にはない直観力や洞察力を持っており、アムロや彼の仲間たち、そしてシャアもニュータイプではないかと大人たちは考えるのである。
ただでさえ思春期の難しい時期に、戦争に巻き込まれ、ニュータイプなどというワケの分からないレッテルを貼られたアムロたちは堪らない。
しかも戦況は激しさを増し、次々と仲間が倒れていく。
そんな中でアムロに潜在するニュータイプとしての能力が覚醒していくのはなんとも皮肉な話である。それを利用しようとする大人たちはアムロ個人のことなど知ったこっちゃない。
一方で魅力的な大人もいないわけではない。
ジオン軍のランバ・ラル大尉などはその一例。大人の男としての魅力を十分に発揮している。(奥さんもきれいだし)
こう、肝が据わっているというか、アムロが惹かれる大人、こんな父親が欲しかった的なキャラである。
この作品が見ごたえあるものになっているのは、やはり多彩なキャラクターのお蔭だろう。もちろん数々のメカも魅力だが。
複雑なストーリーに説得力を持たせるのは、やはりキャラだ!!
そして物語は佳境に入ってゆく。
覚醒するアムロ。そんなアムロの前に現れたのはジオン軍のニュータイプの少女ララァ。
アムロは一目で彼女に心を奪われる。敵同士の二人だが、宇宙での交戦の中、ニュータイプとして共鳴する。
しかし、そこに現れたシャアを庇ってアムロの攻撃を受けるララァは……。
『機動戦士ガンダム』3部作は、少年の成長物語であり、壮大なスペースオペラにして、深い人間ドラマだったのである。
発売・販売元:バンダイナムコアーツ ©創通サンライズ
※TVシリーズ『機動戦士ガンダムBlu-rayBox』発売中!
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山口先生推薦の2本目は
1999年に公開された短編
『デジモンアドベンチャー』だ。
このコーナーで初めての短編である。
そもそも短編アニメ自体を目にすることがあまりないのだが、なんとこの映画、細田守監督(『時をかける少女』『サマーウォーズ』)の劇場用アニメの記念すべき1本目なのだ。へ〜って、勉強しろよって話ですね。ごめんなさい。
かのジョン・ラセター(宮崎駿監督のよき友人にして、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ、ピクサー・アニメーション・スタジオの元CCO)も常々、短編映画の重要性を唱えていて、ピクサーの長編アニメには、短編アニメが同時上映されるのはみなさんご存じの通り。
さて、本題の作品だが、舞台は郊外の団地。そこには太一・ヒカリの兄妹が住んでいる。
ある夜、父親のPCからモコモコと何かが画面から……。
朝になるとヒカリは大きな卵を抱えている。と、その卵の中から奇妙な生物が飛び出し、急成長し……!?
ラヴェルの〝ボレロ〟(同じリズムで同じメロディーが徐々に盛り上がる印象的な曲)にあわせて、卵から誕生した生物=コロモンは変態し、巨大化していく。
そこで不思議なのは、コロモンに気づくのは子供だけである。乗用車くらい大きい恐竜もどきのコロモンが火を吹いても、ベランダから見てるのは子供だけなのだ。
すると空から巨大なインコもどきの鳥がコロモンに襲いかかり……!?
なんとも奇妙で不思議な20分を味わわせてくれる1本である。
(※この記事は別冊少年マガジン2017年8月号に収録されたものです)
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▼『トモダチゲーム』の漫画担当、佐藤先生のオススメ映画(前編)はコチラ!
▼『トモダチゲーム』の漫画担当、佐藤先生のオススメ映画(後編)はコチラ!
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