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【騙されたと思って1本!!】「別マガ」ムービーガイド 『クレイターズシンクス』田中レオン先生&とらほたて先生が選んだムービー編

名作・駄作・カルト作。アクション・SF・ラブコメディ。映画はいろいろあるけれど、まだ観てない映画をもう1本。今回の推薦者は「別マガ」2月号の新連載&巻頭カラー『クレイターズシンクス』の田中レオン先生ととらほたて先生。持ち込み原稿が即連載化という驚きの学生コンビ作家が選んだ映画とは⁉ 編集部オススメの作品もおもしろいのでチェックしてみてね!

 

●TITLE『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』
ジョニー・デップの魅力炸裂!

 今回の推薦者は、彗星の如く別マガに登場した新人コンビ作家、田中レオン先生(原作)ととらほたて先生(漫画)だ! 今月号の巻頭カラーを飾った新連載『クレイターズシンクス』に話題沸騰!
 最初に紹介するのは田中レオン先生の推薦作『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』。
 映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』は、ディズニーランドの人気ライド『カリブの海賊』から生まれ、1作目の『呪われた海賊たち』の大ヒットからシリーズ化され、この『ワールド・エンド』は3作目である。もちろん劇場公開時には大ヒットした作品だ。
 海賊撲滅を謀る東インド会社のベケット卿に対抗するため、“海賊長の評議会”が招集された! その評議会には9人の伝説の海賊長が参加しなければならない。ところがメンバーの1人、ジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)は生と死の間にある“デイヴィ・ジョーンズ・ロッカー(海の墓場)”に囚われている。彼を助けるため、仲間のエリザベス(キーラ・ナイトレイ)とウィル(オーランド・ブルーム)は蘇った不死の海賊バルボッサ(ジェフリー・ラッシュ)とともに、デイヴィ・ジョーンズ・ロッカーの場所が記された“世界の果てへの地図”を入手すべく、9人の海賊長の1人サオ・フェン(チョウ・ユンファ)のもとへ向かうのだが……。
 有名な役者には当たり役と言われる役がある。トム・クルーズなら『ミッション・インポッシブル』のイーサン・ハント、キアヌ・リーブスなら『マトリックス』のネオ、マット・デイモンなら『ボーン・アイデンティティー』のジェイソン・ボーンがそれ。そしてジョニー・デップと言えば『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのジャック・スパロウ船長である! 自由気ままで欲望に忠実。その行動はまるでワガママな子供なのだが、それでいてなぜか憎めない。マヌケなところがあると思えば、ピンチとなると頼りになる不思議な男。このシリーズの魅力は彼だと言っていい。
 “デイヴィ・ジョーンズ・ロッカー(海の墓場)”でのジャックはまるでシュールな漫画の主人公だ。自分の分身たちと会話し、カニの波(!?)に乗って走る海賊船を追いかけるジャック(このシーンは実際に映画を見ないとイメージは難しいかも)。こんな不思議なシーンにぴったりハマる役者はそうそういない。
 さて、この状況から脱出するにはエリザベスやウィルらの助けが必要だが、そのためには彼らも危険で不思議な冒険をしなければならない。
 幽霊船のフライング・ダッチマン号。人間の身体に囚われた海の女神カリプソ。神話と迷信、忠誠と裏切り、呪いと愛。そのすべてが詰まったこの作品は、海賊の物語にふさわしく、怖くて残酷で、胸踊るアドベンチャー・ムービーである。

 

▼編集部オススメ、もう1本!
『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』
これを見れば、この作品をさらに楽しめるということで。

 

『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』

ディズニープラスで配信中
© 2023 Disney

 

