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弱小野球部と極悪ヤンキーが甲子園にマジのカチコミ! 『イレギュラーズ』松本直記先生インタビュー

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「マガポケ」にて好評連載中の『イレギュラーズ』は、私立常星学園の弱小野球部が、恐怖の不良校である盟俠高校と連合チームを組み、甲子園を目指す野球漫画。

 

クセの強い不良たちや、野球狂揃いの強豪校の生徒など、尖りに尖りまくったキャラクターたちがマウンド上で繰り広げるガチンコ勝負が魅力の作品です!

 

▼『イレギュラーズ』

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今回は、2月17日に単行本3巻が発売する本作の作者・松本直記先生にインタビューを実施!
作品を読んでいて伝わってくる「変なキャラ好き」の一面や、根底に流れる野球へのとめどない愛など、先生自身のことや本作が生まれたエピソードを語っていただきました!

 

●空想にふけっていた子ども時代

――先生が漫画家を目指したきっかけはなんですか?

 

松本直記先生:
小学校に上がって漫画を読むようになり、その中で自分も漫画を作ってみたいと思うようになりました。本格的に漫画家を志したのは、中学生の頃です。思えば幼少期からヒーロー物の人形を戦わせたりして遊んでいて、頭の中でキャラクターを動かして話を考えるのが好きな子どもだったんですよね。

 

――当時好きだった漫画はなんですか?

 

松本直記先生:
小学校のときに『世紀末リーダー伝たけし!』にハマったのがきっかけで、「もっといろんな漫画を読んでみたい!」と思ったんです。主に読んでいたのは「週刊少年ジャンプ」で、「週刊少年マガジン」だと『はじめの一歩』や『金田一少年の事件簿』を読んでいました。スポーツ漫画も好きで、『アイシールド21』は未だに僕の中でベスト1の漫画ですね。

 

――漫画家になって、いざ連載を持ってみていかがでしょうか?

 

松本直記先生:
連載をしていて感じるのは、時間と体調管理の大切さです。担当さんから「(週刊連載は)マラソンです」と言われたのが印象に残っていて、走り続けるための体力維持や、スケジュール管理はしっかりやらなければならないなと。連載する前からハードだろうと想定して、潰れてしまわないように準備はしていたんです……が、実際はもっと大変でした(笑)。

 

●クセのあるキャラクターを描きたかった

――『イレギュラーズ』はどういった経緯で生まれたのでしょうか?

 

松本直記先生:
僕自身としては、とにかくクセのあるキャラクターを沢山出したい! という気持ちがあって。“野球”という題材は担当さんからいただきました。

 

担当編集K:
読み切りを描いていた頃から、松本先生はクセのある変なキャラを描くのが好きだと感じていたんです。女の子の可愛さが売りの作品を描いたとしても、変な人を出す! みたいな。それが松本先生の武器だと感じて、「変なキャラを出しやすい野球漫画はどうですか?」と提案させていただきました。

 

松本直記先生:
ただ、僕は小学校から大学まで野球を経験していて、コロナ前までは野球観戦に足を運んでいたくらい野球が好きなので、生半可なものは描けないし描きたくないな……と思って少し悩みました。でも今は、野球を知らない人、敬遠していた人が、野球の魅力を知る機会になれたらいいな、と思いながら描いています。

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――エリート校とヤンキー校の連合チームというアイデアはどのようにして生まれたのですか?

 

松本直記先生:
最初は裏社会の野球でアウトローなやつらが活躍する話を考えていました。ですが、企画とキャラクターの両方にクセがありすぎると、お話として難しいんじゃないかということで、エリート校の常星と、ヤンキー校の盟俠の組み合わせになったんです。

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――イレギュラーズ(連合チーム)を描く上で意識されていることはありますか?

 

松本直記先生:
現実に不良高校を含む連合チームがあったら、応援されにくいと思うんです。甲子園で超強豪校を知名度0の高校が打ち負かしたら、「なんだここは……?」という空気感になりますよね。それが不良だったら尚更で。そんなダークホース的なチームでも、「こいつらも本気で野球やってきたんだぜ?」と感じてもらいたいので、キャラクター一人一人にしっかり焦点を当てて描こうと意識しています。

 

――主人公・日々野塁斗のキャラはどのように考えられましたか?

 

松本直記先生:
登場人物を考えていく中で、周りのクセが強くなっていったので、主人公はそいつらを光らせるためのポジションとして、最初は純粋で真っ直ぐなやつくらいに考えていたんです。ですが、話を追うごとに、良い意味で常人離れしているキャラになりました。担当さんと意見交換をする中で想定外のキャラになっていったので、僕個人としても日々野塁斗という人間が、今後どう成長していくのか楽しみです。

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――イレギュラーズはどのキャラも個性が光ってますよね。手堅くフォローをする木ノ瀬は、私的に好きなキャラです

 

松本直記先生:
木ノ瀬は、一人どっしり構えている人がいれば、塁斗もはっちゃけられるし、バランスを取れて良いなと思ってできたキャラです。僕にとっても木ノ瀬は重要な位置にいますね。いちばん僕らに近い存在かな(笑)。

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――盟俠高校のメンバーはどのように生まれましたか?

 

松本直記先生:
ヤンキーって、喧嘩慣れしているので身体能力が高いと思うんです。なので、喧嘩で培ってきた身体能力を野球で生かす姿が描けたら、面白いんじゃないかなと思って。

 

――キャラクターの見た目で意識しているところはありますか?

