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【61巻分無料公開中】ボクシング漫画の金字塔を一気読み!! 『はじめの一歩』宮田・間柴・千堂のベストバウトを紹介!!

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「マガポケ」に『はじめの一歩』が初登場! 1~61巻の無料公開は明日まで!『はじめの一歩』の魅力を、ボクシング経験者のライターTが紹介する企画もいよいよ最終回。第3回は、主人公・一歩と激闘を繰り広げてきたライバルたちのエピソードを紹介します。ボクシング漫画史に偉大な「一歩」を刻み付けた本作に、ぜひ触れてみてください!

 

【目次】

 

●孤高の天才! テクニシャンなカウンターファイター・宮田一郎

【宮田の武器:父親から引き継ぐ志と必殺のカウンター】
 宮田一郎は、ボクシングの世界に足を踏み入れた一歩が初めて対戦した相手だ。その試合をきっかけに、ふたりは互いの実力を認め合い、自他共に認める“永遠のライバル”となる。 
 そんな彼がもっとも得意とする必殺の一撃が「カウンター」だ。宮田一郎という人物の成長は、進化するカウンターの歴史と共にあるといっても過言ではない。彼のファイトスタイルは、極限に研ぎ澄まされた集中力から切り出される“一瞬”の閃光なのだ。

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 ではなぜ宮田は、それほどまで「カウンター」にこだわるのか。それは、プロボクサーであった父親の雪辱を晴らしたいという熱い想いがあるからだ。
 幼少期の宮田は、華麗なフットワークで対戦相手を翻弄してきた父親のスタイルに強い憧れを抱いていた。しかし、宮田父のパンチの質は残酷なほどに軽かった。宮田父は東洋太平洋チャンピオンだったが、防衛戦で相手にアゴを砕かれ敗北。自らの非力を悟りプロのリングを去ってしまう。
 だからこそ、宮田はテクニック重視のアウトボクシングにこだわりを持つ。父親のスタイルを受け継ぎ、それを超えていくために「カウンター」の刃を研ぎ澄ますのである。
 外見はいたって冷静沈着、しかし心の奥底には誰にも負けない熱い闘志を燃やす。それが宮田一郎という男なのだ。

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【宮田’sベストバウト VS.アーニー・グレゴリー】

 東日本新人王フェザー級で間柴に敗北し、その間柴に勝った一歩に差をつけられたと感じた宮田は、自分自身を鍛え直すため、武者修行と称して海外に旅立つ。そこで、さまざまな挫折と屈辱を味わいながら、ムエタイ出身の強敵ボクサーであるジミー・シスファーと対戦。父親から遺伝した「軽いパンチ」を克服するため、全体重を乗せて相手を打ち抜く「ジョルト・カウンター」を会得し、見事勝利を収めた。

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 こうして11戦負けなしの戦績で帰国した宮田は、父親の苦い思い出が残る、東洋太平洋(OPBF)王座をかけたタイトルマッチに挑むことになる。対戦相手は骨をも砕く強烈な左右フックを繰り出すことから「クロコダイル」の異名を持つアーニー・グレゴリー。さらに彼のマネージャーからは、宮田必殺のクロスカウンターに対抗する「ブラッディ・クロス」という秘策があることを仄めかされる。

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 宮田にとってこの試合は、このグレゴリーという強敵に加え、もうひとつの闘いがあった。ある時期以降、宮田は「減量」という見えない敵と懸命に闘っていたのだ。成長期を過ぎた宮田の骨格は、すでにフェザー級に適したものではなくなっていた。しかし、宮田には幕ノ内一歩という決して素通りできないライバルがいる。一歩と肩を並べ、再戦を果たすために、宮田は血の滲むような努力を重ねてきたのである。
 グレゴリーの秘策「ブラッディ・クロス」、そして宮田を蝕む減量苦。このふたつの不安要素を抱えながらも、宮田はグレゴリーの待つリングに足を踏み入れる――。

