金田陽介先生の『寄宿学校のジュリエット』の最終巻が、11/15に発売されます!
「別冊少年マガジン」で連載が始まり、「週刊少年マガジン」へ移籍。
アニメ化されるまでの大ヒット作になりました。
最終回を迎えてしまった本作ですが、Twitterでも惜しむ声が多かったので『寄宿学校のジュリエット』の心に残る名シーンをなんと15巻分、一気に振り返ります!
『ジュリエット』が大好きだったので「書かせて!」と編集部に頼み込みました!
その愛情が気付けば、3,000、5,000、1万文字へと……
「このシーン良かった~」、「この展開は本当アツかった!」と、読者のみなさんが連載中に感じたあの想いを、もう一度ここで思い出していただければ!
もちろん、まだ読んだことのないかたにも「こんな漫画があったのか!」と知っていただきたい!
終了を惜しむファンのみなさんには、筆者の独断オススメ作品も!
それでは一緒に振り返ってみましょう!
露壬雄とペルシア2人の歩み
『寄宿学校のジュリエット』とは?
舞台は、「ダリア学園」という小中高一貫の寄宿学校。
この学校は「東和国」と「ウェスト公国」という、戦争状態から「一応の」友好条約を結んでいる2国のちょうど中間地点の島にあり、両国の生徒たちが生活している。
それぞれ「東和国」の生徒たちが住む「黒犬の寮(ブラックドギーハウス)」、「ウェスト公国」の生徒が住む「白猫の寮(ホワイトキャッツハウス)」と別れて生活しており、仲はもちろん、よろしくない。
でも……
実は「黒犬」の高等部1年のリーダー格、犬塚 露壬雄(いぬづか ろみお)はあろうことか敵対する「白猫」のリーダー格、ジュリエット・ペルシアに片思いしていた。
「好きな人は敵」、まさにシェイクスピアの戯曲『ロミオとジュリエット」。
露壬雄とペルシアの「許されない恋」が始まる!
……というと、ただの「愛に障害はつきもの」なラブストーリーですが。
それは違う!
違うんです!
『寄宿学校のジュリエット』は、ただ結ばれてハッピーエンド! じゃありません。
「許されない恋」を、「許される恋」にするために。
そして、「認めてもらう恋」にするために……
露壬雄とペルシアが世界を変えようと、革命を起こす物語なんです!
告白~2人の交際スタート!
毎日のようにいざこざを起こす、黒犬と白猫の生徒たち。
もちろんその先頭にいるのは、露壬雄とペルシア。
しかしペルシアへの恋心は、もう隠しきれないところまで……
好きな相手だからペルシアには本気で立ち向かえない。
そんな露壬雄の態度にペルシアは「同情されるのは本当にイヤだ」と激怒。
ついには露壬雄に真剣での決闘をもちかけます。
露壬雄もついに腹を括り、正面からペルシアに立ち向かい……
告白!
身も心も真っ向から立ち向かった露壬雄でした。
この言葉をペルシアはどう受けとったのか……
少しだけジュリエット・ペルシアの話をしましょう。
彼女は貴族の一人娘。
ゆくゆくは家督を継ぐため、他の貴族にも負けない強さを身につけようと奮闘してきました。
しかし家督を継げるのは男子のみ……
自分が家督を継げなければ家族までもが全てを失ってしまう……
そんなペルシアが欲しいのは、「この世界のルールを変えられるような強さ」。
そんなペルシアに「世界を変える」と言い放つ露壬雄。
そのひと言がペルシアの心を動かし、交際を受け入れます。
家族のために「強くあろう」とするペルシア。
読みながら「自分が守るんだ!」というペルシアには、式守さんが重なってきました。
式守さんの強さは後に登場する「朱奈(しゅな)」にも通ずるところがありますよね!
ふたりとも大和撫子で強い!
意外と夢見がちな露壬雄?
恋人同士となったらやること!
そう、プレゼント交換!
このロザリオ、今後大事なところで……?
そして恋人と言えば、デート!
ダリア学園は3月に1度しか外出ができません。
つまり、デートのチャンスはそれだけ!
一計を案じる露壬雄……
ペルシアに自分のお下がりの制服とウィッグを着せて、親せきの子ども「ジュリ男」に変装。
堂々とデートを敢行!
