週刊少年マガジンに掲載された
漫画家(プロ)への花道を特別に大公開!!
今回は、2018年15号に掲載された特別企画をお届けします!
誰だって
最初は新人だった。
さぁ、プロへの道を
走り出せ!!
真島ヒロ先生
特別インタビュー前編
真島ヒロ先生に直撃インタビュー!
ここだけの貴重な情報を
前編と後編に分けて、2回連続でお届け!!
前半は
デビューから21年目を迎えた
真島ヒロ先生に、
新人時代のお話を聞いてみた!!
1998年『MAGICIAN』で第60回新人漫画賞入選を受賞。同年にデビューを果たす。
2017年に『FAIRY TAIL』が完結。
現在は、週刊少年マガジンにて『EDENS ZERO(エデンズゼロ)』を連載中。
作家としての第一歩
ーープロへの第一歩は、編集部への〝持ち込み〟や新人賞への〝投稿〟から始まることが多いと思います。真島ヒロ先生が週刊少年マガジン編集部に持ち込みをされた当時の状況をお聞かせください。
真島先生(以下、真島):漫画を描くために上京して2年目、19歳の頃に持ち込みをしました。
その時に持ち込んだ先は週刊少年マガジン編集部だけだったのですが、それでもどこに持ち込みをするかは迷いましたね。
決め手はいくつかあって、その頃の週刊少年マガジンは勢いが凄かったということと、 新人賞の作品ページ数が自由だったというのが最終的に選ぶ大きな理由となりました。
ーー真島先生というと、『RAVE』や『FAIRY TAIL』といった、ファンタジー作品を描かれる印象があります。持ち込みをされた時の作品はどのようなものだったのでしょうか?
真島:その時の作品もファンタジー色のある漫画でした。
当時の週刊少年マガジンは不良やスポーツを題材にした硬派な作品が多かったんです。それだけに、僕の持ち込んだ作品は少し異色だったかもしれません。
ただ、珍しいからあえてファンタジーを持ち込んでみようという発想だったわけではなくて、まず自分の描きたいものがあり、その気持ちに正直に描いたものがファンタジー作品だったということです。
その結果としてですが、マガジンにファンタジーがあまりなかったので、売りになったのではないかとも思っていました。いわゆる隙間産業というやつですかね(笑)。
持ち込みが世界を広げる!
ーー持ち込みをされて、自身の原稿にコメントをもらった際の心境はいかがでしたか?
真島:自分の作品に対して、初めて真剣にこういう理由でここが面白くないと言ってくれる人に出会ったと感じました。
それまで友人などにも漫画を見せてはいたのですが、周囲の人たちは基本的に面白いとしか言ってくれないんですよね。
それに加えて、僕はそのころ専門学校に通っていたのですが、当時の先生にアドバイスをもらっても納得ができないこともあったんです。
それだけに初めてですかね、〝的確なアドバイスをもらえた〟という印象は今も残っています。
ーー持ち込みでもらったアドバイスで、今も覚えていることはありますか?
真島:全部覚えています。
線は綺麗に引こう。女の子は可愛く描こう。構成はしっかりしよう。定規は使おうとか。
色んなことを全部言われて、正直悔しかったです。
指摘されたことは全部正しかったのですが、それでも悔しくてたまらなくて。
言われたことを全部直して、すぐにまた持ち込みに行ったことを覚えています。
課題を見つけて対策を!
ーー持ち込みをされる以前、自身の作品で課題だと感じていた部分はありましたか?
真島:それがなかったんですよ。持ち込みするまでは自分の作品に自信がありましたから。ダメな部分なんてないと思っていた。
自分の欠点なんてわかっていなくて、持ち込みをしてアドバイスを受けたことで初めて自分の欠点が見えてきました。
その頃に担当編集からずっと言われていた課題は、 もっと絵をうまく描こうということでした。
特に「女の子が 可愛くないから、もっと可愛く描いて」って言われたのがすごく印象に残っていますね。
ーー可愛く描くようにと言われて、すぐに改善できるものではないと思います。課題を克服するために、どのような練習をされましたか?
