家族を怪死事件で失った少年たちが協力して、巨大な謎に立ち向かうも――
なんとそこには「異形の生命体」が関わっていて……?
謎が謎を呼ぶジュブナイル・サスペンスが、マガポケで開幕しました!
それが『地球のこども』です!
次から次へと迫りくる息を呑むような展開……! いったいどんな巨大な陰謀が彼らの日常をむしばもうとしているのか……。一瞬たりとも目が離せません!
本記事では、そんな本作に登場する主人公の少年2人について、ご紹介したいと思います。
●『地球のこども』はこんなお話!
ある日、2人の男女が奇妙な死に方をした事件が起こりました。どうやら両名とも「線路上に頭を置いていた」らしく、「頭部が電車に轢かれて散乱していた」という共通点を持っていたのです……!
そして、亡くなった男性には弟がいました。その少年が本作の主人公のひとりである、臼井誠(うすい まこと)です。
彼らの家族仲は良好で、亡くなった兄の悟(さとる)も大学院に進学が決まっており、「分子細胞学」の研究室に配属予定という、とても優秀な人物だったのです。
しかし進学直後、その研究室の女性研究員・松本美代子(まつもと みよこ)と2人で謎の渡米をし、帰国後は別人のように凶暴になり、その挙句に自殺してしまったというのです……。
そして、女性研究員の息子というのが松本星一(まつもと せいいち)。本作のもうひとりの主人公です。星一によると、彼女の母も亡くなる前に精神に変調をきたしていたことがわかりました!
悟の葬式の最中、誠に声をかけた星一は、母親が「極秘の生物実験プロジェクト」に巻き込まれたのでは? と突拍子もないことを誠に伝えます。
もちろん、そう考えるのには理由があります。
その理由というのが、母親が最期に書き残したメモ書き。かろうじて読み取れるメモから、「SAI(サイ)」という未知の知的生命体の関与を疑っているのです。
そして星一は、同じ事件の遺族である誠に、「僕らの家族の死の真相を一緒につきとめないか?」と提案します。
こんな話、信じろという方が難しく思えますが――
誠には彼を信じる理由がありました。
なんと誠には、相手の感情や思考がランダムに文字化されて視えるという能力(共感覚の一種)があったのです。
星一はその能力のことを、母親から聞いて(兄の悟がよく彼の母親に話していたので)知っていたと言います。
こんな能力を持っているため、「極秘の生物実験プロジェクト」などという突拍子もない話を聞かされても、誠は全否定はできなかったのですね。
しかし、視えるからといって救えるわけではないという現実に誠は苦しんでいました……。その後悔と無力感から、星一の誘いを断ってしまうのですが――
失意の中で、兄の遺品……最期に使っていたリュックから、あるものを発見してしまいます。
それは――
小さい「何かの種」のようなもの。
しかし、顕微鏡で見たその種は……微かに動いている人面微生物!!?
そう……彼らの家族の死は、物語の序章に過ぎなかったのです!!!!
この謎の物質の発見を発端として、誠と星一は大きな事件に巻き込まれていくことになります……。
というわけで、ここからはこの物語の主役となる少年2人、臼井誠と松本星一について、さらに詳しく見ていきましょう!
●人とは違う“感覚”を持ち、感情的になりながらも壁を乗り越えようと前進する少年、臼井誠
本作の主人公のひとり、臼井誠。彼は前述のとおり、「人の心の一部が文字になって視える」という共感覚を持っています。
視えてしまうから達観してしまう面も多く、息子(誠の兄・悟)を亡くして叫ぶ両親を見ても、「策士なのか狂ってるのかわからない」と一歩距離を置いています。
そして同時に、視えたところで何もできないという無力感も抱えていました。
兄の悟が旅立つ直前、助けを求める彼の感情が視えていたのに引き留めることもできず、結果「世界で一番大切な人さえ守れなかった」という強い後悔に苦しんでいるのです。
「もううんざりなんだよ」と、自分の能力や無力さに苛まれている誠……。
しかし、事件をきっかけに共感覚の力を駆使し、自身も変化していくことになります!
例えば、星一とのビデオ通話のシーン。星一の前に現れ警察だと名乗った2人組の男を、共感覚の力でビデオ通話越しに不審者だと見抜き、星一のピンチを救いました!
また、追い打ちをかけるように両親を殺害された時も、犯人とされる人物の心の中を視て、それが真犯人ではないと気付いたのです!
めちゃくちゃチート能力だ、これ……!