はい、可愛い。
ジュリ男はおねぇさんの心をくすぐるショタ……美少年だったため、露壬雄の周りの黒犬の生徒たちに大人気!
結局は大勢のグループになってしまい、2人っきりのデートは失敗。
しかしペルシアはこの日の「デート」が楽しかったらしく、東和国への関心も高まり、「ジュリ男」の変装も今後続くこととなります。
2人の味方?
ある日、学校に復学したウェスト公国の王女、「シャル姫」ことシャルトリュー・ウェスティア。
彼女は「ウェスト公国の暴姫(タイランドプリンセス)」という異名を持つ姫。
そのプリンセス、露壬雄とペルシアの秘密交際を知っており……?
露壬雄を下僕、犬扱いしようと企むシャル姫。
そんな彼女の秘密、それは……
幼少期から一緒にいたペルシアにストーカーレベルの愛情を抱いていました……
お互いの弱みを握った、というよりはペルシアを巡るライバルとなった2人。
このシャル姫はそれからもペルシアと露壬雄を引き裂こうと頑張りますが、ペルシアが好きすぎてどうも上手くいきません。
露壬雄への憎悪は膨らむばかり……
しかし、この露壬雄への恨みつらみすべてが変なエネルギーとなって、終盤、物語をダン! と動かします!
実は貴族のペルシアとプリンセスのシャル姫にちょっと違和感を覚えていました……
ペルシアもシャル姫もスカートも履けられれば、ジャケットも羽織れます。
そんな当たり前なことも「変だな」と思ってしまうのはきっと『お嬢様の僕』の影響なのでは!
こじつけた感はすみません。
でも、強くてしっかりもののお嬢様も可愛いし、世間知らずでちょっとズレているけどいつも真剣なお嬢様たちも可愛いです!
そして露壬雄の親友であり、「黒犬」のまとめ役として欠かせないのが、狛井 蓮季(こまい はすき)。
初等部のころは引っ込み思案だったものの、露壬雄と接するようになってからいまの元気っ子に。
そこには、露壬雄への恋心が……
露壬雄は「親友」蓮季に隠しごとをしたことはありませんでした。
蓮季ならきっと、わかってくれるとペルシアとの交際を伝えますが……
でも、泳げない露壬雄がペルシアのために川に飛び込んだ姿を見て、認めます。
露壬雄の恋心は自分が露壬雄を思う気持ちと一緒、大号泣する蓮季を見ているとこっちも涙が……
この切ない涙、蓮季の思いの深さに心がギュっとなった読者も多かったことでしょう。
そんな読者にオススメしたいのが、「別冊少年マガジン」の『世界か彼女か選べない』。
しっかりしていて人気者!
でも、彼女と結ばれると世界が崩壊するかも……
応援したい!
でも、応援していいのか……
このジレンマ……!
体育祭開幕!
ダリア学園の体育祭。
それは白猫と黒猫のプライドがぶつかり合う、負けられない闘い!
またMVPの「ご褒美」を狙って、それぞれいろんな思いが交錯する行事でもあります。
一致団結が必要な体育祭ですが、白猫は白猫で、怪しい動きをするものが……
それは「アビ」と「ソマリ」の存在。
大会当日、アビの指示でソマリはペルシアを負傷させます。
実力が出せなくなったペルシアは、白猫の観客からもヤジを飛ばされることに……
さらにアビは黒犬の方にも細工を。
しかし、いやらしい手に慣れきっている(?)、黒犬のツンデレ問題児、丸流(まる)たちによって計画は失敗。
うーん、ドス黒いすてきな笑顔★
さらにペルシアの名誉を復活させようと、露壬雄はわざと一騎打ちの勝負を挑みます。
まるで恋人同士とは思えない、その迫力。
この勝負の行方は――、意外なものでしたね!
兄、登場!
ダリア学園には生徒会と風紀委員のような、生徒の代表であり、教師代行の権限を持つ「監督生(プリフェクト)」と呼ばれる役職があります。
黒犬、白犬からそれぞれ投票で選ばれ、代表と呼ばれる黒犬側の一番上の役職に就いているのが、「犬塚 藍瑠(いぬづか あいる)」。
そう、露壬雄の兄!