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 ところが序盤戦、試合前の不安など吹き飛ばすように、宮田は目にもとまらぬスピードでグレゴリーを翻弄する。グレゴリーは足も使えればショート・ミドルレンジの打ち合いも得意とする万能型のボクサーファイター。しかし、武者修行を積んできた宮田は、正面からの打ち合いにもひるむことなく真っ向勝負を挑む!
 試合の序盤、左の差し合いを制し、伝家の宝刀・右のクロスカウンターでグレゴリーを斬って落とす。こうして宮田は試合の流れを完全に掌握したかに見えた。

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 しかし、この展開そのものがグレゴリーの仕掛けた罠だった! 彼は、わざと左ジャブを連発することで、宮田のカウンターを誘い出し、左ひじで右クロスの軌道を変えてブロック。ガラ空きになった顎に右アッパーをぶちかます。十字を描くようなアッパーで血しぶきが舞い飛ぶ――「血の十字架=ブラッディ・クロス」とは、この一撃のことだったのだ。

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 このブロックは実際のボクシングでも使われるディフェンス技術のひとつである。ただし、右クロスに合わせたブロック&カウンターは超高等技術。技巧派のグレゴリーだからこそ可能なテクニックだ。一方、自身のプライドそのものであるカウンターを破られた宮田は、肉体的にも精神的にも追い込まれ、絶体絶命の窮地に立たされる。
 しかし、父との、そして一歩との約束を果たすため、もうとっくに限界を迎えているはずの体を引きずり、宮田はグレゴリーに向かっていく。そして、最後の最後、残した力の一滴を振り絞り、渾身のジョルト・カウンターを繰り出し、グレゴリーの技巧をねじ伏せ、右クロスを顔面に叩き込む――!!

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宮田VS.アーニー・グレゴリーは【Round 317】~をチェック!

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●最恐の死神! フリッカージャブの使い手・間柴了

【間柴の武器:フリッカージャブ&チョッピングライトのコンビネーション】

 間柴了は東邦ボクシングジム所属で、『はじめの一歩』のヒロインである間柴久美の実の兄。187センチの長いリーチを活かして遠距離から相手を狙い撃ち、じっくり残酷に調理するファイトスタイルから「死神」の異名で恐れられる一歩のライバルのひとりである。
 幕ノ内一歩とは同期でプロテストを受験したが、そのときからすでに容赦ないラッシュで対戦相手を滅多打ちにする凶悪なラフファイトを得意としていた。

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 そんな間柴の十八番がデトロイトスタイルから打ち出されるフリッカージャブとチョッピングライトのコンビネーションだ。これは、史上初の5階級制覇を成し遂げ、1980年代のボクシングシーンをけん引したアメリカのトーマス・ハーンズが得意としていたテクニックである。だらりと下げた左腕からしなるように繰り出されるフリッカージャブは、ストレートジャブに比べてパンチの出どころがつかみにくい。
 間柴は、距離感のつかみにくいフリッカージャブで相手をコントールし、試合の主導権を握る。そして、「チョッピングライト」と呼ばれる「打ち下ろしの右」で、その意識を刈り取るのだ! まさに「死神」という異名を表すファイトスタイル。ある種の恐怖を与える間柴は、一歩のライバルの中でも、かなり強烈な印象を読者に残しているだろう。

