週刊少年マガジンに掲載された
漫画家(プロ)への花道を特別に大公開!!
今回は、2016年17号に掲載された特別企画をお届けします!
真島ヒロ先生に全部聞いちゃいます!!
真島ヒロ先生のお悩み教室
〜漫画作りの疑問を
全て解消!!〜
今回は週刊少年マガジンで『FAIRY TAIL』を連載中(2016年当時。現在は『EDENS ZERO』を連載中)の真島ヒロ先生に、実際に新人賞に向けて今執筆中の新人作家さんから集めた質問に、お答え頂きました!!
読めば君のお悩みも解決されるはず。
絶対に見逃すな!!
98年、『MAGICIAN」で第60回新人漫画賞入選を受賞、同年にデビューを果たし、99年より『RAVE』を連載。その後、2006年から2017年まで『FAIRY TAIL』を連載。
現在は、週刊少年マガジンにて『EDENS ZERO(エデンズゼロ)』を連載中。
全21個、様々な質問に真島先生が
完全回答!!
項目ごとにドンドン紹介していくぞ!!
レッスン1
ストーリー&ネーム
〜ストーリー〜
Q1:新人賞に向けて読み切りを描いているのですが、ストーリーが何だか薄味になってしまいます。読み切りではどういう要素を一番意識したらいいですか?
真島先生(以下、真島):「キャラクター」です! 連載作品でも言えることなのですが、一度読んだらその読者の記憶に残るようなキャラクターを作ることが大事だと思います。
あと読み切りだと、見せ場となるシーンを最低でも一か所作ることも同じくらい大切ですね。
Q2:いつもお話が大きくなりすぎてしまい上手くまとめられません。ストーリーは、どういう順番で作っていけばよいのでしょうか?
真島:自分の場合は、見せ場となるシーンから決めます。
僕はそこをどう上手く見せるのか考えて、物語全体を演出していくようにしています。
自分が描きたいことも重要ですが、それよりも少し優先して「読者は何を見たいのか?」を考えることが大切ですね。
Q3:最近自分が描く物語に自信が持てなくなってきました……真島先生が少年漫画のお話を考える上で一番大切だと思うことを教えてください。
真島:これって、正解を出すのは難しい(笑)。
ただ僕が大切にしているのは、その物語の世界に行きたいと思えるような世界設定を作ることです。それはファンタジーに限らず、スポーツ漫画でも日常系の漫画でも。
例えば『FAIRY TAIL』の世界に読者の皆さんが来てみたいと思ってもらえるように作っています。
〜ネーム作成〜
Q4:よくネームに行き詰まってしまいます。ネームに悩んでいるようでは、漫画家デビューは厳しいでしょうか?
真島:僕も行き詰まることなんて多々ありますよ!
沢山悩んで面白いネームを作ってください。その努力が必ず君の糧になります。
全力で原稿描いて結果を待ちましょう!
Q5:ページ割りやコマ割りが苦手で、見せ場を描けている自信がありません。なにか真島先生が行っている工夫があったら教えてください。
真島:基本的なことですが、「めくり」(※1)若しくは 「見開き」(※2)に見せ場をドーンと持ってくることです。
あとそのシーンをより盛り上げるために、見せたいコマの前後のコマを小さくしてメリハリを付けるのも効果的ですよ。
※1「めくり」…ここでは右ページの1コマ目。
※2「見開き」…左右に2ページに渡って、描かれているページ。
〜キャラ設定〜
Q6:キャラを生み出す際に、設定をどこまで詳細に決め ればいいのかわかりません。真島先生はどうしていますか?
真島:意外と見切り発車が多いです(笑)。
大体決めているのはビジュアルと口調、性格、あとそのキャラの物語の中での役割。〝エルザ〟にやられる役とかね。
ただ物語が続くとそいつが全然違うキャラにやられたりしていて、自分でも予想してないことが起きる。
そういう風に物語の中でキャラたちが勝手に動き出すと、漫画はより一層面白くなりますよ。
Q7:キャラクターのデザインと設定どちらから決めればよいのか悩んでいます。真島先生はいつもどのように決めていますか?