メガネ・黒髪の最強男子登場!
同じく監督生である王 胡蝶(ワン コチョウ)・手李亞(ワン テリア)姉妹と露壬雄が仲良くなったことから、藍瑠はとある疑念を……
監督生がくせ者ばかり……
生徒会がくせ者ばかり……
「マガポケ」で生徒会と言えば『生徒会長はベッドの上で全てを解く』。
こちらの生徒会の面々もクセのある生徒ばかり!
そう言えばこちらのヒロイン、鷲宮ヒカリも着替えを主人公に手伝わせていましたね。
どうやら「マガポケ」の女性たちはお着替えができないらしい……?
(筆者で良ければ手伝いますよ!)
ちなみに『いじめるヤバイ奴』も生徒会はくせ者ぞろい。
がんばれ仲島、田中!
兄バレ? 誕生日!
そして迎える、ペルシアの誕生日!
露壬雄はなんとかしてペルシアを祝いたい!
あれこれ作戦を考えますが藍瑠の厳しい監視下に置かれてうまくいきません。
ペルシアは2人が置かれている厳しい状況を、改めて突きつけられます。
つらい現実。
ペルシアの心が折れてしまいそうに……
その日、ついにはペルシアに誕生日を祝う言葉をかけることができなかった露壬雄。
すれ違う2人。
抜け殻のようになった露壬雄を、元気づけようとする蓮季でしたが……
この健気さにキュゥゥゥゥゥウウウウン!
古臭くてもいい!
このコマには「キュン」って言葉しか浮かばない!
諦めなかった露壬雄は白猫寮に入り込み乱闘騒ぎを起こします。
ペルシアは白猫の監督生代表に誘導され、軟禁状態にありました。
しかし――
2人は再会。
ようやく露壬雄は「お誕生日おめでとう」と伝えることができたのでした。
その言葉に……
△×○□☠!
蓮季のキュンコマからのペルシアのキュンコマ、言葉なんていらない……
こうして、2人ならなんでも乗り越えることができると、ペルシアは改めて露壬雄のことを好きになったのでした。
しかしそんな2人に立ちはだかる露壬雄の兄、藍瑠……
2人は秘密を守るため、シラを切り通します。
混乱する生徒たち。
ついにバレてしまうのか!?
なかなか引き下がらない藍瑠の疑いを晴らすため、ペルシアは真剣で露壬雄に斬りかかる!
真剣が喉元を狙うという、お互い命を賭けた鬼気迫る決闘を見て、その場にいた生徒全員が「露壬雄とペルシアは交際していない」と信じます。
ここであのロザリオがでてきます。
敵同士の2人だからこういうこともある。
交際当初にプレゼントで贈りあったロザリオを狙うという、合図を送っていたのです。
しかし、そのためにロザリオは粉々に……
疑念が晴れたあと、ペルシアからリクエストされた本当のプレゼントを渡す露壬雄。
そのプレゼントとは――
この出来事から露壬雄は「監督生」になるため、雑務係(通称ファグ)になりたいと、手李亞に申し出ます。
監督生になれば、学園を変えることができる。
世界を変えることができる。
ペルシアとの約束を果たすために、監督生となって力を付けたい。
そのために露壬雄はまずファグになり、監督生のことを勉強していきます。
蓮季vsペルシア! キャンプ対決
2泊3日の林間学校にきた生徒たち。
露壬雄に対するペルシアの態度に苛立っていた蓮季は「負けたら露壬雄には今後一切近づかない」というルールでオリエンテーリング対決を持ちかけました!
体力・能力・気力を出し切って戦う蓮季とペルシア。
その根本にあるのは、露壬雄への想い……
しかし、そんなペルシアを見て、蓮季は「きちんと露壬雄のことを考えている」と知り、今回の試合はノーゲームに。
学園祭! 丸流とジュリ男の友情、そして母親……
ペルシアと2人で実行委員になり、学園祭も一緒に回れるーと喜んだ露壬雄。
しかし仕事は忙しく、てんやわんや。
そんななか手李亞が露壬雄への恋心を見せたり、なぜか丸流とジュリ男が友達になったり!
