「イジらないで、長瀞さん」というマンガがある。マガポケで連載中のマンガだ。高校1年生の長瀞さんが2年生のセンパイに、羨ましいイジりをたくさんしてくる作品だ。自分の高校生活にも長瀞さんがいれば、と思ってしまう。
そんなマンガを読んでからというもの、長瀞さん、長瀞さんと想いを馳せ続けた結果、長瀞に行きたくなった。埼玉に長瀞町というものがあるのだ。そこで長瀞さんと長瀞に行こうと思う。
長瀞さん!!!
キラキラした高校生活と言われると何を浮かべるだろうか。まず間違いなく異性の存在は大切だろう。いや、それが全てだ。一緒に自転車を押して帰ったり、一緒に試験勉強をしたり、一緒に文化祭を回ったりするのだ。それがキラキラの高校生活だ。
ただ自分の高校時代を思い返すとそんなキラキラはなかった。異性どころか同性の友達もいなくて、休み時間になる度にレモン石鹸で手を洗っていた。文化祭は休んでいた。全くもってキラキラがなかったのだ。
そんな無キラキラだった私が出会ったマンガがマガポケで連載している「イジらないで、長瀞さん」だ。主人公の一人「センパイ」は美術部でキラキラとは程遠い高校生活を送っている。そこに登場するのが「長瀞さん」なのだ。
控えめなセンパイにガンガンに長瀞さんがちょっかいを出す。第12話のチクビ当てゲームは素晴らしかった。こういう女性が私の高校時代に出現して欲しかった。読んでいると薄暗い高校時代を取り戻したくなってくる。
長瀞さんと長瀞へ
私の失われたレモン石鹸で手を洗うしか思い出がない高校時代を取り戻すべく、埼玉県の長瀞に行くことにした。荒川の上流部なので綺麗な水が流れ、ライン下りが有名だ。行列のできるカキ氷屋さんがあり、秩父三社の一つである「宝登山神社」が鎮座している。
私の高校生活がキラキラしなかったのは私のせいではない。長瀞さんがいなかったからだ。センパイは美術部なのだけれど、私も美大に行くために絵を描いていた。メガネもかけている。共通点はたくさんあるのだ。違いは長瀞さんの有無だけなのだ。
長瀞さんと長瀞岩畳へとつながる道を歩く。お土産屋や食べ物屋さんが並ぶ通りだ。長瀞さんが先を歩き、「遅いよ」と私に言う。遅いよと文句を言いつつ、後ろを振り返り私のスピードを気にする感じが素晴らしい。
長瀞岩畳にはライン下りの船が並んでいる。乗る? と聞いたけれど、酔うからいいや、と長瀞さんが言った。本当は人が多いから、私との2人きりの時間を作りたかったからそう言っているのだ。大人になった今なら長瀞さんの気持ちがわかる。
長瀞岩畳を長瀞さんと一緒に歩くと、長瀞さんが立ち止まり綺麗な水を眺めた。私も立ち止まり近寄るとヒップアタックをされた。長瀞さんらしい。第7話でもセンパイに長瀞さんがヒップアタックをしていた。実はセンパイとは私のことなのかもしれない。
橋とロープウェイ
長瀞さんと長瀞を歩き、「荒川橋梁」の近くにやってきた。ここで電車が来るのを待った。この日は気温が35度を超える日だってけれど、長瀞さんは暑そうではなかった。私は暑かったけれど、それ以上に私と長瀞さんの仲は熱いのだ。
とても絵になる。控えめにピースをする私を長瀞さんは見て笑っている。初々しいデートだ。高校時代にできなかったことを、今しているのだ。制服を着てデート。一番憧れていた。幸せだ。たぶん長瀞さんも同じことを思っているだろう。
次は宝登山ロープウェイに乗りに行く。宝登山麓駅と宝登山頂駅を結ぶ5分ほどのロープウェイだ。山頂には宝登山神社の奥宮があり、動物園もあり、長瀞を見渡すこともできる。行かない手はないのだ。長瀞さんも行きたいなら行けば、と言っている。
山頂では宝登山神社の奥宮に行った。ここの狛犬が普通の狛犬ではないのだ。狛狼と言えばいいのだろうか、オオカミなのだ。この辺りはオオカミ信仰がある地域で、古くはニホンオオカミが住む地だった。
昼ごはんとカキ氷
ロープウェイで下山すると長瀞さんが「お腹減った!」というので、「ガーデンハウス有隣」で「炙り豚みそ重」を食べた。長瀞は豚みそが名物だそうだ。名物を前に一緒に自撮りをしてしまった。仲が深まってきたのではないだろうか。
食事が終わると長瀞駅前に戻り「ハート型」のせんべいを買った。私としては恥ずかしいのだけれど、長瀞さんが食べたいというので、買いに行ったのだ。買いに行かされたが正しいかもしれない。
一緒にハート型のせんべいを食べるのは恥ずかしかった。道行く人がすごい見てきた。きっと私と長瀞さんの仲良しっぷりを見ていたのだろう。羨ましいのではないだろうか。目を合わせないように見ていく感じが印象的だった。
駅前の観光案内所でモビトロなるものを借りた。超小型モビリティで、自動車よりコンパクトで電気で動く環境にも優しい2人乗りの車両だ。普通免許で運転することができる。センパイは未成年だけど私は三十路なので免許を持っている。
夏らしいカキ氷が来た。熱い日には最高の逸品だ。130年も続いている製氷会社で、フワフワのカキ氷に天然素材で無添加のシロップをかけて食べる。シロップも美味しいし、氷はフワフワだし、火照った体には最高だった。
カキ氷を食べ終わると最後は川辺に向かった。到着すると長瀞さんは水着に着替えた。持って来ていたのだ。私は持ってくるのを忘れた。でも、長瀞さんに水に入るよう指示されたので入った。そして、見つからないように長瀞さんの水着を眺めた。
なんて素晴らしい光景なのだろう。これぞキラキラの高校生活。くすんでいた高校時代の思い出が補完され輝きだした気がした。長瀞さんのおかげだ。ずっと一緒にいると本当にいる気がしてくる。いや、いるのだ、長瀞さんは。
イジらないで、長瀞さん
だんだんと長瀞さんとの距離は縮まり腕を組んだり、水着姿を見れたりした。マンガほどイジってはくれないのは、たぶん長瀞さんの照れだ。マンガでもセンパイ以外には冷たい印象だった。ただ若干のいじりはあった。今後に期待だ。
問題は三脚で撮影していたこと。本当の長瀞さん現れないかな!!! 現れて!!!!
俺もう32歳だけど、待っています!
撮影場所:
長瀞駅
長瀞岩畳
月の石もみじ公園
宝登山ロープウェイ
ガーデンハウス有隣
まるぶつ
阿佐美冷蔵金崎本店
(地主恵亮)
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