「マガポケ」で大好評連載中の中村なん先生の『いじめるヤバイ奴』。
本作は、中村先生の「いじめって嫌だな」という思いから生まれた作品。いじめをちょっと違った視点で描いた作品なんです。
『微妙に優しいいじめっ子』の男同士の友情も魅力的なのですが、いじめっ子仲島を取り巻く美少女たち(性格はめっちゃ怖いけど……)の動きにも目が離せない! 今回は白咲さん、青山さん、緑田さん、三者三様の乙女心に注目してみました。
やばいくらい怖いけど、愛ゆえの言動、ドン引きせずに受け止めてー!
・ドMでドSなヤバイ奴。鞭!の使い手白咲さん
仲島をどう思っているのかはわからない。でも、仲島にこだわり、なぜかストイックにいじめを強要する白咲さん。
過酷ないじめを喜んで受ける姿はドMですが、仲島への恐ろしい制裁はドSそのもの。鞭!鞭!鞭!で飼いならされている仲島は常に極度のストレスで戦々恐々。恐怖で支配されています。
どう見たって仲島にただただ苦痛を与えているだけなのですが、女子的にはこれも愛情だったりするんです!
気をひきたい、独占したい!
だから奇抜な言動をしちゃうし、恐怖政治もしちゃうの!
仲島に「いじめろ」と圧力をかけまくるのも、いつもいつも自分のことで頭一杯でいてほしい、私のこと以外なにも考えるな!っていう可愛い乙女心(なのかもしれません)。
こんな愛し方をされたら過労死してしまいそうですが、仲島がピンチのときは助けてくれる。そんな包容力も持ち合わせているのが白咲さん!
母性豊かな女性なのかなぁなんて。
“自分だけに傷ついてほしい”それが彼女の愛なのかも。
・飴!を操るロマンチスト青山さん
“私が仲島を守ってあげる”
白咲さんとは対照的に常に甘ーい飴を与えて仲島を取り込もうとする青山さん。
優しい言葉をかけ、美味しいごはんを甲斐甲斐しく作って、癒して……でもでも、裏では色んな企みがあったりするんだよなぁ。いわゆる、男を掌で転がすタイプですね!
でも、仲島の前では常に甘い顔なんだから男性にとっては理想的な女性ですよね。包容力も母性もはんぱないし。男性の前で女性らしくいることを心がける彼女は、運命とか結婚とかを妄信してしまうロマンチストな一面もあり。
素は白咲さんと張れるくらい強いので、「結婚しない」「好きじゃない」なんて言った日には木っ端微塵にブチ殺されそう……結婚後には豹変して夫をカーペットのように尻に敷く恐妻になったりするんじゃないかな……なんて個人的には心配。
完全には手に入らないというくらいの距離感で付き合っているうちは最高に幸せになれそうな相手です。
・「同情するなら愛をくれ!」悲劇のヒロイン緑田さん
仲島に守ってもらいたいがために、いじめられているふりをするという、こちらもかなりのこじらせ女子の緑田さん。きっと彼女は守られたい願望、お姫様願望が強い女子なんじゃないかな。か弱い私をナイト様仲島が守るみたいなのがとっても気持ちいいんでしょうね。
女としては、いやいや、同情と愛情は違うから……! と突っ込みたくなりますが、このタイプ、意外と男性は弱い気が。
だって、ヒーロー願望、くすぐられちゃうでしょ?
可哀想だったり、心配だったりすると正義感がうずくでしょ?
そんなこんなんでほっとけないやつポジションから積み上げて、恋人ポジションにスライド……なんてことを彼女は狙っているのかもしれません。
守ってもらいたい願望が強い彼女ですが、仲島を守りたい願望もすごく強いんですよね。彼のためなら危険な行動もいとわないという強さがある、そこがただのか弱いキャラで男を転がす女子と一線を画していて、女の私も応援したくなったり。
お姫様ごっこは少々面倒かもしれませんが、全力で尽くしてくれるので、一途に尽くされたい男性にとってはいい彼女になりそうです。
エキセントリック、でも想いは本物
3人ともかなりエキセントリックな愛情表現ですが、その想いは本気そのもの。
惚れさせたてちやほやされたいなんていう表面的な愛情じゃなく、「彼を守りたい!という強い想いが伝わってきますよね。バチバチと仲島を取り合う姿はホラーですが、なんだかんだ健気に仲島に尽くすところがやっぱり可愛らしい……
この可愛さ、男性陣にも伝わってますか? 女って愛が大きければ大きいほど怖かったりしちゃうんです!
あなたの彼女も裏では結構すごかったり……?
(城山ちょこ/ライター)
本女卒。元大手損保丸の内OL。その後広告代理店を経て、ライターの道へ。
大学時代は美学を専攻。モテについて徹底的に学ぶ。
Googirl、ハウコレ、yahoo!ライフマガジンなど多数媒体にて執筆。
現在、美を磨くべくヨガインストラクターライセンスRYT200取得中。