そして、娘を溺愛しているけど素直になれないペルシアの母親が文化祭にやってきます。
そんな母親は、ペルシアに「東和国の人を好きになってはいけない」と忠告します。
なぜならば……
母親は知っていました。
過去、恋人になった東和とウェストの生徒たちのことを……
その話を聞いた露壬雄は、別々になったとしても「後悔しない」と言い切ります。
「仲間を増やして 味方をつけて 変えるんだこの世界を!」
その言葉に勇気をもらうペルシア。
文化祭は2人の絆を強くして幕を閉じたのです。
東和国編! 母親の過去とは……
休みを利用して、露壬雄は「ジュリ男」と一緒に東和国へ里帰り。
ペルシアにはどうしても東和国を訪ねたい理由がありました。
それは露壬雄の母親のこと。
露壬雄の母親、千和(ちわ)。
この千和こそ白猫の男子生徒と恋に落ち、ダリア学園を追放となった本人でした!
しかもその相手は、「ターキッシュ・ペルシア」。
つまり、ペルシアの父親だったのです。
この2人こそが、ペルシアの母親が話していた恋人たち。
ペルシアは訊きます。
「後悔していますか?」
「後悔なんて微塵もないわ」
憎しみを超えて愛しあい、学園を追放となってしまった千和の言葉に勇気をもらった2人。
そんな中、会わずにすむはずだった藍瑠が帰宅。
なんとジュリ男がペルシアだとバレてしまいます。
最低最悪の状況に!
隠しきれなくなった露壬雄はペルシアと交際していることを明かします。
犬塚家は政治家一家。
ペルシアは貴族。
お互い「国」と結びついた身分であるために、交際がバレると国民からの信頼を失い、後ろ指を刺され続ける人生が待っているのです。
ウェスト公国と東和国との関係の悪さ、そしてその深刻さが露壬雄とペルシアの前に立ち塞がります。
しかし、2人に厳しくあたる藍瑠にも事情がありました。
それは、亡くなってしまった父の「犬塚家を守ってくれ」という遺言。
藍瑠はその言葉を、家族を守ろうと必死になっていたのでした。
しかし、母、千和は藍瑠が守っているのは「家族」ではなく「家の名」と嘆きます。
いっぽう、兄の想いを知った弟。
露壬雄は藍瑠と「兄弟ゲンカ」で勝負をすることに。
露壬雄が戦うのは、ペルシアとの恋のためだけではありません。
それは、藍瑠の背負うものを少しでも軽くしたい。
自分も一緒に負担できるほど成長したんだと伝えたい……
最終的に、弟に負けた藍瑠は交際を黙認……
ペルシアはウェスト公国の自宅に戻り、休暇を終えます。
玲音登場
2新学期。
そこにはケガをして病欠していた狗神玲音(いぬがみれおん)が復学していました。
しかしどうも露壬雄は玲音のことが苦手……
そして玲音は藍瑠のファグに就きます。
監督生を目指す玲音の野望。
それは……
時を同じくしてペルシア、蓮季、アビもファグに就任。
監督生代表は教師の代行であり、学園において巨大な権力を持つ役職。
野望を持つ人々の選挙戦がスタートします。
露壬雄とペルシアが2年生になった春。
犬塚家の使用人で露壬雄の妹分、「犬塚家の番犬」こと「犬塚 朱奈(いぬづかしゅな)」もダリア学園に入学。
この子、さきほど「式守さん」でチラっと話題に出した子です。
蓮季の弟や、最初はペルシアに反発していたギャルのアメリアなどを始めとした1年の信頼も集め、投票を左右する演説会への準備が着々と進んでいきます。
誰が監督生代表になるのか!
2人の交際が全校生徒にバレる日
そして演説会。
ペルシアは生徒の背中を押せるようになりたい、アビは労働階級出身の自分がトップに立つことで根底からこの学園を変えてやるという野望をぶちまけます。
蓮季は親しみやすい監督生を目指したいと爽やかな演説をしたところで……玲音がその空気をぶち壊します。
そして最後に露壬雄の演説。
露壬雄は生徒みんなに問いかけます。
「この学園のルールおかしくないか?」
「大人たちが決めたルールに従っているだけじゃないか?」
「自分たちの頭で考えて行動しているか?」
どうしてお互いを嫌いなのか。
それは親が言うからじゃないか?
自分の本当の気持ちなのか?
