週刊少年マガジンに掲載された
漫画家(プロ)への花道を特別に大公開!!
今回は、2018年16号に掲載された特別企画をお届けします!
キャラクター作りが苦手な君も、
今日からはもう大丈夫!
真島ヒロ先生に聞く!
「キャラクター作り」
の秘訣!!
特別インタビュー後編
真島ヒロ先生に直撃インタビュー第2弾!
『RAVE』や『FAIRY TAIL』といった作品を支える、魅力的な数多くのキャラクターたち。
読者に愛される「キャラクター作り」の秘訣を、真島ヒロ先生に聞きました!!
1998年『MAGICIAN』で第60回新人漫画賞入選を受賞。同年にデビューを果たす。
2017年に『FAIRY TAIL』が完結。
現在は、週刊少年マガジンにて『EDENS ZERO(エデンズゼロ)』を連載中。
〝映える絵〟を意識せよ!
ーー真島先生の作品には豊富な種類のキャラクターが登場しますが、外見などのデザインで気をつけていることはありますか?
真島先生(以下、真島):メインキャラクターについては、特にシルエットで分かるように気をつけています。
例えばキャラクターをマベタ、髪から服から肌から全て黒くしたときに、そのキャラクターであるとわかるようなデザインを心掛けています。
『FAIRY TAIL』のナツだと、マフラーが特徴ですね。ナツは動き回る、アクションをするキャラクターだと決めてあったので、何かなびく物があれば、そうした際に絵が映えるだろうなと思ってデザインしました。
ルーシィは作品が長く続いたので服装や髪 型も色々と変化はしましたが、最初は当時にそこまでなかったサイドポニーという髪型にしました。珍しいかなと思いまして。
ーーキャラクターはシルエットから考え始めるということでしょうか?
真島:いえ、シルエットは最後の調整です。
まずは物語上の立ち位置や、こういう設定のキャラクターがほしいなどから考え始めます。
ただデザインが先にあって思いつくキャラクターも多いです。
思いついたキャラクターを描いている落書き帳みたいなのがあるのですが、その中のキャラクターは大体絵が先にあるんですよ。そのキャラクターからちょっと面白そうだなと思うやつを使ってみたりしています。
漫画だけが全てじゃない
ーー新人作家さんだとキャラクターのデザインが苦手で、似たキャラクターばかりになってしまう人もいると思います。真島先生のように多彩なアイディアを思いつくには、どうすればいいのでしょうか?
真島:作品の内容ごとに設定が違えば、新人さんは同じようなデザインのキャラクターになってもいいと思います。それぞれ、「自分の中での主人公像はこれ!」という強いイメージがあるはずなので。
しかし、もしキャラクターの種類を増やしたいのでしたら、色々なメディアに手を出してみることをお勧めします。
漫画だけでなく、小説、映画、ゲームなど、感性を刺激してくれるものは多くあるはずなので、まずはそういったものに触れるようにしてみるべきだと思います。
また、それだけでなく、現実で友人と遊んだり、人と会うなどの社会経験も重要です。
個人的な印象ではありますが、今の新人作家さんは漫画だけが好きという人が多い気がします。それも、自分の好きなジャンルの作品だけ読んでしまう人。
それが悪いことであるとは言いませんが、せっかくなので漫画以外で様々な体験をしてみてほしいです。そこから色んなキャラクターが生まれてくるはずですから。
勘違いしないでほしいのは、漫画をしっかり読んだうえでの話ということですよ。
ーー真島先生は漫画を多く読まれていたのですか?
真島:デビュー前はかなり読んでいました。
それこそ少年漫画だけでなく、青年向けから成人向け、少女漫画まで。漫画が好きでしたからね。だから漫画家になったわけですし。
デビューしてからは読む全体量は減りましたが、代わりに研究目的で読む漫画が増えました。手塚治虫先生の作品とか、いわゆる古典と言えるものです。
先ほど漫画以外のメディアに触れることをお勧めしましたが、やはり漫画の構成や演出などは、漫画を読むことでしか学べません。
だからこそ、新人作家さんたちには漫画をよく読むことで漫画的感性を養うと同時に、様々なメディアに触れることでアイディアの幅を広げていってほしいです。
ーー真島先生が影響を受けた映画を一つお聞かせください。
真島:『ブレイブハート』です。当時映画を見た際の映像美や、主人公の強い意志は、僕の作品に受け継がれていると思います。※1995年公開のメル・ギブソン主演監督映画
ーー真島先生が『FAIRY TAIL』でお気に入りのキャラクターをお聞かせください。
真島:たくさんいますが、エルザは印象深いですね。
最初に登場した時はあまり設定も固まっていなかったのですが、物語が進むにつれ、自分の想像以上に成長してくれて、作品でも屈指の人気キャラクターになってくれました。
シーンでいうと、「天狼島編」ですかね。敵が現れて、仲間と一緒に協力してそいつと戦う。『FAIRY TAIL』という作品を象徴するものだったと思います。
キャラクターの魅力は絵だけにあらず!
