マガポケベースマガポケの秘密基地! ここだけで読める面白記事あります!

【第108回新人漫画賞締め切り直前特別企画】〜漫画家を目指すキミに贈る〜漫画家への花道 第2弾『ブルーロック』金城宗幸先生が新人漫画家の悩みを解決!

f:id:magazine_pocket:20220323185707j:plain

今回は、第108回新人漫画賞締め切り直前特別企画の漫画家先生へのインタビュー「漫画家への花道」第2弾を大公開! 『ブルーロック』の金城宗幸先生が新人漫画家の悩みを解決しちゃいます!

 

ネーム原作のプロフェッショナル金城宗幸先生に聞く!
読者の心を摑んで離さないネーム作りの極意!!

 

f:id:magazine_pocket:20220323185720p:plain3号連続インタビューの2人目は金城宗幸先生! アニメ公開も控えており、今最もノリに乗っているサッカー漫画『ブルーロック』。現在進行形で読者を熱狂させ続ける金城先生に、新人作家たちが抱くギモンをブツけちゃいました!

 

金城宗幸先生Profile
大阪府出身。第80回新人漫画賞特別奨励賞受賞。2011年に『神さまの言うとおり』(ART/藤村緋二)で原作者デビュー。その後、『僕たちがやりました』(漫画/荒木光)などの連載を経て、現在は週刊少年マガジンにて『ブルーロック』(漫画/ノ村優介)を連載中。

 

●極意その壱
組む漫画家さんの強みを引き出す構図に

新人漫画家からのギモン①
コマ割りや構図を決める際に意識していることは?

 

原作者なのでコマ割りや構図は組む漫画家さんのことを意識します。「この人だったらこういう絵が来るだろうからこういうコマ割りにしよう」とか、「このキャラのこんな表情が入ると画面が映えそう」などと考えます。その人の最高の絵を引き出すようなイメージですね。作画の方があって初めて僕の仕事が成り立ちますから。自分の予想を遥かに超えるような絵が上がって来た時が、原作者として一番面白さを感じる瞬間です。
 『ブルーロック』のノ村先生の場合、顔アップの絵はもちろんですが、一番の魅力は動きのある絵にあると感じています。そのため動画的な構図を増やすことが多いですね。そもそも僕がノ村先生と組みたいと思ったのは、過去作を拝見していて「地面に足が付いている」漫画だと感じたからです。たとえ画面に足が映っていなくても、地面に足が付いているかを意識して描かれているため、キャラがどう立っているかがわかります。つまりキャラの体幹がしっかり描けているということなんです。これは動画的に見せる必要のあるスポーツ漫画やアクション漫画においては、欠かすことのできない絵の特徴だと思っています。

 

f:id:magazine_pocket:20220323185741p:plain

▲「地面に足が付いている」と分析するノ村先生の絵。足元は見えないがキャラがどう立っているかがイメージできる。

 

――コマ割りが上手くなるにはどうしたらいいですか?

 

 コマ割りの上達はかなり感覚的な部分が大きいかもしれませんが、他の漫画を読む時に「自分はなぜこのコマ割りを気持ちいいと感じたんだろう」と考えてみるのが効果的かもしれません。たとえば僕が最近印象深かったのは、新連載『ガチアクタ』1話の見開きのコマ割りです。地平線の暗闇をコマ線にする表現は面白かったですし、とても気持ちよかったです。『このマンガがすごい!』があるなら『このコマ割りがすごい!』も開催してほしいですね(笑)。もちろんコマ割りの気持ちよさが必ずしも読みやすさに繫がらないのが、漫画の難しいところではありますが。

 

f:id:magazine_pocket:20220323185804p:plain

▲金城先生が思わず唸った『ガチアクタ』1話のコマ割り。

 

●極意その弐
キャラの方程式は「こんなやついるよね」×「こんなやついるか?」

新人漫画家からのギモン②
魅力的なキャラ作りのコツは?


――『ブルーロック』のキャラは個性的で魅力に溢れています。キャラを作る上で意識されていることはありますか?


 やっぱり組んでくださる作家さんの力が大きいです。たとえば馬狼なんてノ村先生と組んでなかったら、あんなに特徴的なキャラにはなっていなかったはずです。ノ村先生がとても面白がってくれたおかげでこちらもどんどん乗れたというか。ですのでネーム原作の場合は、描いてくださる作家さんが面白がってくれているキャラを膨らますことが魅力的なキャラを作る一番の近道だと思います。

 

――なるほど。他に意識されていることはありますか?