●TITLE『Mommy/マミー』
母と息子の愛情とは

 田中先生の推薦作2本目は『Mommy/マミー』。ハリウッドの超メジャー映画から一転して、なんというか、ヨーロッパ映画が好きな人とか、サブカル好きの人が好む映画というか、しかもテーマがけっこう重い……。なんか真逆のテイストの推薦作でビックリです。いつも申しておりますが、作家さんとは予想不可能であります。
 母親にとって息子とはどんな存在か。息子にとって母親とはどんな存在か。いきなりこんな大問題を突きつけられても読者は困ると思うが、さらに困らせると、息子がいわゆる発達障害児(15歳)だったとしたら……。
 夫に先立たれたダイアンには一人息子のスティーヴがいるが、彼には発達障害があり、時には思いもよらぬ行為に及ぶこともある。その日もスティーヴが入所している施設で放火騒ぎを起こし、同じく入所していた少年に重度の火傷を負わせたため、知らせを受けたダイアンは施設に向かっていた。
 施設の職員から“普通なら刑務所行きです”と咎められても、“刑務所に入ったら2度と出られない。人生終わりよ!”と逆ギレするダイアン。しかたなく施設を追い出されたスティーヴを家に連れて帰るダイアンだったが、2人の生活は……。
 学校をドロップアウトし学歴のないダイアンは、上司の男性に媚びてなんとかやってきたような女性である。女子高生のようなミニ・スカートを履き、行き当たりばったりの生活態度だ。目が離せない息子を抱える彼女に、役所は生活保護を勧めるが、彼女のプライドはそれを許さない。
 一方、注意欠如、多動性障害、ADHDのスティーヴは、感情が爆発すると手に負えない。怒り出すと自分や他人を傷つけてしまうことさえあるのだ。それでいて、ダイアンが仕事をクビになると〝僕らにとってピンチは初めてじゃないよね。2人は最強のチームになるんだ。僕がしっかりママの面倒を見る〟と母を思いやる優しさも見せる。
 そんな時、ダイアンは向かいの家に住むカイラと出会う。カイラは夫の度重なる転勤によるストレスで吃音症になっているが、かつて教師だった彼女は、ダイアンが仕事に出ている間、スティーヴの面倒を買ってでる。
 カイラの指導で落ち着きを見せるスティーヴ。彼に教えることで自分を取り戻すカイラ。ダイアンも清掃業の仕事に励むようになり、3人は希望を取り戻したかに見えたが、スティーブが施設で重傷を負わせた子供の親から訴えられ……!!
 この作品の画面の縦と横の比率は1:1。映画ではみないサイズである。監督によるとこのサイズはプライベートな表現様式なのだそうだ。だがそのサイズが横に広がる時がある。スティーヴが自由を謳歌するシーンと、ダイアンがスティーヴの明るい未来を想像するシーンである。それが絶望を際立たせるものなのか、それとも希望の光なのか。さて、読者の皆さんならどう観ますか。まずはご鑑賞ください!

 

▼編集部オススメ、もう1本!
『レディ・バード』
こちらは母親と娘のお話。母親と娘もなかなか大変です。

 

●TITLE『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』
大人に向かうハリーの選択と決意とは⁉︎

 推薦者2人目、『クレイターズシングス』とらほたて先生(漫画)の推薦作1本目は『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』!
 生活保護を受ける崖っぷちシングルマザーがカフェで書き上げた児童文学が世界中でベストセラーになり、そのシリーズすべてが映画化された。それが『ハリー・ポッター』シリーズである。
 『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』は8作目にして最後の作品。
 早くに両親を亡くし、意地悪な伯父一家のもとで孤独な毎日を送っていた少年が、11歳の時に自分が魔法使いであることを知らされ、ホグワーツ魔法魔術学校へ入学することを許される。交通事故死したと言われていたハリーの両親は、実はかつて魔法界を支配していた闇の魔法使い、人々が恐怖から“名前を言ってはいけないあの人”と呼んだヴォルデモートとの闘いで亡くなっていたのだ。
 シリーズの前半は、ホグワーツ魔法学校での寮生活、親友となるロン、ハーマイオニーとの出会い、不思議で愉快な魔法の授業、魔法使いの人気スポーツ クィディッチ、三大魔法学校対抗試合といった、いわば異世界ファンタジーだったが、シリーズが進むにつれ無邪気だった子供時代は終わり、闇の勢力との闘いのダークファンタジーへと変貌していく。
 闇の魔法使いヴォルデモートの復活により、魔法界では次第に闇の勢力が増大し、ハリーたちの自由は奪われ、追い詰められる。ヴォルデモートは自分の魂を7つに分け、それを“分霊箱”に隠しているため、倒すことができない。彼を倒すにはすべての“分霊箱”を壊すしかないのだが……。
 PART1では、魔法省も闇の手に落ち、ハリーたちは逃亡者となる。ヴォルデモートを倒すため“分霊箱”を探す旅に出るハリー、ロン、ハーマイオニーの3人。だが彼らの闘いには多くの犠牲が伴う。仲間を失い、裏切りや憎しみに苦しむ。1作目からハリーの成長を観てきた観客は、どんどん暗い展開になっていくので心配になったのではないだろうか。
 シリーズ全編に流れるのはハリーとヴォルデモートの因縁である。その因縁は彼の親の時代まで遡る。
 大人には過去がある。過去の過ち、過去の嫉妬や妬み、そして本物の愛である。大人になるということは過去を作っていくことだ。その過去とは、今の選択や決意によって決まる。命を賭けてハリーを救った母、彼を導いてくれたダンブルドア校長、ハリーを嫌っていた教師のスネイプ。彼らの本当の過去を知り、ヴォルデモートとの最終決戦に臨むハリーの選択、決意とは!?
 時間があれば、最初から観たいシリーズだ! 

