春は出会いの季節。
職場や学校で、新たな人間関係が生まれたり、新生活にドキドキしたり……
新しいことが始まる季節って、いいですよね~~!
僕は特に新たな出会いも新生活のドキドキもなかったのですが……
マガポケで新しい漫画との出会いを探していたところ、「出会いの春」にぴったりな作品を見つけたので紹介させてください!
その作品は、『魔女と傭兵』!
命を奪うことしか知らない傭兵と、命を狙われることしか知らない魔女の出会いから始まる、異世界冒険譚です!
●『魔女と傭兵』はこんなお話!
物語の舞台となるのは、「魔女狩り」が横行する大陸。
魔女とは、「魔術」を操る存在です。魔術を使えない人間は、魔女を恐れ、討伐しようと傭兵を派遣しています。
本作の主人公は、この大陸で傭兵として働いているジグ=クレイン。
ジグは、魔女を殺すために討伐部隊へ参加します。
ジグ以外の隊員は魔女を架空の存在だと思っており、今回も「魔女として仕立て上げられた普通の人間」を殺す任務だと考えていました。
そこに現れたのが、今回の討伐対象である魔女、シアーシャ。
早速弓を向けてきた兵士に向かって、シアーシャは――
凄まじい威力の魔術を放ちます。
必死の攻撃も虚しく、討伐隊はジグを残して全滅……。
その中で、ジグはシアーシャの魔術による攻撃をギリギリのところでかわし、反撃します。
激しい戦闘の末――
なんとか接近戦に持ち込み、ジグが勝利。
討ち取る直前、ジグはシアーシャに「なぜ人を殺すのか」と問います。
返ってきたのは――
「殺されそうになったから殺した」という言葉。
シアーシャは、好んで人を殺していたわけではありませんでした。
ジグは、仕事で人を殺す傭兵も、生きるために傭兵を殺す魔女も、同じ命の価値が低い者同士だと気付きます。
さらに、今回は、依頼主の息子が死んで討伐隊が全滅したため、帰ったとしても報酬を受け取ることはできません。
そのため、シアーシャを殺す必要がないと思い至ったジグは、シアーシャを殺すことはせず、立ち去ろうとします。
しかし、そのとき、シアーシャから思わぬ言葉がかけられます。
それは、「あなたに私の護衛を依頼します」というもの。
「追われ続けることに疲れたので、誰にも追われない場所まで連れて行ってください」と言うのです。
シアーシャの表情が生きることを手放しかけているように見えたジグは、仕事に見合った報酬を支払うことを条件に、依頼を受けます。
ジグたちが暮らす大陸には、魔女が狙われない場所はないため、ジグは安住できる場所を探すべく、異大陸に渡ることを提案。
こうして、魔女と傭兵という「命を軽く扱われてきた者」たちによる、居場所を求める旅がスタートしたのです!
ここからは、魔女として命を狙われ続けてきた孤独なシアーシャと、傭兵として生きてきたジグについて紹介していきます!
●人々に恐れられた沈黙の魔女・シアーシャ
人々から恐れられてきた魔女、シアーシャ。見た目は若いですが、実年齢は200歳以上です。
自分からは攻撃しないかわりに、領域に侵入した者を黙々と沈めていく様子から、「沈黙の魔女」の異名を取ります。
シアーシャは「恐怖の象徴」として常に迫害されてきました。
そのため、シアーシャにとって人間は「自分を殺そうとする存在」でしかありません。森の奥から出ることもなく、ひとりきり、誰ともかかわらず静かに生きていました。
しかし、ジグと出会ったことで、シアーシャの人生は大きく変わります!
シアーシャたちが向かった異大陸は、人間が日常的に魔術を使っている世界。
これまで「魔術が使える」という理由で迫害されてきたシアーシャも、魔術が当たり前の世界に行けば、「普通の女の子」だったのです。
これまで全く人と関わってこなかったシアーシャにとって、外の世界で見るものすべてが新鮮です!
ジグから生活の方法を教わっていくうちに、シアーシャの態度にも少しずつ変化が。
表情が豊かになったり――
「人と会話すること」に楽しさを見出したり――
人間の良いところを知りたいと思ったり――
旅に出る前と同じ人物とは思えないほど、「生きること」を楽しんでいるのです! よかったね、シアーシャ!
新たな人生を歩むことを選んだシアーシャがこれからどんな経験をしていくのか、見守っていきたいと思います!
●実力高き、孤高の傭兵・ジグ=クレイン
恵まれた体躯を持つ傭兵、ジグ=クレイン。
「双刃の傭兵」として知られている、高い実力を誇る傭兵です。
かなり大柄なので、目の前に立たれるとものすごい迫力ですね……!
そんなジグの性格は、冷静沈着。
シアーシャの討伐に向かった際も、「魔女なんているわけがない」と笑う兵隊の中で、ひとり冷静に戦い方を考えていました。
さらに、この冷静さは、交渉の場でも活きています。
シアーシャを「魔女が迫害されない世界」に連れて行くため、異大陸への調査船に潜り込むことを思いつき、昔の仲間を頼りながら、無事に乗船券を調達します。
ジグが仲間にいるだけで、心強いですね……!
もうひとつ、ジグが圧倒的な強さを誇る理由が、嗅覚の鋭さ。
魔術を発動した際に出てくる「匂い」を感じ取ることができるのです。
その能力と傭兵として培ってきた戦闘能力、冷静な判断力を使い、旅に出た後も、シアーシャのことを守り抜いています。
異大陸に着いてからは、人間社会に出たばかりのシアーシャに「生きるために必要なこと」を教えてくれる場面も。
「失敗しても、いつか今日のことを思い出して笑えるようにやってみろ」というアドバイスに、ジグの生き方を感じます。
頼れる護衛として、人間社会の先輩として、シアーシャとともに異大陸を旅するジグから目が離せません!
シアーシャとジグの冒険はまだ始まったばかり。
新たな出会いをきっかけに、2人の人生や価値観はどのように変化していくのでしょうか?
気になる方はマガポケで彼らの冒険をチェックしてみてください!
●『魔女と傭兵』単行本第1巻、好評発売中!
ぜひ周りの人にも教えてあげてください!