ーー『FAIRY TAIL』の第1話を参考にお話をお聞きしたいです。主人公を好きになってもらうために、お話の構成で意識したことはありますか?
真島:主人公に弱点を作ることです。「何だかダメな奴だな」と読者が思った主人公が、最後にビシッと決める。
これは少年漫画としてよくある構成ですから、僕が説明するのも恥ずかしいんですけど、主人公をカッコよく描く鉄板なので、新人作家さんも真似してみると良いと思います。
ナツの場合だと、乗り物に弱いという描写から始まるというのが、まさにその弱点としてわかりやすい例です。
ーー後半の展開でクライマックスが迫ると、大ゴマや見開きが増えていきます。そうしたコマを描くにあたって気をつけていることはありますか?
真島:キャラクターの力強い目が、読者の方へと向くように気をつけています。
〝読者目線〟とよく言うんですけど、キャラクターが読者の方を力強い目で見ていると、惹きこまれるものがあるのではないかと思うんです。少なくとも僕は、少年漫画というのは主人公の顔あってのものだと思っています。
背中で語るっていうのは、脇役であったり青年漫画であったりでやるものかなと。
そのため、構図でも主人公の顔や目が見えるようにということは気をつけています。
ーー真島先生の作品は主人公だけでなく、ライバルやヒロイン、敵など魅力的なキャラクターが多いです。そうしたキャラクターたちを描く上で意識していることはありますか?
真島:まず、僕はヒロインというものはビジュアル重視だと考えています。
もちろん性格も大事なのですが、いかにパッと見で読者の目を引けるかということを意識していますね。
可愛かったりセクシーだったり、そういった魅力を意識して、誌面に載ったときに読者がパッと目を止め てくれるような女の子を描けると良いなと思っています。
悪役に関しては、読者が主人公たちに「こいつらを早くこらしめてやってくれ!」と思うような悪役が理想だと考えています。
ライバルに関してはよくある考え方ですが、主人公とは正反対にすることですね。主人公が努力型だったら天才型にする。
『FAIRY TAIL』だとナツが炎だったので、グレイは氷にしました。シンプルではありますが、主人公との対比としては重要な事だと思います。
求む! 少年漫画!!
ーー特別審査委員長として、マガジンを目指す新人作家さんに対して、どういった作品を期待していますか?
真島:やっぱり熱い作品ですね。前に特別審査委員長をしたときにも思ったのですが、最近はオシャレな作品が多いです。
そういった作品はもちろん大歓迎ですけど、せっかく「週刊少年マガジン」の賞で記念となる第100回ですし、熱い話を期待しています。
それも今の自分が満足する作品ではなく、中学生だったころの自分が満足できる、ワクワクする作品が読みたいです。
最近の作品の傾向を見ていると、今だとむしろバリバリの少年漫画を描いてきたほうが逆に目立つかもしれないですね(笑)。
少年漫画の必須条件といえば、起承転結があり、主人公が成長すること。
ただし気をつけないといけないのは、その作品が決して独りよがりな内容にならないことです。
新人賞に関しては、自分の描きたいものだけ描きましたという漫画が多い。
だからそういう描きたいシーンや展開を、どうすれば読者に楽しんでもらえるかを計算してみてほしいです。
熱い作品を期待していると言いましたが、自分の熱さをただ押しつけられただけでは、読者も楽しくありません。こういう風にすれば読者も熱くなってくれるだろうって考えられるようになれれば、作家として一段階成長できると思います。
新人賞の詳しい応募要項は
週刊少年マガジン
公式サイトをチェック!
(※この記事は週刊少年マガジン2018年16号に収録されたものです)
真島ヒロ先生の作品がWEBでも読める!
▼『EDENS ZERO』第1話
▼『FAIRY TAIL』第1話
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(終わり)