真島:僕は自分が可愛いなと思う女の子のキャラを模写していました。
課題として言われる前から模写をしてはいたのですが、言われてからはより世間一般に可愛いと言われている女の子を練習するように意識しました。
新人さんで何が課題かが見えた際、それを克服する方法に迷ったら担当編集に聞くとしっかりアドバイスをもらえると思いますよ。ペンに慣れるためにもっとペンで描く機会を増やそうとか。
何をすればいいのか分からないという新人さんは、しっかり担当編集に聞いてみることをお勧めします。
ーー漫画を作る作業で一番好きなことは何ですか?
真島:ネームですね。ひたすらネームのことだけ考えていたいです。下書き描いている頃にはもう早く次のネーム描きたいって思ってます(笑)。
ーーもし現在の自分が、新人時代の自分にアドバイスを送れたら何を伝えたいですか?
真島:もう少し構図を頑張ればよかった、ということです。
色んなシーンを手癖で描いて楽をしている。特に意識しなければこう描いてしまうという構図が誰しもあるとは思います。これを減らそうと伝えたいです。
ーー新人時代から始まり今に至るまで、自分自身で変わったと思う箇所と変わっていないと思う箇所はありますか?
真島:変わったというと、体力は落ちました(笑)。昔はいくらでも徹夜できましたけど、今はそうはいかないです。
変わっていないことは、今でもヒット作を出したいと思っている所です。
描きたいことのために
読者を意識する!
ーー新人賞を意識して漫画を執筆されていた際に気をつけていたことをお聞かせください。
真島:読者の目線を意識したネームを作るということです。
特に盛り上がって来た場面での大ゴマ、いわゆる自分の一番見せたいシーンをどうすればより効果的に見せられるかということを意識していました。
新人さんにありがちなのが、自分の描きたい・見せたいシーンが先行しすぎてしまい、その前後との辻褄が合わないということ。
そのシーンに至るまでの導線、つまり読者が自然と見せ場のシーンに入り込んでくれる流れ作りがうまくできていなかったりするんです。
だから自分の描きたいシーンは伝わるけれども、そこまで読者の心が乗っていかない。
これは僕も当時の担当に言われたことです。
ーー当時の打ち合わせではどういったことを主に話されていたのでしょうか?
真島:作家さんによると思いますが、その時の僕は見せたいシーンが先にあって、そのシーンを描くためにお話を作りこんでいくというネームの作り方だったんです。
結果として、見せたいシーンを面白く描こうと考えるほど、読者の目線を意識することが重要なのだと実感していました。
〝読者の目線を意識する〟ということを前提に、「僕が見せたいシーンがあるからここはこう直そう」、「こういう展開があるとより大ゴマに向けて読者の気分が乗ってくるはず」、などの話をよくしていました。
読者がどう喜んでくれるか、どう驚いてくれるかを考えることが漫画作りの楽しみでもあるので、この時に身に付けた〝読者がどう見ているか〟という意識は、長く作家生活を続けてきた今でも変わらず守っています。
秘訣は愛と意地!?
ーー真島先生といえば速筆という印象があるのですが、安定したペースでお話を作っていける秘訣などはありますか?
真島:基本的なことかもしれませんが、打ち合わせの曜日を決めることですね。
どうしてもネームの内容で納得のいくものが思いつかないということもあると思います。それでも必ず定められた曜日にはネームをあげる。それだけは守っています。
あと、今日はここまでやろうと決めたことの、ちょっと先までやることが多いです。
今日10ページ上げれば明日楽になるぞって思うんですけど、10ページあげたときに、「あれ?もうちょっと頑張れば明日もっと楽になるぞ」って思えるのが好きなんです。それが積み重なって、気がついたら早く終わっていたりします。
ただ、正直早く描こうということはあまり意識していないんです。そもそも締め切りは守るものと、僕は思っていますから。
だって、僕は漫画が好きです。
学生時代は宿題とかあまり好きではなかったですけど、大人になってやる好きなことぐらい真面目にやらなくてどうすると。
その好きなものに対する意地が大事なのかなと思います。
(後編へ続く!)
新人賞の詳しい応募要項は
週刊少年マガジン
公式サイトをチェック!
(※この記事は週刊少年マガジン2018年15号に収録されたものです)
真島ヒロ先生の作品がWEBでも読める!
▼『EDENS ZERO』第1話
▼『FAIRY TAIL』第1話
▼「マガポケ」のDLはコチラから!
<App Store>iPhone/iPadの方
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(終わり)