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マガポケチーフより新年のご挨拶

 新年あけましておめでとうございます。

 


 マガジンポケットチーフ、週刊少年マガジン編集部のハシモトです。

 

 

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(ハシモト近影) 

 

 2017年12月27日の18時ごろ、編集部で仕事をしていたら、マガポケベース責任者のニシジマに呼び止められ、

 

 

ニシジマ「あ、忘れてた。1月1日のブログはハシモトさんなんで。挨拶文お願いしますね」


僕「……うん? それ初耳なんだけど」

 

ニシジマ「ははは、そりゃ初めて言いましたからね。ははは」

 

僕(な、なんで笑ってるのこの人……)

 

ニシジマ「締め切りは12月31日18時です(笑)」

 

僕(え、マジでなんで笑ってるのこの人……)

 

ニシジマ「内容は……めっちゃ泣ける奴か、超笑える奴でお願いします! じゃ!」

 

僕(え、は????)

 

 

 という、会話をしました。

 

 

 中学生が想像する悪徳TVプロデューサーのような依頼の仕方に、「ニシジマは本当にプロの編集者なのか?」という疑問を抱いてしまったものの、冷静に考えれば年始のあいさつをチーフが行う、というのは極めて普通のことです。

 

 ということで、せっかくなので、僕から見たマガポケのことを書きます。

 


 

 2017年11月、マガポケは大リニューアルを行いました。もっとも大きな変化は「オリジナル新連載がたくさんはじまった」ことです。

 

 このリニューアルの背景にあったものとその後に見えてきたものについて、とっても乱暴に雑に簡単に、それ以上に正直に、書いてみようと思います。

 

 マガジンポケットは「マガジン、別マガを読むためのアプリ」として存在してきました。「3週間前のマガジン、そして2か月前の別マガの掲載作品の多くを無料で読むことができる」「定期購読すれば最新号のマガジンがお得に読める」さらに「好きな作品の最新話だけ買って読める」というのが特徴でした。

 

 無料マンガアプリは、2015年7月、マガポケのリリース当時からたくさん存在していましたし、その後さらに数を増やしていきました。

 

 しかしその中で「紙で発行されている雑誌をアプリで読む」ということを主眼に置き、オリジナルの連載も単行本のストア機能もほとんど持たないアプリは、マガポケの他にはなかったと思います。

 

 そういうすごく特殊なアプリが、多くの読者さんを抱えて2年以上も継続してこれたのは、ひとえにユーザーの皆さんの温かい声があってこそです。

 

 そしてそうした声をいただけたのは、やっぱり週マガと別マガの漫画が面白かったからなんだろうと思います。それぞれの連載作家のみなさんに改めて感謝いたします。

 

 ところで、2017年の1月にマガジン編集部では「マガジンSPECIAL」という増刊雑誌が休刊になりました。マガスペの略称で愛されたこの雑誌は、「新人作家さんの作品発表の場」として長く機能していました。

 

 ですからこの休刊は、担当作を持っていたイチ編集部員として、極めて忘れがたい痛恨事でした。

 

 同時期、電子書籍市場は相変わらずものすごいスピードで拡大を続けていました。

 

 2016年から2017年というのは、従来の「紙で売れている漫画が電子でも売れる」という形を覆す、「まず電子書籍で大ヒットした作品が、紙の市場でも売れはじめる」という成功例が数多く生まれ始めた時期でもあります。

 

 ひょっとすると10年後か20年後、「漫画の市場、求められている提供方法、そして漫画という文化そのものの在り方が大きく変わったのは、あの2016年、2017年だった」と言われる日が来るのではないか、という予感さえ抱きました。

 


 

 もうなんとなく結論は見えていると思いますが、つまりマガポケのリニューアルには、2つの意図がありました。ひとつは「電子媒体としてのマガポケのさらなる強化」、もうひとつは「新人作家さんの作品発表の場を確保すること」。

 

 結果として導き出された結論は、「マガポケでしか読めないオリジナル新連載をたくさんはじめる」でした。

 

「マガジンを読むためのアプリ」だったものを、そういう理由で今の形に変更しました。

 

 雑誌を読む、マガジンを読むだけではなく、ここから生まれてくる新しい漫画をひとりでも多くの人に読んでほしい、知ってほしい、という目的の改修です。

 

 マガポケのために作家さんが作ってくれたものを、ちゃんと多くの人に届くような形にしたかった。

 

 ただ、最大限の配慮はしたつもりだったのですが「マガジンだけ読みに来ている」という方にとっては、ひょっとしたら嬉しくない部分も多かったかもしれません。すみません。

 

 そんなこんなでリニューアルしてたった2か月です。

 

 何の結果も出ていないし、まだまだ改修も途上だし、やりたいことをすべて実現するにはもう少し時間がかかりそうですが、いま、強く思っていることがひとつだけあります。

 

 楽しい。

 

 新しい漫画が生まれてくる、というのは、想像以上に素敵なことでした。明日、マガポケから生まれる漫画が誰かの人生を変えるかもしれない。

 

 世紀の大ヒット漫画が生まれるかもしれない。そういうわくわく感がものすごい。

 

 新しい漫画が生まれてくる、新しい作家さんが漫画を描き始める。それが世の中に受け入れられていく。

 

 そうして先人が築いた土台の上で、また新しく誰かが漫画を描き始める。

 

 そういうサイクルで漫画界はずっと回ってきたのだと思います。

 

「マガポケ」は今回のリニューアルで、ようやくそのスタートラインにたどり着くことができました。2018年も多くの作家さんと一緒に、面白い漫画をたくさん掲載していきたいと思っています。

 

 そのためにはまず、作家さんたちが安心して漫画を描ける体制をさらに強化していくことが大切。

 

 現状でも頑張っている方だと思いつつ、原稿料、印税、その他の環境づくりなどにも、来年はよりいっそう力を入れていきます。

 

 そんなわけで。

 

 すでにはじまっているものも含めて、2018年、マガポケからはきっとあなたの人生を変える、価値観を変える、死ぬほど面白い漫画がばんばん生まれてきます。「あの漫画は俺が見出した」「私ははじめからあの漫画は面白いと思っていた」。そういう台詞をユーザーのみなさんが口々に言える場所であってほしい。

 

 新しい傑作の誕生と成長を、今日まで支えてくれたユーザーの皆さんと一緒に見守ること。それが2018年のマガポケの目標であり、これから先ずっと変わらない理想です。

 

 旧年中はたいへんお世話になりました。

 今年もどうか、よろしくお願いいたします。

 

 というわけで、泣けも笑えもしない挨拶ですが、ニシジマさん、こんなもんでひとつご勘弁を!

 

 

 

▼今年もマガポケをよろしくお願いいたします!▼

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