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【間柴’sベストバウト VS.宮田一郎】

 間柴といえば、宮田一郎との悪夢の一戦を取り上げないわけにはいかないだろう。間柴が宮田と初めて出会ったのは、まだプロテストを受ける前のことだった。そのときの両者の印象は最悪。ジムの先輩を「二流」呼ばわりする間柴に対して、宮田は苦言を呈する。しかし間柴は「ボクシングは結果が全て」「勝った者が全てを独り占めできる」と弱肉強食の哲学を披露し、あまつさえ宮田の父親を愚弄する挑発までかますのである。
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 間柴のこういった発言の裏には、両親を早くに亡くし、世間から疎外され、鬱屈した感情をため込まざるを得なかった境遇がある。一歩とはまた違った意味で、ボクシングエリートの宮田と正反対の人物なのだ。
 そんな彼らが再び相見えたのは、東日本新人王フェザー級準決勝。一歩との再戦を目指して気合十分な宮田に対して、間柴は育ちの良い「ボンボン」への怨恨を隠さない。まさに光と影の対決であり、その気質の違いが勝敗の行方にも影響を及ぼすことになる。

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 試合序盤からハイレベルな攻防を繰り広げ、両者の実力は拮抗しているように思われた。間柴の予想外に伸びてくるフリッカージャブに、宮田は手を焼き攻めあぐねていた。だが、ここで宮田のボクシングセンスが光り、間柴の姿を模したようなデトロイトスタイルを取った宮田は、フリッカーをショルダーブロックで跳ねのけ、そのままカウンターの一閃を放った。間柴はダウンを奪われ、その後のゲームメイクも宮田に圧倒的な実力差を見せつけられる。間柴の反撃はことごとく返り討ちにあってしまうのである。

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 ここで、勝負はもう決まったかのように見えていた。しかし、勝利への執念を燃やす間柴は、キレイな勝ち方へのこだわりは持っていない。負ければ全てを失ってしまうのだ。間柴はなりふりかまってなどいられない。間柴は、瞳をギラつかせて宮田の足を思い切り踏みつける。宮田が体勢を崩した隙を狙い、渾身の右ストレートをお見舞いし、猛烈な勢いで襲いかかる――!

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 反則も辞さない覚悟。これが間柴の恐ろしさだ。フットワークを使えなくなった宮田は翼をもがれた鳥である。ほとんどサンドバッグになった宮田に、間柴は執拗なボディブローでダメージを与えていく。
 虫の息だと思われたが、それでも向かってくる宮田の気迫に恐怖した間柴は、少しずつ後退を余儀なくされ、耐えきれなくなったかのようにテレフォンパンチを振り回す。宮田は最後の力を振り絞り、カウンターを繰り出すかと思われたが、彼はすでに力尽きていた。こうして間柴は、決勝戦へと進み、一歩と対決することになる――。

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 この試合で間柴が勝利したことにより、宮田と一歩の対戦は無くなり、未だに実現していない。この宮田VS.間柴戦は、『はじめの一歩』という作品の「今後」を決定づける重要すぎる一戦だったといえるだろう。

 

間柴VS.宮田は【Round 66】~をチェック!

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●浪速の狂犬! 野生の剛腕を誇る男・千堂武

【千堂の武器:爽快スマッシュ!】

 千堂は、「浪速の虎」「浪速のロッキー」の異名を持つ、なにわ拳闘会所属のフェザー級プロボクサー。一歩と並んで、一撃で試合をひっくり返すほどのハードパンチャーであり、まさに正真正銘の好敵手――「ライバル」と呼ぶにふさわしい選手だ。

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 間柴と同じく、千堂にも過去の深い傷がある。父子家庭で育った千堂は、実は5歳のときに父親まで失っている。消防士だった父親は、火災現場に取り残された子どもの命を救い、そのまま帰らぬ人となっていたのだ。
 それから祖母に引き取られた千堂は「父親のように強くなる」ことを心に決め、仲間やクラスメイトを守るためにどんな敵にも立ち向かった。その結果、喧嘩無敵の不良番長に成長。いつしか当初の目的を忘れ、「強者」を求めて喧嘩に明け暮れる日々を送るようになっていた。
 そんなときに出会ったのがボクシングだった。以降、千堂は「強さ」を求めてリングの上で剛腕を振るうようになったのだ。