 

▼編集部オススメ、もう1本!
『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』
『ハリー・ポッターと賢者の石』の70年前が舞台。新シリーズもオススメ!

 

『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』

発売中 デジタル配信中
ブルーレイ:2619円(税込)
DVD:1572円(税込)

発売元:ワーナー・ブラザースホームエンターテイメント
販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント
© 2011 Warner Bros. Entertainment Inc. Harry Potter Publishing Rights © J.K.R. Harry Potter characters, names and related indicia are trademarks of and © Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

 

●TITLE『トップガン』
80年代を代表する若者ムービー

 とらほたて先生、推薦作2本目は『トップガン』。1986年の作品で、2022年に公開され大ヒットした『トップガン マーヴェリック』前日談である。あのトム・クルーズの出世作だ!
 “米海軍はトップ1%のパイロットのためにエリート学校を設立した。目的は失われつつある空中戦の技術訓練。世界最高のパイロットの呼び名はTOPGUN”なんともかっこいい出だしである。
 インド洋上でアメリカ海軍の空母に国籍不明のMiG-28が接近。F-14に搭乗中のピート・ミッチェル(トム・クルーズ)――コールサインはマーヴェリック――とレーダー役の相棒グースは僚機と共に、彼らを追い払おうとするが、MiG-28は反撃してくる! 冒頭から迫力満点のドッグファイト展開で、観客もロックオンである。
 この戦闘でトップガン入学が決まっていたマーヴェリックの僚機パイロットが離脱。マーヴェリックとグースが代わりにトップガンへ行くことになる。
 映画は天才的なパイロット マーヴェリックの成長物語である。トップガンでの厳しい訓練、女性教官との恋、訓練中に起こる親友の死を経験しながら、彼は本物のパイロットへと成長していく。
 見どころはなんといっても、迫力満点の航空アクションだ。アメリカ海軍の全面協力のもと、映画に登場する航空機はすべて本物! 時速1600キロのジェット機を肉眼で追えるものなのかは知らないが、戦闘シーンは本物の戦闘機を飛ばしているだけあってリアル! 観る者の興奮と緊張はハンパなしである。
 若き日のトム・クルーズの魅力も見逃せない。マガジンの映画特集で、多くのハリウッド俳優を取材する機会に恵まれたが、その中でもスターオーラがピカイチだったのは、トム・クルーズとロバート・ダウニー・ジュニアの2人だった。『トップガン』の彼は初々しく、年上の女性教官が夢中になるのも納得。
 役者と言えば、この作品でブレイクした若手俳優は多かった。マーヴェリックのライバル、アイスマンを演じたヴァル・キルマー。彼は『トップガン マーヴェリック』にも出演している。マーヴェリックの相棒グースの奥さんを演じたメグ・ライアンもこの映画でブレイク。その後ラブコメの女王と呼ばれるようになったのは有名な話。
 さて、もう1つこの映画で話題になったのは、ビーチバレーのシーン。トップガンの生徒たちがビーチバレーを楽しむシーンだが、彼らはくっきり割れた腹筋を“ほれ見ろ”と言わんばかりに見せびらかし(!?)、女性だけではなく、男子も魅了したのだった(憧れちゃうよね)。『トップガン マーヴェリック』では生徒たちが楽しむのは、バレーではなくアメフトになっていたが、鍛え上げられた肉体というのはいいものである。
 他にも音楽(主題歌『デンジャー・ゾーン』が大ヒット)、ファッション(フライトジャケットが大流行!)など、『トップガン』は80年代のイケてる要素満載の、若者ムービーなのだ!

 

▼編集部オススメ、もう1本!
『トップガン マーヴェリック』
やっぱ、続きは見ないとね!

 

『トップガン』

発売中
TV吹替初収録特別版 4K Ultra HD+ブルーレイ: 7,689円(税込)

発売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント
©1986, 2020 Paramount Pictures.

 

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