真島:僕の場合はキャラごとに違います。
例えばウェンディはデザインが先なんですよ。
ある日スタッフさんから、『FAIRY TAIL』には小さい女の子が出てこないと言われてそれで描いてみようかなって。
逆にナツは設定が先だったりします。
どちらのやり方もありですし、キャラごとに色々と試してみてください。
Q8:敵キャラの描き方に迷っています。敵キャラを描く際、一番意識すべきポイントはどこなのでしょうか?
真島:強そうに描くということです。
雑魚キャラだからと言って弱そうな演出で描いちゃうと、主人公達がそいつを倒した時にあんまりカッコ良く見えないんです。
たまに困ったことに強くし過ぎちゃって、コイツどうやって倒せばいいんだって悩むこともありますね(笑)。
レッスン2
原稿
〜原稿作業〜
Q9:周りに漫画を描いている人がいなくて自分の執筆ペースが普通なのか遅いのかわかっていません。真島先生は原稿を1枚描くのにどれくらいの時間が掛かりますか?
真島:ページによって変わるので一概には言えないですが、仕上げを含めて全ての工程を一人でやると仮定すると、一枚当たり平均1〜2時間ですかね。
Q10:原稿を描く際、一番時間のかかる項目は何ですか?
真島:「背景」です! キャラに比べて線も多いですし、手を抜くとページが白い印象になってしまいます。
あとは単純にキャラが多いコマは時間かかりますね。
Q11:なかなかペンが進まず、賞に応募できていません。一挙2話や並行して月刊連載を行うなど真島先生は漫画家さんの中でも、速筆だと言われていますが秘訣を教えてください!
真島:僕、実はめちゃくちゃ速筆ってわけじゃないんですよ(笑)。予定を前倒して計画的にやっているんです。
皆さんも自分の立てた計画を常に上回るくらいのペースでドンドン原稿を描いてみてください。できたら賞に応募してみましょう!!
〜キャラクターデザイン〜
Q12:とにかく可愛い女の子が描きたいです。女性キャラクターを可愛く描くコツを教えてください!!
真島:とにかく女性を好きになることですね!! いや本当に、女性の顔とか体とかを好きになるのが一番の上達への近道です。
好きになればもっと可愛く描きたい、美しく描きたいと思えて、研究してコツを掴めるはずです。
一朝一夕では難しいですが、できれば相当の武器になるはずですよ!
Q13:私はキャラクターの衣装が上手く決められません。真島先生の行っている工夫を教えてください。
真島:実は『FAIRY TAIL』のナツがマフラーを付けている理由は、戦闘時などにマフラーがなびいている方が、より絵が映えるだろうなと思ったからなんです。
こういう風に描きたいシーンからヒントをもらうのもアリだと思います。
ちなみにちゃんとイグニールからもらったっていう、ストーリー上の理由もありますよ。
あと学園が舞台で皆同じ制服とかなら、全員の着こなしに異なる変化を付けてキャラを表す方法があるので試してみてください。
Q14:持ち込みに行った際にキャラの表情を努力してほしいと言われました、キャラクターの表情を上手く描くコツはありますか?
真島:僕はキャラクターごとの感情の変化を意識しながら描いています。
新人さんの中には、笑い顔ならこの表情、泣き顔ならあの表情と、感情ごとに全キャラ共通の表情が決まっている人が多いと感じています。
でも実際には、キャラ・シーンごとに喜怒哀楽の表情に違いがあるはずです。
もっと描くキャラの感情に寄り添ってみてください。
〜構図〜
Q15:ヒキの構図で、キャラが多くいるコマを描くときに上手に背景が入れられません。どうすれば自然な背景が描けますか?
真島:読者に一番見せたいものを決めて、それを最優先に考えて描くといいんじゃないでしょうか。
自然な背景にするコツは、キャラ一人一人のアイレベルを背景のアイレベルと揃えることです。
キャラと背景を別の紙に描いて、後から合わせるって裏ワザもありますよ。
⬆︎真島先生の技術が盛り込まれたイラストだ!!