また誠は、星一と一緒に行動することで感情を表に出すようになっていきます。お葬式の時の冷静で達観したような態度とはまるで真逆!
彼は「勝手に1人で悩んで 勝手に消えられんのは もううんざりだ!」と言っていますが、僕にはこれが「今度こそ守りたい」という気持ちの裏返しのように見えて、胸が締め付けられるんですよ……!
そして、最初はあきらめていた真実の追及を「絶対にあきらめない!」と――
そのためなら「なんだってやってやる!」と……!!!!
というわけで、なんだってやってもらいます。
調査のための女装だってね!!!!!
「何でだよ!?」と思いつつもちゃんと着ているあたりに生真面目さがうかがえますね(しかもかわいい)。
頭脳担当のはずの星一が、ちょっと天然ボケっぽい言動をとることが多いため、ツッコミ役に回るのも誠の役目なんです(笑)。
しかし、緊張の糸が切れて眠ってしまった際は、亡くした家族を想って涙する姿も……。本当に、突如襲い掛かってきたつらい出来事の数々を、よく乗り越えているなと思わされますよ(泣)。
共感覚という能力の駆使、一歩引いた洞察力、少年らしい感情の発露、大切な人を守る覚悟、突然の女装、星一へのツッコミなどなど、いろいろな顔を見せてくれる主人公。それが誠なのです!
真実を「全部暴いてやる」と覚悟を決めた誠の今後を、手に汗握りつつ見守っていきましょう!
●胸の内に秘めるものとは―― ポジティブで行動力のあるムードメーカー、松本星一
誠の相棒となるもうひとりの主人公が黒髪の少年・松本星一。よくしゃべり、よく表情が変化する、社交的な少年です。
その性格は、研究者である母親・松本美代子と似ており、「純粋で好奇心旺盛、目的のためならどこまでも追う」のが特徴!
誠に声をかけたのも、母の死の真実を追求したいから。
「死んでしまった後にあれこれ嗅ぎまわっても無駄だ」という誠に対して、「肉体だけが人の価値じゃない」と冷静に説得の言葉をかけているように見えますが、その本心には「さみしい」「会いたい」という母への愛が詰まっていたのです……(泣)。
そんな星一の特徴は、用意していたかのような機転の良さ。そして、類稀なる行動力(実行力)でしょう!
前述した、星一の自宅に警察を名乗る不審者が訪れた場面。このときに星一がビデオ通話に切り替えたのは、誠の共感覚で相手の正体を探ってもらうためでした!
この機転の良さで、星一は敵(?)の手から一時逃れることができました。
また、謎の集団に追われて、銃口を突きつけられた際も――
渾身の頭突きで応戦!!?
す、すごいけど絶対に危ない……! 普通の少年とは思えない胆力の持ち主です……!
星一はこの襲撃を受けて、謎の集団はすでに警察の内部に入り込んでいるかもしれない……ということまで推測します。
そんな危機的状況だとわかると、「命をかけるのは僕だけでいい」と、誠を巻き込まないようにする配慮から彼の優しさが垣間見えますね……
共感覚により内に抱え込みがちな誠に代わって、星一は物事をポジティブに解釈する思考と明るさを持ち合わせているよき相棒(パートナー)なんです!
ちなみに、誠に女装させた姿を「美しく妖艶で儚げな顔」だと思っているようで……。本気で言っているのであれば質が悪いかもしれません(笑)。
また、ネットカフェに避難した時は、ドリンクの種類に大興奮して誠に殴られるという少年らしさも発揮!
誠が苦労人にならざるを得ない感じもありますが、陰鬱な事件の捜査において貴重なムードメーカーです!
しかし、本来の彼の心の内には、母親を亡くした悲しみに人知れず涙することもあったようで……。
そのことを知って「素直じゃないなー」と思う誠の気持ち、非常によくわかります!
いま信じられるのはお互いだけというこの状況……。この恐ろしい怪事件がすべて解決し、2人が普通の男子高校生に戻れる日が来るのでしょうか?
しかし、怪事件に関わる異形の生命体「SAI」を研究する謎の組織の描写も出てきて、彼らが真実に到達するのは、まだまだ先になりそうな予感……!
この恐ろしい事件に身内を巻き込まないため、たった2人で家族の死の真相を追うことになる誠と星一。
謎すぎる組織の恐ろしさに、今から身震いしてしまいますが……この2人ならきっと乗り越えていける……! そう信じて、この先の展開を見守りたいと思います!!
彼らの今後は、ぜひマガポケで連載中の『地球のこども』でチェックしてみてください!
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