この露壬雄の演説は多くの生徒の心を打ったのでした。
演説会が上々に終わったある日、露壬雄は玲音の意外な姿を知ることに!
玲音は「ボクっ子」キャラですが、そのキャラ付けも実はこの意外な姿のため。
お待たせしました。
オススメの時間です。
二面性のある女性って、なんだか気になっちゃいますよね。
これが、ギャップ萌え、というものでしょう、か?
玲音は学生生活でクールな自分を演じていて、『彼女、お借りします』の千鶴、大学ではすごく地味。真逆ですね。
彼女たちはどっちが本性?
そう思ってしまうけど、どっちも本物の姿。
しかし、どうしてそこまで玲音は黒犬と白猫の分断に力を入れるのか。
玲音の心のうちを知った露壬雄はますます、この世界を変えるという目標を強く意識します。
そのためには、この選挙、玲音には負けられない!
しかし、玲音は監督生代表の投票日に暗躍。
教師が誰も体育館に来ず、不安になる生徒たち。
そこで我慢しきれなくなった黒犬と白猫の喧嘩が勃発!
もちろんこれも玲音の指示。
その混乱で現監督生をも巻き込む乱闘となり、ペルシアに危険が及ぶとつい露壬雄はペルシアを守ってしまいます。
そう、これこそが玲音の狙い。
玲音は、露壬雄とペルシアの交際を生徒全員にバラしたのです。
露壬雄、ペルシアに裏切られたとざわめき出す黒犬、白猫のそれぞれの寮生たち。
さらに友達だと思っていた「ジュリ男」の正体が敵の白猫、ペルシアだったということに失望する黒犬たち……
ジュリ男がペルシアだと知って、一番憤慨したのが丸流。
せっかく文化祭で友達になったジュリ男が、ペルシア、白猫だった……
その怒りをペルシアにぶつけます。
しかし、反撃しないペルシア。
「黒犬で初めてできた友達だから…」
その姿に、丸流は……
2人の味方に付くことを宣言。
「白猫は嫌いだけど、友達のジュリ男は大事」
監督生代表の一票を露壬雄に投じるのです。
あの邪悪で素敵な笑顔だった丸流の男気!
かっこいい!!
※私はここで号泣しました(本当)
それにつられ、丸流の友人の古羊と土佐も投票。
そして2人の仲を知っていたシャル姫がペルシアに、蓮季は露壬雄に投票。
さらには普段はシャイな手李亞も大声で「ファグとして露壬雄は学園のために頑張ったのはみんな知ってるよね!?」と生徒に呼びかけ、胡蝶と共に露壬雄に投票。
これだけの味方がいることは玲音にとって予想外のことでした。
さらには3年生のサイベル、1年生の朱奈たちが声を上げ、「自分たちで考えよう」とペルシアと露壬雄に続々と票が集まります。
そして最後、兄の藍瑠が露壬雄投票。
2人が学園を変えたことを証明したのでした。
その後、目を覚ました教師たちにより選挙戦は中止に。
再投票が行われ、ペルシア、露壬雄それぞれ代表に選ばれました!
しかし玲音は辞退。
騒動を煽った張本人であるということで謹慎処分となりました。
そのため人数が足りない監督生の補欠選挙を行わなければなりません。
そこで露壬雄は玲音に補欠選挙に出るよう持ちかけます。
玲音はその補欠選挙で生徒たちに、自分のヒミツを明かしました。
居場所を持たない自分。
そんな自分に「居場所を作る」と言ってくれた露壬雄の気持ちに応えたい。
玲音が涙ながらに口に出した言葉は「本心」。
その言葉を、生徒たちは拍手で受け入れるのでした。
修学旅行編
学園の最大行事でもある、修学旅行。
行き先はウェスト公国に決定!
東和民が堂々とウェスト国に入る。
これは歴史的な事件です。
毎回何かを計画している露壬雄は今回も「ペルシアの家族に挨拶をしよう」と画策。
船と飛行機、バスを乗り継いで到着したウェスト公国。
ですが東和民である黒犬の生徒たちは、ウェストの街の人々から差別や非難の声を浴びせられます。
しかし、それを止めたのは……
少しずつ、学園の空気が変わり始めている。
そんな感動的な出来事が起きたのでした。
しかし蓮季がスリを追って観光ルートを外れてしまい、行方不明に!