Q16:コマ割りに悩んでいます。ページに何コマ入れるなど、真島先生の中にルールはありますか?
真島:今は感覚でやっています。でも大体6コマ前後になることが多いかな、それでも決まったルールってわけじゃないですが。
昔、僕も同じことが気になっていて、好きな漫画が毎週何コマで構成されているのか研究していたりしましたよ!
レッスン3
アイディア
〜アイディアの基礎〜
Q17:担当さんから、映画や小説など漫画以外のモノも見ろと言われました。真島先生は映画や小説、ゲームを漫画づくりの参考にすることはありますか?
真島:もちろんあります!
映画は今でも年に平均100本は見るようにしていますね。
小説も出来るだ選り好みせず、なんでも読むように心掛けています。小説は言葉を覚えるのにうってつけですからね。
さらにゲームで言うと面白いものに出会ったら、なんでそ れは面白いのかと考えるようにしています。
世界観やストーリーを拝借するわけではなく、楽しませる工夫や構造を参考にしたりします。
それこそテレビだって、異性とのデートもそうです、見るものやること「全て」が勉強になるはずです!
〜カッコイイとは〜
Q18:漠然としているのですが自分の漫画にはカッコよさが足りていないと感じています……。真島先生が思う漫画のカッコイイを一言で教えてください!
真島:僕の思うカッコイイは「強さ」です!
それは単に力が強いとかだけではなくて、思いであったり、絆であったり、色んなものの強さがカッコイイを形成していると思っています。
レッスン4
新人時代のススメ
〜デビューするために必要なこと〜
Q19:いつも画力があと一歩と言われるのですが、何をすればいいのか迷っています。新人時代に画力向上の為に取り組んでいたことを教えてください。
真島:とにかく模写です!
好きな漫画の1ページ丸々模写するってのをひたすらやっていました。
あと僕のオリジナルの練習法なのですが、自分が昔描いた絵、例えば新人賞に落ちてしまったものをセルフリメイクして描くこともやっていましたね。
前より俺上手く描けるぜって、自信にも繋がると思います!
画力向上は漫画家の永遠の課題なので、常に上を目指して頑張って下さい。
Q20:漫画作りの参考にするために、何か新しいことを始めようと思っています。真島先生は新人時代にこれはやっておいた方がいいと思うことは何ですか?
真島:多くの本を読んでおくことですね。特に漫画以外の活字を読んで下さい!
僕はこれをやってこなくて後悔したクチなので……。
漫画の小さな吹き出しの中、限られた文字数でどうやって読者を感動させるか、当然多くの言葉を知っている人の方が上手くできるはずです。
ぜひ色んな本と触れ合って見て下さい!!
Q21:今、マガジンで担当さんが付いてくれているのですが、ネームに自信がなく打ち合わせに行くべきか悩んでいます。真島さんは新人時代どれくらいの頻度で打ち合わせをしていましたか?
真島:やろうと決めてからは、週2回ペースで打ち合わせしていましたよ!
編集者さんも多くの新人さんを抱えているわけですし、やっぱ多く持って来てくれる人の方が印象もいいと思います。
新人時代に自分の漫画を最初から最後までしっかりと読んでくれるのは、編集者さんだけですから、ガンガン利用した方がいいですよ。
レッスン5
君への熱いエール!!
〜真島先生からの応援メッセージ〜
全力を原稿にぶつけてほしい。
今描いている目の前の原稿が、自分の将来を決めるかもしれないというくらい熱い気持ちで描いてほしい!
次があると思わずに取り組んで下さい。まぁ実際には次もあるのですが(笑)。
それくらい熱い気持ちで今持てる全力を出し切って下さい!!
(※この記事は週刊少年マガジン2016年17号に収録されたものです)
▼真島ヒロ先生の作品がWEBでも読める!
・『EDENS ZERO』第1話
・『FAIRY TAIL』第1話
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(終わり)