 

松本直記先生:
筋肉を描くのが好きなので、すぐゴツいキャラを描きたくなっちゃうんです。火狩なんかは初期設定では滅茶苦茶マッチョでしたから(笑)。

 

担当編集K:
元々のキャラクターラフはもっと『魁!男塾』とか『キン肉マン』くらいのゴリゴリな集団だったんですよね(笑)。

 

松本直記先生:
筋肉を盛りたくなる気持ちを抑えつつ、キャラクターをデザインしています。

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●ずっと野球に励んできた人たちの思いも大切にしたい

――強豪・凰林高校のメンバーも、イレギュラーズとは違った濃い面々ですよね。

 

松本直記先生:
僕自身、イレギュラーズを描きつつも「ずっと野球に青春を費やしているやつらが野球強いに決まってるじゃん?」という気持ちもあって、それを体現している学校です。キャプテンの鳳は人望も包容力もある主人公タイプ。一見嫌味な面が目立つ鷹宮は、才能があって努力しているからこそ、行きすぎた部分があるキャラ。天才に見える鷲澄も、確実に練習を積み重ねた上で今がある。落ちこぼれ×不良のイレギュラーズがのし上がってくる事に対して、野球をやっていた人からは反発もあると思うんです。そういった気持ちの消化を、イレギュラーズと対極に位置する凰林の戦いの中してもらえたらと思います。

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――では、凰林高校との練習試合でイレギュラーズが負けてしまう流れは、最初から決められていたのでしょうか?

 

松本直記先生:
そうですね。あの試合に関しては負けが既定路線でした。「そんな簡単にはいかねえぞ」というのを言いたくて(笑)。ですが、あの練習試合で負けたからこそ、連合チームにとって良い刺激になったと思いますし、横目で観戦していた盟俠の錦も、野球への想いが出てくるという展開になったと思っています。悔しい気持ちを抱えてどん底から這い上がっていく熱さを、あの敗北を起点に描ければなと。

 

――敗北によってイレギュラーズのみんなが一体となっていくように感じ、胸が熱くなりました。

 

松本直記先生:
結局のところ、どれだけやってる時間が長かろうが短かろうが、「本気でやってるやつらはかっこいいだろ?」という考えが根底にあので、彼らのガチンコなぶつかり合いを、今後もカッコよく描いていきたいです。

 

――先生のお気に入りのエピソードなどはございますか?

 

松本直記先生:
凰林高校に敗北した後、盟俠のメンバーが禊のためにボコボコにされそうなところを、錦が全て引き受けるところ(14話)です。僕も描いていて、「こいつ男やな!」と思いました。ネーム時に、担当さんと、凰林高校との練習試合のオチは錦が持っていく展開にしようと話していて。それがいい形で描けたなと思いました。マガポケのコミュニティ欄でも、読者の方が錦を気に入ってくれている様子で、再登場を楽しみにしてくれているので、反響がいただけて嬉しいです。

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●今後も尖った選手たちが続々登場!

――直近の展開では、常星の生徒会長・冥野ー青が加わってきましたね。

 

松本直記先生:
冥野は担当さんとの打ち合わせを重ねてできたキャラです。僕自身も冥野のあの加入の仕方は意外で、キャラが勝手に動いてくれる感じでした。過去に別の野球漫画の企画を作っていたことがあって、そのときの主人公が冥野のベースになっています。

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――主要メンバー以外ですと、1話に出てきたサングラスを掛けた竹田先生のインパクトも強かったです。

 

松本直記先生:
僕も竹田先生は好きです。上半身がごつい逆三角形のフォルムに惹かれるので、そこにハードボイルド要素を足して、感覚的なノリで出てきたキャラでした。個人的にはスピンオフできるほどネタがあるのですが、需要は……ないかな(笑)。

 

担当編集K:
ちょい役のキャラに魅力を感じてくれた方は、単行本カバー裏のおふざけコーナーに小ネタをたくさん入れているので、是非チェックしてください!

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――最後に、今後の見どころについてお聞きしたいです。

 

松本直記先生:
秋季大会に向けての合宿や練習試合が終わると、いよいよ本格的に甲子園を目指して進みます。ですが、イレギュラーズは何事も一筋縄にはいきません。スムーズに試合まで行けなかったりする部分も見どころになってくるかなと思うので、そちらも期待していただければ嬉しいです。

 

担当編集K:
個人的な注目ポイントとしては、常星学園のOBたちが登場するのですが、これまたクセのあるキャラで、イレギュラーズとの共演はさしずめ『ゴジラVS.コング』のようなてんこ盛り具合です。ぜひ、そこも楽しんで欲しいですね。

 

松本直記先生:
描いている僕としても、OBの立場にしてしまったのを勿体なく感じるくらいのキャラですね!

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――ありがとうございました! ちなみに、現在マガポケで注目している作品などはありますか?

 

松本直記先生:
『イレギュラーズ』同様に「スポーツブル」さんとの連動企画で連載している『デュアルマウンド』や『リトルハンズ』や『コンサルナイン』などの作品はとても熱く、毎週楽しませていただいています! スポーツ漫画以外ですと、『薫る花は凛と咲く』かな。何の気なしに読み始めたらもう……めちゃくちゃキュンキュンして、心が洗われました。ここ最近では一番ハマっていて、こちらもおすすめです!

 

▼『デュアルマウンド』

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▼『リトルハンズ』

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▼『コンサルナイン~小夜子の逆転プロデュース~』

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●『イレギュラーズ』単行本1~3巻、好評発売中!

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