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 そんな彼にはふたつの武器がある。ひとつは、幼少期から培われた、類まれなるカリスマ性だ。彼の地元で開催される試合では、つねに大勢の応援団が駆けつける。その声援は相手選手へのプレッシャーとなり、千堂の勝利を後押しする。

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 そして、もうひとつは、千堂必殺の一撃・スマッシュ。スマッシュはフックとアッパーの中間に当たる位置から放たれる左ブロー。ドノバン・レーザー・ラドックというカナダ出身のヘビー級ボクサーの代名詞ともいえるパンチだ。ラドックはフィニッシュブローにスマッシュを用いて試合でKOを量産していった。
 千堂はそんな通常のスマッシュに加えて、改良型や右のスマッシュも習得。威力抜群な通常の強打だけでも恐ろしいのだが、彼はさらにいくつものスマッシュを身につけ、驚異的な打撃力を誇るハードパンチャーとして大成していくのである。

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【千堂’sベストバウト VS.ヴォルグ・ザンギエフ】

 全日本新人王決定戦、フェザー級王座タイトルマッチと二度にわたる一歩と千堂の壮絶な闘いは、『はじめの一歩』史上に輝く名勝負であるが、一歩と並んで千堂と互角以上の「どつきあい」を展開した選手に音羽ジムに所属するヴォルグ・ザンギエフがいる。
 アマチュア世界王者として無類のテクニックを誇るヴォルグは、もともと暴力を好まない温厚な性格の持ち主だ。しかし、体を壊した母の治療費を稼ぐため、アマチュアからプロに転向し、「ホワイトファング」と名付けられた超高速の上下コンビネーションを武器に、日本プロボクシング界に飛び込んできたのである。
 そうした来歴を持つヴォルグであるが、千堂と同じく一歩に敗北を喫している。しかし、ふたりとも「努力」と「勇気」で真っ向勝負をかける一歩のファイトスタイルに鼓舞され、彼との再戦を目指している。一歩との闘いを通じて成長していくふたりは、一歩の良きライバルであり、本作を代表するスター選手なのだ。

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 そんな千堂とヴォルグが日本フェザー級チャンピオンの座を巡って激突するこの試合、これが盛り上がらないわけがない。
 一撃必倒のハードパンチャーであるふたり。まずは様子見かと思いきや、序盤から互いに大技を繰り出し、両者一歩も引かない展開。千堂は身の毛もよだつような拳の破壊力を見せつけ、ヴォルグもまた多彩なコンビネーションで千堂を追い詰める――!!

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 しかし、両者の均衡が崩れるのは意外と早かった。第2ラウンドに入っても、攻めの姿勢を崩さないヴォルグ。超至近距離の「どつきあい」は千堂のもっとも得意とするスタイルだが、あまりに洗練されたヴォルグの技術で、コーナーにくぎ付けとなった千堂はラッシュを浴びる。
 第6ラウンド、ヴォルグの猛攻を前に千堂は痛烈なダウンを奪われる。だが一方で、並の選手であれば一発で悶絶する千堂のボディーブローを打ち込まれてきたヴォルグも、足の踏ん張りが利かなくなっていた。それを好機と捉えた千堂は、ボディに一発、そこから右のスマッシュを放つ。虎の牙がヴォルグに深々と突き刺さる――!

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 しかし、ヴォルグはボクシングの楽しさを教えてくれた一歩と再戦するため、祖国での帰りを待つ母親のために、不屈の闘志で立ち上がった。
 勝敗の行方はファイナルラウンドに持ち越されることに。互いのファイトを讃え、拳を合わせるふたり。そして、試合終了のゴングが鳴り響く――。

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千堂VS.ヴォルグ・ザンギエフは【Round 199】~をチェック!

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文/ライターT


『はじめの一歩』無料公開期間は2月7日まで!
本企画では紹介しきれなかった見どころがまだまだたくさんあります! この機会に思う存分、『はじめの一歩』を堪能してください!!

 

 

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