 「こんなヤツいるよね」と「こんなヤツいるか?」を混在させることですね。まずスタートは「こんなヤツいるよね」からです。「こういうヤツって嫌い」「こういうヤツ好きだな」と、誰もが共感できるような側面を見せます。その上で「こんなヤツいるか?」という要素を足していきます。読者にそのキャラを好きになってもらいたい場合は、そのキャラに「こうだったらいいのにな」というような、今のキャラが持っていない理想部分を足すことで、「あるある」から「憧れ」へとキャラの印象を変化させます。逆に腹が立つようなキャラにしたい時は、そのキャラに「こうだったら最悪だよな」というような、「真逆の理想」にあたる要素を足していきます。
 たとえば主人公である潔の場合、「あのときシュートしていたら運命変わってたかなぁ」と試合に負けた直後にタラレバを考えたり、有名な人に褒められて「俺って結構すげぇんじゃね?」と素直に喜んだりと、初登場シーンでは「こんなヤツいるいる」と思えるような普通の少年として映ると思います。けれどもそんなごく普通の少年が、読者も含めて誰よりも先に「世界一になりたい‼」と本気で熱くなるんです。この部分がまさに「こんなヤツいるか?」に当たります。あるあるな主人公に「そんなヤツいないだろ」という一見ありえない理想的な要素を掛け合わせたことによって、一気にオリジナルな主人公へと変わって見えているのかなと思います。

 

f:id:magazine_pocket:20220323185837p:plain

▲等身大の高校生である潔が、誰よりも先に本気で“世界一”を志した瞬間、キャラの魅力度がグッと上がる。

 

――まず見せていくのは「あるある」的な部分からなんですね。


 魅力的なキャラを作るとなると、「こいつをすごいと思ってもらいたい」という気持ちがどうしても前に出すぎて、いきなり突拍子もない登場をさせがちですよね。最初はまず「どういうヤツか」を理解してもらうのが大事かなと。その上でズラしていくイメージです。
 もし最初からぶっ飛ばしたい場合は、逆のパターンで「わけのわからないヤツだけど、結局は皆と同じ人間だったんだ」と見せていくのが良いと思います。『ブルーロック』でいうと馬狼がまさにそうですね。初めこそ自分を王様呼びしているようなヤバくて変なヤツですが、実は多くの人が思ったことのあるような挫折感を味わったことで応援したくなるキャラへと見方が変わってくるのだと思います。

 

●極意その参
漫画には自分の体験をブツける!

新人漫画家からのギモン③
上手いセリフ回しはどうしたらできる?

 

――『ブルーロック』はパンチ力のあるセリフも魅力の一つですよね。印象的なセリフを考え出すコツなどはありますか?

 

 自分が読者として作品を読んでいると、上手いけれども作り物といいますか、「それはフィクションを読んで作ったセリフだよね」と感じてしまうことがたまにあります。ハッタリは漫画にとても大事ですが、それだけじゃ僕は面白いセリフは作れないです。
 なので自分の体験を漫画に込めています。
 たとえば、一生許したくないほどオカンとめちゃくちゃ喧嘩したとします。その時の感情を、バトル漫画を描く時に活かしてみるんです。ライバルと戦っている最中の主人公に当時の自分の感情を重ね合わせてみれば、きっと「なんでこんな言葉が出てくるの!?」と驚くような、魅力的なセリフを出すことができると思います。

 

●常に読者を面白がらせる意識を

新人漫画家からのギモン④
生まれ変わっても漫画家になりたい?

 

――是非とも正直なご意見を聞かせて下さい!

 

 絶対に嫌ですね(笑)。ネームを描きまくる人生は、この一回で満足するまでやるつもりなので。その意味では僕は原作者なので、絵まで全部自分でやる漫画家だったらやってみたいです。

 

――最後にプロを目指す新人漫画家さんへ一言お願いします!

 

 少し極端かもしれませんが、自分が面白いと思うものより人を面白がらせるものを描いてみてください。まずは自分で面白がれるのが前提だと思いますが、それ以上に「この作品で楽しませてやろう」という気持ちを持つことこそがプロなのではないかと僕は感じます。是非とも僕が読みたいと思えるような作品を描いてください!(笑)

 

――本日はお忙しい中、ありがとうございました!

 

 こちらこそ、ありがとうございました!

 

『ブルーロック』は週刊少年マガジンで大好評連載中!

 ▼1話無料試し読みはコチラから!

pocket.shonenmagazine.com

 

第108回新人漫画賞
特別審査委員長は金城宗幸先生&ノ村優介先生!!

締め切りは2022年3月31日必着! お忘れなく!!

f:id:magazine_pocket:20220315122433p:plain

 

ぜひ周りの人にも教えてあげてください!

感想をツイートする

 

▼過去の「漫画家への花道」はコチラ!

pocket.shonenmagazine.com

pocket.shonenmagazine.com

▼過去の新人漫画賞はコチラから!

pocket.shonenmagazine.com

pocket.shonenmagazine.com