東和民が一人、ウェストを歩いているというだけでどうなることか……
蓮季自身もパニックになっていました。
そんなとき一人の美しい女性が街で助け舟を出してくれます。
じつはこの女性の正体は大女優、ラグドール。
ラグドールは蓮季に通し稽古を見ていくよう勧めます。
蓮季は学園生活で露壬雄の背中を追うことばかり考え、将来の夢について考えたことがなかった自分に気が付きます。
ラグドールのミュージカルは素晴らしく、蓮季は大感動。
別れ際、ラグドールから本番のチケットを譲ってもらい、迎えに来た露壬雄とともに劇場を後にします。
そして迎えに来た露壬雄が、ラグドールがペルシアの母親だと気が付き、蓮季はびっくり!
帰り道、蓮季は「女優を目指してみたい」という夢ができたことを露壬雄に伝えます。
露壬雄はそれを応援。
蓮季は新しい目標と、露壬雄の応援を得た修学旅行となりました。
次の日、入ったカフェで玲音は偶然にも母親を見つけます。
しかしそこにちょうど玲音の母親を追う祖母の追手がやってきて……
母親はスパイ映画さながらのアクションで逃走!
複雑な家庭はどの世界でもたいへん!
ようやく玲音は母親と再会。
しかしそこには祖母の追手が……
母親は玲音の手を引き、再び走り出します。
玲音は自分のせいで母親が不幸な目に遭っているのではないかとずっと不安でした。
しかし、母親は「玲音がいるから自分は頑張れるのだ」と、玲音たちと引き離されてからの生活を振り返ります。
そして玲音も、いまは学園という、自分の居場所があると笑顔で母親に伝えることができ、親子の絆を確認できたのでした。
そしてついにペルシアの家に露壬雄が訪ねる日が……
と思ったら、学園の宿泊施設にペルシアの父親が訪ねてきて波乱の気配が……
無理やり連れて行かれるペルシア、もちろん露壬雄も後を追いますが振りほどかれて、引き裂かれる2人……
事態を知った生徒たちは黒犬、白猫関係なく、露壬雄とともにペルシアの家を目指します。
本当このマンガ、ツンデレしかでてこないな!!
だがそこがいい!!
一方のペルシアは父親から自室で待機するよう言われ、事実上の軟禁状態に。
同じ東和民を好きになったことのある父親だからこそ、自分の気持ちを分かってもらえるのではと心のどこかで期待していたペルシアでしたが、その希望は打ち砕かれます。
母親のラグドールは学園を追放になったその後の父親の若き姿をペルシアに伝えます。
けれども、ペルシアは納得しません。
そして告げるのです。
恋に落ちた人間が悪いのではない。
その恋を認めない世界のほうがおかしい、と。
そう、露壬雄とペルシアはこんな世界を変えるために頑張ってきたのです。
親友に打ち明け、家族に打ち明け、学園に打ち明け……
そのたびにツラい目にも遭いましたが、乗り越えてきたのです。
そして押し寄せるダリア学園の生徒たち。
ラグドールは露壬雄たちを屋敷に入れます。
ペルシアもじっと部屋で待っているわけにはいきません!
なんとか外に出ようとバルコニーに出た瞬間……
「ああ露壬雄、あなたはどうして露壬雄なの……」
有名なシェイクスピア「ロミオとジュリエット」のバルコニーのシーン。
あれはバルコニーにジュリエットがいて、ロミオは地上に。
お互いの置かれている身を嘆くシーンです。
でも、こちらの露壬雄とジュリエットは同じ目線で再会します。
2人の間には国も、立場も、隔たりはなにもありません。
そして2人で、父親のいる書斎へ向かいます……!
そう、この続きが!
最終巻で描かれています!!
シェイクスピアの戯曲「ロミオとジュリエット」は悲劇的なラストが待っていますが、こちらの露壬雄とジュリエットにはどんな結末が待っているのでしょうか??
最終巻の16巻は、本日11/15に発売!
こちらには描き下ろしのオマケ漫画も収録されます。
待ちきれないという方は、もちろん「マガポケ」でも読むことができますよ!
――あ!
スコットの存在、忘れてた!
まぁいいか、スコットだし!