人間はなぜ戦争を繰り返すのかなんていう頭の痛くなる問いはさておき、やっぱり人が人らしくあるためには心の触れ合いを忘れてしまったらダメだよね、なんてことを思わせてくれるマガポケ作品といえば……これっきゃないでしょう！
マガポケ絶賛連載中!!!
『黒猫と兵士』
一人と一匹、戦場をさまよう孤独な魂の触れ合いはやがて過去のトラウマで凍てついた兵士の心をじんわり温め癒やしていく……もふもふ黒猫を愛する同志諸君ならば見逃す手はないクール＆スタイリッシュな猫ちゃん漫画でございます！
いつも出会いは突然に──これまで数百の人間を始末してきたことから“ワイルドハント”の異名を持つ狙撃手のアーサー・レインは、敵拠点の制圧任務中に一匹の黒猫と遭遇！ この猫ちゃんが、なんと、なんと……
めちゃんこ可愛かった…！
可愛かった…!!
可愛かったのでした…!!!
猫の世界に「戦争」の二文字なんてないわけで、毎日多くの血が流れる戦場でさえ猫にとっては遊び場のひとつ。殺傷目的で拵えられた銃弾も、猫の手にかかれば──
遊び道具に変身にゃ！
何の因果か、はたまた気まぐれな猫神様のいたずらか、その後もレインは、この脱力系な黒猫キャスパーとたびたび顔を合わせることになりまして──
ついに基地での共同生活がスタート！
こうして軍公認の黒猫となったキャスパーですが、敵戦力の撃破を目的に組織された軍隊で、何の役にも立たなさそうな猫を飼うなんてこと、本当にゃるんでしょうか!?
ありました！
秒で答えを出してしまいましたが、古代エジプトでは神の使いとして崇められ、中世ヨーロッパでは大海の覇者であったヴァイキングの「船乗り猫」として重宝され、第二次世界大戦中にもイギリス海軍の戦艦に同乗していた猫は、危険な船出の守り神にも、兵士の心を和ませるパートナーにもなってきたんですね！
それでは、21世紀の現在は…？
実際の兵士のみなさんも、レインのように猫に癒されているのでしょうか…？
●約1万年前から人間と共存！ 船上のネズミハンター！
地中海に浮かぶキプロス島では、にゃんと約9500年前の遺跡から人と一緒に埋葬された猫の骨が発掘されていると言いますから、人間と猫が結んだパートナーシップの歴史はとんでもなく古いんです！
そんな猫ちゃんたちは、「船乗り猫」として古今東西の船上で飼われていました。危険な海から船を守るという魔除けの意味合いもさることながら、食料を食い荒らしたり、疫病の原因になったりする悪いネズミを仕留める役割を担っていたんですね。まさに船上のネズミハンター！
ちなみに、キャスパーが仕留めたのは、ネズミじゃなくて……
シャーーーーッ！(ΦωΦ)
アーーーーーッ(T_T)
ってな具合に、レインのパソコン。おそらく作中では描かれていないところで、危険なネズミからレインを守ってくれているのでしょう!!!
●歴史の裏に癒し猫あり!? 大西洋を渡った船乗り猫！
イギリス海軍も戦艦に猫を乗せていました。1941年には、当時のイギリス首相ウィンストン・チャーチルが、アメリカのルーズベルト大統領と会談するため乗りこんだ戦艦で、一緒に大西洋を渡っています。無事に帰国したチャーチル首相が、船乗り猫に別れを告げる場面は新聞で報じられて一躍有名に。絵面的にはほぼこんな感じです！
このレインはちょっと無表情ですが(笑、思わぬ猫の見送りにみんなニコニコ。歴史的に重要な会談の裏でも、猫は人々の心を癒やしていたんですね。
●軍に所属する猫がいる！ 階級はにゃ…にゃんと准将!?
21世紀の軍基地でも猫は人間の大切なパートナーに！ スイス軍のとある基地では敷地内に一匹のトラ猫が住んでいた…とのこと！ ただの野良猫ではなく軍から正式に認められた立派な部隊の一員です。しかも階級は准将ということですから、かなり偉い!!!
ん？ わたしのこと呼んだ？
いや、呼んでませんよ！ 医師長じゃなくて准将です!!!
と、この白猫ちゃんは、医療テントに棲みつく猫。医師長の愛称で親しまれている猫ちゃんですが、スイス軍基地の猫は愛称じゃなくてリアルな階級ですから「にゃあ」と鳴いたら兵士はにっこり笑顔で扉を開けるんだとか。
しかし、キャスパーだって負けてませんよ！ こちらはもう「にゃあ」とすら鳴かずに……
扉を封鎖。
そしてもちろん、階級がなくてもお昼寝する猫の可愛さには誰も逆らえないのです！
●戦場で傷ついた心を癒やす“セラピーキャット”
医療や介護の現場では“セラピスト”ならぬ“セラピーキャット”として活躍している猫ちゃんもいるそうです。悲惨な戦場で強いストレスにさらされる兵士のなかには、猫との触れ合いが深く傷ついた心の癒やしになることも。
レインもまた、戦争で心に傷を抱えた兵士のひとり。与えられた任務を機械的に遂行してきたレインの心は、巨大な戦争機械の一部と化したかのように、硬く、冷たく、閉ざされてしまっていました。そんな彼に触れ合うことの喜びを教えてくれたのが黒猫キャスパー。とはいえ、命令に従わない気まぐれな猫を世話することは、レインをひどく戸惑わせるものでした。
レインのベッドに居座るキャスパーを寝かしつけようとしても…。
寝てくれない。
なでなでしてるのに寝てくれないなぁ。
なでなでしてるのに…
なでなで、なでなで、なでなで、なで…なで……な……
しているうちに仲良く爆睡！
キャスパーの世話をしているようで、実はレインの心もキャスパーにケアされているのかもしれませんね！
それでは最後にキャスパーから届いたメッセージでお別れしましょう！
にゃにゃにゃ、にゃにゃ〜、にゃにゃにゃ〜にゃ、にゃにゃ！
（猫と人間は平和に仲良く暮らしてきたんだにゃ〜！ これからもあたたかく見守ってくださいにゃ！）
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